更新日:2024年5月13日
共通対策編 第2章 災害予防計画 第12節 要配慮者支援計画
【災害対策本部事務局、健康福祉部、区本部】
- この計画は、高齢者や障がい者等のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に家族以外の第三者の支援がなければ避難することが困難と考えられる避難行動要支援者に対し、その障害等の内容、程度、能力等に応じ、迅速で的確な支援を実施するための体制の整備を図る事項を定めたものである。
1 支援体制の整備
(1) 避難行動要支援者名簿に掲載する者の範囲
- 市は、浜松市災害時避難行動要支援者支援計画に基づき、以下の要件に該当する者を「避難行動要支援者」として指定し、災害時等の支援を目的に名簿(以下「避難行動要支援者名簿」という。)を作成する。
※避難行動要支援者名簿の対象者
No. |
対象者 |
基準 |
根拠 |
(1) |
高齢者 |
65歳以上の高齢者世帯又はひとり暮らし |
はままつあんしんネットワーク対象者 |
(2) |
要介護者 |
要介護3以上判定 |
介護保険法(※1)に規定する要介護認定 |
(3) |
身体障害者 |
身体障害者手帳1級又は2級 |
- 身体障害者福祉法(※2)第15条第4項
- 身体障害者福祉法施行規則(※3)別表第5号
|
(4) |
知的障害者 |
療育手帳A判定 |
- 療育手帳制度について(※4)
- 療育手帳制度の実施について(※5)
|
(5) |
精神障害者 |
精神障害者保健福祉手帳1級 |
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条第2項
|
(6) |
その他 |
自力では避難ができない事情を抱える人 |
登録申請書兼同意書の記載内容 |
(2) 避難行動要支援者の把握、名簿、避難行動要支援者個別避難計画の作成等
- 市は、発災時の適切な対応に役立てるため、平常時から市が把握している下記の要配慮者(※6)にかかる情報を積極的に活用し、避難行動要支援者を把握する。
- 地域における支援体制の整備のために、災害時に支援を希望する避難行動要支援者のうち、本人情報を避難支援等関係機関(※7)へ提供することに同意した者の名簿(以下「同意者名簿」という。)を作成し、避難支援等関係機関へ提供する。避難支援等関係機関は、同意者の状況把握に努める。
- 提供する避難行動要支援者名簿には、市が把握する情報及び本人から聴取した内容をもとに、以下の情報を記載する。
- 氏名、生年月日、性別、住所(居所)、電話番号、避難支援を必要とする情報等、その他避難支援等の実施に関し市長が必要と認める事項
- 市は、防災担当部局や福祉担当部局など関係部局との連携の下、避難支援等関係機関と連携して、名簿情報に係る避難行動要支援者ごとに、作成の同意を得て、避難行動要支援者個別避難計画を作成するよう努めるものとする。また、土砂災害(特別)警戒区域又は計画規模の洪水浸水想定区域で浸水深が3m以上の地域に居住し、要介護度が4~5又は身体障害者手帳1~2級で障害区分が視覚・下肢・運動機能・体幹に該当する対象者については、令和7年度までを目途に、避難支援等関係機関などの協力を得て個別避難計画を作成するように努めるものとする。
- 避難行動要支援者個別避難計画については、避難行動要支援者の状況の変化、ハザードマップの見直しや更新、災害時の避難方法等の変更等を適切に反映したものとなるよう、必要に応じて更新するとともに、庁舎の被災等の事態が生じた場合においても、計画の活用に支障が生じないよう、避難行動要支援者個別避難計画情報の適切な管理に努めるものとする。
- 市は、避難行動要支援者個別避難計画が作成されていない避難行動要支援者についても、避難支援等が円滑かつ迅速に実施されるよう、平常時からの避難支援体制の整備、避難支援等に携わる関係者への必要な情報の提供、関係者間の事前の協議・調整その他の避難支援体制の整備など、必要な配慮をするものとする。
- 市は、被災者支援業務の迅速化・効率化のため、避難行動要支援者名簿及び個別避難計画の作成等にデジタル技術の活用に努める。
≪市が把握する要配慮者支援情報≫
No. |
対象者 |
提供資料 |
管理課 |
(1) |
高齢者 |
高齢者台帳 |
高齢者福祉課、中央福祉事業所長寿支援課、浜名(天竜)福祉事業所長寿保険課 |
(2) |
要介護者
要支援者 |
要介護認定者·要支援認定者一覧 |
介護保険課、中央福祉事業所長寿支援課、浜名(天竜)福祉事業所長寿保険課 |
(3) |
身体障害者 |
身体障害者手帳交付台帳 |
障害保健福祉課、中央(浜名・天竜)福祉事業所社会福祉課 |
(4) |
知的障害者 |
療育手帳交付台帳 |
障害保健福祉課、中央(浜名・天竜)福祉事業所社会福祉課 |
(5) |
精神障害者 |
精神障害者保健福祉手帳交付台帳 |
障害保健福祉課、中央(浜名・天竜)福祉事業所社会福祉課 |
(6) |
その他 |
必要となる情報 |
関係各課 |
(3) 情報提供及び意識啓発
- 防災主管部局、福祉部局等が連携し、福祉関係者の協力を得ながら、地域住民とともに同意者への避難支援体制づくりを平常時から地域で進めていただけるよう避難行動要支援者個別避難計画等の活用や必要な情報提供、意識啓発を行う。
(4) 防災訓練
- 個別避難計画の実効性を確保する観点等から、自主防災組織や福祉関係団体等の協力を得ながら、避難行動要支援者に対する情報伝達体制の整備、避難支援・安否確認体制の整備のため、避難訓練の実施等に取り組むものとする。
- 訓練により明確となった課題等を本人及び市並びに地域関係機関等で意見交換をするなど平常時から避難行動支援について連携を取り合うよう努める。
(5) 名簿等情報の管理
- 同意者名簿の更新は、最低年1回更新を行うものとし、自主防災組織等においても、地域防災訓練等を通じて情報更新に努める。
- 庁舎の被災等の事態が生じた場合においてもすぐに名簿等を活用できるよう、名簿情報の管理に努める。
- 作成された名簿等は市、避難支援等関係機関で共有する。
- 市から提供される同意者名簿や避難行動要支援者個別避難計画について、提供を受ける避難支援等関係機関は、個人情報が漏洩することがないよう適正に管理する。
(6) 支援者の確保・研修
- 市は、災害時及び災害後に必要となる避難行動要支援者の支援に関わる人材(※8)の確保に努める。
- 市及び自主防災組織等は、上記支援者となった者に対し、支援者自身の安全確保を含めた災害時における適切な行動を学習する機会を設けるとともに、避難行動支援に必要な情報等について積極的に提供するよう努める。
(7) 情報伝達
- 市は、避難行動要支援者にわかりやすい情報伝達の体制の整備を図る。
- 市は、災害時又は災害に備えるために避難情報の判断基準(※9)を定め、避難行動要支援者に適切な避難開始時期等が把握できる連絡体制を整備する。
- 市は、視覚・聴覚障がい者への情報伝達については、携帯電話メール機能等の活用を図る。
(8) 要配慮者利用施設における避難確保措置等
- 要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、自然災害からの避難を含む非常災害に関する具体的計画を作成し、訓練を実施するものとする。
- 市は、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設(※10)の避難確保に関する計画の作成や避難訓練の実施等について、要配慮者利用施設の所有者又は管理者に指示する。また、市は、当該施設の所有者又は管理者に対して、必要に応じて、円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な助言等を行うものとする。
(9) 地区防災計画等との整合
- 市は、地区防災計画等が定められている地区において、避難行動要支援者個別避難計画を作成する場合は、地区防災計画等との整合を図るとともに、訓練等を通じて円滑な運用に努めるものとする。
1 平成9年法律第123号
※2 昭和24年法律第283号
※3 昭和25年厚生省令第15号
※4 昭和48年9月27日厚生省発児第156号事務次官通知
※5 昭和48年9月27日厚生省児童家庭局長通知
※6 高齢者、障がいのある人、乳幼児、妊産婦、傷病者及び外国人等をいう。
※7 自治会、自主防災組織、社会福祉協議会、民生委員・児童委員、警察、消防機関、NPO、在宅の高齢者や障がい者宅を訪問する機会のある福祉専門職等。
※8 手話通訳者、要約筆記者、外国語通訳、ガイドヘルパー、介護技術者等。
※9 「共通対策編 第2章 第6節 住民の避難体制」による。
※10 要配慮者利用施設一覧表(浸水想定区域・土砂災害(特別)警戒区域内施設)/資料編4-13