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更新日:2023年4月7日

第3章 浜松市の特性

本市が地域に根ざした個性あふれるまちづくりを進めるためには、本市の持つ様々な地域資源を大切にするとともに、地域が抱える課題について明らかにしていく必要があります。
伸ばすべき強みや克服すべき弱みを、本市の特性として、以下のようにまとめます。

1 ものづくり産業の集積

本市は、我が国有数のものづくり産業の集積都市として、何事にも積極果敢に取り組む地域独自の気質である「やらまいか精神」のもと、自動車やオートバイ、楽器、光技術などの高度な産業技術を生み出すとともに、多くの偉大な起業家を輩出し、日本はもとより世界的な産業の発展に貢献してきました。
しかしながら、近年は、環境性能の高い次世代自動車新エネルギー分野への対応をはじめ、世界的な規模で進む技術開発競争や生産拠点の国内外への流出などの課題を抱えており、特に、平成20年秋以降の世界同時不況により、本市の経済を支えるものづくり産業は深刻な影響を受けています。
今後は、これまで培われてきた市民風土を背景に、産学官が一体となって、技術革新や環境面などの新たな産業の創出、さらには、それらを支える人材の育成や知財の活用に取り組むことで、活力に満ちた産業活動の展開を図る必要があります。

2 特色ある農林水産業

本市は、高い品質と生産量を持つ果樹や施設園芸、中山間地域の特性を活かした茶業など、様々な農業が盛んな地域です。中でも、みかんやガーベラ、馬鈴薯、たまねぎ、茶などの農産物は、全国的に有名な地域のブランドであり、本市の主要産業として位置づけられます。また、市域の68%を占める森林は、日本三大人工美林の一つ「天竜美林」と呼ばれ、地域の林業を発展させる重要な役割を果たしてきました。さらに、遠州灘や浜名湖では、シラス、アサリ、ウナギ、トラフグなど、豊富な漁業資源を対象とした水産業が営まれています。
しかし、今日では、担い手の減少や高齢化により、耕作放棄地や放置林の増加など農地や森林の荒廃が進んでおり、農林水産業の再生とともに、農地の活用、間伐の推進などの適正な維持管理が求められています。
今後は、農林水産業従事者の育成を図るとともに、商工業との連携による技術革新や食の安全性の確保、地域ブランド化の更なる推進などにより産地力を高めることが必要です。

3 豊かな文化

本市には、固有の歴史や風土に培われた文化財をはじめ、浜松まつりや遠州大念仏、歌舞伎、神楽など、日常生活や地域に根ざした行事や祭事が多数存在しています。これらは、人々の暮らしの中から生まれ受け継がれており、本市特有の文化や個性豊かな地域を創造してきました。
中でも、音楽は、楽器産業の集積を背景に、浜松国際ピアノコンクールプロムナードコンサートを開催するなど、芸術性の高いものから市民が身近に楽しむものまで、音楽を通じた市民文化を醸成しています。現在では、国際イベントの定着や音楽を主体とした市民活動がますます拡大することで、「楽器のまち」とともに「音楽のまち・浜松」としても、国内外に広く知られるようになっています。
文化が都市の個性として定着し、貴重な財産として後世に引き継がれていくためには、幅広い世代に親しまれ、生活や地域に身近なものとして受け入れられる必要があります。
こうしたことから今後は、音楽文化を基軸として、各地域の歴史的・伝統的文化資源をすべての市民が浜松の貴重な財産であることを認識し、これらを生かした文化芸術活動を活発化させることにより、暮らしの中に豊かさが感じられる創造的、文化的なまちづくりが必要となっています。

4 世界を身近に感じることができる都市

本市は、世界に冠たる技術を誇る企業が立地し、企業活動を通じ海外での滞在経験を積んだ市民や本市の経済活動を支える外国人市民が数多く住んでいることから、市民が多様な文化に触れる機会があり、世界を身近に感じることができる都市です。
また、世界一の楽器産業の集積を活かし、世界の共通言語とも言える音楽によるまちづくりに一貫して取り組んできており、中でも浜松国際ピアノコンクールの開催は、若手ピアニストの登竜門として、国内外の音楽関係者から高い評価を得ています。
今後においても、世界に貢献する都市を目指し、世界との交流や連携・協力、さらには、情報発信を通じ、本市の世界都市としての認知度の向上や外国人市民との共生に向けた取り組みが必要です。

5 恵まれた自然環境

本市は、広大な森林をはじめ、天竜川や浜名湖、遠州灘などの豊かな自然環境に恵まれ、動植物の生息に関しても多様性が見られます。この豊かな自然環境が人々の生活に潤いを与え、多様な文化をはぐくむとともに、産業発展の礎となってきました。
こうした多様な自然環境のうち、森林は、水源かん養や二酸化炭素の吸収などの公益的機能を有しており、市民生活や企業活動を支える重要な役割を果たしてきました。
また、浜名湖は汽水湖として漁業資源に恵まれ、多くの観光客が訪れる観光資源ともなっていますが、一部では、生活雑排水などによる水質汚濁が課題となっています。
このほか、遠州灘海岸では、海岸侵食の影響により砂浜が大幅に減少しています。このため、産学官が協働する調査・研究など、自然環境に配慮した対策が必要です。
今後においては、恵まれた自然環境を本市の財産として受け止め、環境学習を通じた意識啓発により、市民の生命と生活を支える自然環境の保全や、自然環境と共生する循環型のまちづくりが必要です。

6 全国に類を見ない地域の多様性

本市は、JR浜松駅を中心とした都市的機能が集積する都市部、農業が盛んな平野部、広大な森林を擁する中山間地域、さらには、漁業が営まれる沿岸部までと、全国に類を見ない地域の多様性を有しています。
こうした地域の多様性が生み出す都市的活動や個性あふれる祭事、伝統芸能などの文化活動は、都市の魅力の向上につながるとともに、交流人口、定住人口の増大を誘引するものであり、本市の大きな強みとなっています。
その一方で、本市が抱える課題は、地理的条件や各地域のコミュニティに応じた、全市の均衡ある発展と地域固有の行政サービスの展開との両立など特有な課題を抱えています。
このため、都市の一体感の醸成に努めるとともに、地域それぞれの生活環境の違いをお互いに理解し合い、課題解決に向けた共生・共助の取り組みを進めることにより、地域の個性を大切にし、様々な主体が活躍することのできる特色を生かしたまちづくりを進めることが必要です。

7 広域的役割

本市は、国内のものづくり産業の拠点である中部圏において、名古屋市に次ぐ第2の都市として、産業や文化など様々な分野で、地域をけん引する重要な役割を担います。また、複雑化する行政課題に対し、地域として自立した政策対応が求められており、市町村の枠組みにとらわれることなく、隣接自治体との連携・補完による対応が重要です。このため、本市としても、道州制を視野に入れた県境を越える広域連携に積極的に取り組む必要があります。
とりわけ、愛知県東三河地域、静岡県遠州地域、長野県南信州地域で構成される人口約230万人の三遠南信流域都市圏は、その県境を越えた取り組みが全国的にも注目されており、本市はこの拠点都市として、地域の発展のために大きな役割を果たしていかなければなりません。
今後においても、静岡県や三遠南信流域都市圏における本市の役割を認識するとともに、都市部と中山間地域の交流促進など課題解決に向け、関係市町村との連携・協力を進めることが必要です。

8 都市部から中山間地域に至る様々な特性と課題

本市では、郊外への大型商業施設の進出などにより都心機能が分散し、都心の求心力が低下しています。本市の発展をけん引する地区として、風格とにぎわいのある都心空間を創出するとともに、商業・業務機能にとどまらず、市内外をつなぐ情報発信や交流、コンベンション機能など、機能の充実が必要となっています。
一方、中山間地域においては高齢化が進行しており、地域コミュニティの維持、公共交通や道路網の整備、行政サービス低下への不安解消、地域固有のニーズへの対応などの課題が山積しています。
また、本市は、女性の就業率が高く、保育サービスへのニーズが増加している状況にあります。子育てをしながら安心して働ける環境の整備やサポート体制の充実は、少子化対策及び地域経済の振興の両面において重要な課題となっています。
このほか、救急医療や病院と診療所の連携など、医師会の協力の基に構築している医療体制は、本市の特徴の一つです。さらには、県西部浜松医療センター内にメディカルバースセンターを設置するなど産科医療の充実も進めています。一方、中山間地域では、産婦人科を専門とする医療機関がないなど、診療科の偏在や、通院、搬送に課題があり、更なる医療体制の充実が求められます。
さらに、本市には、約3万人の外国人市民が暮らしており、外国人市民と共生する社会づくりに向けた取り組みを継続的に進めていく必要があります。

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