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更新日:2015年9月17日

住民監査請求結果(平成27年8月20日) 3

第3 請求人の陳述等

請求人の陳述(提出された補足資料と同趣旨のためその原文を記載)

1 監査請求の要旨

(1) はじめに

公共文化施設であった「森岡の家」の財産としての価値評価に不備があり、その後の管理運用において不当な処分が決定され解体のための工事が強行され、工事代金が公金から支払われようとしている。
市民の信託を受けた財産(建物、庭園、樹木)の管理において、その価値をおとしめる、またはその価値を見過ごす行為が有ってはならないことは自明なことです。それは即物的・金銭的価値のみならず、「文化財保護法」や「景観法」、「緑の保全と育成条例」などにうたわれた価値についても同様で、即座に計量化し難いものではありますが、市民の文化・社会的生活と密接に関わる重要な「価値」といえます。これらの価値は生活の質や豊かさを示すものとして、また地域振興やにぎわい創出など地域経済にも恩恵をもたらすものとして重要な位置付けがなされています。今回の監査請求においては、財産の価値評価、とりわけその文化的側面が重要になってきますので、それに関係する法令などの代表的な部分を紹介させていただきます。

■文化財保護法(昭和二十五年五月三十日法律第二百十四号)

第一章 総則

(この法律の目的)

第一条 この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。

(文化財の定義)

第二条 この法律で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

  • 一 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書籍、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
  • 二 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
  • 三 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
  • 四 貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとつて歴史上又は学術上又は鑑賞上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとつて学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
  • 五 地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(以下「文化的景観」という。)
  • 六 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの(以下「伝統的建造物群」という。)

2 この法律の規定(第二十七条から第二十九条まで、第三十七条、第五十五条第一項第四号、第百五十三条第一項第一号、第百六十五条、第百七十一条及び附則第三条の規定を除く。)中「重要文化財」には、国宝を含むものとする。
3 この法律の規定(第百九条、第百十条、第百十二条、第百二十二条、第百三十一条第一項第四号、第百五十三条第一項第七号及び第八号、第百六十五条並びに第百七十一条の規定を除く。)中「史跡名勝天然記念物」には、特別史跡名勝天然記念物を含むものとする。
(政府及び地方公共団体の任務)

第三条 政府及び地方公共団体は、文化財がわが国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、且つ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存が適切に行われるように、周到の注意をもつてこの法律の趣旨の徹底に努めなければならない。
(国民、所有者等の心構え)

第四条 一般国民は、政府及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行う措置に誠実に努力しなければならない。
2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
3 政府及び地方公共団体は、この法律の執行に当つて関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。

■景観法(平成十六年六月十八日法律第百十号)

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、我が国の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第二条 良好な景観は、美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることにかんがみ、国民共通の資産として、現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう、その整備及び保全が図られなければならない。
2 良好な景観は、地域の自然、歴史、文化等と人々の生活、経済活動等との調和により形成されるものであることにかんがみ、適正な制限の下にこれらが調和した土地利用がなされること等を通じて、その整備及び保全が図られなければならない。
3 良好な景観は、地域の固有の特性と密接に関連するものであることにかんがみ、地域住民の意向を踏まえ、それぞれの地域の個性及び特色の伸長に資するよう、その多様な形成が図られなければならない。
4 良好な景観は、観光その他の地域間の交流の促進に大きな役割を担うものであることにかんがみ、地域の活性化に資するよう、地方公共団体、事業者及び住民により、その形成に向けて一体的な取組がなされなければならない。
5 良好な景観の形成は、現にある良好な景観を保全することのみならず、新たに良好な景観を創出することを含むものであることを旨として、行われなければならない。

(国の責務)

第三条 国は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、良好な景観の形成に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 国は、良好な景観の形成に関する啓発及び知識の普及等を通じて、基本理念に対する国民の理解を深めるよう努めなければならない。

(地方公共団体の責務)

第四条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、良好な景観の形成の促進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その区域の自然的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第五条 事業者は、基本理念にのっとり、土地の利用等の事業活動に関し、良好な景観の形成に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。

(住民の責務)

第六条 住民は、基本理念にのっとり、良好な景観の形成に関する理解を深め、良好な景観の形成に積極的な役割を果たすよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。

■浜松市景観条例(平成20年12月11日)

第1章 総則

(市の責務)

第3条 市は、良好な景観の形成に関する施策を総合的に策定し、及びこれを計画的に実施するものとする。
2 市は、建築物、工作物(建築物を除く。以下同じ。)その他の公共施設の整備を行うに当たっては、良好な景観の形成のために先導的な役割を果たすものとする。
3 市は、良好な景観の形成に関し、市民及び事業者の意識の高揚及び知識の普及に努めるものとする。

■浜松市緑の保全及び育成条例 昭和62年3月31日/浜松市条例第14号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、緑の保全及び育成に関する市の施策並びに緑豊かな環境をつくり、守り、及び育てることについて必要な事項を定めることにより、親しみ、愛着及び誇りの持てる郷土の建設並びに健康で文化的な市民生活の向上に資することを目的とする。

(平20条例89・全改)

(市の責務)

第2条 市は、緑の保全及び育成を図るため、総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

(平20条例89・一部改正)

(市民及び事業者の責務)

第3条 市民は、自らの個性と創意を発揮することにより、緑豊かな環境の形成に努めなければならない。
2 事業者は、その事業活動の実施に当たっては、緑の保全及び育成について必要な配慮をしなければならない。
3 市民及び事業者は、市が実施する緑の保全及び育成に関する施策に協力しなければならない。

(平20条例89・一部改正)

(先導的役割)

第4条 市は、道路、公園その他の公共の用に供する施設(以下「公共施設」という。)の整備を行うに当たっては、緑の保全及び育成に先導的役割を果たすよう努めるものとする。
(平20条例89・一部改正)
(調査及び研究)

第5条 市長は、緑の保全及び育成のために講じるべき施策の策定並びにその実施に必要な調査及び研究に努めるものとする。

(平20条例89・一部改正)

(市民意識の高揚等)

第6条 市長は、緑の保全及び育成に関する市民の意識を高め、又は知識の普及を図るために必要な措置を講じるものとする。

■浜松市民憲章の一節

『自然の恵みに感謝し、美しい郷土を未来につなげます』
山、川、海(天竜の山林、浜名湖、遠州灘など)浜松市は自然に恵まれた地域です。浜松市民としてこの豊かで美しい自然を未来に残します。
『ふるさとを誇り、歴史を伝え、伝統を受け継ぎます』
祭事、音楽、産業、建造物など、浜松市には様々な文化と伝統があります。この文化と伝統を浜松市の誇りに思い、受け継いでいきます。

(2) 状況及び背景説明

旧平野家住宅及び屋敷林が平成5年、保存を条件に旧浜北市に寄附され、文化施設「森岡の家」として指定管理者/浜松市文化振興財団により維持管理されてきたが、平成20年の耐震調査の結果(倒壊の危険性あり)を受け、以降は見学のみの施設として保存されてきた。平成25年に公共施設再配置計画のもと施設廃止の方針が確定され、浜北区協議会の答申を経て平成26年3月の市議会で施設廃止が議決された。

(3) 監査請求の理由

ア 財産の管理を怠る事実

  • (ア) 浜松市長は、平成5年の当該施設寄附時の書面に記載された「寄附の理由」(故平野繁太郎生前の意志により、浜北市文化の発展に寄与のため。)や「寄附の条件」(家屋・長屋門・土蔵及び松・イチョウ等大径木並びに竹薮等については、保存していただきたい。)に反して、施設廃止及び解体・伐採の予算執行をしようとしている。
    平成3年、故平野繁太郎氏と旧浜北市の間で無償貸与の覚書が締結され、その2年後、繁太郎氏が亡くなられた年に旧浜北市に寄附されています。
    文化施設としての保存・活用という明確な理由と条件が付された、いわゆる「負担付き寄付」にあたると考えられますが、「施設廃止及び解体の決行」はその負担に伴う義務の不履行となり、寄付者のご厚意に反するばかりか、返還請求を受ける事態も想定されます。社会情勢の大きな変化や、対象物の風化・自然災害といった義務の不履行におけるやむを得ぬ理由は特定出来ません。平成5年に旧浜北市、平成17年からは浜松市民の財産となった当施設が、根こそぎ喪失されようとする事態に至ったことは、財産管理上の不備または管理を怠る事実と言わざるを得ません。
  • (イ) 浜松市長は、当該建造物のような歴史的・文化財的価値が評価され保存されている伝統的建造物については、それをもって施設存続を判断する資料としては適切とは言い難い簡略な「一般診断法」のみによって耐震性評価をし、より詳細な構造解析による耐震診断を行わなかった。また、その一般診断結果自体にも有資格者の非明示、計算ミス、記載不備が見受けられ信憑性を欠くものであり、この耐震診断業務に関して不当な業務報酬が支払われた可能性が高いといえる。そうした不備な診断結果を基に不適正な財産価値の評価をした。以降、不当に低い価値評価のまま、ことさら実体のない耐震性の低さや老朽化を強調され、施設廃止もやむなしといった風潮が形成され施設存続の可否が審議され、施設廃止の合意形成がされた。
    平成20年の「一般診断法」による耐震診断データは、既に所轄課にて検証されているでしょうが、私達は全く信憑性を欠く資料と判断しています。平成21年から、この「一般診断法」のデータをもとに、まずは施設利用が中止され、その後の施設再配置計画において施設廃止の方針が決定しました。当診断結果に基づいたために、必要以上に高額な改修費用が算定され、費用対効果の検証や意匠改変による文化財的価値の低下の懸念から「施設廃止」の判断がなされたとすれば、この判断には根源的な瑕疵があったと言わざるを得ません。
    仮にこれが適切に作成された診断結果だったとしても、当時すでにこのような歴史的建造物に対応した「限界耐力計算法」や「精密診断法」といった耐震診断法が確立されていた状況下で、この簡略な耐震診断しかなされなかったことは、寄付者のご厚意に反するばかりか、自らの財産価値を貶める行為であり、財産管理における不作為または管理を怠る事実であったと言えます。
  • (ウ) 浜松市長は、施設廃止の基本要件であったその耐震性に関して、平成27年1月に静岡県建築士会から、その情報の不適切さとともに詳細判断による安全性を確認した旨の指摘を受けた後も、施設の存続を見直す措置をとらず、財産の有効活用が阻害された。
    資産価値を決定づける基礎情報に誤りがあれば、正当な情報のもとに再評価すべきことは自明です。
    公共施設再配置計画における施設の有用性判断の基礎的資料が覆されたにもかかわらず、当初の行政判断に固執し、浜北区協議会や市議会で議決されたことを理由に、施策の見直しを行いませんでした。市議会での議決は行政の判断に起因するものであり、その判断に誤りがあった可能性があれば、新たな検証のもと再審議も然るべきと考えられます。
    不当な情報のもとに決定された当初の行政判断に固執し、本来あるべき財産の有効活用が阻害されたこと、とりわけ地域固有の文化的資源の喪失といった取り返しのつかない事態を招いたことは、貴重な財産の管理を怠る事実と言えます。
  • (エ) 浜松市長は、平成24年に作成された「旧平野家住宅建造物群調査報告書」や静岡県「ふじのくに文化資源データベース」に登録されているといった、施設の文化的価値を位置づける重要な情報が既にあったにもかかわらず、浜北区協議会や市議会の市民文教委員会において開示しなかったことにより、財産価値の評価に偏りが生じた。
    市から提示いただいた森岡の家に関する経緯の資料によると、およそ平成23年に行政内で施設廃止の方針が決定されて以来、行財政特別委員会や浜北区協議会、地元自治会、市民文教委員会から市議会へと粛々と合意形成の行政作業が進められましたが、どの協議においても文化的価値を位置づける情報や負担付き寄附に関する情報など、決定方針にとって都合の悪い情報は開示されませんでした。平成5年に寄附される以前は、屋敷内の黒松の樹木群が「保存樹林」の指定を受けていました。また平成23~24年には既に静岡県「ふじのくに文化資源データベース」に登録されています。さらに平成24年には、「旧平野家住宅建造物群調査報告書」が提出されています。当初からの文化財的価値の認識を示す平成5年の旧平野家寄附時の資料にいたっては、情報開示請求によりやっと公開されました。「施設廃止」の市議会議決後、平成26年10月の浜北区協議会においては、松島委員から再度、施設廃止への異議が述べられるとともに、「旧平野家住宅建造物群調査報告書」が開示されなかったことへの行政の不備が指摘されました。
    こうした不当な情報操作ともいえる行政手法により、財産価値の評価に偏りが生じ公正な合意形成が阻害されました。このことは、財産の管理を怠る事実と考えられます。
  • (オ) 浜松市長は、平成5年に寄附を受ける以前は屋敷前面の黒松並木が旧浜北市の「保存樹林」として指定されていたが、その情報を浜北区協議会や市議会の市民文教委員会において開示しなかったばかりか、屋敷林の具体的な樹木調査もしないまま落葉・倒木の被害(本来は市の庭園管理上の不備が原因)ばかりを強調し、財産の負の評価につながった。
    「森岡の家」では、かつて「保存樹林」でもあり、その文化・自然的価値の高さから保存を条件に寄附された樹木群や庭園が、その貴重さの認識もなく現地調査や管理計画の検討もないままに所有されてきました。しばしば近隣住民から樹木管理への苦情もうけていたようです。平成26年からの施設廃止後と言えども、管理責任は所有者である市にありますが、手入れすることもなく放置され、その管理不備に起因する落葉や倒木などの被害を、一部の住民の意見のみを強調し、あたかも施設の資質に由来するかのごとく吹聴することにより、施設の資産的価値を貶めました。財産の管理を怠る又は放棄する事実がここにあると考えます。
    平成27年1月に日本樹木医会静岡県支部より、主要樹木の診断調査報告書が市に提出され、その文化・自然資源的価値の高さと保存への期待が表明されるとともに、樹木管理の不備も指摘されました。さらに、平成27年4月には「緑と歴史を守る浜北植木業者の会」による樹木管理奉仕の申出がなされました。しかしながら、市は「施設廃止」の方針に固執し、現在も剪定等の措置が採られないまま放置され続けています。これら一連の不作為は、「緑の保全と育成条例」から「市民の森」「保存樹または保存樹林」制度を設け、自然環境の保全を民間に推奨しながら、その実践においては自ら先導的立場にあるはずの行政による背信行為と考えます。
  • (カ) 浜松市長が行った、財産処分(施設廃止)をめぐる市民や地元住民の合意形成過程において不備があり、施設廃止の議決がマスコミに公表された後、多くの一般市民や地元住民、専門家や有識者達による処分中止や施設保存の要望、利活用の提案が出された。一方で各自治会や町内会での審議を経ていないのは明白であるのも関わらず、その自治会長や町内会長連盟の署名・捺印による「伐採・整地の要望書」を地元住民の総意として偏重し、地元住民間での対立を助長した。
    およそ平成23年に行政内で施設廃止の方針が決定されて以来、粛々と合意形成の行政作業が進められましたが、「施設廃止」が議決され広く市民の知るところとなった段階で、各方面から「保存の要望」が噴出しました。もとより都合の悪い情報が伏せられた上で合意形成であり、浜北区選出市議会議員や地区協議会委員からの異議にも拘わらず、当初の決定方針を強行的に推進して、今日の捻れ状態に至っています。
    平成26年10月から「森岡の家」市民の会と市との間で、保存と利活用に関する折衝が進められ、平成27年3月、普通財産のままで、公費に頼らない施設改修と事業計画を含んだ「森岡の家」利活用計画を市に提出しました。事前に「緑と歴史を守る浜北植木業者の会」による樹木管理奉仕の申出も受けていましたので、平成27年1月に提出された地元自治会長連名の要望書にうたわれた樹木被害等に関する危惧も払拭したかたちでの利活用計画でした。
    しかし市は、あくまで地元の合意が必要とのことで、先の地元自治会長連名の要望書の撤回が施設存続の必須条件という新たなハードルを設定しました。もともと区役所主導の要望書であったという言質もあり、自治会や町内会での審議を経ない会長個人の連名によるものです。何度か交渉に当たりましたが、一部に平野家に対する個人的な怨念を強く抱く者があり、ひとまず説得活動を中断し、地元貴布祢住民の保存に向けた署名活動を展開し、現在950名を越す署名が集まっています。訪問時に留守の方も多いのですが、地元住民のおよそ7~8割方は保存・活用に賛同しているものと考えます。地元自治会長連名の要望書が、地域住民の意向を十分に汲上げたものとはとても言い難い状況です。
    以上のことから、情報の非開示も含め適正に合意形成がなされたとはいえず、財産の処分にまつわる管理を怠る事実があるものと考えられます。結果として、市民の合意が得られていない施策に対する公費の支出となります。

イ 違法・不当な解体工事の強行による工事契約及び公金の支出

  • (ア) 平成26年9月に「森岡の家」市民の会からの保存要望と利活用に関する事業計画、平成27年になって「緑と歴史を守る浜北植木業者の会」による樹木管理奉仕の申出や施設保存の要請、地元貴布祢住民中心の市民団体「森岡の家・利活用推進協議会」による利活用の要望が出されたが、平成27年6月、3団体に向け解体執行の最後通告がなされた。浜松市長がこのように違法・不当な森岡の家解体工事を強行し、それに公金を支出することは許されない。
    (上段ア/(カ)と同様の陳述内容となるため省略。)

(4) 自治体の損害

「森岡の家」は、施設そのものの文化財的価値にとどまらず、長い時間を経て形成され歴史的景観や大樹群により構成された自然環境を擁し、地元住民のみならず浜松市民にとってもかけがえの無い文化的資源で、将来の観光資源ともなりうる貴重な財産である。その「森岡の家」解体処分は、自治体にとって取り返しのつかない財産の損失となる。

2 監査委員に求める措置

浜松市長に対し「森岡の家」の建造物群の解体及び樹木群の伐採のための解体工事等の契約締結及びそれに基づく解体工事等の費用の支払いの中止と、文化的価値を有した「普通財産」として、施設の利活用促進させるために必要な措置をとること。

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