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更新日:2025年5月1日

第2章 戦略の目標

第1節 浜松市の生物多様性の課題

課題1 生きもののすみかを守り回復させる必要がある

前戦略(生物多様性はままつ戦略2018)の推進を図ってきたものの、これまで失われてきた生物多様性が十分に回復しているとはいえません。そのため、引き続き貴重種の保護・保全、外来種への対策、野生鳥獣の適正管理などを行い、種や遺伝子の多様性を確保する必要があります。また、森林、農地、河川・湖沼・海岸、市街地の自然などの生態系の多様性を確保するための保全・再生を行うとともに、緑地や水辺のネットワーク*を回復していく必要があります。

絶滅が危惧される貴重種の保全

絶滅が危惧される動植物を含む貴重種が確認されており、保護・保全が必要です。

外来生物の拡大

アライグマ、クリハラリス、ヌートリアなどの特定外来生物の生息分布が拡大し、農作物への被害や在来種の生息環境を奪ってしまうなどの影響が心配されます。

 

野生鳥獣による被害発生

イノシシやニホンジカの適正管理、農作物等への被害防止等が必要です。

森林・谷部斜面に残る緑地の保全

広大な森林の適正管理を継続していくことが必要です。

台地の谷部斜面に残る緑地については、山地と市街地を結ぶ緑地として保全が必要です。

農地の減少・荒廃

耕作放棄や農地転用などで減少している農地の保全や環境に配慮した農業の推進が必要です。

水産資源の漁獲量の減少

浜名湖のアサリやシラスウナギなどの漁獲量が減少しており、資源の回復が必要です。

海洋プラスチックごみの漂着

海岸に海洋プラスチックごみが漂着し、生物への影響が懸念されるため、対策が必要です。

松くい虫・ナラ枯れの被害発生

松くい虫やナラ枯れの被害が生じている森林への対策が必要です。

市街地の自然の保全・再生

都市公園、生産緑地、市民農園、市民の森など市街地の自然を保全するとともに、緑化などにより自然を再生する必要があります。

保護地域等の拡大

「30by30目標」の実現に貢献するため、保護地域やOECM(保護地域以外の生物多様性に資する地域)などの拡大が必要です。

 

 

 

課題2 地域の生物多様性を守るためのしくみが必要である

生物多様性を保全するためには、市だけでなく、市民や事業者、市民活動団体、専門家などの多様な主体の連携が不可欠です。また、施策を効果的に推進していくためには、市域の自然環境の動向や動植物の状況を継続的に把握していくことが必要です。前戦略で取り組んできた生物多様性を守るためのしくみづくりをさらに発展させていく必要があります。

環境保全活動の拡大

市民・事業者・市民活動団体・市などによる環境保全活動を拡大していく必要があります。

市民・事業者に対しては、生物多様性に貢献できる具体的な行動を示す必要があります。

環境保全団体に対しては、メンバーやパートナーシップ、活動資金を得やすくするしくみが必要です。

生物多様性に関する情報提供

市内の動植物の生息状況などの生物多様性に関する情報をさらに充実させ、活用していく必要があります。

課題3 豊かな自然と恵みを将来につなぐための人を増やす必要がある

生物多様性に関する市民の認知度は未だに低い状況にあります。生物多様性の重要性を社会に浸透させ、将来に引き継いでいくためには、市民一人ひとりの生物多様性保全への理解と行動が望まれます。そのため、生物多様性に関する教育の推進や環境学習指導者の育成、市民・事業者・市民活動団体への啓発や活動支援などにより、豊かな自然と恵みを将来につなぐための人を増やす必要があります。

生物多様性に関する教育の推進

生物多様性についての教育を推進するとともに、環境学習指導者の高齢化が進んでいるため、新たな担い手を増やす必要があります。

生物多様性の恵みの理解や認知度の向上

生物多様性の保全に対する行動変容を促すため、生物多様性の恵みについての理解を深める取り組みが必要です。

 

第2節 目指す将来像

目指す将来像

目指す将来像

本市は、遠州灘海岸から、天竜川、三方原台地、南アルプス南端部の亜高山帯までを含み、全国で10番目の広さをもつ浜名湖など、多様な自然環境が存在しています。このような豊かな自然環境の中で多様な生物が育まれ、みかんやお茶などの農業や天竜美林に代表される林業、遠州灘や浜名湖での漁業、そして繊維や楽器、輸送用機器などの産業が発展してきました。一部の自然環境は、人の営みによって失われたり、劣化したりしてしまいましたが、現在でも豊かな自然環境が残っています。

そこで、国が目指す2050年ビジョンや2030年ミッションを踏まえつつ、本市の目指す将来像として「海から山まで 多様な生物と人々の暮らしが共存する都市」を掲げます。この将来像は、「生物多様性はままつ戦略」(2013(平成25)年3月)から継続して目指しているものですが、本戦略では生物多様性の損失を止め、さらに回復軌道に乗せることを新たな目標とし、「はままつから、“ネイチャーポジティブ”へ」をサブタイトルに掲げます。

(※「自然環境」という言葉の捉え方は、人それぞれで異なりますが、本戦略では「生物の生息・生育している環境のこと」を「自然環境」と呼んでいます。)

第3節 基本方針

本戦略の目指す将来像を実現するため、以下の3つの基本方針を掲げ、それぞれに位置づける施策・事業を実施していきます。

基本方針1 多様な生物のすみかの保全と回復基本方針1

  • 写真:コアジサシ貴重種の保護・保全、外来種への対策、野生鳥獣の適正管理などを行い、種や遺伝子の多様性を確保します。
  • 森林、農地、河川・湖沼・海岸、市街地の緑地などの保全・再生を行うことで生態系の多様性を確保するとともに、緑地や水辺のネットワークを再生・創出し、生きものの生息・生育場所をつなげます。

基本方針2 生物多様性を守るしくみづくり基本方針2

  • 写真:パートナーシップ締結式生物多様性を保全するため、市民・事業者・市民活動団体・専門家などの多様な主体の連携を図ります。
  • 施策を効果的に推進していくため、市域の自然環境の動向や動植物の状況を継続的に把握していきます。
  • 保護地域や自然共生サイト*のさらなる拡大や質の向上を図るなど、生物多様性を守るためのしくみづくりを行います。

基本方針3 生物多様性の恵みを将来につなぐ人づくり基本方針3

  • 環境学習会生物多様性に関する教育の推進や環境学習指導者の育成、市民が自然とふれあう機会をつくることなどにより、豊かな自然と恵みを将来につなぐための人を増やします。

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お問い合わせ

浜松市役所環境部環境政策課

〒432-8023 浜松市中央区鴨江三丁目1-10 鴨江分庁舎

電話番号:053-453-6146

ファクス番号:050-3606-4345

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