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更新日:2025年3月28日
本市の人口は2008年(平成20年)をピークとして減少傾向に入っています。
「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」によると、2040年には70.8万人、2050年には65.7万人に減少すると推計され、生産年齢人口、年少人口は減少する一方で、老年人口は増加し、2050年には市内人口の37.8%が高齢者となる見込みです。従属人口指数は93.7%となり、生産年齢人口への依存度が高まります。
少子高齢化による人口構造の変化、生産年齢人口の減少の状況から、公共施設に求められる内容や規模が変化することが見込まれ、現状の公共施設の配置ではサービスが低下することが予想されます。
今後、人口減少傾向は続く見込みであることから現状規模の公共施設等をすべて維持することは予算の観点、施設利用の観点からみて困難であることが想定されます。
施設利用の効率性を高めていくことや、ニーズそのものの減少に伴い余剰となる公共施設の処分などについて、スピード感をもって検討する必要があります。
都市計画、防災計画や水害対策と連携を取りつつ、市民の安全、安心で快適な暮らしと効率的な行財政運営を両立する戦略的な公共施設の配置を検討する必要があります。
政令指定都市移行(平成19年)後、不断の行財政改革への取り組みにより、財政指標は全般的には改善傾向が見られます。令和5年度では実質公債比率は類似都市平均、政令指定都市平均を下回っており、また将来負担比率は充当可能財源等が将来負担額を上回っていることから数値が算出されておらず、フロー指標、ストック指標ともに良好と言えます。
行財政改革による効果により、健全化判断比率をはじめとする本市の財政指標は良好な状態にあるものの、人口減少・少子高齢化の進展が見込まれる中、老朽化施設の更新やインフラ資産の長寿命化等の財政需要は増大することが見込まれ、楽観視できる状況にありません。
中期財政見通しにおいて収支不足が生じている状況を踏まえ、諸課題に対応しつつ、各年度の収支均衡を図る必要があります。
約2,283万平方メートルの土地を保有しており、航空自衛隊浜松基地の総面積(約328万平方メートル)の約7倍になります。内訳は、約62%が庁舎や学校、公園など政策的な利用目的のために活用されている行政財産で、残りの約38%が普通財産です。普通財産のうち、約2割は未利用地であり、有効活用が課題です。
延床面積は約260万平方メートルを保有しており、アクトシティ浜松全体の建物面積(23.2万平方メートル)の約11倍になります。内訳は、約95%が行政財産、残りの約5%が普通財産です。
市が保有する延床面積(上下水道、病院などの企業会計施設を除く)のうち、学校が100.1万平方メートルと最も多く、次いで公営住宅の37.4万平方メートルで、学校と公営住宅で行政財産の56%を占めます。
本市は多くの公共施設を保有しており、本計画対象施設(その他の普通財産を除く)の施設数は約1,200施設に及びます。
都市化の進展や人口の増加に伴い、1970年代から1980年代の20年間で133万平方メートル(全体の51%)が建設されました。今後10年間で法定耐用年数の60年を経過する施設の延床面積は41万平方メートル(全体の16%)に及ぶことから、大規模改修・建替の集中による建設事業費の増加が懸念されます。
広大な市域や地理的な特性から、他の政令指定都市と比べ、管理する道路延長や橋りょう数が多いことも本市の特徴です。
都市化の進展や人口の増加に伴い整備が進められた道路や橋りょうの多くが、今後、建築後50年を経過します。同様に、上水道管、下水道管は平成以降、管の更新や整備が進みましたが、今後は整備後30年を越える管が増加します。老朽化への対応、計画的な維持管理・改修による長寿命化、耐震化により、将来の財政需要の抑制、縮減につなげる必要があります。
令和6年4月1日現在で保有するすべての資産(タテモノ資産、インフラ資産)を対象に、今後50年間にわたって同様に維持管理を続け、耐用年数に達した場合には同規模・同水準のものに更新すると仮定し、改修・更新にかかる経費を試算しました。
タテモノ資産やインフラ資産の改修・更新経費は今後50年間で約4兆7,780億円(年平均約956億円)と想定されます。その内訳は、タテモノ資産が約1兆6,999億円(年平均約340億円)、インフラ資産が約3兆781億円(年平均約616億円)です。
タテモノ資産及びインフラ資産の建物については、大規模改修を30年目から40年目に、小規模改修を15年目から20年目、45年目から60年目に、更新を60年から80年で行い、建物を除くインフラ資産については、RBM(リスクベースメンテナンス)の考え方に基づき更新すると仮定します。
タテモノ資産やインフラ資産の長寿命化等対策後の改修・更新経費は、今後50年間で約3兆2,945億円(年平均約659億円)と想定されます。その内訳は、タテモノ資産が約1兆2,553億円(年平均約251億円)、インフラ資産が約2兆392億円(年平均約408億円)です。
長寿命化等対策による効果額は、今後50年間で約1兆4,835億円(年平均約297億円)と推計されます。その内訳は、タテモノ資産が約4,446億円(年平均約89億円)、インフラ資産が約1兆389億円(年平均約208億円)です。
本市の現状を踏まえた課題を整理します。
現状 |
課題 |
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人口減少・少子高齢化の進行
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施設利用の効率性を高めていくことや、ニーズそのものの減少に伴い余剰となる公共施設の処分などについてスピード感をもって検討する必要があります。 |
市民の安全・安心で快適な暮らしと効率的な行財政運営を両立する戦略的な公共施設の配置を検討する必要があります。 都市計画との連携、防災計画や水害対策との連携が重要です。 |
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財政状況
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少子高齢化の進行等により扶助費の増加が見込まれるとともに、老朽化が進む資産の維持管理、改修・更新経費の増大への対応が課題となっています。 |
公共施設の老朽化 (タテモノ資産、インフラ資産)
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今後さらに老朽化の割合が大きくなることから、施設の安全性や機能を適切に確保するための計画的な維持管理や老朽化対策に取り組む必要があります。 |
物価高騰や人件費の増大により、維持管理費は増加傾向、光熱費の削減や地球環境のために脱炭素化に取り組む必要があります。 |
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市民ニーズを把握し、財政状況や立地、運営状況も考慮しながら、必要に応じて類似施設の統合を進めるなど、ソフト・ハード両面から適切に対応していく必要があります。 |
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状況の把握と計画的な整備を推進するために、今後はICTの活用により情報の収集、蓄積を行う必要があります。 |