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更新日:2016年9月1日

浜名湖を未来に受け継ごう

浜名湖を未来に受け継ごう~浜名湖の豊かさの秘密~

実践校

年度

対象

人数

機会

時期

時間

庄内学園

(浜松市立庄内小学校)

平成27年度

小6

68人
(2クラス)

総合的な
学習の時間

通年

合計52時限

※今回のモデルは一例で、学校等の実態に合わせた構成で実施することができます。

≪主な必要物≫

◆模造紙
◆ペン
◆付箋
◆講師謝金
◆タモ網
◆水槽
◆拡声器
◆(移動用)バス

ねらい

  • 浜名湖を取り巻く様々な要素について講話・体験・活動を通じて学び、浜名湖の実態を知る。
  • 浜名湖の豊かさを未来に受け継いでいくために、自ら調べ、学び合うことにより、自分に何ができるのか考える。
  • 調べ学習やグループワークにおいて、自ら課題を見つけて調べたり、考えたりする中で、主体的に参加する姿勢や問題解決能力、コミュニケーション能力、他者と協力する姿勢、他者の視点や考えを認め合う態度を養う。
  • 一連の学習を通して、浜名湖や浜名湖のある庄内地区を誇れる意識や自尊感情を引き出す。

取組フロー

動機づけ

1. 連想図を作成する:
 浜名湖の良いところ・悪いところについて書き出し、そのイメージをつなげて、連想図を作成し、各自の当初の認識を整理する。

2. 浜名湖を紹介してみよう:
 自分の持つ知識で浜名湖のPR文を考えることで、この時点の浜名湖に対する認識を明確にする。

浜名湖を知る・体験する

3. 浜名湖に関わる基礎知識を得る:
 浜名湖の概要について講話を聞く。

4. アマモ場生きもの観察会(Eスイッチプログラム)

5. 浜名湖を取り巻く様々な要素を知る:
 「水質」「水環境」「水産業」「農業」「観光」等について様々な人から講話を聞く。

6. 浜名湖を再発見する:
 1.と同様に、連想図を再作成し、浜名湖の様々なつながりを認識する。

7. アマモ場生きもの観察会(浜名湖体験学習施設「ウォット」見学)

テーマについて調べ、自分たちにできることを考える

8. 浜名湖に関して興味を持ったテーマを設定して調べ学習をする:
 「10年後の浜名湖(未来)」を思い描きながら、浜名湖について興味を持ったことを調べる。

9. 調べ学習の成果発表会:
 調べ学習の成果を発表する。

まとめ

10. 「10年後の浜名湖」のためにできることを考える:
 これまでの学習を踏まえて浜名湖を捉え直し、浜名湖を未来に受け継いでいくために自分にできることを考える。

プログラムの展開例

時限

内容

指導のポイント

1

2

〇浜名湖のことをどのくらい知ってる?

●これから1年間で、身近にある浜名湖について学習していく目的意識を持つ。

1. 各自で浜名湖に関する以下のことをそれぞれ書き出す。

  • 「浜名湖」からイメージすること
  • 浜名湖の良い(好き)と思うところ
  • 浜名湖の悪い(嫌い)と思うところなど

2. 浜名湖からイメージするものとそのつながりを整理する連想図をグループで作成する。

  • 一人一人が浜名湖から連想するものをふせんに書き出す。
  • グループで共有し、項目を追加したり、各項目をつないだりする。

3. 作成した連想図を全体で発表し、共有する。

  • 連想図等を参考に、自分の興味・関心を持った内容、疑問を書き出す。作成した連想図を全体で発表し、共有する。

●現時点での浜名湖への興味・関心の内容・度合いを各自に認識させる。

  • 今後のプログラム展開による認識の変化を確認する出発点とする。
  • 書き出す項目は、「的外れかな?」と感じても躊躇せず、思いついたままに挙げていくように指導する。
  • 項目をグループで修正・移動をするときは、話し合いながら行う。その際、相手を否定する言動はしないように指導する。
  • 浜名湖とそれぞれの項目の関係性を全体で共有することで、新たな発見を見出す。
  • 他のグループの発表を聞くことで、自分とは違う視点・考えがあることを気づかせる。

3

4

〇浜名湖のことを紹介してみよう

●浜名湖を紹介するPR文を考えて、発表する。

1. 1・2時限に各グループで作成した連想図を振り返る。

2. 各自が浜名湖のPRしたいテーマを持つ。

  • 各自がPRしたいテーマを紙に書き出す。
  • 紙を黒板に貼り、テーマ別に分類した後、PR文のテーマを各自で選択する。

3. テーマごとにグループでPR文を考える。

  • PRのテーマを見出しとして、その簡潔な紹介文を1枚の紙にまとめる。

4. 3.でまとめたものを発表し、共有する。

●PR文を作成することで、浜名湖がどのような湖なのか考えさせ、現時点での浜名湖に対する認識を明確にする。

⇒プログラムの最後に同じことを行い、児童に自分の認識の変化を自覚させる。

  • 発表終了後、今後のプログラム展開を予告して、これから浜名湖の実態を学んでいくことを意識させる。
5

〇浜名湖のことを知ろう

●浜名湖の実態を学んでいく導入として、前提となる基礎知識を得る。

〈講師〉NPO法人はまなこ里海の会 事務局長 窪田 茂樹 氏

1. 浜名湖の歴史・概要を説明する。

  • 浜名湖の成り立ち・歴史
  • 汽水湖の解説
  • 浜名湖の概要(面積・水深・地理的状況など)

2. 浜名湖はどのような湖かを考える。

●浜名湖という1つのテーマでも、様々な側面があり、産業や観光等に「利用されている湖」であることを理解する。

  • 1・2時限の連想図に関連して、児童の興味・関心を持った内容、疑問に沿うような説明も取り入れる。
  • 一方的に説明するのではなく、児童に投げかけながら解説する。
  • 他地域との比較の視点も取り入れる。
  • 今後、体験等をしていくため、紹介する程度に留める。

6

9

〇アマモ場生きもの観察会(場所:庄内半島南方の浅瀬)

●参照:Eスイッチプログラム「海のゆりかご探検~浜名湖アマモ場観察~」

〈講師〉NPO法人はまなこ里海の会 事務局長 窪田 茂樹 氏

1. 生きもの採取・観察

  • アマモの生態やアマモ場の役割と生きものの関係の説明
  • 生きもの採取・観察方法の説明
  • グループで生きものの採取

2. 採取した生きものを全体共有・解説、振り返り

 

【注意事項】

  • 乗船する場合は、ライフジャケットを必ず着用させる。
  • 生きもの採取場所の水深や有毒の魚等に注意を払い、安全管理を徹底させる

 

●知識のみでなく、実体験を通じて浜名湖を知り、興味・関心を高めるとともに、自分たちの住む地域に豊かな自然があることを気づかせる。

  • 潮の干満を考慮した実施日時の調整が必要である。
  • アマモ場では水流が穏やかなため、産卵場所や小魚や甲殻類の棲みか、大型魚のエサ場となっている。
  • 1組2人(タモ網役・水槽役:順次交代)で活動する。
  • 活動場所の範囲と集合時間を指定する。
  • 採取した生きものにまつわるエピソードや類似種の紹介等も交えて解説し、生きものを通して浜名湖の豊かさや身近な自然環境の大切さを感じさせる。
  • 採取した生きものは、全体共有後に放流する。

10

11

〇アマモ場生きもの観察会の振り返り

  • グループで、アマモ場の様子やそこで見つけたものを絵に描いたり、紙で工作したりする。また、絵の中に体験して気づいたことや感想を書き込む。
  • アマモ場生きもの観察会で分かったことや感想を全体で発表し、共有する。

●前回の体験を振り返り、具体的なイメージを持つことで、各自の興味・関心を明確にさせる。

12

18

〇浜名湖のことを聞こう

●【水質】浜名湖の水はきれい?汚い?

〈講師〉浜松市環境部環境保全課職員

  • 浜名湖の透明度、水質について説明する。
  • 浜名湖の水質を分析する。

 

●【水循環】浜名湖の水はどこから来る?

〈講師〉竜ヶ岩洞 支配人 小野寺 秀和 氏

  • 南北を逆さにした浜名湖を植物の根(浜名湖)に例えて水の流れを説明する。
  • 森林から川・地下水を経由して浜名湖に運ばれる水には、栄養分が含まれることを伝える。

 

●【水産業】浜名湖の水産業と自然の恵み

〈講師〉村櫛遊漁組合 代表 高山 義和 氏

  • 浜名湖の水産業の特徴を紹介する。
  • 浜名湖で行われている漁法
  • 浜名湖で漁獲・養殖される魚介類
  • 浜名湖と遠州灘の関係を説明する。

 

●【農業】浜名湖周辺の農業と浜名湖のつながり~今・昔~

〈講師〉宮本肥料店 宮本 和典 氏

  • 浜名湖周辺の農業の現在と昔を紹介する。
  • 農業と浜名湖のつながり(アマモ堆肥)
  • アマモを取り巻く今・昔

 

●【観光】浜名湖の地域資源と観光

〈講師〉舘山寺温泉観光協会 事務局長 斉藤 隆夫 氏

  • 舘山寺温泉の観光を紹介する。
  • 浜名湖観光圏のコンセプト・目指す姿を説明する。

 

※適宜、振り返りの時間を設ける。

●浜名湖の水質について正しく認識するとともに、生きものにとっては適度な「汚さ」(栄養分)が必要なことを理解する。

  • 水の汚れには、単純な汚濁とは別の生きものの栄養分になる「汚れ」があり、バランスが大切であることを伝える。

●浜名湖を広域的な視点で捉え、浜名湖の水循環の構造と周縁部とのつながりを理解する。

●浜名湖の水産業の特徴・魅力を知り、水産業が浜名湖の自然環境から恩恵を受けていることを理解する。

  • 魚介類の生息場所でもあるアマモは漁師にとっても大切なものである一方で、漁網等に絡みつく厄介者である両面性を伝える。
  • アマモ場がつなぐ浜名湖・遠州灘と水産業の関係を伝える。

●陸上の生業である農業と浜名湖とのつながりについて現在と過去を比較し、浜名湖と人々の暮らしの結びつきを理解する。

  • アマモ堆肥を例に、農業と浜名湖とのつながり、物質の循環を伝える。
  • アマモ堆肥は使用されなくなり、湖岸に漂着するアマモは、資源からごみとして扱われるようになったことを伝える。

●観光が浜名湖の資源を活用して成り立っていることを知り、地域資源を保全する必要性を理解する。

 

 

19

20

〇浜名湖を再発見する

※1・2時限で行った活動を同様に行う。

●プログラム当初に持っていた浜名湖の認識について、体験等を通してどのように変化したのか自覚させる。

  • 前回までの活動等を踏まえて、新たに感じたこと、気づいたことを書き出す。
夏休み
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〇1学期の学習内容の振り返り

1. 1学期の学習を振り返る。

  • 印象に残っていることベスト3
  • 気付いたこと・感想
  • 今後調べてみたいこと

2. 次回のアマモ場生きもの観察の目的を明確にする。

1学期の学習内容の振り返りと、浜名湖の次回のアマモ場生きもの観察会に向けた導入とする。

  • 振り返りは、1学期の学習活動時に撮影した写真を用いながら視覚的に行う。

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〇アマモ場生きもの観察会

※6~9時限と同じ活動

※今回のモデルケースでは悪天候のため、静岡県水産技術研究所浜名湖分場浜名湖体験学習施設「ウォット」を見学

●前回までの学習を踏まえ、アマモ場の環境を深く知るとともに、その役割に注目し、生きものの営みとそのつながりを学ぶ。

  • 6~9時限に行ったときと比較して、季節による違いも発見する。

26

49

〇浜名湖とわたしたちの関わりについての調べ学習

●「10年後の浜名湖」を思い描いて、浜名湖に関して興味のあるテーマを設定して調べ学習をする。

1. テーマを設定する。

  • これまでの連想図、講話、生きもの観察等を通して、浜名湖に関して興味を持ったことを各自が書き出す。
  • 共通の興味を持った人でグループ分けをする。
  • 各テーマについて調べる前に、各テーマの「10年後の浜名湖」をグループで話し合い、イメージする。

2. テーマに沿って調べる。

〈主な情報源〉

  • 学校の図書室
  • 学校のパソコン室
  • インタビュー

●調べ学習や具体的な行動に主体的に参加することで、情報収集能力や問題解決能力を養うとともに、コミュニケーション能力を養う。

  • 例えば、「アマモ場」ではなく、アマモ場の「何」について調べたいのか明確にさせる。
  • テーマをなかなか決められないグループには、前回のアマモ場生きもの観察の感想を尋ねるなど、これまでの学習における気づきを引き合いに出す。
  • グループで共有した「10年後の浜名湖」の姿を調べ学習の指針とする。

 

(調べ学習の視点)

  • 各テーマにおける浜名湖の現状・課題・魅力、人と自然とのかかわり、他地域との比較、思い描く将来の浜名湖の姿など。
  • 調べるポイント(構造的な背景や多面的な視点・立場、直面している課題等)や、調べる方法(図書、インターネット、インタビュー等)を指導する。
  冬休み
 

3.成果発表会に向けて準備する。

●テーマに関する調べ学習、具体的に実践した行動の結果や実践まで至らなかった場合の原因・課題等について、発表資料をまとめる。

  • 発表手段について、模造紙やパワーポイント資料、工作物など様々な例を提示する。
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〇調べ学習の成果発表会(はまなこフェスタ)

●調べ学習をしてまとめた結果を全体で発表し、共有する。

  • 他のグループの発表を聞くことで、浜名湖の様々な面を知るとともに、自分とは違う視点・考え方があることを気づかせる。

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52

〇10年後の浜名湖のためにできることを考える

●調べ学習の成果を踏まえて、10年後にこうあってほしい浜名湖の姿を思い描き、そのために自分にできる行動を考える。

1. 調べ学習の成果を全体で共有する。

2. 浜名湖を未来に受け継いでいくためにできることを宣言文にまとめる。

  • 調べ学習のテーマに関連して、10年後の浜名湖の姿を思い描く。
  • 思い描いた浜名湖のために、今の自分にできること・自分が大人になったときにできることを具体的に考える。
    • 浜名湖の魅力や価値をより一層高める方法
    • 直面している課題の解決方法 など

3. 2.でまとめた宣言文を発表し、共有する。

  • 宣言文を設定した理由の説明や本プログラムを経験した感想の紹介も発表する。

4. 本プログラムや浜名湖に関する感想を発表する。

  • プログラム当初の浜名湖の印象
  • プログラムを経験した後の浜名湖の印象
  • 浜名湖の良いところ
  • 浜名湖のために自分にできること

●本プログラムを経験して、浜名湖に対する当初の認識がどのように変化したのか確認させ、児童たち自身が浜名湖をより良くしていけることを自覚させる。

  • 全員が他のすべてのグループの調べ学習の成果物を見られるようにする。
  • 漠然と「浜名湖をよくしていきたいと思う」ではなく、10年後の浜名湖のために自分にできる具体的な方法を考えさせる。また、そのために必要なこと(方法・課題等)を整理させる。
  • 取り組む内容・方法は、現実的かどうかに留意して、「~していきます」という表現で宣言文に記載させる。
  • 他のグループの調べ学習の成果を見聞きしたことを参考にして考えさせる。
  • 最後に、浜名湖を未来に受け継いでいくためには、一人一人の行動が大切で、その行動する主体は児童ひとりひとりであることを伝える。

学校の声

 他地域に住んでいる人に比べれば、浜名湖のことをよく知っている子供たちではありましたが、実際にアマモ場で水中生物を採ったり観察したりできたことは、貴重な体験となりました。五感で浜名湖の素晴らしさを知ることができたと思います。また、ふるさとを愛する方々に講師となっていただき、出会えたことも有り難かったです。
 子供たちは、きっと、今後も浜名湖に関心を持ち、成長してくれることと思います。子供たちの中から浜名湖の発展の担い手が出てくれたら本当に嬉しいです。

児童の声

  • アマモ場で生きもの観察を体験して「浜名湖は私たちの宝物」と思えるようになった。
  • 1年前は水が汚いとしか思っていなかった浜名湖が、素晴らしいものに見えるようになった。
  • 私にとって、浜名湖を紹介することが自慢の一つになった。
  • 浜名湖をきれいにするために、クリーン作戦に参加したい。
  • 観光名所を増やし、活気があふれる浜名湖にしたい。
  • 全国から注目される浜名湖を自分たちの手で作っていきたい。
  • 10年後の浜名湖のために、今自分にできることは浜名湖の良さをたくさん知ることだと思う。そして、大人になったらたくさんの人に、浜名湖の良さを教えられるようになりたい。

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浜松市役所環境部環境政策課

〒432-8023 浜松市中央区鴨江三丁目1-10 鴨江分庁舎

電話番号:053-453-6146

ファクス番号:050-3606-4345

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