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更新日:2020年8月31日

浜松市景観形成基本計画(景観形成推進方策)

 第5章 景観形成推進方策

全市の景観形成の目標・方針・指針や地域別景観形成方針にそって、景観形成を推進していくための方策を整理します。

全市の景観形成の目標・方針・指針
(第3章景観形成基本計画)

地域ごとの景観形成方針
(第4章地域別景観形成方針)

第5章景観形成推進方策

1)重点的に取組む施策

2)施策を総合的に推進していく方策

1)重点的に取組むべき施策

景観形成を推進するためには、広大な市域の多様な地域・分野などを対象として、様々な取組みが必要です。
ここでは、重点的に取組むべき施策について、次のように内容を整理します。

  • (1)特定の地区における景観形成
  • (2)大規模建築物等の景観誘導
  • (3)屋外広告物の景観誘導
  • (4)緑の景観の保全・育成・創出
  • (5)良好な景観要素の維持・保全・活用
  • (6)市民意識の高揚・支援

(1)特定の地区における景観形成

良好な景観の保全・育成、個性的なまち並み景観づくりは、全市における取組み目標とともに、関係者の発意と合意のもとで、一定区域の個性や特性を活かした地区ごとの取組みの目標を定めて進められます。
このため重点施策のひとつとして、景観の保全・育成・創出に取組む特定の地区を育んでいきます。

1 景観形成を先導する地区や施設の位置づけ

良好な景観づくりを先導する地区や施設を位置づけ、優先的かつ重点的に具体的な景観形成に取組んでいきます。
地区や施設は、次のような観点で抽出します。

地区や施設の抽出の観点

例示

多くの人が訪れ、利用し、目にする場所であり、取組成果のアピールができる地区や施設

(アピール性)

  • JR浜松駅周辺市街地
  • 各区役所周辺市街地
  • 市街地環状線沿道
  • 新幹線沿線

土木・造園・建築などの整備事業が予定されている場所で、景観形成を推進できる地区や施設

(即効性)

  • 第二東名IC周辺
  • 道路・河川・公園などの整備予定施設

良好な景観づくりへの取組み方(住民主体・協働など)や既に取組んでいる地区など、他の場所の手本となる地区や施設

(規範性)

  • 商店街や町内会が主体的に取組んでいる地区
  • 公共事業とあわせて周辺住民と協働で取組んでいる地区

現在の景観を保全するための対策が必要、あるいは改善に取組む必要がある地区や施設

(予防性・緊急性)

  • 棚田など特徴的な農地
  • 三方原台地斜面緑地
  • 歴史的なまち並みがある地区

市民アンケートなどにおいて、支持が多い地区や施設

(必要性)

浜名湖岸

※具体的に取組む地区や施設は、実施計画レベルで調整していきます。
位置づけられた地区や施設は、全市あるいは地域の景観形成方針や指針にそって具体的な景観形成のための実施計画を策定し、景観保全活動や景観整備事業などに取組んでいきます。

2 特定の地区における取組み

歴史的なまち並みの保全、商店街や住宅地のまち並み景観づくりなど、特定の地区で良好な景観を形成していくために、地区関係者は次のようなことに取組んでいく必要があります。

  • 建築物などの外観を調和させるためのルールをつくる
  • 生垣や花壇、宅地内樹木などによる緑化のルールをつくる
  • ルールを守る仕組みを導入する
  • ルールにそった建築や緑化を進める
  • 歩道や公共施設などの景観を向上させる
  • 美観の維持管理をする
特定の地区で良好な景観を形成していくための「ルール」の例示

対象

項目

細目

内容

建築物

配置

壁面位置
壁面後退

  • 道路等公共施設に面する壁面などは、周辺のまち並みとの調和に配慮し、できるだけ位置を揃える。
  • 壁面などの位置を後退し、修景や植栽のための空間を確保する。

建築物等の外観

形態
デザイン

  • 地形やまち並みなど周辺景観の雰囲気を確認し、これと調和する屋根形状(勾配屋根・屋根の向きの統一)とする。
  • 地形やまち並みなどから突出した印象とならないような形態(階数や高さの統一)とする。
  • 周辺景観の雰囲気を確認し、これと調和する壁面デザインとする。
  • 屋上や外壁を緑化により修景する。

色彩

周辺景観の基調色に近い色相や明度とし、彩度は中彩度以下に抑える。

付帯設備

屋上や外壁に取付ける設備

  • 屋上に設ける設備は、外部から見えにくい場所に設置する。または、目隠しなどにより見えないようにする。
  • 外壁に取付ける設備機器や配管は、建築物と一体的な外観とする。または、目隠しなどにより見えないようにする。

物干し場
物干し設備

物干し場・物干し設備は、干し物が外部から見えにくい場所に設置する。

外構

道路に面した空地

道路等に面した壁面後退部分の空地は、緑化などにより修景する。

外柵・塀
門柱・門扉

道路等に面する外柵などの施設は、建物本体や周辺のまち並みと調和し、圧迫感のないものとする。

植栽

  • 既存樹木を保全する。
  • 周辺植生に合わせる。
  • 敷地内を緑化や花により修景する。

駐車場
付属設備

駐車場・駐輪場・ごみ置き場などは、道路等から見えにくい場所に配置する。または、緑化や修景などにより目隠しを行う。

ルールを守る仕組みには、景観法に基づく「景観地区」の指定や「景観協定」の締結などがあります。
「景観地区」や「景観協定」により、上記のようなことに取組んでいくためには地区関係者の合意形成が不可欠です。このため、合意形成に向けて次のような取組みが必要です。

  • 良好な景観づくりに関心のある関係者で話し合う
  • 地区に必要な取組みを研究する「景観まちづくり協議会」を組織する
  • 地区に必要な取組みを整理する
  • 区域やルールなどを検討する
  • ルールを守る仕組みを検討する(申し合わせ・協定・地区指定など)

特定の地区における取組み

特定の地区における取組み
※既に景観づくりのルールが定められている地区において、再度、景観形成などについて研究していくケースも考えられます。

3 特定の地区への支援

<景観まちづくり協議会などへの支援>

特定の地区の関係者による良好な景観形成への取組みを研究する「景観まちづくり協議会」などに対して、次のような支援をしていきます。

  • 活動初動期における自主的な勉強や研究などに対して、情報提供やアドバイザー派遣などの支援を行います。
    (例)景観出前講座、専門家の派遣
  • 地域の居住環境や景観を保全していくため、あるいはまち並み景観形成のために、ルール(申合せ・協定・景観地区・地区計画など)の導入を検討する場合は、情報提供やアドバイザー派遣などの支援や活動経費に対する助成を行います。
    (例)専門家の派遣、視察や研究などの経費に対する助成

<まち並み整備への支援>

  • まち並み整備に対する支援が受けられる制度などを活用します。
    (例)建築物などの外観整備に対する助成、生垣の苗木配布

(2)大規模建築物等の景観誘導
地域景観の特徴や魅力に大きな影響を及ぼす可能性のある大規模建築物等に対しては、その形態や色彩などが地域景観を阻害しないように適切な規制をするとともに、地域景観の向上に役立つように誘導していきます。
誘導対象(建築物)

1 誘導の対象
対象とするものや行為は、次のようなものです。

  • 建築物の新築・増築・改築・外観の変更
  • 工作物※の新設・増築・改築・外観の変更
    ※さく・塀・擁壁・煙突・排気塔・送電線・電柱・広告塔・広告板・記念碑・大型遊具・立体駐車場・プラント・貯蔵施設・処理施設など
  • 土木施設(橋梁・高架道路・ダムなど)の新設
  • 大規模な開発行為、土の採取など


誘導対象(土木施設)

2 規制・誘導の指針(基準)

<誘導の基本的な考え方>
対象とする行為のうち規模が大きなものは、必然的に「象徴性」や「識別性」があることを踏まえ、必要以上に「著しく目立つ」ことがないように地域景観と調和させるとともに、地域景観の向上に役立つように誘導していきます。

◆著しく目立たないようにする
対象とする行為のうち規模が大きなものは、地域景観と調和させ、著しく目立つことがないように配慮する必要があります。
・眺望景観を阻害しない
良好な眺望景観の中における立地にあたっては、
主要な眺望地点から眺望対象への見通しを遮らない
ような配置・規模・形状とするよう配慮します。

眺望に配慮する

・眺望に配慮する

・地域景観の基調に馴染ませる
中景や遠景で見たとき、立地場所周辺の「景観の基調」に対して、著しく目立つ景観とならないように、馴染ませるように配慮する必要があります。
「景観の基調」には、次のようなことがあります。

森林や水辺などの自然地においては…

  • 緑の質感、緑の細かな陰影
  • 自然地形の起伏や高さの連続性・リズム感
  • 緑の空間の広がり・平坦性
  • 湖などの水辺の水平線の広がり・水平性

住宅地や商業地などの市街地においては…

  • 概ね同規模・同程度の高さ・同様の用途の施設のまとまり
  • 概ね同規模・類似形態・同程度の開口部の施設が醸し出す陰影
  • まち並みの連続性・リズム感

自然地・市街地の共通事項として…

  • 色合いのまとまり、緑と施設の織りなす陰影

地域景観の基調に馴染ませるには、次のように配慮する必要があります。
・高さや幅をできるだけ抑える
・景観の中に占める面積割合をできるだけ抑える
・外観を分節する
・外観の陰影や質感を合わせる
・色相や明度を合わせたり、彩度を抑えたりする。
・植栽などで囲い、目立たなくする

単調な大壁面は目立つ
・単調な大壁面は目立つ

陰影をつける
・陰影をつけて馴染ませる

分節を加える
・分節を加えた馴染ませる

・圧迫感を軽減する
近景で見たとき、圧迫感を与えないように壁面後退や敷地外周部への修景などに配慮する必要があります。
◆地域景観の向上に寄与する
対象とする行為のうち規模が大きなものは、地域景観を向上するような良い影響や変化をもたらすように配慮する必要があります。
・地域景観の魅力を高める
積極的に周辺景観との調和を図ることにより、地域景観の向上が期待されます。
具体的には、次のようなことがあります。

  • 周辺の植生に合わせた植栽により、緑の景観の連続性を創出する
  • 施設低層部や外構のデザインを周辺景観に合わせることにより、近景におけるまち並みの連続性・リズム感を高める
  • 外観の形態・陰影・質感を周辺景観の基調を活かしたデザインとすることにより、中景・遠景におけるまち並みやスカイラインの連続性・リズム感を高める

・まち並み景観や周辺環境を向上する
壁面後退部分などへの修景により、周辺環境の向上に役立つことが期待されます。

具体的には、次のようなことがあります。

  • 市街地においては、道路などとの境界側に公共的な緑地や歩行者空間などを提供する
  • 自然地においては、施設や敷地周辺の緑化により緑の連続性を創出する

施設の立地場所・用途・機能によっては、地域のシンボルやランドマークとすることもできます。具体的には、次のようなことがあります。

  • 周交差点付近や見通しの良い道路の先など、視線が集まる場所に立地する場合に、視線の方向から見た形態や壁面のデザインに配慮する
  • 多くの人が利用する施設である場合に、ランドマークとなる形態や壁面デザインとする

ただし、必要以上に象徴性や識別性を高めることで、著しく目立つ景観とならないように配慮する必要があります。

<誘導内容と基準>
誘導の基本的な考え方を踏まえ、誘導内容と基準を次に示します。

大規模建築物等の誘導内容

誘導項目

細目

誘導内容

配置

眺望

主要な眺望点からの眺望への見通しを阻害しないように、見通し線を確認し、これを避ける配置とする。

基調

周辺の地形やまち並みなど周辺景観の基調を確認し、これから突出した印象とならないような配置とする。

壁面後退

道路等公共施設に面する壁面などは後退し、修景や公開空地的な空間、植栽のための空間を確保する。

建築物等の外観

形態

  • 地形やまち並みなど周辺景観の基調を確認し、これと調和する屋根形状(勾配屋根・屋根の向きの統一)とする。
  • 地形やまち並みなどから突出した印象とならないような形態とする。

デザイン

周辺景観の基調を確認し、これと調和する壁面デザインとする。
単調な大壁面とならないようにする。

色彩
(別表参照)

  • 周辺景観の基調色に近い色相や明度とし、彩度は抑える。<明確な基準により規制していく>
  • 色数は全体で5色以内となるように努め、木・土・コンクリート・ガラスなどは、その配色が著しく目立った印象とならないようにする。

付帯設備

屋上に設置する設備
外壁に取付ける設備

  • 屋上に設ける設備は、外部から見えにくい場所に設置する。または、目隠しなどにより見えないようにする。
  • 外壁に取付ける設備機器や配管は、建築物と一体的な外観とする。または目隠しなどにより見えないようにする。

屋外階段
立体駐車施設など

屋外階段、立体駐車施設などは、建築物と一体的な外観とする。

物干し場、
物干し設備

物干し場・物干し設備は、干し物が外部から見えにくい場所に設置する。

建築物等の外構

駐車場・付属設備

駐車場・駐輪場、電気室・機械室、ごみ置き場などは、道路等から見えにくい場所に配置する。
または、緑化や修景などにより目隠しをする。

外柵や塀、
門柱・門扉

  • 道路等に面する外柵などの施設は、建物本体や周辺のまち並みと調和し、圧迫感のないものとする。
  • 公開空地的な空間への出入りを妨げず、透過性のあるものとする。

道路に面した空地

  • 道路等に面した壁面後退部分の空地は、歩道や広場として開放する。あるいは、緑化等により修景する。
  • 道路等に面した壁面後退部分の空地は、圧迫感を軽減するために植栽により修景する。

植栽

  • 既存樹木は保全する。
  • 周辺植生に合わせる。
  • 敷地内に緑化や花による修景をする。
(別表)大規模建築物等の誘導基準

誘導項目

細目

誘導基準の考え方

建築物等の外観

色彩

誘導基準(推奨色彩)

H:色相

V:明度

C:彩度

YR

3.0以上9.0未満

4.0未満

Y

3.0未満

GY、G、BG、B、PB、P、RP

2.0未満

R

3.0未満

N:無彩色の明度

  • 施設の基調色の色相、明度、彩度を対象とする。
  • JISで採用されている「三属性による色の表示方法」(JIS Z 8721)により、色彩の使用推奨範囲を示す。

誘導色彩の参考図
推奨色

※自然地を背景として立地する施設は、YR、Rの明度、彩度を上記の値より低くすることが望ましい。

◆この資料の色表現は印刷によるため、実際のマンセル値とは異なる場合があります。

  • 外観の色彩により著しく目立った印象とならないように、周囲の景観の中で目立ちやすい施設の色彩(外壁の塗装色・外壁材料の色)は、周囲の基調色に近い色相や明度とし、彩度は抑え、色数は全体で5色以内となるように努める。
  • 建築物の低層部における賑わいの演出、周囲のまち並みとの一体感の演出などを考慮し、低層部(3階以下の部分で、かつ施設の立面面積の20%まで)の色は適用を除外する。ただし、適用除外部分も、施設の色相と同系色となるように努める。
  • 演出やアピールのためのアクセント色(高明度色や補色、蛍光色など)の部分は、施設の立面面積の5%までは適用を除外する。(割合は上記20%に含み、施設上部への配色も可)・木・土・コンクリート・ガラスなどを使用した施設は、その配色が著しく目立った印象とならないようにする。


色彩誘導

<色彩誘導効果のイメージ>
色彩誘導の効果のイメージ

3 規制・誘導のための手続き
届出を義務づけ、基準にそうように指導していきます。
違反行為に対しては、勧告・変更命令・氏名の公表などの罰則を適用できるようにしていきます。

(3)屋外広告物の景観誘導

屋外広告物が都市の景観に及ぼす影響が大きいことから、乱立し、乱雑な印象を与えている状況を是正するとともに、良好な景観形成に向けた誘導のための取組みを強化していきます。

1 規制・誘導のための指針

規模や位置

浜松市の玄関口であるJR浜松駅周辺地区においては、一定規模以上の屋外広告物について、建築物と屋外広告物が調和した良好なまち並み景観を形成するよう規模や位置などを抑制する基準を定め、適切な景観誘導を図ります。

(例)屋上広告物の高さや面積規制、道路上へ突出する看板規制

掲出規制範囲

現在、屋外広告物条例の規制区域外で広告物の設置が可能である区域のなかで、都市の印象に大きな影響を及ぼす地区について、広告物の掲出規制を行い、抑制を図ります。

(例)第二東名高速道路・三遠南信自動車道の沿線やIC周辺、北部山地区域、環浜名湖区域、観光受け入れの起点となる地区
2 規制・誘導のための手法

  • 屋外広告物条例の規制区域内では、広告景観整備地区の指定を行い、必要な規制を設けていくこととする。
  • 屋外広告物条例の規制区域外では、景観計画の「屋外広告物の設置に関する行為の制限に関する事項」に定め、屋外広告物条例の改正により必要な規制を行うこととする。

3 その他の取組み

簡易除却業務の充実

市民ボランティア制度を導入し、市民協働による簡易違反広告物(道路標識、街路樹などに貼られた、はり紙・はり札・立看板などや道路上に放置された広告旗・置き看板など)の除去を行っていくことで良好な景観形成に努めます。
特に、公園や学校などの青少年活動に密接する場所周辺については、一層の健全育成を行うために、簡易違反広告物のうち青少年に有害となる不法金融や風俗系のはり紙・はり札・立看板などの除去業務の強化を図ります。

(例)街路樹や電柱へのはり紙除去、不法金融や風俗チラシ等の除去、違反広告物パトロールの強化

屋外広告業者や広告主等への啓発(演出・指導)

浜松市への登録業者(特例届出業者も含む)や広告主等に対し、屋外広告物の適正な設置や良好な景観形成への誘導を図るとともに、違反広告業者等への取締りの強化に努めます。

(例)良好な景観に貢献した登録業者等の表彰制度創設、屋外広告物講習会の実施、違反広告業者等の公表
(4)緑の景観の保全・育成・創出
山地の人工林や自然林などの森林、里山の樹林や田畑、斜面緑地や鎮守の森、街路樹や生垣など、緑の景観を保全・育成・創出していくことに取組んでいきます。
(具体的な方策の例)

  • 森林保全
  • 農地保全
  • 地域性緑地保全
  • 施設緑地整備
  • 森のボランティア
  • 花壇や緑の里親

(5)良好な景観要素の維持・保全・活用
地域景観の中で良好な景観要素となっている建造物や樹木、水辺や緑地などは、地域の魅力あるいは地域の景観形成の拠り所として、維持・保全・活用されるような制度を充実していきます。
(具体的な方策の例)

  • 景観重要建造物、景観重要樹木、景観重要公共施設
  • 市民の森、保存樹林、保存樹木
  • 維持保全活用に係る協定
  • 管理者などへの支援・助成
  • 道路占用許可の適正な審査

(6)市民意識の高揚・支援
良好な景観形成を推進していくために、市民の景観に関する理解がより深まり、意識を高めるように取組んでいきます。
1 景観に触れる機会の充実

定期的な景観見学会の開催など地域景観の特徴や魅力に触れる機会(見る・知る・語る・学ぶ機会)を充実し、景観への理解をより深めていきます。

(具体的な方策の例)

  • 景観出前講座
  • シンポジウムなどの開催
  • 地域景観ウォッチングの開催
  • 良好な景観見学ツアー
  • グリーンツーリズムの推進
  • 子どもたちを対象とした学習会の開催

2 環境美化・修景演出活動の推進

良好な景観の地区や施設の環境美化活動、花や緑による修景演出などを、市民・事業者・行政が協働で展開していきます。

(具体的な方策の例)

  • ウェルカメクリーン作戦
  • 浜名湖・佐鳴湖クリーン作戦
  • 里山体験セミナー
  • 花と緑のまちづくり活動
  • 農地・水・環境保全向上対策
  • 簡易違反広告物一斉除去(クリーンデー)
  • いっせい草刈りデー

2)施策を総合的に推進していく方策

(1)景観条例の充実

景観形成に関する施策を景観条例に位置づけ、景観法に基づく施策をはじめ関連法による施策とともに、体系的に制度を整理し、取組んでいきます。
従来の浜松市都市景観条例を基本に、景観法に基づく施策の導入にあわせて施策体系を見直し、法定施策の運用などに関する内容を条例に委ねられている部分(条例委任事項)を加えていきます。
景観法により「景観計画」の「行為の制限に関する事項」を設けること、「景観地区の指定」、「景観協定の締結」ができるようになったことから、具体的な施策は、次のように見直していきます。

1 景観形成基本計画の位置づけなどの見直し

浜松市の景観形成に関する取組みの体系や基本的な方向性を示し、市民・事業者・行政の共通の目標・方針・指針となる計画として、「景観形成基本計画」を位置づけます。
また、景観法に基づく施策の具体的な指針や基準などを明示するために定める「景観計画」を位置づけます。
「景観形成基本計画」は景観形成の方向性を体系的に網羅して示すものであり、「景観計画」は法定施策運用に必要な事項を示していきます。

2 地区の指定関係の見直し

特定の地区でまち並み景観づくりに取組む際の支援として、都市景観条例では、「まちづくり協議会」を認定し、協議会による都市景観協定やまちづくり提案を基に都市景観形成地区が指定され、届出による行政指導などの施策を展開してきました。
今後は、景観法に規定された類似施策へ移行していきます。

地区のまち並み景観形成の誘導などに係る施策の枠組み

施策の枠組み
具体的には、「都市景観形成地区の指定・届出・行政指導」は、景観法に基づく「特定の区域の指定・届出・行政指導」や「景観地区の指定・届出・認定」へ、また、「都市景観協定の認定」や「まちづくり提案」は、景観法に基づく「景観協定の認定」や「景観計画の提案制度」へ移行します。
ただし、「まちづくり協議会の認定・支援」は、「景観まちづくり協議会の認定・支援」として存続していきます。(上図参照)

3 景観まちづくり協議会関係の見直し

特定の地区でまち並み景観づくりに取組む際の支援として、景観法に基づく「景観地区の指定・届出・認定」「景観協定の認定」「景観計画の提案制度」へ移行することで、より実効性のある施策となりますが、施策導入への合意形成に係る協議や調整事項が多くなります。
このため、良好な景観形成に関心がある地区の掘起しや初動期の活動を支援することが重要であり、施策として、「景観まちづくり協議会の認定・支援」を位置づけます。基本的な枠組みは、従来の「まちづくり協議会の認定・支援」を踏襲するものですが、「初動期の活動の掘起し」や「協議会活動の支援」に係る施策を充実していきます。

4 大規模建築物等の届出関係の見直し

都市景観条例に基づき、一定規模以上の大規模建築物等の新築などの際には、その行為を対象として届出を義務づけ、当該行為の良好な景観を誘導し、周辺地域の良好な景観形成に役立つように行政指導を行ってきました。
景観法に規定された「行為の制限に関する事項」に基づき、良好な景観形成のための「基準」を明示することで、より実効性のある誘導ができるようになったことから、この施策に移行していきます。
具体的には、景観条例に「適用除外行為(届出対象行為)」を明示し、「景観計画」に「行為の制限に関する事項」として、「基準」を明示していきます。

5 市民意識の高揚施策の充実

「景観まちづくり協議会」の初動期の活動の掘起しや協議会活動の支援を充実するため、次のような施策を位置づけます。

  • まち並み景観づくりなどに関する情報提供(パンフレット・窓口相談)
  • まち並み景観づくりなどの勉強会の支援(出前講座・専門家の派遣)
  • ルールづくりなどの協議会活動の支援(専門家の派遣・視察支援)
  • 専門家の確保(景観整備機構・景観協議会)
  • 関係機関・部局による支援(地区内の公共施設などの景観形成、協議会活動の支援となる施策導入)

6 緑の育成関係の見直し(他条例への移行)

景観法に基づく「景観重要樹木」を指定する施策を導入し、当該樹木の景観を保全していきます。都市景観条例に基づく「市民の森」や「保存樹木・樹林」、「公共施設や事業所の緑化」などとともに、「新しい緑関係の条例」に移行し、緑の景観に係る施策を体系的に運用していきます。

7 景観重要建造物関係の見直し

都市景観条例に基づく「都市景観重要建造物」は、景観法に基づく「景観重要建造物」を指定する施策を導入し、当該施設の景観を保全していきます。

(2)総合的にバランスよく施策を推進していくための体制の整備

1 行政組織の整備

多様な分野において景観に取組むことが必要であることから、「あらゆる分野の所管において景観形成に取組む」ようにしていきます。
また、景観形成に係る施策は体系的・総合的な取組みが必要であることから、施策の運用状況を一元的に把握・管理し、あわせて企画・調整を担う組織体制を整備していきます。
組織整備のイメージ

各分野で景観形成を所管

各分野において、景観形成の必要性を理解・認識し、施策に取組んでいきます。 規制誘導に係る受付・審査・指導や景観重要施設などの指定・助成などの事務は、対象行為の種別により既存の関連事務所管で役割分担することを基本としていきます。都市基盤施設整備や施設建設などにあたっては、各事業所管において景観形成に取組んでいくことを基本としていきます。

企画・調整および施策運用状況の一元的管理

条例に基づく施策全体の運用状況の把握のほか、「景観形成基本計画」に基づく具体的な取組みや指針を充実していくための「調査・研究」により、適切な施策を企画・調整・指示していきます。
環境問題への対応など、景観と同様に各分野で取組む施策については、環境所管と協調して企画・調整していきます。

2 総合的な推進体制の整備

市民や事業者やNPOなどの協力により、景観形成を推進できるように、パートナーとなる団体や組織との連携体制を整備していきます。

  • ボランティア団体
    美化活動を実践している団体などの協力を得ながら、景観形成に関連した活動を活性化していきます。
  • 郷土案内人会
    地域の景観の魅力の発見や活用を推進するために、郷土の資産に詳しい方々の協力を得ていきます。
  • 景観整備機構
    景観の形成や保全、育成に係るノウハウを持つ専門分野(建築・造園・土木・農業・林業、自然環境など)の団体や組織で、景観の形成・保全・育成に取組む市民組織などを支援する団体や組織は、景観整備機構として連携していきます。
  • 景観協議会
    景観形成に係る個別案件への取組みに関し、関係する団体や組織の連携のための協議・調整を行う組織として設置していくことを検討していきます。
  • 広域的な景観調整のための協議会
    環浜名湖の協調した景観形成や遠州灘海岸の景観保全、天竜川の景観保全や利活用、三遠南信自動車道の開通に合わせた景観整備など、広域で連携して取組んでいくべき景観形成については、調整のための組織の設置を検討していきます。

(3)計画の管理
基本方針や取組み方など基本計画の内容については、指針ごとに実績を整理・記録し、計画の進捗状況を把握するとともに、必要に応じて見直しをしていきます。
景観形成施策の進捗状況は、実施計画を対象に行政評価システムの中で管理していきます。

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お問い合わせ

浜松市役所都市整備部土地政策課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2642

ファクス番号:050-3737-6815

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