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更新日:2020年3月26日

ろくろが回る音

ろくろが回る音

何かというとみんなで協力して動ける。そんないい所ですよ。ここは。(PDF:238KB)

 

月に住む陶芸家

月に住む陶芸家がいる。
月までの距離は地球からおよそ38万キロメートル。アポロ11号が月面着陸を果たしているが、陶芸家が住んでいたなんて報告は聞いたことがない。
いったいどういうことだろう。

ダム湖畔の静かな場所「月」

「月」というのは、天竜区にある地名だ。名前も美しいが、景観も美しい。一級河川の天竜川にある「船明ダム」のダム湖畔に位置する地域だ。普段は静かな場所で、耳をすませば風の音、木々のざわめき、鳥のさえずりなどが聞こえてくる。
このダム湖は、ボート場として活用されていることでも有名で、春には、毎年、高校生の全国大会が開催される。「ボートの聖地」とか「ボートの甲子園」という異名を持っている。その一角に工房を構えるのが陶芸家の山口さんだ。

陶芸との出会い

山口さんがろくろを回すと、あっと言う間に粘土の塊が美しい器へと形を変える。一つのお皿を作るのに2、3分といったところだろう。
山口さんが陶芸と出会ったのは、伊賀焼の窯元だった。そこで作品を見て衝撃を受けたという。「その時には、見るのが好きになっただけでしたがね、勤め始めてから、ちょっとやってみたくなったんです」
初めは、通信教育などを利用し、自分だけで楽しむだけだった。やがて本格的に作品を作りたいと思うようになったという。「やるんだったら今しかない、と思いましてね。『自分で物を作って人に喜んでもらう』。そんな生活ができたらいいなと思ったんです」
長野、福岡でそれぞれ師事し、腕を磨いていった。

天竜への移住

やがて独立するときが来る。そのとき、工房を構えるための空き家を探し、たどり着いたのが天竜区(旧天竜市)の熊という地域だった。「うれしい事に、地域の皆さんからは歓迎されましてね」移住当時の事を山口さんはそう振り返る。
熊での生活していたときには、折に触れて地域の人のやさしさに触れたという。「畑の管理の仕方から肥料のやり方、収穫時期まで面倒を見てくれた。食べきれないからと野菜をもらうこともありました」
熊での生活は、8年間続いた。

月での暮らし

その後、山口さんは現在の場所に工房を移した。この場所を紹介されたときにはすぐに「いいところだ」と思ったそうだ。「景観も日当たりもいい。車があれば不自由は感じないですからね。作品を作るにもいい環境です」
ここを訪れるお客さんも同じことを口にするという。「『いい場所ですね』と必ず言ってくれます。『のんびりしてつい長居をしてしまう』と。そういう時間や場所を提供できるのもいいことだと思っていますね」
普段は、とても静かな場所だが、さみしさは感じないという。夕方になると、ボート部の高校生の声が聞こえるからだ。そして、大会が行われる時期になると、とてもにぎやかになる。

地域のみんなが協力する生活

山口さんにここでの生活について尋ねてみた。
「この地域の人はね、何かというとみんなで協力して動けるんですね。例えば冬ですと今夜あたり道が凍りそうだなってときがあるでしょう。そんな日には電話で『どうしようか?』って相談して、みんなで融雪剤をまくんです。あれは、重たいんですがね。みんなでまく。早朝から出掛ける人だっているわけですからね。みんなのために動いてくれる人がたくさんいるんですよ」
もちろんこの地域だって高齢化の課題は避けられないという。でも、地域のみんなで協力しようというまとまりを感じさせる。ここでは、地域の繋がりが輪になって巡り巡っているのだろう。

 

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