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更新日:2020年3月26日

手作りのお守りを贈る人

気持ちのいいあいさつと笑顔。一瞬でこのまちが好きになりました。(PDF:192KB)

それは、子どもたちのあいさつから

手作りのお守りを手にする人「いってきます!」そのひと声が、私をそんな気持ちにさせたんです。そう語るのは、天竜警察署水窪担当次長の木庭さん。3年前に、ここ水窪に赴任して以来、毎年、新一年生たちに手作りの「お守り」を贈っています。

その「お守り」は、

今、カエル
直ぐ、カエル
無事、カエル
安心して、寝っころカエル
そして、今年も、元気カエル

ここは、天竜区水窪町奥領家の天竜警察署水窪分庁舎。玄関の扉を開けると、「こんにちは」と、あたたかな笑顔で出迎えてくれた木庭さんが。
一瞬にして、なんだかやわらかく包み込まれたような、そんな感じです。ふとカウンターに目を移すと、カエルもお出迎えしてくれています。

「ここにしかない」と「どこにでもある」

地域のみなさんが地域の放置竹林を伐採した、その竹。これをいただいて作っているんです。

作る理由ですか?
地域に何か恩返しをしたくてね。だって、こんなに気持ちのいいあいさつをしてくれるこの地域が、ここの子どもたちが、私は一瞬で大好きになっちゃいましたから。他にはないでしょ、こんなに元気のいいあいさつをする子どもたち。地域の宝ですよ。

竹ですか?
どこにでもあるじゃないですか、ここには。地域が誇るべき素材ですよ。

そんな木庭さんの言葉に、最初は戸惑いを覚えました。なぜって、この地域に生まれ育った私たちには、当然、子どもたちはいつも元気がいいもので、それから、竹というものは放っておけばどんどん増えていくやっかいもの…。でも、木庭さんは言うのです。

宝であり、誇るべきものである、と。

何でもない普通のことが、実は、とってもステキなこと。そんなことって、ここで暮らす私たちの周りにはいっぱいあふれているのかもしれない…そう、気づかされるのです。

ヒントは、地域の先人たち

水窪に赴任したころ、あるお店に行ったら、竹で作ったいろいろな”顔”が飾ってありましてね、これをヒントにしたんです。聞くと、近所の人たちが作ったものだと。これは!って、思いましたね。
そう木庭さんは語り始めました。

子どものころから工作が好きで、プラモデルをよく作りました。今では、木工や竹細工が趣味のひとつ。ぬくもりを感じるし匂いもいいし。作っている間、ああでもないこうでもないと、いろいろと考えることができて本当に楽しいです。時間が経つのも忘れちゃいますね。
木庭さんの生活の中の、欠かせないひとコマ。それがこの「お守り」づくりのようです。

笑顔は続きます。

竹を細かく切っていきながら、完成を思い浮かべ組み立てていくんです。ここは頭の部分にしよう、よし、ここは腕にしてみよう、いや、足の方がいいかな…と。大きさや太さ、節の具合など、竹といっても同じものはひとつもないですからね。

お守りを手に、木庭さんは続けます。

そう、ひとつ完成するのに1時間くらいかかるかな。あっ、測ったことはないけどね。
苦労することですか?そうですね、接続部分は気を遣いますね。うまくいかないこともあるけど、でも、不思議となんとかなるもんですよ。これまでいくつ作ったかな…数えきれないね。
たくさんのお守りが、ここ水窪で生まれました。
浜松市は「楽器のまち」でしょ。ですから、バイオリンを弾いていたり、ドラムをたたいていたりと、完成した結果、カエルの”音楽家”が多いんですよ。
職場の玄関近くや、地域の商店に飾っておくんです。皆さん、必ず声を掛けてくれるんですよ。会話も弾んで明るい雰囲気になりますね。

願いは、地域いっぱいの笑顔

夕暮れ時に下校する子どもたちチャームポイントですか、わかります?(お守りをいくつも並べて)ほら、どれも笑っているでしょ。みんな笑顔なんです。でも、笑顔といってもやっぱり同じ顔はひとつもありません。
ほんと、みんな笑っていますね。見つめられると、いつの間にかほほが緩んでしまいます。
子どもたちがいつも笑顔で元気いっぱいで過ごしてほしいと願いを込めているんです。やっぱり、子どもの元気な声が響くと地域が明るくなりますよね。
子どもたちの登校時間に横断歩道で交通安全指導をするんですが、やっぱり、元気なあいさつは気持ちがいいですね。これは、この地域で受け継がれてきたもの。地域の人々のつながり、ぬくもりを感じますね。

贈り続ける、意味

ランドセルにつけられた竹のお守りこの間ね、2年生に会ったんです。このお守りの話をしたら、「机に飾ってあるよ」と返事が。うれしかったなぁ。
水窪小学校の無事故記録は1000日を超えました。
これからも子どもたちが「無事、帰る」ように、私も地域のみなさんとともに見守っていきたいと思っています。このお守りが、少しでも地域の安全と笑顔に役立てられたら。

木庭さんは目を細めます。

子どもたちにはこのまま素直にまっすぐに、大きくなっていって欲しい。
この3月で、定年退職を迎える木庭さん。でも、地域への想いはまったく変わりません。
「もちろん、今春の新一年生にも、渡す準備はできていますよ」
丁寧に包装されたお守りを手にする笑顔の木庭さん。そのカエルが奏でるホルンの音色は、きっと、やさしく、そしてあたたかく、子どもたちとこの地域を包み込んでくれるはずです。
「結局、私が水窪地域の皆さんに元気をもらっているんです。幸せものです」木庭さんは、カエルたちにそっと語り掛けているかのようでした。

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