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更新日:2021年8月11日
天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅は昭和15年(1940年)の開業以来、80年以上の歴史を持つ駅です。現在交代制で働く3人の駅員さんの中には日本国有鉄道時代に機関士兼気動車運転士をされていた人も。木造の駅舎を訪れるとどこか懐かしさや安心感を感じます。
元々鉄道ファンから人気のあった同駅ですが、今年は例年以上に多くの人が訪れています。
発端はゆるキャン△という人気アニメからでした。ゆるキャン△はキャンプ好きな女子高生の日常を描いた漫画で、昨今のキャンプブームと共に人気が沸騰しています。アニメ化やドラマ化もされており、浜松市も舞台となっています。今年1月に放送されたアニメ第3話では天浜線佐久米駅が登場しました。天竜浜名湖鉄道ではゆるキャン△のラッピング車両が企画されたり、コラボグッズが販売されたりと多くの人々の注目を集めています。現在このゆるキャン△のラッピング車両は天浜線で一番の人気を誇る車両となっています。
天浜線とアニメの関係はこれだけでは終わりません。今年3月に公開された映画、シン・エヴァンゲリオン劇場版に天竜二俣駅がモデル地として登場したのです。エヴァンゲリオンは1995年から96年にアニメ放送され、その後も再放送などで幅広い世代に熱狂的ファンを持つシリーズです。2007年からは劇場版が4部作として開始され、今回の映画はその完結版でした。天竜二俣駅を訪れるファンに人気を集めるのが、毎日開催されている「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」です。(車両基地内整備のため中止となる場合もあります。)営業課のスタッフが案内役となってプラットホームの奥へ行き、劇中に登場するような国登録有形文化財の転車台や日本で唯一現役の木造扇形車庫などを見学できます。木造の運転区事務室や休憩所、浴槽室などの建物もあり、かつて昭和の時代に働いていた社員さん達の姿が想像できます。あるいは、映画を観た人にとっては登場人物の姿が思い描かれるかもしれません。
営業課の五十川さんによると、昨年のツアー参加者は鉄道ファンが数人ほどであったのが、各回約50人以上が訪れるとのことでした。
「人気アニメのモデル地であることを活かしつつ、文化財にもなっているような古い建物を活用して、全国の方に魅力が伝われば」と五十川さんは語ります。
天浜線の魅力のひとつは築80年以上たっている施設が現役で使われているということ、社員の人たちの地道で丁寧な管理作業が脈々と受け継がれていることを実感します。
▲ツアーの様子 取材当日は平日にも関わらず30人以上が参加しました。約40分間のツアーは見どころ満載。特に、今でも現役の転車台の上で列車が回転する姿は迫力満点です。参加者は興味深く施設内を見て周っていきます。終了時には、案内してくださった社員さんへ拍手と感謝の言葉が送られました。
ツアーで施設内を周ると様々な種類のラッピング車両を見ることができます。それらは天浜線沿線にある企業とのコラボ車両です。浜松を代表するモビリティ分野の企業のスタイリッシュな車両や、ゆるキャン△ラッピング列車に次いで人気なのが「うなぴっぴごー!」。これは浜松の企業がプロデュ―スするボーカロイド音街ウナの車両です。全国的に注目されている天浜線ですが、まずは地元を大切にすることは変わらず、地元住民や企業と協力した活動を積極的に行っています。
地元の学校には授業の一環として、コロナ禍で、他県に修学旅行へ行くことができない状況から転車台や施設見学をすることを提案しているそうです。また天竜二俣駅の売店には森町のお茶や注染染めのマスクなど地元の商品が販売されており、企業と連携した商品開発も行っています。地域を大切にし、また地域の足として支えられながら天浜線はこれからも走り続けます。
▲戦時中に建てられたプラットホーム、当時鉄が貴重であったため古レールが柱や梁に転用されています。停車しているのは沿線企業のラッピング車両。
天竜二俣駅を降りて北上すると、自然豊かな中山間地域へとつながっています。棚田やキャンプ場などアニメにも出てくるような素敵なスポットもあります。天竜二俣駅へ訪れた際は、北遠地域へ足を伸ばしてみるのも良いかもしれません。
転車台&鉄道歴史館見学ツアー
毎日開催※15名様以上の団体は予約が必要です。
月・火・水・木・金は13時50分~の1日1回
土・日・祝は10時50分~と13時50分~の1日2回
料金
大人350円/小人100円
(天浜線の列車ご利用の場合は、大人250円、小人100円)
●注意勧告
天竜二俣駅を訪れた際は、駅員さんの指導に従いマナーを守りましょう。
(列車の発車間際まで写真撮影をしたりしない。発車前は黄色い線の内側にしっかり下がる。)
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