更新日:2024年1月1日
第2章 令和5(2023)年度の成果目標
障がいのある人の自立支援の観点から、地域生活への移行や就労支援といった課題に対応するため、国の基本指針に則し、浜松市障がい福祉に関するアンケート調査の結果や第5期計画の進捗状況を踏まえて目標値を設定し、障がいのある人の自立と社会参加を推進します。
1.福祉施設入所者の地域生活への移行
- 本人が希望する地域で安心して暮らすことができる、地域生活への移行を推進します。
- 令和5(2023)年度末までに、施設入所からグループホーム、一般住宅等へ移行する人の数を目標値として設定します。
【施設入所者の地域生活への移行の実績と見込】
※平成27(2015)年度から令和元(2019)年度は実績値、令和2(2020)年度は見込値です。
【施設入所者の地域生活への移行の目標】
項目
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数値
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備考
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基準値(平成29年度入所者数)
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652人
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【目標値1】
入所施設からの地域移行
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45人
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令和5年度末までに地域生活へ移行する人の目標数
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令和5年度末の入所者数
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639人
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令和5年度末の入所者数
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【目標値2】
施設入所者削減数
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0人
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第5期計画(639人)からの入所者数削減見込数
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【国の方針】
- 令和5(2023)年度末における地域生活に移行する者の目標値を設定します。令和元(2019)年度末時点の施設入所者数の6%以上が地域生活へ移行することを基本とします。上記の数値を基本としつつ、これまでの実績と地域の実情を踏まえて設定します。
- 令和5(2023)年度末の施設入所者数を令和元(2019)年度末時点の施設入所者数から1.6%以上削減することを基本とします。
【目標値の考え方と取り組み】
- 令和5(2023)年度末までに、令和元(2019)年度末時点の施設入所者数652人のうち、45人(基本指針6%で算出すると40人)が地域生活へ移行するものとします。
- 地域生活への主な移行先であるグループホームを計画的に整備(毎年25人)するとともに、地域生活移行後等の日中活動の場となる施設の整備や既存事業所の定員増を含めたサービス提供体制の見直し等により、地域移行を促進します。
- 施設入所者の地域生活への移行目標に合わせ、施設入所者数の削減目標も求められていますが、施設入所待機者数等をかんがみ、施設入所者数の削減は行いません。
- 施設入所者が地域での自立生活を体験できる場を設け、地域生活へ移行しやすくする取り組みを行います。
2.精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築
- 精神障がいのある人が地域の一員として、安心して自分らしい暮らしをすることができるよう体制づくりを進めます。
【国の方針】
- 保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置し、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育が包括的に確保された体制づくりについて今後も計画的に推進します。
- 取り組みの趣旨を踏まえ、それぞれの目標値を設定します。
- 精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数を316日以上
- 精神病床における令和5(2023)年度末の1年以上長期入院者数を国推計式により設定
- 神病床における令和5(2023)年度の入院後3か月時点の退院率69%以上
- 精神病床における令和5(2023)年度の入院後6か月時点の退院率86%以上
- 精神病床における令和5(2023)年度の入院後1年時点の退院率92%以上
【目標値の考え方と取り組み】
- 令和2(2020)年度に設置した協議の場において毎年2回協議を行い、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築のための課題を共有し、解決のための方策を話し合います。
- 退院率等の目標値については、県が目標設定するため、その目標を達成できるよう必要な取り組みを進めていきます。
3.地域生活支援拠点等が有する機能の充実
- 障がいのある人が安心して地域で生活できる体制を整備します。
【国の方針】
- 令和5(2023)年度末までの間、1つ以上の地域生活支援拠点等を確保しつつ、その機能の充実のため、年1回以上運用状況を検証及び検討することを基本とします。
【目標値の考え方と取り組み】
- 緊急時における必要な福祉サービスの利用に関する相談体制の確保を継続するとともに、基幹相談支援センターと相談支援事業所の連携により、緊急時における短期入所等への迅速な連絡体制を整備します。
- 家族状況や本人の将来を見据えた適切な生活の場への移行を支援します(一人暮らし、グループホーム等)。
- 地域での生活を支援する様々な社会資源による連携体制の構築等を行います。
- 専門的な対応を行うことができる人材の育成を行います。
- 地域生活支援拠点事業の内容について、自立支援協議会で検証及び検討します。
【地域生活支援拠点のイメージ図】
4.福祉施設から一般就労への移行
- 自立支援の観点から、地域の中でいきいきと安心して生活を送ることができるよう、就労支援施設等から一般就労への移行を推進します。
- 福祉施設の利用者のうち、就労移行支援事業等(生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援を行う事業をいう。)を通じて、令和5(2023)年度中に就労支援施設等から一般就労へ移行する人の数を目標値として設定します。
- 一般就労へ移行後の就労定着を図るため、就労定着支援事業の利用を促進します。
【就労支援施設等から一般就労への移行の実績と目標】
※平成27(2015)年度から令和元(2019)年度までは実績値、令和2(2020)年度は見込値、令和5(2023)年度は目標値です。
項目
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実績値
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見込値
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目標値
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平成30年度
(2018)
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令和元年度
(2019)
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令和2年度
(2020)
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令和5年度
(2023)
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就労支援施設等から
一般就労への移行者数(人)
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150
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140
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145
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219
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【国の方針】
- 福祉施設の利用者のうち、就労移行支援事業等(生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援を行う事業をいう。)を通じて、令和5(2023)年度中に一般就労に移行する者の目標値を設定します。令和元(2019)年度の一般就労への移行実績の1.27倍以上とすることを基本とします。
- 各事業の趣旨を踏まえ、それぞれの目標値を設定します。
- 令和5(2023)年度に令和元(2019)年度実績の1.30倍以上が就労移行支援により移行
- 令和5(2023)年度に令和元(2019)年度実績の1.26倍以上が就労継続支援A型により移行
- 令和5(2023)年度に令和元(2019)年度実績の1.23倍以上が就労継続支援B型により移行
- 一般就労の定着を図るため、就労定着支援事業の利用者や事業所ごとの就労定着率を設定します。
- 令和5(2023)年度における就労移行支援事業等を通じて一般就労に移行する者のうち7割が就労定着支援事業を利用
- 令和5(2023)年度における就労定着支援事業所のうち、就労定着率が8割以上の事業所を全体の7割以上
【目標値の考え方と取り組み】
- 令和元(2019)年度までの実績を踏まえ、令和5(2023)年度の目標値は、219人とします。
- 各事業からの一般就労への移行は次のとおりとします。
- 就労移行支援事業 164人
- 就労継続支援A型 30人
- 就労継続支援B型 25人
- 一般就労への定着を図るため、就労定着支援の利用を促進します。
- 一般就労への移行者の就労定着支援事業を利用者154人
- 就労定着支援事業所21事業所のうち17事業所が就労定着率8割以上
- 企業を対象とした障害者雇用支援セミナーや障害者雇用を検討又は実施しようとしいる企業が円滑な障害者雇用を実現するための企業伴走型障害者雇用推進事業の実施により障害者雇用の促進を図ります。
- 令和3(2021)年には、法定雇用率の引き上げ(2.2%→2.3%)が予定されており、企業の雇用意欲は引き続き強まるものと推測されます。
5.障がい児支援の提供体制の整備等
- 障がいのある子どもが身近な地域で必要な支援が受けられるように、支援等の充実を図っていきます。
- 各関連分野が共通の理解に基づき協働する総合的な支援体制を構築することが重要であり、医療的ケア児の支援が学齢期から成人期に円滑に引き継がれるよう、体制を整備していきます。
【国の方針】
- 児童発達支援センターを中核とした重層的な地域支援体制の構築を目指し、児童発達支援センターを1か所以上設置することを基本とします。
- 保育所等訪問支援を利用できる体制を構築することを基本とします。
- 重症心身障がい児が身近な地域で支援を受けられるよう重症心身障がい児を支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所を1か所以上確保することを基本とします。
- 医療的ケア児が適切な支援を受けられるように、令和5(2023)年度までに関係機関が連携を図るための協議の場を設けるとともに、医療的ケア児等に関するコーディネーターを配置することを基本とします。
【目標値の考え方と取り組み】
- 児童発達支援センターを継続して設置します。
- 希望する児童が保育所等訪問支援を利用できるよう体制を維持します。
- 重症心身障がい児を支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービスの確保を維持します。
- 医療的ケア児等の支援について関係機関の連携を図るため、医療的ケア児等支援協議会を継続して設置します。
- 医療的ケア児等が必要とする多分野にまたがる支援の調整を行う医療的ケア児等コーディネーターを令和5(2023)年度までに配置します。
6.相談支援体制の充実・強化等
- 地域の相談支援体制を強化するため、総合的・専門的な相談支援の充実を図ります。
【国の方針】
- 相談支援体制の充実・強化等に向けた取組の実施体制を確保します。
【目標値の考え方と取り組み】
- 相談支援体制の強化・充実を図るため基幹相談支援センターを継続して設置します。
- 基幹相談支援センターが、総合的・専門的な相談対応や地域の相談支援事業者への専門的な指導、助言、人材育成、地域の相談機関との連携強化の役割を担います。
- 自立支援協議会において、基幹相談支援センター及び市内に5つ設置する障がい者相談支援センターとともに、地域の相談支援体制の強化に取り組んでまいります。
【相談支援体制の充実・強化等に向けた取り組み】
項目
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令和3年度
(2021)
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令和4年度
(2022)
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令和5年度
(2023)
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専門的な指導・助言件数
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800
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800
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800
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相談支援事業者人材育成件数
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25
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25
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25
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地域相談との連携強化の取組回数
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200
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200
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200
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【相談支援体制イメージ図】
7.障害福祉サービス等の質を向上させるための取組にかかる体制の構築
- 障害福祉サービス利用者が真に必要とする障害福祉サービス等の提供を行う体制を構築します。
【国の方針】
- 障害福祉サービス等の質を向上させるための取り組みに関する事項を実施する体制を構築します。
【目標値の考え方と取り組み】
- 障害福祉サービス等に係る研修に市担当職員が参加し、障害福祉サービスの理解を深めます。
- 障害者自立支援審査支払等システム等による請求に関する審査結果を分析し、その結果を事業所や関係自治体と共有することで、課題解決等についての情報交換を行う体制を構築します。
- 障害福祉サービス等事業所に対する指導監査を適正に実施し、その結果を関係自治体と共有し、課題や解決等の情報交換を行うことでサービスの質の向上を目指します。
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