更新日:2021年11月24日
省エネルギーのススメ
省エネルギー対策の効果
省エネルギー対策は、エネルギー使用量や二酸化炭素排出量を削減するための有効な手法ですが、電気代をはじめとした光熱費が上昇傾向にありますので、支出を抑えるためにも重要な役割を果たします。
例えば光熱費を年間で1,000万円支払っている事業者が省エネルギー対策を実施し、エネルギー使用量を5%削減すると、年間で50万円の純利益を上げるのと同じ効果が得られます。
本市では、「攻めの省エネルギー対策」をテーマに、ハードとソフトの両面から省エネルギー対策を積極的に実施しています。これまでに実施した取組の中から、特に効果のあった内容を紹介します。
鴨江分庁舎
施設概要
- 4階建て1棟と2階建て1棟で構成。中央式空調システム(*1)と個別式空調システム(*2)を併用。
- 平成24年度の電気使用量は184,120キロワットアワー、デマンドは153キロワットであった。
実施内容
- 事業費:約388万円
- ビル・エネルギーマネジメントシステム(*3)の導入
- 空調機2台にインバータ(*4)を設置し、風量を最適化
- 蛍光器具に高効率反射板を取り付けた上で、2灯式のうち1灯を消灯
事業実施後
- 削減効果:約187万円/年
- 投資回収年:約2年
- 平成26年度の電気使用量は136,164キロワットアワー、デマンドは89キロワットであった。
実施のポイント
- 本施設は、元々全ての部屋を中央式空調システムでまかなっていたが、以前実施した施設改修により、一部の部屋を個別空調に切り替えていた。中央式空調システムの能力に余裕があったため、インバータ導入による削減効果が大きく表れたものと考えられる。
(*1)冷温水発生機やチラーなどで作った熱を、エアハンドリングユニットやファンコイルユニットなどによって各部屋に供給する空調システムのこと。
(*2)各部屋に設置されたエアーコンディショナーによって空調を行うシステムのこと。
(*3)照明や空調などの電力使用状況を見える化し、電力ピーク時には自動制御を行うことで、電力の最適化を図るシステムのこと。
(*4)周波数を自由に変動させることが可能になる機器。周波数を下げ、風量を適正にすることで、電気使用量の削減につながる。
城北図書館
施設概要
- 地上2階、地下1階で構成。書架エリアは中央式空調システム、個室は個別式空調システムを使用。
- 平成24年度の電気使用量は560,886キロワットアワー、デマンドは209キロワット、都市ガス使用量は25,219立米であった。
実施内容
- 事業費:約585万円
- ビル・エネルギーマネジメントシステムの導入
- 空調機4台にインバータを設置し、風量を最適化
- 既存のCO2濃度制御システム(*5)を改修し、空調機運転に伴う外気導入量を最小化
事業実施後
- 削減効果:約224万円/年
- 投資回収年:約3年
- 平成26年度の電気使用量は489,136キロワットアワー、デマンドは179キロワット、都市ガス使用量は21,020立米であった。
実施のポイント
- 施設建設時に余裕を持った設計であったため、空調機の風量をダンパで絞って運転をしていた。インバータにより適正風量としたことで、大幅な省エネにつながったと考えられる。
- CO2濃度制御システムが設置されているが、常に外気を導入する設定になっており、CO2濃度が低い状態が続いていた。システム改修により、基本は循環空気による運転とし、CO2濃度が上昇したときに外気を導入するよう変更したため、外気負荷が大きく低減したと考えられる。
(*5)室内のCO2濃度を計測し、基準値を超える場合に外気導入を行うシステムのこと。
食肉地方卸売市場
施設概要
- 管理棟、市場棟、と畜場などに分かれている。空調機、ボイラー、コンプレッサー、業務用冷凍冷蔵庫など、様々なエネルギー消費設備が設置されている。
- 平成24年度の電気使用量は2,472,767キロワットアワー、灯油使用量は133,362リットルであった。
実施内容
- 事業費:約690万円
- 計量ポンプ、汚泥引抜ポンプ及び冷凍機用冷却水ポンプ各1台にインバータを設置し、流量を最適化
- 冷凍庫の省エネルギー制御化
- 蒸気バルブ及び配管への保温カバー設置
事業実施後
- 削減効果:約423万円/年
- 投資回収年:約2年
- 平成26年度の電気使用量は2,223,941kWh、灯油使用量は118,836Lであった。
実施のポイント
- ポンプ設備の負荷は時期や時間帯によって大きく変動するため、低負荷時の流量をインバータにより調整することで、電気使用量を抑えることができたと考えられる。
- 冷凍庫は通常、一定間隔でデフロスト運転(*6)を行っており、霜が発生していない場合でも稼働していたため、制御盤の改修によりデフロスト運転による効率低下を抑制できたと考えられる。
- ボイラーの配管は通常、保温材が設置されているが、箇所によっては保温されておらず、熱ロスの原因となっていた。全ての箇所を保温することで、ボイラー効率を向上することができたと考えられる。
(*6)除霜運転のことで、冷凍庫等の冷却器内で発生する霜を取り除き、目詰まりによる効率低下を防止している。
省エネルギー対策の手法
上記の取組以外にも、施設の特性に応じて様々な省エネルギー対策を実施しています。設備ごとに省エネ手法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
照明
空調
その他設備等
省エネ事業者認定制度
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