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更新日:2013年9月1日

市民協働推進条例逐条解説 1

はじめに

私たちの浜松市は、温暖で美しい自然環境に恵まれ、世界に誇る素晴らしい技術を生み出したまちです。この大切なまちが、誰にとっても暮らしやすく、潤いのある豊かなまちであってほしいと思うのは、私たち市民の願いです。
個性化、多様化する市民ニーズやさまざまな社会的課題に対して、行政への一方的な要求や他人任せでは対応できなくなってきています。こうしたなか、市民一人ひとりが自ら考え、行動し、主体となって大切なまちを守り育てていくことが求められています。
そのためには、市民、市民活動団体、事業者及び市は、互いの思いを受け止め、認め合い、ともに考え行動するという意識を持たなければなりません。
浜松市では、平成14年2月に、「浜松市市民活動基本指針」を策定し、市民活動との協働の基本的な考え方を示しました。今回、これをもとに、市民協働によるまちづくりを推進するための姿勢や施策をより明確にするために条例を制定しました。
この条例では、市民、市民活動団体、事業者及び市が、相互に理解し尊重し合い、対等の立場で、共通の目的に向かって持てる力を発揮してくための理念と、仕組みについて定めています。

なぜ協働か

  • 個性化、多様化する市民ニーズや、さまざまな社会的課題に対する行政
    サービスの限界
  • 市民と行政の特性を生かした真に豊かなまちづくりの実現

「協働」とは、
協働(コラボレーション)とは、異なる環境にあるものや、異なる考え方を持ったものが共通の目的に対して活動することで、今までにないものを創り上げていくことです。
また、市民との協働とは、市民と行政が、それぞれの特性を生かし、共通する目的のため、対等なパートナーであることを認識しながら活動することです。 

目的

第1条 この条例は、市民協働の基本理念を定め、市民、市民活動団体、事業者及び市の役割及び責務を明らかにするとともに、市民協働を推進するために必要な措置を定め、市民、市民活動団体、事業者及 び市が、協力し、及び連携して公益の増進を図り、豊かで活力ある市民主体の地域社会を築くことを目的とする。

趣旨

本条は、この条例の目的が、市民、市民活動団体、事業者及び市の四者が、役割を分担し合って「市民協働によるまちづくり」を推進し、豊かで活力ある市民主体の地域社会の実現を目指すことを明らかにしたものです。

解説

これまでの社会においては、公共的サービスは、行政が担うべきという意識が市民にも行政にもあり、時代の変化とともに多様化する市民ニーズに対して行政サービスが肥大化していく傾向にありました。しかし、近年の少子・高齢化の進行や環境問題など、さまざまな課題に対して、全てを税金による行政サービスで行うべきか、また、常に公平・公正を基本とする行政が、個性化、多様化するニーズの全てに対応できるかが、問われるようになりました。
また、市民活動が独自に提起する新たな社会的課題に対して、市民との協働が不可欠になっています。そこで、これからのまちづくりにおいては、市民、市民活動団体、事業者及び市の四者が、それぞれの役割分担の中で、協力し、連携して公益の増進を図ることが必要であり、豊かで活力ある市民主体の地域社会を築くことを目的として条例を制定したものです。

定義

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市民協働 市民、市民活動団体、事業者及び市が、互いの相違を認識し、市民が望むまちづくりを目指して、多角的及び多元的に取り組むことをいう。
(2) 市民活動 市民及び事業者が自主的に参加して自発的に行う営利を目的としない活動であって社会貢献性を持つものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。

  • ア 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動
  • イ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動
  • ウ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動

(3) 市民活動団体 市民活動を行うことを主たる目的とする団体であって継続性を持つものをいう。
(4) 事業者 主として営利を目的とする事業を行う者をいう。

趣旨

本条は、本条例で用いる基本的な用語である、「市民協働」、「市民活動」、「市民活動団体」及び「事業者」の定義を明らかにしたものです。

解説

1.市民協働
市民協働とは、考え方や行動が違っていても、それぞれの特性を生かしながら、共通の課題や目標を達成するため、さまざまな観点や形態で取り組むことをいいます。
「互いの相違を認識する」とは、市は、常に公平に行動することが原則であるのに対して、市民活動団体は、ある意味、公平ではなくても、一部の特定の人を対象にして行動することができるといった行動原理や、同じ活動に取り組むにしても、その方法に違いがあることなどを、互いに理解しあい、それぞれの自主性、独立性を尊重することを意味するものです。
例えば、「川の水をきれいにしたい」という共通課題に対して、市民活動団体が調査を行ったり、ごみを拾ったり、無りん石鹸の普及を行ったりと独自の活動を展開していくことがありますが、一方で、行政と一緒になり、環境のためのフォーラムなどを開催することもあります。また、行政が気づかなかった問題点を指摘することによって、新たな環境政策が打ち出されたり、中には、行政とは違った立場、考えのもとで活動が展開されることも考えられます。つまり、それぞれにおける考え方や行動は違っていても、ここでは「川をきれいにしたい」という共通の目標のもと、様々な形態で対等に活動していくことが市民協働ということになります。
2.市民活動
本条における「市民活動」の定義には、営利を主たる目的とするものや、個人の趣味的な活動は含まれませんが、市民が自発的な立場から、結果的に社会貢献性を持つ活動を継続して進めている場合は、市民活動であると考えられます。本市では、「浜松市市民活動基本指針」の中で、「市民活動」を「社会的課題に取り組んでいる活動で、コミュニティ活動、ボランティア活動、NPO活動など」と幅広く捉えています。
なお、「市民活動」の対象から、宗教の教義や政治上の主義を広めることを主たる目的とした活動などを除いたのは、特定非営利活動促進法(平成10年12月1日施行)における特定非営利活動法人の要件の規定と同じ考え方から、特定の宗教や政治的な立場に偏るものは、広く市民を対象にする市民協働によるまちづくりに関わる活動としては、妥当ではないと考えるためです。
3.市民活動団体
本条における「市民活動団体」の定義は、市民活動を行うことを主たる目的とする団体をいいます。つまり、コミュニティ活動、ボランティア活動、NPO活動を担う団体をいいます。この「NPO」については、市民活動基本指針の中で次のように規定しています。

NPOとは、Non-Profit Organizationの略で、日本語に訳せば、「民間非営利組織」となります。つまり、営利を目的とする企業などと異なり、収入から費用を差し引いた利益を関係者に分配しないことを基本に社会的使命の追求を目的とし、自発的な活動を継続して行う団体を指します。
NPOの中には、特定非営利活動促進法により法人格を得て活動している団体もあります。
NPOとボランティアの違いは、ボランティアが、「個人が善意で行う個々の活動」に対して、NPOは、「営利を目的とせず、社会貢献活動を行っている民間の組織」となり、継続的に活動している組織体となります。

なお、自治会や子供会などの地縁団体は、地域内の会員を主な対象として互助的な活動を中心に活動している、公益というより共益のための団体ですが、資源物の回収、災害時の相互救援など社会貢献性をもつ活動を行う点においては、市民活動団体の一つであるともいえます。
4.事業者
本条において、「事業者」は、主として営利を目的とする事業を行う者で、個人、法人のいずれも含みます。
5.なお、本条例において特に定義はしていませんが、「市民」とは、浜松市内に住所を有する者に限定するものではありません。市外に居住し、浜松市に通勤や通学をしている人も市民協働のパートナーと成り得ることから、市民に含めるものです。
また、「市」とは、普通地方公共団体としての浜松市のことで、市の区域内における市民サービス業務を行う行政体としての市を意味するものです。

基本理念

第3条 市民協働は、次に掲げる基本理念にのっとり推進されなければならない。
(1) 市民、市民活動団体、事業者及び市が、それぞれの役割と責務を理解し、互いが対等なパートナーであることを認識するとともに、互いに協力し、及び支援し合うこと。
(2) 市民、市民活動団体、事業者及び市が、互いの自主性及び主体性を尊重し、多様な協働の形態により行われること。
(3) 市民、市民活動団体、事業者及び市が、公正性及び透明性を確保し、互いの情報を共有し合うことにより、相互の参加及び参画が図られること。

趣旨

本条は、市民、市民活動団体、事業者及び市の四者が市民協働を推進するに当たっての基本的な考え方を明らかにしたものです。

解説

1.市民協働を進める前提として、市民、市民活動団体、事業者及び市の四者が、相手の特性を理解し、尊重した上で、共通する課題や社会的目的の実現のために、それぞれが独立、自立した存在として、対等な関係を維持しながら市民協働を進めていくことが重要となります。
市は市民活動団体との関わりの中で、必要以上に干渉したり、支援したりすることで、上下関係や従属意識へ変質してしまう可能性があることに留意すべきです。一方、市民活動団体においては、市からの支援に依存することなく、自立して、目標に向かって活動していくことが必要となります。
2.市民協働を進める前提として、市民、市民活動団体、事業者及び市の四者が互いの自主性や主体性を尊重することが大切です。
多様な協働の形態とは、市民、市民活動団体、事業者及び市の四者における関わりの程度や内容によって、さまざまな形態があるということです。
例えば、市民活動団体と市の協働を考えると、市民活動団体主導の活動に対して市が協力していくもの、反対に行政主導の事業に市民活動団体の参加を求めるもの、市民活動団体と市が計画段階から連携、協力して事業実施を行うものなどがあります。また、市と一緒になって活動することだけでなく、共通の目的や課題に対して、目指す方向が同じならば、考え方や行動は違っていても協働といえます。
そして、この協働の関係は、市との関係だけでなく、市民活動団体と事業者、あるいは市民活動団体同士といったような形態も考えられます。
これら、さまざまな協働の場面においては、対等な関係が重要となります
が、そのための基本として互いの自主性、主体性の尊重を前提とした相互理解が大切です。
3.市民、市民活動団体、事業者及び市の四者は、それぞれの役割を明確にするとともに、公正性や透明性を保ち、互いの情報を積極的に公開し、共有することが大切です。そして、互いが協力、連携して進める協働においては、企画、立案、実施及び評価の段階での参加及び参画を図ることが求められ、そのことにより、第三者に対する説明責任をそれぞれが十分果たす必要があります。
ここで言う「参加」と「参画」についてですが、これは、参加の度合いで区別をしたものです。確立された定義ではありませんが、「参加」は、イベントなどの事業に参加者という立場で関わりを持つことと考えます。これに対して、「参画」は、事業の計画立案の段階から、加わっていくことと考えます。

市民の役割

第4条 市民は、基本理念にのっとり、社会に関心を持ち、地域社会の一員として自らできることを考えて行動し、市民活動及び市政に参加し、並びに協働する意識を持つよう努めるものとする。

趣旨

本条は、市民協働を推進する主体として考える、市民、市民活動団体、事業者及び市のうち、市民の役割について明らかにしたものです。

解説

地域社会を構成している最小の単位は市民です。市民活動団体の構成員も、事業所の社員も、また市の職員も市民であり、こうした市民一人ひとりが、地域で生活しながら、住み良い地域社会をつくっていくものと考えます。
市民活動の第一歩としては、自分たちのまちに対し関心を持つことで、そして、小さなことでも、自らができることを考え、行動していくことが大切です。
また、市民一人ひとりが市民活動や市政に参加すること、あるいは、協働する意識を持つことは、これからのまちづくりにおいて欠くことができない市民の重要な役割であり、また、権利でもあります。
「自分たちのまちは、自分たちの手で支えていこう」という市民の力が何よりも必要となります。

市民活動団体の役割

第5条 市民活動団体は、基本理念にのっとり、自己の責任の下に自らの活動を推進することにより、当該活動が広く市民に理解されるよう努めるものとする。

趣旨

本条は、市民協働を推進する主体として考える、市民、市民活動団体、事業者及び市のうち、市民活動団体の役割について明らかにしたものです。

解説

市民活動団体は、社会の様々な課題などに対して、自己の責任の下で、自主的、自発的に取り組んでいますが、これらの活動は、それぞれ個々の団体内だけに留まるものではなく、市民との関わりをもって存在しているとも言えます。このため、その活動がより多くの市民に理解され、また、受け入れられるように努力することは、市民活動団体の役割として大変重要なことです。このことによって、自分たちの活動の輪を広げていくことになると考えます。また、活動の広がりを通して、豊かで活力ある市民主体の地域社会を築くことに繋がっていくことにもなります。

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