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更新日:2017年11月7日

第10回阿多古川「やな漁」(水心・天竜区振興課)

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川とアユ、そしてやな作りや道具に使われる竹や木、そのすべてが土地のもの。天然のものを自然の力を利用して捕るやな漁は、昔から伝わる知恵がつまっています。

今回は清流・阿多古川でのやな漁を取材しました。

久しぶりに雨が降った週明け、阿多古川漁協の方から「やなでアユがたくさんとれているよ」との連絡をもらいました。秋になると産卵のために川を下っていくというアユ。漁協の方の話では「川の水量が少なく下がりたくても下がれない状況が続いていた。今回の雨で、一気にアユが下り始めた」とのことでした。

阿多古川でやな漁をしていたのは、阿多古川の上流・熊地区に住む鈴木さん。やな漁は、杭と竹を使って水をせきとめ、アユが堰を伝って泳いでくるところを網ですくい上げるものです。全国各地で「やな漁」は行われていますが、こうして川岸で待ってすくい上げるという漁法は、大変珍しいのだそう。鈴木さんがじっと待っている脇に据えられた生簀をのぞくと、すでに100匹近い数のアユがいました。

「朝6時からやっているんだけど、午前中はよかったな。1度に15~20匹が網に入ってね。重くて引き上げるのに苦労したぐらいだ」。その笑顔がこの日の大漁を物語っていました。「途中で何人か立ち寄っていった人たちにあげちゃったからね。200~300匹は捕れたんじゃないかな」と鈴木さん。取材中にも「おーい、どうだい。たくさん捕れたかー」と鈴木さんに声を掛けていく知り合いの方が何人もいました。

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鈴木さんに話を伺う中で、興味深かったのは、漁に使う道具の「四つ手網」。竹とカシの木と網を組み合わせて作られている網は、地元の名人の手仕事によるものだそうです。「これは素人じゃ簡単にできない。魚が入ったら重みで網が抜けてしまう。昔からのやり方を知っている年配の人だからできる仕事だね」と四つ手網を手にしながら鈴木さんは話してくれました。この網を作ったのは、漁協組合長の石川さん。やな漁の名人でもある石川さんも、この日朝から漁を行い、およそ30kg(魚数にして500~600匹)を天竜川の下流に放流したそうです。ただ、漁を楽しむだけでなく、アユの生態のサイクルのこともきっちりと考えられていることには頭が下がりました。

川とアユ、そしてやな作りや道具に使われる竹や木、そのすべてが土地のもの。天然のものを自然の力を利用して捕るやな漁は、昔から伝わる知恵がつまっています。また、この時期のアユは焼いて甘露煮にすることが多いようですが、これは保存が利くため。食べ方も含めて、先人たちの生活力の高さを感じさせられます。

アユの習性を知り尽くした阿多古川とともに生きる人たちは、口を揃えていいます。「アユは、いつになったら、どこに行けばいいかちゃんと知ってるんだよ」と。そして「川を毎日見ていれば、アユがどうしているか分かるようになる」とも。阿多古川の美しい流れも、こうした文化も子供たちに受け継いでいきたいものだと強く感じました。

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