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更新日:2025年9月5日
私たちの生活にさまざまな恵みをもたらしてくれる森林。
今月の特集「森のトリセツ」を読めば、森はあなたの友達です。
浜松市は、市域のおよそ7割を森林が占める、緑豊かな都市です。あなたが触れ合う森の多くは、「天竜美林」と呼ばれるスギやヒノキの人工林。かつて先人たちの手によって未来を見据えて植えられた木々が、これまで大切に育てられ、森はつくられています。
多様な地形や自然環境がそろい、国土縮図型都市とも言われる浜松市。中心市街地から、さまざまなスポットへアクセスしやすいことも特徴です。森林MAPでは、市内の森林の位置や、気軽に森と触れ合うことができるおすすめのスポットを示しています。森は皆さんが思うよりずっと近くで、私たちの生活に寄り添ってくれています。
森へ入る時は、安全を第一に考え、2人以上で行動するようにしましょう。服装は長袖、長ズボン、帽子やヘルメットが基本です。森の奥深くへ入る場合は、虫よけスプレーや、クマよけの鈴やラジオを用意するなど、事前の準備をしっかり行いましょう。
森はじっと動きませんが、まるでお掃除ロボットのように、私たちが知らない今も働いてくれています。その働きぶりは、私たちの豊かな暮らしを支えてくれるだけでなく、地球環境の保全にも貢献するとてもすごいものなのです。
森の土は、雨水をたっぷりと吸い込み、ゆっくりと時間をかけてろ過することで、きれいな地下水を生み出します。また、川に流れる水量を調整し、洪水を緩和します。
森の中で深呼吸をすると心が落ち着くのは、空気がきれいだからです。樹木の葉が大気中の有害物質を吸収し、ほこりを取り除いてくれることで、私たちはきれいな空気を吸うことができます。
市内の人工林は「伐(き)って使うための森林」として育てられています。木が吸収した二酸化炭素は、炭素として、伐採後も燃やされない限り木の中に残り続けるため、木材を使うことは、二酸化炭素の削減につながります。木を使った家が街にできることは、街に第2の森ができることと同じなのです。
森林散策やキャンプなど、森ではいろいろなアクティビティを楽しむことができます。
樹木の葉が大気中の有害物質を吸収し、ほこりを取り除きます。
光合成の過程で、大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素をつくります。
家具や紙、建材など、木材は私たちの生活に欠かせません。
森の資源や景観は、芸術や伝統文化などを育んでいます。
夏の気温上昇を抑えたり、防風林として強風を防いだりします。
森では、多種多様な植物が育ち、動物や昆虫などが暮らしています。
森との触れ合いは、私たちの心に潤いと安らぎを与えてくれます。
スポンジのように雨水を蓄え、ゆっくりとろ過して川に注いでいます。
樹木の根が地面をしっかりとつかみ、土砂の流出を防ぎます。
森ではいろいろなことができます。ここでは、ビギナー編、ステップアップ編に分けて、今の時期おすすめの森の楽しみ方を紹介します。緑あふれる景色を見たり、鳥や昆虫、風に揺れる草木が奏でる音を聞いたり、スギやヒノキの爽やかな香りを嗅いだり、五感を存分に使って森を楽しみましょう。
森林は空気がきれい。歩くだけで心身のリラックスができます。気軽に森に入ってみましょう。
森が浄化した川の水で涼をとることはもちろん、普段見慣れない川の生き物を探してみるのもおすすめ。
体験を通して、森の働きなどを学べます。市内で行われている体験プログラムを「森と触れ合おう!体験プログラムのご案内」で紹介しています。
などなど、楽しみ方は盛りだくさん。あなた自身の楽しみ方を見つけましょう!
※プロギング:ジョギングをしながらゴミを拾うスウェーデン発祥のフィットネス
浜松は、雪が少なく一年中キャンプが楽しめます。川のせせらぎを聞きながらのんびりと読書をしたり、みんなでわいわいとバーベキューをしたり、楽しみ方は人それぞれ。週末、仕事終わりにそのままキャンプ場に訪れるサラリーマンもいます。都会の喧騒(けんそう)を忘れて、豊かな自然と触れ合う時間は格別ですよ。
小川の里オートキャンプ場(天竜区小川)
管理人 藤田 眞朗(まさあき)さん
森の恵みを肌で感じ、心豊かな時間を過ごせます。満天の星の下でたき火を眺め、非日常を味わってみてはいかがでしょうか。
登る山によって異なる景色が楽しめます。
自分のレベルに合わせて登る場所やコースを正しく選びましょう。
10年ほど前、竜ヶ石山(りゅうがしやま)から見た初日の出がきれいで、山に魅了されました。登山の魅力は、何といっても山頂からの絶景。市内では、尉ヶ峰(じょうがみね)から見下ろす浜名湖も、一見の価値ありです。登山仲間からの誘いで、最近はプロギングも楽しんでいます。運動をしながら、環境保全にも貢献できて一石二鳥。おすすめですよ。
山本 早織さん
(中央区鹿谷町)
「林業家」と聞くと、木を伐採し、木材を生産しているイメージが強いかもしれません。しかし、それは林業家の仕事の一部に過ぎません。伐採後の土地を整地し、苗木を植え付けることから始まり、何十年もの長い期間をかけて木々を大切に育てます。その間、雑草を刈ったり、余分な枝を切り落としたり、間伐をしたりといった手入れを丹精を込めて行います。未来を見据えた長期的な視点での維持管理が、森林の多面的な働きを支えているのです。
森は、私たちの生活にとってかけがえのないパートナーです。その豊かな恵みを享受するだけでなく、私たち自身が「森を育てる」意識を持つことが重要です。森を育てることができるのは林業家だけではありません。私たちも森を育てることができるのです。
では、森を育てるために私たちにできることは何でしょうか。それは「木材を使うこと」です。木材が利用されなければ、成熟した木々が伐採されなくなり、林業が衰退してしまいます。私たちが生活に地元の木材である天竜材(FSC(R)認証材)を取り入れることで、地元の森を育てることにつながります。
写真:株式会社キシル
「生活に木材を」と言われても、なかなかイメージしづらいかもしれません。まずは、ペン立てやコースターなどの小物から取り入れることがおすすめです。地元の森からやってきた製品を使うことで、製品そのものに愛着が湧くこと間違いなしです。また、住宅や店舗を建てたり、リフォームしたりする予定がある人は、天竜材の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
市では、市内で生産・加工された天竜材(FSC認証材)を用いて木造住宅などを建てる人に対して、天竜材の購入費用の一部を助成しています。
天竜材の家 百年住居る事業費補助金(最大50万円補助)
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/ringyou/shinko/forestry/ringyou/index.html
天竜材ぬくもり空間創出事業費補助金(最大500万円補助)
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/ringyou/2020nukumori.html
「森のトリセツ」を読み進め、森の奥深さに触れた皆さん。知識が深まってきたところで、次は実際に森に行って、その恵みを肌で感じてみませんか?
天竜美林をフィールドに活躍する森のプロたちが設立した「天竜こころの森ネットワーク」の体験プログラムや、今月の表紙写真の撮影地でもある、緑豊かな「県立森林公園」が開催するイベントをご紹介します。
天竜美林を体験できるおよそ3時間の「入門編」ツアーです。林業家が自らつくる天竜区内の林業地を案内します。天竜美林の成り立ちや特徴が学べます。
申し込み方法や料金などの詳細は、ホームページへ。
https://tenryu-kokomori.net/with_kikori/(別ウィンドウが開きます)
クイズに答えながら森を散策しませんか。ゴールするとすてきな参加賞がもらえます。
日時:10月11日(土曜日)・12日(日曜日)
10時~12時、13時~15時
参加無料、事前申し込み不要。
詳細は、ホームページへ。
https://kenritsu-shinrinkouen.jp/(別ウィンドウが開きます)
清流阿多古川沿いの特別な空間で、出会いと交流を楽しみませんか。
開催日:12月7日(日曜日)
時間:10時~15時(予定)
場所:ATAGOYA(天竜区西藤平288-1)
定員:男女各10人程度、計20人(応募多数の場合、抽選)
申し込み方法などの詳細は、市ホームページへ。
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/ringyou/event/documents/morikon.html
この特集に関するお問い合わせは、林業振興課(【電話】053-457-2159)へ。
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