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更新日:2024年10月5日

【特集】農業を変える 農業×福祉の取り組み ユニバーサル農業に注目!(広報はままつ2024年10月号)

浜松市は農業を営む上で、地形や気候、流通など恵まれた立地にあり、2022(令和4)年市町村別農業産出額(推計)は全国第6位を誇る全国有数の農業都市です。しかし、そんな浜松の農業にも従事者や後継者の減少、耕作放棄地の増加などの課題があります。今月は、農業の課題を解決するための方法の一つ、ユニバーサル農業を紹介します。

福祉事業所スマイルベリーに委託しているトマトの誘引作業(ひらまつファーム/浜名区新原)
福祉事業所スマイルベリーに委託しているトマトの誘引作業(ひらまつファーム/浜名区新原)

バラの草取り作業
バラの草取り作業(高山ローズ/浜名区都田町)

バラの長さをそろえる作業の見直しを検討している様子(高山ローズ/浜名区都田町)
バラの長さをそろえる作業の見直しを検討している様子(高山ローズ/浜名区都田町)

効率よくトレーを洗浄できるよう開発した機械を使用する従業員(京丸園/中央区鶴見町)
効率よくトレーを洗浄できるよう開発した機械を使用する従業員(京丸園/中央区鶴見町)

農業と福祉の、いい関係
ユニバーサル農業

ユニバーサル農業は、福祉の視点や考え方を農業に取り入れて、誰でも農作業ができるようにする取り組みです。障がいのある人などの就労支援につながると共に、農業経営に変革を起こすきっかけにもなっています。全国的には「農福連携(のうふくれんけい)」とも呼ばれるこのような取り組みは、農業の担い手不足を背景に、近年、日本各地に広がっています。
障がいのある人と共に働く際、よく用いられる手法の一つに、作業を細かく切り出す「作業分解」があります。伝統的に行われてきた一連の作業を単純な作業に細かく分解することで、誰もが作業できるようにするのがユニバーサル農業の特徴です。
多様な人が活躍できるように、また、誰でも効率よくできるように作業工程を見直し、生産を拡大させるなど農業経営の発展を目指します。

★作業分解とは

作業分解とは一連の作業を単純な作業に細かく分解し、誰でも作業できるようにすることを作業分解と言います

★お互いにメリットのある連携

農業者

  • 農場で働く人を確保できる
  • 農園の規模を大きくできる
  • 社会貢献になる

障がいのある人高齢者など

  • 働く機会が増える
  • 収入が増える
  • 自然とのふれあいで心が安定する

農業者 (連携) 障害のある人、高齢者など

 

担い手をさらに多世代、多様な人々へ広げていく

市内では、福祉事業所が早くから障がいのある人の自立訓練に農作業を取り入れたり、農業者が障がいのある人の雇用を始めたりしていたことから、全国に先駆けて農福連携が始まりました。市は、2005(平成17)年に研究会(※)を発足。さまざまな農福連携の方法を研究し、普及・啓発を進めています。研究会はこれまで障がいのある人の活躍を中心に研究してきましたが、今後は対象を多世代、多様な人々に拡大し、ユニバーサル農業の可能性を広げていく予定です。
来年1月、ユニバーサル農業の取り組みを開始してから20年の節目を記念してシンポジウムを開催します。市内外の取り組みを紹介しながら、今後について考えます。ユニバーサル農業に取り組んでいる団体の見学ツアーも開催するので、興味のある人は、ぜひご参加ください。

※農業者、福祉関係者、企業関係者、学識経験者、県および市の各関係機関で構成する「ユニバーサル農業研究会」

interview

30年前から障がいのある人の雇用を進め、長年にわたりユニバーサル農業に取り組んでいる京丸園の鈴木厚志さんにお話を聞きました。

障がいのある人を雇用したきっかけは?

農園の規模を拡大するために求人を出したところ、障がいのある人から応募がありました。当社の農作業には職人的な技術が求められるので採用は難しいと思い込んでいたのですが、保護者や特別支援学校の先生の熱意に心を動かされ、作業工程を一緒に考えていくことにしました。今では105人の従業員のうち25人が障がいのある人です。

ユニバーサル農業を始めてからの仕事の変化を教えてください

ユニバーサルデザインの視点を取り入れながら、「人を仕事に合わせるのではなく、仕事を人に合わせよう」と考え、農作業の工程や経営方法を見直しました。
障がいのある人が働けるようにしたことで、高齢者も働きやすくなり、女性や、引きこもっていた若者なども集まる農園になりました。現在では16歳から88歳までの幅広い年代の人が活躍しています。従業員が増えることで生産量を増やすことができ、売り上げも伸びています。

作業の見直しの例

作業の見直しの例

手先の器用さが必要だった作業を見直した。板状の道具を考案し、その道具を使うことで誰でも素早く正確に行えるようになった。

今後の展望を教えてください

多様な人を巻き込むことで強い農業形態をつくり、次の世代へ渡すことが経営者としての目標です。高齢化が進む中で、定年を迎えた人たちにもっと農業に携わってもらえたら、とも考えています。

鈴木厚志さん
京丸園株式会社
代表取締役 鈴木厚志さん

交通事故による身体障がいのある従業員の鈴木潤一郎さんにお話を聞きました。

専門学校時代の研修がきっかけで京丸園で働き始め、15年になります。障がいのある人が所属する心耕(しんこう)部という部署のリーダーをやっています。うまくできなかったことができるようになると、達成感があります!仕事で困ったときは、一人で抱え込むことがないように、周りの人も相談しやすい雰囲気を作ってくれます。おいしい野菜を届けられるよう、これからも丁寧な仕事をしていきたいです。

鈴木潤一郎さん
京丸園株式会社
鈴木潤一郎さん

ユニバーサル農業の取り組みを紹介する冊子や動画を、市ホームページから見ることができます!

ユニバーサル農業インタビュー

ユニバーサル農業インタビュー
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/sangyo/shinko/nogyo/nogyo/univagri/suishintaisei.html

ユニバーサル農業20周年記念シンポジウム inはままつ

参加募集

シンポジウム

スタディーツアー

シンポジウム

日時:2025(令和7)年1月30日(木曜日)10時30分~16時30分
会場:アクトシティコングレスセンター41会議室

スタディーツアー

開催日:2025(令和7)年1月31日(金曜日)
内容:ユニバーサル農業に取り組む生産者などを巡る見学ツアー

農業と福祉の世界会議

  • 農福連携の先進的な取り組みが注目を集める浜松のユニバーサル農業を詳しく知る機会
  • 市内だけでなく国内や海外の取り組みを紹介

申込は専用フォームから
https://logoform.jp/form/Savd/697501(別ウィンドウが開きます)

問合せ

この特集に関するお問い合わせは、農業水産課(【電話】053-457-2333)へ。

このページのよくある質問

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お問い合わせ

浜松市役所市長公室広聴広報課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2021

ファクス番号:053-457-2028

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