緊急情報
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更新日:2024年3月5日
浜松市では、令和6年能登半島地震の被災地である石川県珠洲市などへ職員を派遣し、支援活動を行っています。 今月は、市民の皆さんの防災対策の一助となるよう、被災地支援業務に従事した職員が、活動を通して感じたことなどを掲載します。
2024(令和6)年1月1日、午後4時10分ごろ、石川県能登半島で最大震度7を観測する地震が発生しました。地震の規模を示すマグニチュードは7・6で、平成7年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を起こした地震はマグニチュード7・3だったことから、今回起きた地震は、とても大きな地震であったことが分かります。 この地震により石川県では、輪島市や志賀町で震度7の非常に激しい揺れを観測したほか、震度6強や6弱を観測した地域も多くありました。 2月13日現在、石川県全体の死者数は241人、住家被害(全壊や半壊、一部破損など)は6万5千棟を超える甚大な被害となっています。
気象庁ホームページより一部抜粋
地震名 | マグニチュード | 最大震度 | 人的被害(死者数) | 物的被害(住家) |
---|---|---|---|---|
令和6年(2024年)能登半島地震 | 7.6 | 7 | 241人(※) | 65,570棟(※) |
平成28年(2016年)熊本地震 | 7.3 | 7 | 273人 | 全壊:8,667棟、半壊:34,719棟、 一部破損:162,500棟 |
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災) |
9 | 7 | 19,729人 | 全壊:121,996棟、半壊:282,941棟、 一部破損:748,461棟 |
平成16年(2004年)新潟県中越地震 | 6.8 | 7 | 68人 | 全壊:3,175棟、半壊:13,810棟 |
平成7年(1995年)兵庫県南部地震 (阪神・淡路大震災) |
7.3 | 7 | 6,434人 | 全壊時104,906棟、半壊:144,274棟 (総務省消防庁統計による) |
※令和6年(2024年)能登半島地震の人的および物的被害数は、石川県危機管理監室が発表した2月13日(火曜日)14時現在のものです。死者数には災害関連死15人が含まれています
私を含め3人は、1月2日に災害対応全般を支援するチームとして珠洲市役所に向かいました。
珠洲市に近づいてくると家屋倒壊が目立ってきて、倒壊していない建物でも窓ガラスが割れていたり、サッシが外れていたりするような状況でした。特に2階建ての古い木造建物は、1階はもとより2階もつぶれている建物も多くあり、耐震対策の重要性を改めて痛感しました。
市民の皆さんも、いま一度、住宅の耐震性能を確認して、耐震性が低い場合には、ぜひとも対策を行ってください。また併せて家具の固定も忘れずにお願いします。
珠洲市災害対策本部で私たちは、孤立集落の解消に向けて支援をしましたが、解消は1月19日までかかりました。その間、陸上自衛隊の全面的な協力を得て、ほぼ毎日、食料や飲料水に加え、灯油やガソリンなどの物資を徒歩で孤立集落に住む人たちのところへ運んでもらいました。
本市でも孤立が予想される集落に住んでいる皆さんは、一般的に必要とされる7日分以上の食料や燃料などの備蓄を進めてください。市としても孤立が予想される集落を含む天竜区などを対象に、食料などの備蓄量を増やしていきます。
最後に、本市では南海トラフを震源とする地震が想定されています。今回の地震を踏まえ、「あすは我が身」を意識し、市民の皆さんにも地震に備えていただきたいと思います。
写真:家屋が倒壊して道路をふさいでいる箇所も多くありました
【支援活動に従事した職員の所属】
危機管理監 危機管理課
浜松市のホームページでは、災害に備えて自分でできることを考え対策しておく“我が家の対策(自助)”を掲載しています。この機会に、ぜひ確認してみてください。
問合せ:危機管理課 【電話】053-457-2537
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/bosai/bosai/jijo/index.html
私たち第2陣の保健師チームが健康支援のために珠洲市に入ったのは、災害から10日ほどが経過した時期でした。地震による被害は甚大で、避難所に避難している人たちは、既に身体的、精神的に大きな疲労を抱えており、長引く避難生活により健康状態の悪化が懸念される状況でした。
今回、避難所で健康支援を行う中で、皆さんに平常時から習慣付けられると良いと思ったことなどを3点お伝えします。
写真:保健師による避難者への健康状態の聞き取り
避難所では、心身の不調を訴える人や持病の薬が途絶えている人などが数多くいました。持病のある人は、予備の薬や薬の情報を持っていると、災害時でも正しく服薬できます。
風邪や新型コロナ、インフルエンザなどの感染症も拡大傾向にあったため、避難所の感染対策を徹底し、疾病によっては隔離の調整をするなど、まん延防止に取り組みました。避難時には、消毒用アルコールやマスクを準備することや、居室や共用場所(特にトイレ)の掃除を定期的に実施し、清潔を保つことも重要です。
避難生活(車中泊も同様)では、同じ姿勢でいることが増えて運動量が減少したり、トイレの回数を減らそうと水分を控えたりしがちです。エコノミー症候群や便秘の予防には、作業や運動で身体を動かし、適切な水分摂取をすることが大切です。
個々に健康を守るための対策をし、さらにお互い助け合って、避難所生活による健康被害を少なくしていけるといいですね。
【支援活動に従事した職員の所属】
健康福祉部 天竜健康づくりセンター
浜松市上下水道部の職員4人が、1月3日早朝から石川県内で応急給水活動を開始しました。給水所では常に行列ができ、途切れることはありませんでした。応急給水活動をしていると、不便な生活を強いられている中でも、多くの被災者から感謝やねぎらいの言葉をいただきました。
また、トイレ、風呂、洗濯機など普段当たり前のように使用しているものが、水が断たれたことで使用できなくなり、「水の大切さがよくわかりました」と高齢の女性がしみじみと話された事がとても印象的でした。
地震によって断水した被災地の人は、飲料水を確保することから始まります。地域にいくつか開設される給水所に、ペットボトルやポリタンクを持参し、水を詰めて持ち帰ることになります。家庭用ごみ袋も水を詰めることができます。また、水を運ぶ時の負担を軽くするため、リュックサックやキャリーカートがあれば便利です。
地震が発生したときのために、1人当たり1日3リットルを7日分(21リットル)の飲料水の備蓄を推奨しています。また、飲料水のほかに、手洗いやトイレなどに使う生活用水も必要です。
写真:給水所には常に長い行列ができていました
浜松市上下水道部では、1月3日から災害時に給水所開設場所がわかるアプリ「すいすい」のサービスを開始しました。「すいすい」のマイページから応急給水所開設状況のほか、上下水道料金や過去の使用水量実績なども確認できます。
水道は私たちの暮らしの中で、なくてはならないものです。もしも断水をしたらどうなってしまうのか想像して、何の備えをしてどう行動すれば命が助かるかを日頃から考えておきましょう。
写真:給水所での応急給水活動
【支援活動に従事した職員の所属】
上下水道部 お客さまサービス課
避難所では特別な調理ができないため、カロリー制限などをすることは困難です。
栄養問題を抱えたまま避難所での生活を続けた場合、疾病の発症や持病の悪化につながる場合があることから、避難が長期化する場合は、支援に来ている医師や保健師などに早めに相談をしましょう。
支援に来ている医師や薬剤師などに、「この薬がほしい」と伝えるためには、お薬手帳が有効です。
ほとんどの医師は、お薬手帳を見れば病気の状態や治療について想像することができます。
お薬手帳の必要な部分のコピーを非常持ち出し袋に入れておきましょう。
災害などにより断水した際、応急給水開設状況が確認できる「すいすい」アプリの登録をお願いします(登録・利用料は無料)。
水道検診時にお配りしている「使用水量等のお知らせ」を用意し、記載してあるお客さま番号を入力すると登録できます。
「すいすい」アプリの登録はこちらから
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/service/cloudservice-suisui.html
飲料水を備蓄する方法として、災害時用に買い置きした水を日常的に消費しながら、消費した分を補充するローリングストック法がおすすめです。古いものから使い、使った分は必ず補充することで、一定の備蓄量を維持でき、鮮度も保つことができます。
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