緊急情報
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更新日:2024年8月14日
開催日時 | 令和3年3月29日(月曜日)15時30分~16時30分 |
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開催場所 | くんま水車の里 ふれあいの家 |
参加団体 | 浜松山里いきいき応援隊(11人) |
テーマ | 山いき隊が感じる中山間地域の魅力と課題 |
市長:
今日は、山里いきいき応援隊の皆さんとの懇談会ということで、私も楽しみにしてまいりました。浜松は広大な中山間地域があり、一口に中山間地域と言っても、それぞれの地域がそれぞれの特色を持った素晴らしい地域です。今日は皆さんの地域の良さを生かした活動ぶりを聞かせていただき、皆さんといろいろな課題などについても、見直していきたいと思います。
限られた時間ではありますが、有意義な懇談会をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
天竜地域の隊員:
天竜地域は2人の隊員で活動しています。地域がかなり広く、住んでいる場所も少し離れていますので、それぞれ発表します。
まず、私は、昨年の9月に着任して7カ月になります。天竜区の横川という所に住んでいて、道の駅「いっぷく処横川」の支援を軸に、主に情報発信に力を入れています。今は、「いっぷく処横川」のInstagramや、自分個人のInstagramを使って、天竜地域の魅力をSNSを通して伝える活動を主に行っています。
最近だと、道の駅の近くのサクラがすごくきれいなので、道の駅の支援の一環で、写真に撮ったり、散策の地図を作ったりしました。
地域で活動していて感じる課題は幾つかあります。横川ならではのところで言うと、名産である原木シイタケの担い手の高齢化が課題だと感じています。どこもそうかと思いますが、何年後かにはなくなってしまうのではと思い、どうしたらいいかと考えているところです。
天竜地域の隊員:
私は、兵庫県神戸市出身で、今年の1月に就任して今3カ月目です。上阿多古地区に住んでいて、熊と上阿多古、下阿多古を中心に活動しています。
この、「くんま水車の里」も支援しています。特に今、力を入れているのが阿多古和紙という伝統工芸品についてです。阿多古は昔、阿多古和紙が盛んに作られていましたが、後継者がいなくて、今やってらっしゃる方も90歳ぐらいです。今後、この伝統がなくなってしまう可能性がある中で、今、60代の女性が、阿多古和紙を途絶えさせてはいけないと地道に活動をされていて、その方を支援しています。
昔、阿多古和紙の研究会があり、地域の方が集まって、和紙を使って貼り絵や切り絵を作っていましたが、そのようなグループ自体も今はなくなってしまいました。私はそういう文化をなくさないために、今、努力をしています。
和紙は普通のコピー用紙と違って、何年たっても色は変わらず、質も落ちないので、このような日本の伝統、阿多古の伝統を引き継いでいきたいという思いで、活動を頑張っています。
市長:
担い手の高齢化が課題ですね。どうしたらいいと思いますか。
天竜地域の隊員:
私は、横川には「Welcome集落」という、移住を受け入れるような体制があるので、シイタケ栽培をやりたいという若い、できれば力仕事なので男性が移住したり、今は別の所で仕事をしている横川出身の人が、戻って来てくれたりしたらいいなと思ってはいますが、私たちでは微力で、なかなか難しい状況です。
市長:
漫然と移住募集ではなくて、シイタケ栽培など目的を持った人が来てくれるといいですね。春野はお茶もあるからね。
今、阿多古和紙作りをしている人はいらっしゃいますか。
天竜地域の隊員:
90歳の方が1人いらっしゃいます。
私は、先週、山梨県の市川三郷町が、役場と協力して広報の立ち上げや、後継者の育成をする活動をしているので取材に行ってきました。どういったことを今からしていけばいいのかを、市川三郷町の方や地域の方、浜松市の力を借りながら、活動をしていきたいと思っています。
市長:
浜松の中山間地域のいいところは、市役所から来ると1時間20分ぐらいなので、ちょっと行くと人口80万人の都市があるところです。課題は、80万人の担い手がいると想定して、中山間地とどうつないでいくかです。
私がとにかく言うのは、都市部と中山間地域の交流をもっとやらなければいけない。年に1回のお祭りだけでなく、日常的にもっと交流できるようにね。
例えば阿多古和紙も、1時間ちょっとで来られるんだから週末に来てもらって、和紙の作り方を学ぶことができたらいいですね。週末は、環境のいい所で、夏になると川もきれいだし、そうすればいっぱい都市部から人を呼べるようになるからね。
天竜地域の隊員:
ご意見ありがとうございます。
市長:
そういうことをどんどんやってみるといいと思います。
春野地域の隊員:
春野町は、先ほど市長がおっしゃったとおり、お茶が有名ですが、お茶の価格の低下や農家さんの高齢化により、耕作放棄された茶畑がとても多く見られます。耕作放棄された畑からはお花がとれますが、そのお花がすごくいい香りがするということに気が付きました。そのお花から作ったハーブティーや、芳香蒸留水、お茶の実からとれる上質なオイルなどを商品化しています。浜松駅前のマルシェや、ネットでも販売して、全国に春野町の魅力をPRしたいと思っています。
今は、お茶の木を抜いてオリーブの木に植え替えをしている農家さんのお手伝いをしながら、現在抱えている問題や悩みの聞き取り調査をしています。
もう一つの活動として、「みちくさだより」というフリーペーパーで春野町の魅力をPRしているグループに参加しています。最近は石切地区という3世帯しか住んでいない限界集落の取材に行くという貴重な経験をさせてもらいました。そこに「みやま会館」という素晴らしい建物がありましたが、3人のおばあちゃんが集会所として使っているくらいで、春野町内の方々にもあまり知られていないので、新聞やSNSで発信をして、地域のみんなで活用方法を考えていきたいと思っています。
市長:
春野は、休耕地を活性化して農業をやっている活動家がわりといるので、そういう人とつながっていった方がいいと思います。
春野地域の隊員:
そうします。
「みちくさだより」と私の活動報告の写真集を作ったので、また見てください。
春野地域の隊員:
春野町はお茶以外にも、いろいろな魅力的な食材があるので、私は、その食材を知ってもらいたいと思い、地域の会合やお祝いの席などの地域のイベントで、食事が必要なときに、地域食材を生かした料理を作って、春野町にある店などで提供しています。
市長:
いいですね。どんな料理を提供しているのですか。
春野地域の隊員:
あまり味を付けず、塩を使って、食材の味を生かすような料理です。種類としては日本料理に近いものを作っています。
市長:
もともとそういう料理の勉強をしていたのですか。
春野地域の隊員:
そうですね。修行を重ねていて、それで始めてみました。
市長:
そうですか。農家レストランみたいなお店をやったら面白そうですね。
物件はいっぱいありますからね。
春野地域の隊員:
そうですね。空き家を改修してお店にしてみるのもいいですね。
市長:
あといろいろな物産は、空きビルや空き店舗を再生するリノベーションという活動をやっている所に集めるなど、街中をうまく使うといいと思います。
街中と中山間地域の課題は、高齢化や空洞化など、よく似ています。マルシェみたいな所で販売するなど、もっと街中と交流してみるといいですね。
浜松のいいところは、街と中山間地域が隣同士というところです。
春野地域の隊員:
今、いろいろ考えているので、これからそういうイベント事にも出店していきたいと思います。
また、地域のジビエの料理教室に参加した時に、春野町の山の村にあったジビエの加工販売所がなくなり、ジビエの入手が困難になって困っているという声を聞きました。課題だと思って、なんとかならないかと漠然と考えてはいるのですが。
NPO法人が運営していた施設でしたが、もし何か策とか案とかがあればお聞きしたいなと思います。
市長:
加工所ですね。天竜ではイノシシの料理を出してる人がいるし、猟友会も今は数が減っていますが、そのような人たちと連携するのはどうでしょうか。ちょっと課題として考えてみます。
春野地域の隊員:
ありがとうございます。
佐久間地域の隊員:
佐久間地域は2人の隊員で活動しています。私は佐久間町出身で、Uターンして佐久間で活動をしています。
まず佐久間町の課題として、平成20年から人口がすごく減っていて、少子高齢化も進んでいます。今は人口の3分の2が65歳以上です。そんな現状がある中で、何が取り組めるかを考えました。今、「佐久間ならではの学び」を学校で大事にしているので、灯籠作りや火起こし体験など、地域の自然素材を生かしたワークショップを行っています。
また、地域の人に協力してもらいながら、空きスペースをリノベーションして拠点となる場所をつくっています。
今、スーパーがだんだん少なくなり佐久間の買い物が不便になっているので、野菜市を開催するといった支援もしています。
人口が減っていくと伝統を継承していくのも難しくなるので、地域の人に教えてもらいながら伝統を代々受け継いでいけるような活動もしています。
SNSやブログ、ラジオなど、いろいろなところで佐久間を発信して、まずは佐久間を知ってもらえるように取り組んでいます。
今後のビジョンとしては、空き物件を活用して佐久間に足を運んでもらうきっかけとなる場所をつくりたいと思っています。天竜地域を対象にした「リノベーションスクール@浜松」に参加して、山と街をつなぐ場所にある物件を、移住や天竜の観光を発信するスペースとして活用しようと考えました。まだ計画まで立てられていませんが考えています。
また、外から足を運んでいただくために、キャンプやバーベキュー、ハイキングのような佐久間の魅力を詰め込んだツアーなどの開催を考えています。その他にも、佐久間出身の人が、帰って来て参加する思い出ツアーなど「佐久間ってこんなにすてきだったな」と思えるようなイベントも開催していきたいと考えています。
あとはウェブサイトやブログのマーケティングも学んでいるので、それを生かして情報発信の強化もしていきたいと思っています。
市長:
「NPO法人がんばらまいか佐久間」とは連携していますか。
佐久間地区の隊員:
連携しています。アワビの養殖などで少し関わりがあります。
市長:
佐久間も広いですから。浦川はキャンプをするには水はきれいだし最高です。キャンプはブームですしね。
佐久間地区の隊員:
ブームですね。今はコロナの影響でアウトドアが人気ですね。
市長:
古民家を改良して、1日1組のグランピングができる所をつくると、お客さんが来ると思います。民家を改造してすごくおしゃれなグランピングができるところが、1日1組限定だけど予約が殺到してるって聞いたことがありますよ。
佐久間地域の隊員:
昨年度まで運営していた野田地区にある、そば処「北条峠(ほうじとうげ)」という所は、古民家を利用しておそばを提供するお店でしたが、そこが閉店になりました。今ちょうどその場所を活用して、何かしたいと考えているところです。
しかし、建物などの修繕ができないとなると、長くやっていくのは厳しいと思っています。本当に思い出が詰まっているお店で、地域の人たちだけでなく、他の地域の人が佐久間に足を運ぶきっかけになっていた場所だから、そのような思いを受け継いでいきたいという思いはすごく強くあったのですが。なかなか、その思いだけでやっていくのは厳しいです。
市長:
やり方次第でチャンスはあります。遠くからでも人が来る魅力ある店をつくればね。
佐久間地域の隊員
そのそば屋が閉店するという情報を、新聞社さんに発信してもらったときは、土日だけですけど、1日に100人近くのお客さまが来ました。場所は辺ぴな所にあるんですけど、それ以上に魅力がある場所だと思いました。
市長:
評判になるとわざわざ行くからね。
佐久間地域の隊員:
集客は頑張ればできるという思いはありました。
市長:
佐久間でもあるものを生かして、やり方を工夫すれば魅力的な場所になりますね。
水窪地域の隊員:
水窪の場合は地域の事業者さんや、NPO団体でもともと頑張ってきた方がいっぱいいますので、私はそのような方々の宣伝用のポスターを作ったり、ホームページを作ったり、要望があったことに応じて、コンサルティング的な活動をしています。
今、水窪は移住者の方が続々と来たり、三遠南信道も着々と進んでいたりで、かなり魅力が高まっている地域だと思うのですが、それも今まで地域で頑張ってきた方や、ずっと店を構えてきた方々など、もともといる事業者さんがすごく頑張っている地域だからだと思います。
こういう方々の努力は、見過ごされがちだと普段感じることがあるので、力になれるような活動をしていきたいと思っています。特に農林業で生計を立てるための方策や鳥獣被害の対策の検討が、一番求められていると感じるので、そのようなことを今後は頑張っていきたいと思っています。
特に林業をどうにかしたいと思っていまして、浜松市はFSC材のPRに力を入れているので、それと合わせて天竜区の天竜美林も何とかできないかと思っています。やはり担い手不足が課題ですね。
ただ、担い手はいませんが、修習生というかたちで自伐型林業をやっている方々が多いので、そういう民間の方々と国有林の方々と、それにいろいろな森林の関わり方があるので、いろいろな事業者をつなげて林業を前面に押し出していくような、取り組みもできたらいいなと思っています。
水窪地域の隊員:
もう一つの主な活動は、放棄竹林の活動です。ちょうど去年の暮れ前ぐらいに、ふじのくに竹王国の方と知り合い、竹をパウダーにして堆肥として利用する方法や、竹をきれいに育てて、浜名湖のカキの養殖に利用するといったような、竹の活用について情報を得ることができました。
普段は畑や山で作業をしながら、地元の方から依頼があったことを取り組んでいきたいと思っています。
1年目は、顔を知ってもらいたいのもあって、水窪内で活動していたのですが、外からも新しい情報を得て、いろいろなことに挑戦していきたいと思っています。
市長:
水窪では、今、雑穀の栽培もしているのでしょう。
水窪地域の隊員:
そうです。企業と組んで乳酸菌や収穫量向上のための研究をしています。他の地区の野菜やそばの収穫量の向上にも貢献できたら面白いと思っています。その話を自治体の方にしたところ、きちんと自分たちで予算や取り組みの計画を整えれば応援してくれるということなので、今後の取り組みや展望を考えています。
市長:
水窪は、わりと外から来た人も頑張って活動していますね。
水窪地域:
そうですね。活動するベース的なところはすごく整っているので、やりやすいところがある反面、若い子たちの意見が吸われていないとも感じています。
市長:
地域が違っても、いろいろな特徴があるお店だとか事業者がいるので、横につながってもいいですね。
龍山地域の隊員:
龍山での活動は、狩猟をメインに取り組んできました。他には各地域の団体さんの支援や、イベント事業のお手伝をしてきました。
狩猟に関してですが、龍山で師匠になっていただける方と、運よく巡り合えたので、本当に何も知らないところから1から10まで全部教えていただきました。師匠は40年以上猟をしている方です。龍山もどんどん猟師が減っている中で、知識や技術、土地勘などを、絶やさずうまく継承していきたいと思い、これからも学び続けていきたいと思っています。
山いき隊としての任期は終わりますが、このまま龍山に残って活動を続けていきます。
市長:
猟銃で狩猟するのですか。
龍山地域の隊員:
今はわなで猟をしています。第1種の鉄砲で猟をする免許は取れたので、あとは銃の所持許可をとるところです。これから免許も取って、地域のために頑張っていきたいと思います。
市長:
すごいですね。
龍山地域の隊員:
狩猟をやっていて、皆さん肉は自家消費されていくのですが、角や骨、皮は全部廃棄されています。命はとても大切なものなので、廃棄するのはもったいないと思い、骨や角をオブジェやアクセサリーに加工し、少しずつ販売をしています。今後も狩猟や龍山の地域のPRという活動をしていきたいと思っています。
市長:
ありがとうございます。
引佐地域の隊員:
引佐地域での1年目の活動内容としては、地域のNPO法人のイベントや、お祭り行事のお手伝いをしたり、個人的に音楽活動をしていたので、渋川の手摘みのお茶のPR動画を作ったりしました。2年目はそのイベント行事がほぼ皆無になってしまったので、集落の支援、困っていることを手助けしようと、同地域の隊員と一緒に2人で集中的に活動をしていました。
市長:
どんな支援をしているのですか。
引佐地域の隊員:
耕作放棄地の再利用や草刈りですね。やっぱり草刈りがメインで、切っても切っても、刈っても刈っても生えてくるので、草刈りが基本ですね。
私たちはどちらかというと2人で行動することが多くて、先ほど言ったように各種団体の活動支援や、いなさ青年団の活動に参加するなど地域の集落の生活支援をしています。
あと「おてまがり通信」といって、手伝いに行った所をまとめて、通信を回覧で回すようにしています。
いなさ青年団では清掃活動をしています。
「ひよんどり」という伝統的なお祭りをする場所で、寺野のお宮のすぐ下の所にたくさん不法投棄があったので、美化活動にも力を入れていました。
看板が立っている所にもたくさん捨ててあって、頻繁にごみ掃除をしています。
いなさ青年団は、耕作放棄地の活用に力を入れていて、中でも「菊芋(きくいも)」という野菜に力を入れています。引佐の名産品にしようと広めることを目標に活動しています。
私たちも菊芋の畝立てから植え付けまで全部関わって、今年もかなりの収穫量を見込んでいます。
いなさ青年団では「いなさマップ」も作っていて、今、第二弾のマップ作りを進めているところで私もお手伝いしています。
市長:
「いなさマップ」はどういうふうに活用するのですか。
引佐地域の隊員:
この活用方法としては、意外に地元の方が知らないことが多いので、地元の方が見やすいマップを作ろうというコンセプトで作り始めたそうです。そのコンセプトにのっとって、歴史のことも踏まえながら第二弾を作って、もう完成間近です。
市長:
引佐は奥山もあれば、渋川もあれば、川名もあれば、いろいろな地域がありますからね。
引佐地域の隊員:
そうですね。アクセスがかなりいいというのは魅力的だと思います。
引佐が中山間地域の玄関口となっていると思うので、それもあってごみ問題にも力を入れています。今は主に2人で対応しているのですが、今後、自治会や地元の小学生と一緒に協力していきたいと思います。
また、引佐には廃校になった学校が幾つかあって、なかなか有効活用されていません。地域の方からは「地域から子供の声がなくなってさみしい」という声がたくさんあるので、そこを何とか活用していきたいと考えています。地元の人からは、演歌大会や市民農園をやってみたいという声があるので、そのような気軽に集まれる場所にしていきたいと思っています。
渋川公園は今サクラが見頃です。今の時期ギフチョウという市の天然記念物がいます。シブカワツツジもここ特有のツツジです。ぜひ見ていただきたいです。
市長:
有名だからね。
引佐地域:
ツツジの時期はもう少し先ですが、渋川には大きなイチョウがあって、黄色いじゅうたんになるので秋もすごくきれいな所です。
久留女木の棚田もあります。
市長:
久留女木の棚田、ここは皆さん頑張って再生していますね。
引佐地域:
でもやはり担い手が少ないことが課題です。
市長:
市内の企業が入って整備しているのですか。
引佐地域の隊員:
NPO法人や、地元の人も協力してやっています。
地元の直売所も、高齢化でなかなか続けるのが大変だということで、毎週手伝いに行っています。
他にも地域の課題はあると思いますが、私たちが感じたごみの問題や学校の問題に、今後取り組んでいきます。
市長:
引佐もいい所がたくさんありますね。廃校はいろいろな活用方法があると思います。新東名ができてすごくアクセスが良くなっていますよね。東京のIT企業が、サテライトオフィスでそういう所を探しているんですよ。
引佐の廃校は街に近いし、新東名でアクセスもいいし、バッチリだと思います。東京をはじめとして、たくさん外から力を借りて地域を活性化するのも有効だと思いますよ。
市長:
今日は短い時間でしたが、皆さんの活動の話を伺って、大変参考になりました。またいろいろな課題をいただきましたので、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。今日、話を聞いていて、一つは、それぞれ地域特性があるので、それぞれの地域の良さや特性があるというのと同時に、共通の課題や特徴もあると思いました。それぞれの地域で頑張ってもらうと同時に、この横の連携を取ってもらいたいと思います。何よりも、冒頭でも話したように、浜松の場合は、中山間地域と都市部がこれだけ近いということが、最大の誇りだと思います。
だから、もっと都市部を活用することが、まず大事だと思います。
例えば、広大な中山間地域って、伝統芸能の宝庫ですが、これだけ人口減少や高齢化が進んでいたら、それぞれの地域でこれを継承しようと思っても難しいですよね。だけど、人口80万人の浜松市全体でこれを支えていくなら、担い手に事欠かないわけです。
街中へ行けばたくさん子供たちがいるわけだから、子供たちと中山間地域を結んで、子供たちに伝統芸能の担い手になってもらえば、担い手に困らないと思います。
浜松は、前は水窪町だったり佐久間町だったり、龍山村だったり、全く別の自治体でしたが、一緒になったのだから、同じ浜松です。しかも距離的にも街中と中山間地域が近接しています。まだまだこれを活用できていないというのは、実は私も問題視しています。
だから、浜松はもっと都市部と中山間地域が交流することや、お互いをもっといい意味で利用し合うことが必要だと思います。
先ほどの阿多古和紙もそうですが、ちょっと目を転じれば、担い手の宝庫です。1時間で来られるわけだから、ウイークデーは向こうで働いて、週末は環境のいい所で過ごしてもらって、伝統の和紙の技法を学んでもらう。いろいろな可能性があると思います。
皆さんも、もちろんこの地域で頑張らなければいけないけれど、街を見るといろんな資源があふれています。これをいかに活用するかという視点を持ってもらえるといいと思います。
ただ、今すごくいいものが中山間地域にいっぱいありますが、それをどうやって広めていくかを考える必要があります。山奥に店を開いてもなかなか人も来ないし、街中へ行けばいっぱいマルシェや空き店舗もあるし、そういうものを活用して、山の産品を販売するような仕組みをつくるなど、また、皆さんのアイデアもいろいろ出していただければと思います。
何度も言うようですが、キーは、いかに都市部と中山間地を交流させるか。この一点にあります。それが実は、浜松の他の地域にない良さだと思います。
北海道から来た人が、浜松をものすごく評価していました。浜松は都市機能とこれだけ豊かな自然がこんなに近接している、そんな都市は他にないというわけです。
私が、北海道は自然がいっぱいあるじゃないですかと言ったら、「自然が豊かな所には街がない」と。「札幌は大都会だけど自然にアクセスしようと思うと、2時間も3時間もかかる」と、なかなか自然豊かな所にアクセスができないそうです。浜松の場合は30分も行くと、あらゆる自然にアクセスできます。その中心に人口80万人の都市機能があり、こういう街は他にないと言うのです。なるほどと思いました。
考えてみると、私はやはり中山間地域の活性化を考えるときに、都市との近接性という面をいかに活用していくかということが、ものすごく重要になると思うので、皆さんもそんな視点で考えていただけたらと思います。
ぜひ、引き続き頑張ってください。ありがとうございました。
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