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更新日:2024年1月1日

令和2年度 第1回「浜松まちづくりミーティング」 開催記録1

開催日時 令和2年10月27日(火曜日)15時~16時
開催場所 天竜林業会館
参加団体 Next Generation Next Vision ワーキングメンバー(12人)
テーマ 『若手が考える浜松市の林業・木材産業の未来』

1.あいさつ

市長:

 林業や木材産業に従事されている若手の皆さんにお集まりをいただき、誠にありがとうございます。

 浜松は合併をして、大変広い市域の中で、多くの森林資源を抱えるようになりました。この森林を生かして林業や木材産業を活性化させていこうということで、FSCという国際認証を活用して木材のブランド化を図るために、さまざまな取り組みをしています。

 この認証材を地産地消や地産外商で広げていき、林業経営や木材産業を元気にしていこうという取り組みを考えています。東京オリンピックの施設で、たくさんの天竜材が使用されるなど、さまざまな取り組みの成果も表れてきています。

 これからSDGsの時代で、もっとしっかり環境に配慮した林業経営や木材産業が見直される時代が来ると思います。まだまだ市場が不安定で、コロナの影響もあって大変な時代かもしれませんが、必ず将来はもっと天竜の山がよみがえるということを信じて、私も頑張ってまいりたいと思います。ぜひ皆さまも若手の担い手として、今後の浜松の林業、木材産業の活性化に取り組んでいただきたいと思います。

 今日は皆さんから、さまざまなご意見を頂戴したいと思いますので、限られた時間ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

あいさつ

2.団体活動紹介

 私たちから「Next Generation Next Visionワーキング」の活動をご紹介します。

 まず始めに、私たちの活動がスタートした経緯からお話しさせていただきます。浜松市は林業が盛んな地域ですが、平成29年度に林野庁が実施する「林業成長産業化地域創出モデル事業」の先進的なモデル地域に指定されました。全国で選ばれた16地域のうちの1地域となり、モデル的な事業を実施していくことになりました。

 その林業産業化モデル事業の方針の1つである、「次代の林業、木材産業を担う人材の育成」として、この「Next Generation Next Visionワーキング」の活動がスタートしました。

 現在、私たちはモデル事業の参画事業者のうち、天竜森林組合、春野森林組合、引佐町森林組合、株式会社フジイチ、株式会社鈴三材木店、株式会社マルホン、鹿島木材株式会社、オブザーバーである静岡県森林・林業研究センター、事務局の浜松市林業振興課の、若手社員・職員の総勢15名でワーキングチームを結成しています。

 ここからは、私たちの活動をご紹介します。平成29年度の初年度ではまず、ワーキングの立ち上げとNext Visionの策定を行いました。若手の社員と職員が一堂に集まるきっかけがなかったので、みんなで集まり情報交換することで非常に勉強になりました。

 みんなで意見を出し合い、「人と木が住み合うまち浜松」というビジョンを策定しました。未来の浜松のまちと森林を想像して、持続可能な未来に向けて、若手の私たちができることを考えていくことにしました。

 平成30年度からは、策定したビジョンのアプローチとして、具体的な取り組みを充実させていきました。まずは人材育成の観点から、会社と業種の枠を超えた勉強会を実施しました。山側は山の現場は分かりますが、木材が実際に使われているところはあまり知りませんでした。逆に製品をつくっている事業者は、実際に浜松市の山の様子が分かりませんでした。

 勉強会では、山の施業の現場を見学したり、製材工場の加工現場を見学したり、製品のショールームなどを視察しました。勉強会を通して川上から川下の流れを知ることができ、私たちの天竜材を使う意識が向上しました。

 他にも木青連(日本木材青壮年団体連合会)という全国団体が主催するデザインコンペに参加し、災害発生時にも活躍する天竜材の椅子を提案しました。製品化には至りませんでしたが、木材の新しい使い方を考えるいい機会となりました。

 令和元年度は、東京都が主催する「WOODコレクション(通称モクコレ)」に出展しました。出展した理由は、FSCの認知度向上を目指して積極的なPRが必要だと思ったからです。浜松市が取り組んでいる地産外商の取り組みと併せ、私たちも東京ビッグサイトへ行き、FSCの取り組みをPRしてきました。

 こちらが、実際にモクコレのイベント用に作成した顔はめパネルです。若者などにFSCについて興味を持ってもらえるように工夫して作成しました。

発表

 令和2年度もモクコレなどのイベントに参加予定でしたが、新型コロナの影響で中止になってしまいました。そんな中、この「浜松まちづくりミーティング」という事業があることをお聞きしました。せっかくの機会ですので、私たちの活動内容や林業・木材産業の現状について、意見交換をさせていただきたいと思っています。市長とお会いしお話しできることは、私たちにとっても大変貴重で、勉強になると考えています。

 本日は、短い時間かもしれませんが、よろしくお願いします。以上で紹介を終わります。

3.意見交換

 

参加者:

 事務局を務めています林業振興課です。

 私を含めてですが、このメンバーの皆さんは、各会社でもあまり肩書もなければ、入社して間もない社員もいます。私たちも、ぜひこの大変貴重な機会を経験の場あるいは、勉強の場とさせていただきたいと思っています。

 早速意見交換に移りたいと思いますが、この団体の皆さんは、積極的にFSCに取り組んでいる団体になりますので、まずはFSCを中心に意見交換をさせていただきたいと思います。

 

参加者:

 春野森林組合です。普段は間伐や植林、森林調査等の業務を行っています。当組合では森林施業を行う森林をすべてFSCの認証林にしていて、持続可能で適切な森林管理を行っています。

 このFSCの認証材をもっと活用していただくために、これから公共施設などで使用するものには、積極的にFSCの認証製品を使ってほしいと考えています。

 

市長:

 ありがとうございます。

 FSCについて、皆さんが積極的に取り組んでいただいているということで、大変ありがたく思っています。

 これまで日本ではFSCがあまり認知されていませんでしたが、最近は随分とFSCの認知度も上がりつつあります。それは、オリンピックなどの大きな施設には、認証材が調達基準に入ること、あるいは民間企業でもSDGsの時代になって、地球環境を守っていくためには、持続可能な林業経営、森林管理が必要であるということで、FSCに価値を見出しているというところが出てきています。

 そうした動きをけん引していくには、積極的にFSC材を活用していくことが必要ですので、私たちも今、新しく学校や公共施設を造るときには積極的にFSC認証の天竜材を活用しています。プロジェクト認証などの取得をしていますし、そうしたことを通じてFSCを大いに広めていきたいと思います。また、FSCを活用した紙、例えば名刺などいろいろなところにもFSC材を活用していますので、引き続き私どもがけん引して、FSCの活用を広げて行きたいと思っています。皆さんもよろしくお願いします。

 

参加者:

 ありがとうございました。

 

参加者:

 私は天竜森林組合の地域材推進課加工部門に所属していまして、円柱材や杭などの土木資材、屋内・屋外のテーブル、ベンチなどの受注生産を行っています。

 本年度からは、「新しい生活様式支援天竜材活用事業」の問い合わせも多く、3密対策製品には、積極的にFSCマークを付けています。このコロナの時代だからこそ、それを逆手にとって、もっと多くの方にFSCを認知していただきたいと思っています。

 

市長:

 今、市も3密対策に補助をしていますが、その中に天竜材を活用した、例えば衝立などの備品を設置いただいた場合は、通常の3密対策補助金よりたくさんの補助をするという制度を設け、できるだけFSC材を活用していただきたいと思っています。

 そうした取り組みをしていこうという所も随分ありまして、あるゴルフ場は、レストランの衝立などいろいろな備品を、全部FSC材を使った製品でやっていただいたり、レストランの中でも活用していたりする所もございますし、もちろん私どもも、市役所のコロナ対策も、当然FSC材を使った物を活用しています。コロナで林業や木材産業も随分影響が出ているということですので、少しでも支援になるように、「新しい生活様式支援天竜材活用事業」を広めていきたいと思っています。それによってまた、FSCの認知度も上がっていけばと思っています。

市長

参加者:

 鹿島木材株式会社です。普段、営業で建築材料を販売しています。建築の補助金制度も利用させてもらっていますが、今コロナウイルスの影響によって、「新しい生活様式支援天竜材活用事業」という補助制度ができて、私たちも天竜材を使ったパーテーションや、アルコールスタンドを作成して、これを特注で注文いただいたりして販売させてもらいました。

 補助金制度は今後も手厚くして、天竜材の利用が増えるといいと考えています。

 

市長:

 積極的に製品開発をしていただいて、ありがとうございます。

 先ほども申しましたように、FSC認証材を広めていくには大変いい事業なので、コロナ対策を逆手に取るというと聞こえが悪いですけど、ぜひこれを機会に、この天竜材の製品を増やしていきたいと思います。

 住宅に使うだけではなく、家具や備品等にもどんどんFSC材が使われていくというのは、大変いいことだと思いますし、そのひとつのきっかけとして、今回のコロナ対策の補助制度を生かしていければと思っています。

 まだまだコロナの対策は継続していかなければなりませんので、市としてもしっかり対応していきたいと思います。皆さんもまたいい製品をつくっていただければと思います。

 

参加者:

 株式会社マルホンです。私たちは住宅や店舗などについて、内装材の床や壁の木材を取り扱っている業者で、私はその販売をしている営業になります。

 去年、福岡にショールームを出させていただきました。FSC認証材の天竜スギを外壁にぐるりと張らせていただく等、プラスアルファの付加価値を付けての販売を私たちは大事だと思って、今いろいろ試行錯誤している状態です。

 天竜材に関しても私たちは全国区で販売している会社なので、どちらかと言えば地産外商に力を入れている会社ではあるのですが、どんどん付加価値を付けて、全国に発信していきたいと考えています。そういったときにはまた、FSC認証を浜松市とぜひ協力して、どんどん全国に発信していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 

市長:

 福岡のショールームの反応はどうですか。

 

参加者:

 福岡の建物はすごく評判が良くて、特に外周ぐるりと天竜スギが張ってあるのですが、それを見て「あれは何だ」というような方が、結構立ち止まってくれると聞いていて、すごく評判はいいと思います。

 

市長:

 ありがとうございます。

 ショールームでFSC材、天竜材を大いにPRしていただいているというのは、私どもにとっても大変心強いことです。

 私どもも、自治体としていろいろなPRをしていますが、やはりビジネスの中でこのFSC材を広めていっていただかないと、本当の意味で広がりというものが出てこないので、大変心強く思っています。ぜひ全国にどんどんPRをしていただいていけば、天竜材の価値もさらに上がって行くと思います。私どもも協力できることはしっかりとやっていきますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

参加者:

 ありがとうございます。

 

参加者:

 マルホンです。私も営業をしていて、主に工務店さん、設計事務所さんに無垢木材を提案しに行ったり、浜北にあるショールームでは実際に家を建てる施主さんに無垢の魅力を伝えて提案などをしたりしています。

 普段ご案内している中で、天竜林が実際に日本三大人工美林の一つということを認知していない方も、まだまだいるなという実感があります。

 FSC材というと、今はどちらかと言うと紙製品のイメージが強いかなと感じますが、私たちがそれを木製品として商品化して広めていくことで、木製品にもFSCがあるということ、その木製品を使うことで、FSCだけでなく、SDGsにもしっかり貢献していてつながっているということを、もっと世間に認知していただければ、もっと盛り上がっていくのではないかという思いで、営業活動をしています。

 

市長:

 最近はそうですね。日本三大人工美林というのは僕らも社会科で習いました。天竜林が日本でも有数の人工美林だということが、地元でも知らない人が増えているというのは、ちょっと残念ですね。

 FSCについては、なかなか今までもよく理解されていませんでしたが、最近はSDGsの関係で、まだまだですが、少しずつ広がりつつあるかなと思っています。SDGs自体もまだまだ浸透していないところがありますが、これは国連ですべての加盟国が承認していますので、日本も毎年どういう取り組みをしているかということを、報告をしなければいけないため、政府もしっかり進めているわけです。

 そういう中で、徐々に企業さんや自治体がSDGsに取り組み始めています。例えば、温暖化ガスの削減をしていくということがあります。直接的にエネルギー消費の在り方を変えるという方法がありますが、もう一方で、二酸化炭素の吸収源として森林資源を守っていくという方法もあります。地球全体の森林が違法伐採等によって、どんどん量が減っているというのは、環境を破壊する理由の1つになっています。だからこのFSCが出て来て、持続可能な環境に配慮した森林経営をしている所をきちんと国際認証して、そういう所の木を選択的に消費していただければ、違法伐採等を駆逐できるのではないかということですので、SDGsの取り組みの中でも大事な取り組みになります。そういうことをもっともっと啓発していかなければいけないと思います。

 昨年、ハイレベル政治フォーラムという、初めて各国の首脳が集まってSDGsについて議論をする取り組みが国連で行われまして、当然、日本からも安倍前総理、小泉環境大臣が国連に行っていたわけですが、私も日本の自治体としては唯一そこに参加をしまして、自治体のSDGsの取り組みを発表しました。

 3つ発表しまして、1つ目が再生可能エネルギーの推進、2つ目がこのFSCを使った林業の活性化、3つ目が多文化共生についてお話しましたが、その中でやはりFSCを活用した林業、これがひいては地球環境の保全に大きく貢献をするというお話もさせていただきました。

 いろいろな所でそういう話はしていますので、私どもも今後少しでも啓発できるように頑張っていきたいと思います。

 

参加者:

 ありがとうございます。

 

参加者:

 静岡県森林・林業研究センターです。

 当センターは静岡県の研究施設になりまして、苗木を育てて植えるところから、実際に木を切って使うところまで、幅広く研究を行っている施設になります。

 私はその中でも木を切る素材生産の部分について、調査を行う担当をしています。こちらの「Next Generation Next Visionワーキング」には、昨年度から参加をさせていただいていまして、昨年度のメイン活動として、モクコレでPRを行ったところから、お話をさせていただこうと思います。

団体

 PRするにあたり、こちらの展示のオブジェの制作と一緒に、FSCマークの付いた製品をみんなで集めようということで、展示スペースを設けさせてもらいました。私も一緒に集めて初めて思ったのですが、こんなにいろいろなものにFSCマークが付いていたということを改めて感じました。

 当日展示したときも、木を取り扱っている方が多くお見えになるようなイベントではありましたが、「こんなものにも付いているんだね」と感心されている方もいらっしゃったことが印象的でした。

 その中で大切な取り組みを行っていることを、案外皆さん気付かずに使われていることが、とてももったいないと思いました。もっとメッセージ性があるデザインの製品や企業さんとコラボした商品を出すことができれば、もう少し一般の方にもイメージが浸透して、より身近になるのではないかなと考えています。

 

市長:

 FSC認証がついているものは、どんなものがありましたか。

 

参加者:

 紙製品が多くて、ノートやコピー用紙、お菓子の箱、そういったものが多かったです。

 

市長:

 紙だとFSCのマークが目立つので分かりやすいですね。例えば住宅に使うとか、建物に使うといって、どんとFSCのマークで出てくるわけではないので分かりにくいですが、紙というのは比較的目につきやすいですね。

 有名なところではスターバックスは、早くからこのFSCを活用していますので、私どももそうした企業さんとコラボして事業を展開したいですね。最近は日本の企業でも、「FSC宣言」をする所が増えてきていて、たぶん森永の製品には、FSCのマークが付いた箱や紙を使っていると思います。あとはイオンも。徐々にFSC宣言をする企業さんが出てきまして、それはやはりSDGsの関係だと思いますが、これからはそういう企業がかなり増えてくると思います。

 紙で使っていただくのもありがたいですし、でもやはり木製品として、住宅だとか家具だとか、そういうところに活用いただくことが大事だと思うので、また企業さんともコラボして、普及活動をしていきたいと思います。

 

参加者:

 ここからは、最近はどうしても新型コロナの影響を避けて通れないのかなということで、私たちも影響を受けているなと感じているところですが、若手の皆さん、その中でも前向きにやっているというところもあるので、現状も知ってもらいつつ、こんなこともやっているんだよということを、PRしていただきたいと思います。

 

参加者:

 株式会社フジイチです。弊社は製材業を行っていまして、私は製材用丸太の入荷を担当しています。

 コロナウイルスの影響ですが、まず製品の需要の低下から市場に丸太が増えて、丸太の価格が下落してしまいました。今後、育林コストが削減されてしまうのではないかと危惧しています。

 というのも、現在の天竜地域から良質な丸太がたくさん出ているのは、先代の方や地主さんたちが育林、枝打ち等に力を入れてきたからこそと考えています。その恩恵を私たちが受けていると思っています。

 現在、非常に大変な時期ではありますが、20年、30年後の未来の浜松の山を考えて頑張っていきたいと思っています。

 

市長:

 本当にそうですね。昔植えたのをちょうど今利活用するのにいい時期が来ていて、比較的日本はそういう、まだまだ使える丸太がたくさんあるんですね。

 それをしっかり活用して、また植林して次につなげていく。このサイクルをしっかりやっていかなければいけないので、価格が下落して利用がなかなか進まないというのは、これは大変由々しきことです。住宅助成の百年住居(すまい)る事業も継続してやっていますが、この前も取り組んでいる皆さんと話をしていたら、コロナの影響もあってか、補助額は私どもが設定している予算額に満たないと聞きました。要はそれだけまだまだ活用が進んでいないということで残念な気もしましたが、それでも少し需要が戻りつつあるということも聞きます。だんだん「withコロナ」の時代で、感染に気を付けながら、経済活動をしていかなければいけない時代が来ていますので、徐々には戻っていくと思います。私どもも引き続き粘り強く、そうした支援の活動はやっていきたいと思いますので、皆さんもぜひ頑張ってください。

 

参加者:

 市長のお話にもありましたけれども、百年住居(すまい)る事業の関連で。

 

参加者:

 株式会社鈴三材木店です。私は営業職ということで、工務店さんに住宅の骨組みになる柱、土台、梁などをメインに販売させていただいているのですが、先ほどお話しがあったとおり、天竜材の家の需要は、非常に高まってきているのではないかと思っています。

 ただ一方で、天竜材はいい材料なので、一般市場で出回っている定番の木材に比べて、どうしても価格差が出てしまいます。そういう中で百年住居(すまい)る事業があると思いますが、このコロナを機に、8月に補助額が増加したということもあって、工務店さんと話をしていくと、「このくらい補助金が出てくれると販売しやすいよね」という声も聞いているので、私自身も今、天竜材を広めやすいのではないかと考えています。

 予算が決まっているので、なかなか厳しいかもしれないですが、助成事業はとても重要な制度だと思っているので、また自分たちも工務店さんと一緒になって、どんどん天竜材を広めていければと思っています。

 

市長:

 ありがとうございます。やはり関係者の方からは、この事業を継続してほしいという意見をよくいただきます。住宅に使われるというのは非常に量が多く、そこが大事だと思いますので、引き続きこの補助制度は継続をしていきたいと思います。

 ここのところ需要の低迷で予算額に到達しないという、それだけの棟数が出ていかないという残念な結果もありましたが、これは需要がまた戻れば、活用していただけると思いますので、しっかり対応をしていきたいと思います。

 

参加者:

 ありがとうございます。

 

参加者:

 引佐町森林組合です。普段は事務所で総務・経理の仕事をやっています。その仕事の中で、山林の売り買いの仲介業務をやらせていただいていますが、ここ最近はコロナの影響で山を買う人や購入の検討をしている人が増えているのを感じていまして、中山間地域にも明るい話題になっているのかなと思います。

 山は3密になりにくいというのがあるので、その辺りをもっとアピールしていけば、天竜に関心を持つ人も増えてくるのではないかと思っています。

 

市長:

 最近ニュースで、山の需要があるというのをよく聞きます。わりと今、手ごろな価格になっていることもあって、山を買う人が増えて自分の買った山でキャンプをしたりするというのを、報道で私も見聞きしています。多くの方がそうやって山に関心を持っていただくというのはありがたいことですし、今は東京から地方へ移住をしようという、密な東京から地方移住を考えている方が増えてきて、リモートワークで仕事も、必ずしも東京でなくても十分できるという状況も出てきました。私どももそうした移住定住の促進に取り組んでいて、その中で山に興味を持っていただける方が増えるのはいいことだと思います。

 一方で、ブームで買うのはいいけれども、途中で放り出されて、きちんと管理してもらわないと、これもまた困るので、そこはきちんとそういう意識を持った方にぜひオーナーになってもらって、先々を含めて末永く管理してもらえるようにしていかなければいけないと思っています。

 

参加者:

 鹿島木材株式会社で集成材事業を担当しています。普段は営業業務をしています。当社の工場はスギ、ヒノキの県産材の端材を集成材という材料に自社生産ができる、県内唯一のJAS認定工場でして、当社でつくった製品を、市内の小中学校の公共工事に納入したり、港区が実施する「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」を利用する事業者などに協定木材として納入させてもらったりしています。

 私がコロナの影響で気になっていることは、公共工事を中心に県内は納めさせてもらっていますが、公共工事の予算を見直すニュースを目にするので、どれぐらい浜松市も予算の見直しが出てくるのかなというのが気になっています。

 天竜材を使っていただければ、工事事業者だけでなく、私たち林業や木材産業も当然潤っていくので、できる限り木材の使用優先順位を高めていただければと思っています。

 

市長:

 港区にも納めているのですか。

 

参加者:

 当社の工場は県内と首都圏を中心に営業しています。どちらかと言うと、東京や関東圏の市場がメインでして、その中で、東京の工務店さんに港区の協定木材として、納入実績もあります。

 

市長:

 なるほど。首都圏は市場が大きいから、やはりそういう所を狙っていかなければいけないですね。

 公共事業は、まずコロナ対策ということになりますが、必要な公共事業はやっていかなければいけないので、引き続きそれを継続していきます。大型事業を先送りして、見直しという判断をしている自治体もありますが、私どもは基本的に、今手掛けている事業は継続をしていきます。何とかこれまで財政の健全化に努めてきたので、比較的浜松市は他の自治体に比べて財政的な余裕があります。今回のコロナ対策も迅速にいろいろな対応ができたのは、財政調整基金があって、財政が比較的健全であるということが大きく寄与したので、引き続き私どもも財政の健全性を維持しながら、必要な事業をしっかりやっていきたいと思います。

 

参加者:

 株式会社フジイチです。私は管理部が仕入れた丸太を製材加工した、木材製品の営業販売の業務を行っています。

 私たちは日ごろから、もちろん個々にFSCを使った製品の販売に力を入れていますが、大型物件や大型事業について、なかなか1社では取ることができないので、オリンピックの時のように、市長さんにリーダーシップを取っていただくことで、市内の天竜材を扱っている業者みんなが一丸となれるのかなと思います。

 また、オリンピックのようなチャンスがあれば、ぜひとも市長にリーダーシップを発揮していただいて、このメンバーをはじめとしたみんなで、天竜材、FSC材の活用、促進を進めていければと思うので、よろしくお願いします。

 

市長:

 オリンピックはものすごいチャンスだと思ったので、設計会社やゼネコンなどいろいろな分野にPRをしました。おかげさまでそういうことが功を奏しまして、これはオリンピックで天竜材がたくさん使われたというレガシーと、今後のブランド価値向上にも資しますし、PR活動にも活用できますので、引き続きそういうチャンスがあれば、しっかりトップセールスでPRしたいと思います。

 最近は名古屋城に、天竜材を使っていただくようPRしてきました。お城は、主にヒノキを活用してつくるのですけれども、木曽だけでは間に合わないと聞き、ヒノキの大径木がある浜松のものを納めさせていただきました。これからもそういうチャンスがあれば、しっかりPRしてまいりますので、よろしくお願いします。

 

参加者:

 よろしくお願いします。

 

参加者:

 ありがとうございます。一応一通り意見交換をさせていただきましたが、私も事務局の市役所ながら一言だけ。

 昨年度まで林野庁で、派遣という形で勉強させていただきました。今こういったワーキングで、若手の皆さんと情報交換をさせていただいた中で、市が今いろいろ進めているベンチャー企業との関わりが、どうしても林業の分野にはあまりないように感じています。ぜひそういったマッチングの機会というのをご用意いただければ、私も事務局として頑張りたいと思いますので、ぜひご紹介いただけたらと思います。

 

市長:

 ベンチャー企業といっても、いろいろな業態の会社があるので、必ずしも木材に直接絡まないような会社もありますが、LIFULL(ライフル)さんという東京の会社で、家やマンションなどの、不動産の情報を全国に発信している大きな会社ですが、そこが今地方移住に注目して、そういう地域に拠点をつくる取り組みを始めていますので、昨日浜松の廃校や公共施設を見に行ってもらいました。

 話をする中で、ベンチャー企業で木材をNC加工で、AIを使って大経木含めて全部加工するすごい技術を持った会社があると聞きました。ベンチャー企業の中でもそういう会社とうまくマッチングできるようなことがあればいいかなと思います。

 

参加者:

 ニホンジカの関係です。戦後に植えた木が収穫時になっていまして、皆伐が行われていますが、そこに植林する際に、現在、ニホンジカによる獣害被害が非常に深刻になっていまして、この被害が多いために皆伐をちゅうちょされる方もいます。

 これから森林環境譲与税等をよりよい森林づくりのために、使っていただけるように検討をお願いしたいと思います。

 

市長:

 シカに植えた木の芽を食べられたらたまったものではありませんね。皆伐して改植して、山を再生しなければいけないので、獣害対策というのも非常に大事ですね。

 森林環境譲与税については、これはもちろんきちんと山を管理するために使っています。人材を育成するために使ったり、いろいろな林業の経営に資するように活用したりしなさいということが、国からの指示で言われていますし、それは仕事に携わっている皆さんから意見を聞いて、それで活用の道を探っていくための会議も立ち上げています。こういうことに使ってほしいとか、こういう使い方がいいのではないかとか、意見をどんどん寄せていただければ、私どももしっかり検討していきますので、よろしくお願いします。

 

参加者:

 私は木材加工の担当なのですが、現在仕事をしている中で思うのは、プレカットが多くなり、技術を持った大工さんが、だんだん少なくなってきているなと感じています。うちはベンチやテーブルをつくっているのですが、その他にも円柱材のように細かい手作業でやる作業も多くやっています。今はもともと大工をやってきた方がいるので、そういった仕事を受け入れていますが、これから先、自分たちの世代が、細かい作業の技術をあまり持っていないので、そういった技術を習得する場や施設が増え、木材産業が衰退しないようになっていってほしいと思います。

 

市長:

 技術者というのはどの業界でも、今はなかなか少なく担い手不足です。大工さんもそうですし、いろいろな伝統技術も、継承者がいなくて困っているとか、いろいろな所でそういう話を聞きます。

 もちろんそういう大事な技術は継承していかなければならないので、今は結構デジタルで、映像で残していくとか、いろいろな方法で技術が消えないようにするという取り組みがあります。一方で、今までのように個人の技術者だけに頼るのではなくて、先ほど新しい電子の技術を開発したベンチャーの話をしましたが、そうしたICTやIoTのような最先端の技術を活用して、そういうものでこれからは熟練技術を補っていくということも必要になる時代ではないかなと思います。

 ものづくりでも、金型は今まで熟練技術者がつくってきましたが、今はそれを機械でつくるような技術がどんどん生まれてきていて、熟練技術がだんだん減り、技術者がいなくなるのを補うということもありますので、両方やっていかなければいけないですね。そういう技術を継承していくのと同時に、どうしても足りなくなってくる技術者を、先進技術で補っていくということも、一方で私は大事ではないかと思っています。

 

参加者:

 フジイチです。私は浜松市が主催している全国初のリノベーションスクール企業版に参加をさせてもらいまして、市長にも来ていただきました。

 その中で、普段なかなか直接関わることはない不動産や保育園といった、異業種の方々と接点があって、浜松駅のバスターミナルに芝生を敷いて、その上に天竜材のベンチを設置するということを、いろいろな市内の業者さんと一緒に協力してやりました。

 コロナ禍のこのような時代だからこそ、異業種との連携も模索する中で、もっともっと街中にも天竜材を使ってもらえるような施設を広げていければと思っています。

 

市長:

 リノベーションスクールに参加していただきありがとうございます。あのような取り組みによって1個1個、空き店舗や空きビル、あるいは活用されていない公共空間を活性化させていくことが、街中を元気にしていくことにつながりますので、これからもあの事業を継続していきたいと思います。またぜひ参加してください。

 駅周辺にベンチを置くというご提案は、もう実現しているのですか。

 

参加者:

はい。

 

市長:

街中の回遊性をどうやってこれからつくり出していくかというときに、所々に休憩スペースみたいなものが欲しいという声があります。そうするとベンチを何カ所かに置いて、街中を回遊したときに一休みする所をつくるというのは大事なので、FSC材を活用して、木のぬくもりのあるベンチをつくることは、とてもいいことだと思います。一例ですが、ぜひいろいろな街中の施設に、天竜材が活用されるといいなと私も思います。行政も頑張りますので、皆さんも頑張っていただきたいと思います。

 

参加者:

 ありがとうございます。

 

4.おわりに

市長:

 今日はこの「まちづくりミーティング」にご参加をいただき、積極的にいろいろなご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。

 こうして若い皆さんが、林業や木材産業の担い手として頑張っていただいているということに、私も大変心強く思いました。やはり人材育成、担い手育成というのはとても大事ですので、皆さん、これから将来の浜松の林業や木材産業を支えていくんだという気概を持って、引き続き頑張っていただきたいと思っています。

 私も山の再生や林業の振興は大変重要な政策テーマとして、これまで取り組んでまいりました。市長に就任したときに、10年後には天竜の山を宝の山に変えたいと、大見得を切ったことも覚えています。引き続き市としてもしっかり取り組んでまいりますので、現場を預かる若い皆さんにも、ぜひ頑張っていただきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。

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〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2021

ファクス番号:053-457-2028

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