更新日:2024年5月13日
共通対策編 第2章 災害予防計画 第8節 自主防災組織の育成
【災害対策本部事務局、消防局、区本部】
- 災害時に地域の実情に応じた防災活動ができるよう、自主防災組織の育成を積極的に推進する。
- 地域の防災力の向上を図るため、防災の現場における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立を目指す。
1 自主防災組織の概要
- 自治会等に自主防災組織(※1)を設けて防災活動が効果的に実施できる組織とする。また、市は、自主防災活動に多様な意見が反映されるための手段の一つとして、自主防災組織の責任者又は副責任者への女性の登用や、防災委員等役員への女性の3割以上の配置など、女性の参画が促進されるよう、自主防災組織への助言・支援等に努める。
- 本部組織として消火班、救出・救護班、情報班、避難誘導班、生活班等を置き、必要に応じて小単位の下部組織をおく。併せて、住民に対する啓発活動や防災活動に専門的に携わる防災委員を置く。
- 平常時の活動は、防災知識の普及、防災訓練、防災資器材の備蓄・点検、危険箇所の点検・把握、避難計画の作成・見直し、各種台帳の整備・点検等を行う。
- 災害時においては、地域の警戒、情報の収集・伝達、消火、救出救助、応急手当、避難誘導、避難所の立上げ、在宅避難者の支援等を行う。
- 自主防災に関する認識を深め、自主防災組織を充実するため、定期的に研修会を開催し、自主防災組織の人材育成を図る。その際、男女共同参画の視点を踏まえた知識・訓練等を指導できる人材の育成に努める。
- 市は、自主防災組織の活動に必要な防災用資器材及び倉庫の整備を促進するため、必要な助成を行う。
2 育成の推進方法
- 地域住民に対して、自主防災組織の意義を強調し、十分意見を交換し、地域の実情に応じた組織の育成を指導するとともに防災資器材等の整備についての助成を行う。
- 地域の災害リスクに基づいた定期的な防災訓練を、夜間等様々な条件に配慮してきめ細かく実施するよう指導に努める。
3 市民の果たすべき役割
- 市民は自らの安全は自らの手で守ることができるよう、可能な限りの防災対策を実践する。
平常時から実施する事項 |
- 防災気象に関する知識の吸収
- ハザードマップ等を活用した、地域の危険度の理解
- 地震防災に関する知識の習得
- 南海トラフ地震臨時情報発表時及び地震発生時における、緊急避難場所、避難路、避難方法、家族との連絡方法及び最寄りの医療救護施設の確認
- 緊急地震速報の受信時にとるべき対応行動の確認
- 家庭における防災の話し合い
- 石油ストーブ、ガス器具等について、耐震自動消火装置付のものを使用するなどの火災予防措置の実施
- 家具その他落下倒壊危険物の対策
- 就寝時の非常持出品、屋外避難用衣類、運動靴の配備
- 飲料水、食料、日用品、携帯トイレ、医薬品等生活必需品の備蓄(飲料水(※2)及び食料(※3)は最低7日分)
- 通信機器の充電装置、バッテリーの準備
- 自動車へのこまめな満タン給油
- 居住用の建物・家財の保険や共済への加入
- 家屋の補強やブロック塀の補修・撤去等
- 動物の飼い主については、ペットフード等、飼養に要する物資備蓄
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南海トラフ地震臨時情報発表時に実施が必要となる事項 |
- 正確な情報の把握
- 日頃からの地震の備えの再確認
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地震発生後に実施が必要となる事項 |
- 出火防止及び初期消火
- 地域における相互扶助による被災者の救出活動
- 負傷者の応急手当及び軽傷者の救護
- 自力による生活手段の確保
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4 地域における自主防災組織の果たすべき役割
- 自主防災組織は、市や防災機関と協力し、地域の防災対策を一層進めるため次の活動を行う。
防災知識の学習 |
- 正しい防災知識が得られるよう、講演会、懇談会、訓練等あらゆる機会を活用し啓発を行う。
- 主な啓発事項は、南海トラフ地震臨時情報の基礎的知識、平常時における防災対策、災害時の心得、自主防災組織が活動すべき内容、自主防災組織の構成員の役割、女性が自主防災組織に参画する重要性等
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防災委員の自主防災組織内での活動 |
- 防災委員は、住民の防災対策の啓発活動を行うほか、自主防災組織内においても、防災地図の作成等の諸活動の企画、実施に参画するものとする。
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自主防災地図の作成 |
- 自主防災組織は、地域の危険箇所や災害時に必要となる施設等を表す地図を作成して、掲示、あるいは配布することにより、一人ひとりが適切に防災対応行動をとれるようにする。
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自主防災組織の防災計画書の作成 |
- 地域を守るために必要な対策及び自主防災組織構成員ごとの役割をあらかじめ防災計画書などに定めておく。
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自主防災組織の台帳の作成 |
- 自主防災組織は、的確な防災活動を行うに必要な人員構成、活動状況、資器材等設備の現況及び南海トラフ地震臨時情報発表の避難行動を明らかにしておくため、次に掲げる台帳を作成する。
- 世帯台帳(基礎となる個票)
- 避難行動要支援者台帳(要配慮者に関する台帳)
- 防災支援に関わる知識、技能を有する人材台帳
- 自主防災組織台帳
- 避難行動要支援者台帳(要配慮者に関する台帳)の整備に当たっては、民生委員・児童委員や身体障害者相談員、福祉関係団体等との連携に努める。
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防災点検の日の設置 |
- 防災活動用の資器材の整備及び点検を定期的に行うため防災点検の日を設ける。
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避難所の運営体制の整備 |
- 発災時の被災住民等の避難所生活が円滑に行われるよう、市の「避難所運営マニュアル」、県の「避難生活の手引き」、「避難所運営マニュアル」や国の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」等を参考に、市及び施設管理者と協力して避難所ごとのルールやマニュアル等の運営体制の整備に努める。また、要配慮者及び居室・トイレ等の衛生環境の保持に配慮するものとする。
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防災訓練の実施 |
- 地域防災訓練、その他の訓練において、災害時、南海トラフ地震臨時情報発表時及び地震発生時の対応に関する防災訓練を実施する。
- 総合防災訓練等への参加など、市をはじめ、他の地域の自主防災組織、職域の防災組織等と有機的な連携を図る。
<訓練の例>
基本理念 |
推奨する訓練 |
地域を知る |
防災講座の活用、DIG(災害想像力ゲーム)の実施 |
人を知る |
世帯台帳、避難行動要支援者個別避難計画、人材台帳の作成 |
ささえあう |
HUG(避難所運営ゲーム)の実施・避難所運営訓練の実施 |
- 訓練に際しては、避難行動要支援者への配慮及び男女共同参画の視点を生かす。
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地域内の他組織との連携 |
- 地域内事業所の防災組織や地域におけるコミュニティ組織、民生委員・児童委員、保健福祉関係団体等と連携を密にし、総合的な自主防災活動の推進に努める。
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5 消防団との連携
- 消防団は地域住民により構成される消防機関であり、自主防災組織の訓練に消防団が参加し、資器材の取扱いの指導や消防団OBが自主防災組織の運営に関わるなど、連携や人的な交流を図る。
- 他の防災組織との消防団と自主防災組織の連携等を通じて、地域コミュニティの防災体制の充実を図るとともに、多様な世代や女性の参加を促すなど、地域の防災力の強化を促進する。
1 自主防災組織/資料編13-3
※2 1人1日3Lを基準。
※3 うち3日分は非常持出しできるように備蓄。