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更新日:2025年3月25日

浜松市保健環境研究所だより

第24号「公衆浴場の水質調査について」(2025年3月発刊)

PDF版はこちら⇒浜松市保健環境研究所だより(第24号)(PDF:381KB)

 

だんだんと暖かくなってきました。日中はぽかぽか陽気でうれしいですが、朝晩はまだまだ寒い日が続いています。
体が冷えているとき、温かいお風呂にゆっくり浸かると、心も体もほぐれていくような気がします。
そんな癒しの場所となる公衆浴場を安全に安心して利用できるように、当研究所では水質検査を行っています。
本号では、当研究所で行っている公衆浴場の水質検査方法について紹介します。

目次

  • 浴槽水の検査について
  • 検査方法について
  • おわりに

浴槽水の検査について

sentou公衆浴場とは、温湯、潮湯又は温泉その他を利用して、公衆を入浴させる施設のことをいい、スーパー銭湯、スポーツジム等に併設された浴場、サウナ等が該当します。
公衆浴場及び旅館業の営業者は、健康被害を防止するために、定期的に浴槽水の検査を実施し、保健所に報告することが条例で定められています。事業者による検査とは別に、当研究所では、浴場の衛生管理状況を確認するため、年に4回、浴槽水の検査を行っています。検査項目は、1.濁度、2.有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)、3.大腸菌群数(令和7年4月からは大腸菌数)、4.レジオネラ属菌の4項目です。

検査方法について

1.濁度

dakudo2-2濁度とは、水の濁りの度合いを表す指標です。
浴槽水の水質は、入浴者の皮脂や垢、土ぼこり等により汚れていきます。通常の水は無色透明ですが、汚れがたまっていくことで、次第に濁りが生じます。そのため、水の汚れ具合を確認する指標の一つとして、濁度の検査を行います。

 

 

2.過マンガン酸カリウム消費量

過マンガン酸カリウム消費量とは、浴槽水中の皮脂や垢などの有機物がどのくらいあるかを調べる検査項目です。この値が高いほど、浴槽水中に有機物が多いと判断できます。
有機物は、レジオネラ属菌などの微生物の餌となります。浴槽水中に有機物が多いと、微生物が繁殖しやすい環境となってしまうため、有機物がどのくらいあるかを調べます。

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3.大腸菌群数

4-3daichoukin75大腸菌は、人の腸内に生息しており、糞便汚染の指標として用いられます。大腸菌群は、大腸菌以外の非糞便性の菌種を含む、さらに大きなグループのことを指します。大腸菌群数等の検査では、加温溶解した寒天培地(菌が必要な栄養を含んだ寒天を容器内で固めたもので、菌を生育させるために用います。)と浴槽水を混ぜて固めた後、培養し、培地上に現れたコロニー(菌の集まり)を数え、浴槽水中の菌数を計算します。
なお、令和7年4月から大腸菌群数の検査は、簡便な検査技術が確立されたことを踏まえ、より的確に糞便汚染を捉えることができる指標である大腸菌数の検査へ変わります。

 

4.レジオネラ属菌

5-2レジオネラ属菌は、土の中や池、沼、水たまりなど環境中に広く分布していますが、浴室ではぬめり(生物膜)に生息し、20℃~50℃で増殖します。このレジオネラ属菌を含んだエアロゾル(細かい水しぶき)を吸入することで感染します。
浴槽水のレジオネラ属菌検査では、レジオネラ属菌の検出を阻害する他の菌を抑制するため、酸や熱による前処理を行い、抗菌剤入りの培地を使用して培養します。観察によりレジオネラ属菌と推定されるコロニーについてさらに性状確認等を行い、レジオネラ属菌であるか判別します。

 

 

レジオネラ症とは?

レジオネラ症の主な病型として、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が知られています。レジオネラ肺炎は、乳幼児や高齢者、病人など抵抗力が低下している人や、健康人でも疲労などで体力が落ちている人などが発病しやすいといわれています。
ご家庭でも、循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24時間風呂など)を備え付けている場合は、レジオネラを予防するため、浴槽内に汚れやぬめりが生じないよう定期的に洗浄を行うなど、取扱説明書に従って維持管理しましょう。
超音波式などの加湿器を使用するときは、毎日水を入れ替えて容器を清潔に保ちましょう。

 

おわりに

このように当研究所では、安心して公衆浴場を利用できるよう、公衆浴場の水質検査を行っています。本号では浴槽水の検査を紹介しましたが、河川水や事業場排水なども定期的に検査を行っており、浜松市内の安全を監視しています。これからも当研究所は、生活に身近な水環境における安心・安全性の確保を図っていきます。

 

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〒435-8642 浜松市中央区上西町939-2

電話番号:053-411-1311

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