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更新日:2025年11月6日

ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理

ジビエとは

シカ、イノシシなど狩猟の対象となり食用とする野生鳥獣、又はその肉のことです。

ジビエの危険性

生または加熱不十分な野生のシカ肉やイノシシ肉を食べると、E型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌や寄生虫による食中毒のリスクがあります。

ジビエによる食中毒の原因となるウイルス、細菌、寄生虫

野生鳥獣は、牛や豚等の家畜と異なり、飼料や健康状態等の管理が行われていないことから、人に対する病原体(ウイルス、細菌、寄生虫など)を保有している可能性が高く、食品として一定のリスクが存在します。

浜松市内で捕獲されたジビエからも、E型肝炎ウイルスや食中毒菌が検出された事例があります。

シカ、イノシシ等の肉を食べる際には、中心部まで火が通るよう十分に加熱することが重要です。

E型肝炎ウイルス

E型肝炎ウイルス(HEV)は、急性肝炎(まれに劇症肝炎)をひきおこすウイルスです。

臨床症状はA型肝炎と類似しており、発熱、悪心、腹痛等の消化器症状、肝腫大、肝機能の悪化(ALT上昇、黄疸)が主症状です。

大半の症例では、安静により治癒し、通常は慢性化することはありませんが、妊婦に感染すると劇症化しやすく、致死率も高く20%に達することもあります。特異的な治療法はなく、対症療法が中心です。

調理の際に加熱を徹底することが重要ですが、食べる前の調理の段階でも、血液を介して感染するおそれがあるため、皮膚の傷からウイルスが体内へ入ることのないよう注意してください。

腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在し、野生鳥獣肉からも検出されています。代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」等が知られており、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こします。

食中毒の予防には、十分な加熱のほか、手洗い等の一般衛生管理の徹底が重要です。

旋毛虫(トリヒナ)

旋毛虫(トリヒナ)とは、旋毛虫症(トリヒナ症)の原因となる線虫(寄生虫)です。

トリヒナ症の症状は、筋肉痛、発熱、悪寒、浮腫、好酸球増多が特徴的ですが、これら症状の程度を決める最大の要因は、肉とともに摂食した虫体にあります。少数感染の場合は無症状で経過することもありますが、多数感染で最悪の場合には、感染4~6週後、呼吸麻痺を引き起こすことにより死に至ります。

野生鳥獣の肉は十分加熱して喫食すること、まな板や包丁など使用する器具を使い分け、処理終了ごとに洗浄、消毒し、衛生管理の徹底が重要です。

狩猟者の方へ

捕獲した鳥獣は、食肉処理業の営業許可を取得した施設で解体しなければ、野生鳥獣肉(ジビエ)として流通させることはできません。

営業許可の申請については、保健所にお問い合わせください。

野生鳥獣肉(ジビエ)を解体する食肉処理業者の方へ

ジビエの安全確保について

業として食用とする野生鳥獣の食肉加工を行う場合には、食品衛生法の規制対象となります。具体的には、基準に適合する食肉処理施設を設けること、処理加工を行うために必要な営業許可を受けること、基準にしたがって衛生的に処理加工を行うことが必要となります。

野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン

狩猟から消費に至るまでの各工程について、厚生労働省において、野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)が作成されています。

小規模なジビエ処理施設向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書

平成30年6月13日に食品衛生法の一部が改正され、すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理の取り組みが義務化されました。野生鳥獣(イノシシとシカ)を処理する、食品衛生法の「食肉処理業」の許可を有する施設で、従事者10名以下の施設を対象とした手引書が公開されています(作成団体:一般社団法人日本ジビエ振興協会)

分割版

ジビエ(野生鳥獣肉)を提供する飲食店、販売店の方へ

厚生労働省が作成した野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)において、加工・調理・販売時の注意事項が記載されています。ガイドラインを参考に衛生管理を行っていただき、安全なジビエの提供をお願いします。

  • ジビエの枝肉等は、食肉処理業の許可を受けた施設で処理されたものですか。
  • 仕入れたジビエは、色や臭い等の異常や異物の付着等がないことを確認しましたか。異常が発見された時には、取扱いを中止して、仕入れ先に連絡しましょう。
  • ジビエを原料とした食肉製品(鹿ソーセージなど)は、食肉製品製造業の許可を受けた施設で製造されたものですか。
  • ジビエの処理に使用する器具及び容器は、処理終了ごとに洗浄し、83℃以上の温湯または200ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム等による殺菌を行い、衛生的に保管していますか。
  • ジビエは10℃以下で保存していますか。
  • 牛や豚などの家畜の食肉と区別して保管していますか。
  • 調理時は、中心部の温度が75℃1分間以上の加熱をして提供していますか。
  • 販売時は、鳥獣肉の種類や加熱用である旨等、健康被害を防止するための情報を明示していますか。

 

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お問い合わせ

浜松市役所健康福祉部保健所 浜北支所

〒434-8550 浜松市浜名区貴布祢3000

電話番号:053-585-1398

ファクス番号:053-585-3671

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