緊急情報
ここから本文です。
更新日:2023年3月24日
滝沢鍾乳洞遺跡の発掘調査(浜松市北区滝沢町)
滝沢鍾乳洞遺跡は、浜松市北区滝沢町の浜松市立滝沢小学校裏山の中腹にあります。遺跡は1993年、洞窟探検グループによって発見されました。洞窟探検グループによる洞窟調査の記録は、『滝沢鍾乳洞』として報告されています。滝沢鍾乳洞と隣接して行者穴と呼ばれる鍾乳洞もあります。
浜松市博物館では滝沢鍾乳洞遺跡、行者穴遺跡の保護策の検討材料を得る目的で、1998年(洞内及び行者穴遺跡の調査)と2000年(前庭部の調査)の2回にわたって調査を実施しました。
その結果、滝沢鍾乳洞の入り口の庇の下(岩陰)が生活の場として利用されていたらしいことがわかりました。出土品には縄文土器(前期~晩期)、弥生土器か土師器(弥生後期~古墳前期)、灰釉陶器(平安)、山茶碗(鎌倉)といった土器類、石錘、石鏃、石斧などの石器類、シカ、イノシシ、ノネズミ、ノウサギなどの獣骨が認められます。
一方、行者穴遺跡では庇の下を調査し、縄文時代草創期や早期の縄文土器、弥生土器、石槍、石鏃、獣骨片が出土しました。
以上から滝沢地区に人々が住み始めたのは今から約1万年前のことであり、縄文時代には滝沢鍾乳洞や行者穴の入り口の庇の下が住居として利用されたことがわかりました。なお古代から中世、近世にかけて滝沢鍾乳洞は信仰の場となっていたようです。
発掘調査報告書が刊行されていますので、調査の詳しい内容を知りたい方は、そちらをご覧ください。
滝沢鍾乳洞の位置
画面のほぼ中央、滝沢小学校体育館やや右の裏山の中腹に滝沢鍾乳洞があります。その左隣、体育館の裏に行者穴があります。
滝沢鍾乳洞の洞内の調査
出土品を洗う滝沢小学校の児童
前庭部の調査で現れた風化した石灰岩の露頭
行者穴遺跡
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください