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更新日:2025年1月28日
竹の利用が日常的に行われなくなったことから、厄介者の代表格となっている竹。
富塚川平地区市民の森の竹も例外ではありません。
竹が繁茂することで森が暗くなり、更には湿地部分にも少しずつ侵食し始めています。
ホタルをはじめとする水辺に生きる動植物の生育環境を守るためには、竹の生態を正しく理解し、効率的に整備作業を進める必要があります。
しかしながら、竹をただの厄介ものとして扱うだけではなく、魅力ある竹の活用方法や可能性も検討しながら、竹林管理を進めていけるよう、
勉強会を開催することとしました。
令和7年1月18日(土曜日)、
竹のスペシャリストとして、様々な活動に取り組まれている、丸大株式会社の大石誠一さんを講師に招き、竹林管理の基礎を学びました。
講座は、「1,2は残して、3切るな 4,5は使って、6は切れ!」の竹語録の説明から始まりました。
数字は竹齢を表しており、「1〜3年目までの竹は切らずに残し、4〜6年目の竹を切る」ということで、
これは、竹林の活用を視野に入れた、竹林の若返りを目的とした管理法になります。
竹は3年目の竹がお母さんで、タケノコを一番多く産み出します。
6年目の竹はただ立っているだけで、竹の機能はほとんど持っておらず、地下茎も5〜6年で、本来の機能(水や栄養分を送る)を失ってしまいます。
「地震の時には竹林に逃げろ!」という話しを聞いたことがある人もいるかもしれませんが、放置竹林には当てはまりません。
斜面の土を保持しているのは、若い地下茎だからです。
また、枯れた地下茎は空洞化し、雨が降ると、空洞化した根の周辺へ水が集まってしまい、地すべりを起こす原因となってしまうそうです。
適正に管理されていない竹林は、災害時に土砂崩れを起こす原因となってしまうのです。
座学の後は、現地で実物を見ながら、
竹の竹齢、地下茎の老若の見わけ方を学び、伐採すべき竹(5年生以上の竹、古い地下茎から出た竹)を確認しました。
川平の森の竹もかなり密に竹が生えていますが、親竹となっている竹は、半分以下という見立て。
竹林として活用していくのであれば、
整備を始めたら5年間はタケノコを掘らないようにし、あえてタケノコを伸ばし、親竹を伸ばしていく必要があります。
もし、竹を駆除するのであれば、
4年生以下の竹を積極的に伐採するとともに、出てくるタケノコをどんどん堀ることで、親竹がなくなり、竹林全体が枯れてしまいます。
午後はいよいよ、竹を伐採します。
竹は斜面地に密に生えており、危険が伴うことから、講師の指導のもと、慎重に伐採します。
伐採した竹を竹林内に積んで残しておくと、やがて朽ちて崩れだし、2次災害の原因になってしまうことから、
伐採した竹は全て竹林外へ運び出します。
伐採後の切り株は、転倒事故等怪我の原因になってしまうため、切り株を割って処理します。
竹は内皮側が無防備なため、数カ月で朽ちて、簡単に株ごと除去できます。
伐採した竹と付近に積み重ねられていた古い竹を一箇所にまとめて、講座を終了しました。
伐採できた本数は多くありませんが、すっきりとした印象の竹林に近づきました。
3月16日(日曜日)、集めた竹を竹専用のチッパーシュレッダーで粉砕処理します。
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