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更新日:2025年4月1日
自然との調和、豊かな暮らし、あふれる魅力~浜松の中山間地域から新たな息吹~
この基本理念は、中山間地域の魅力や特長に加え、都市部の暮らしをも支える中山間地域の多面的機能から着想を得ています。可住地が少ないこと、人口の減少、少子化、高齢化など中山間地域が抱える課題に対応する取り組みが新しい変化の「息吹」となって浜松市全体、さらには市域を超えて波及することを期待して設定しました。
1 中山間地域の市民が、地域に対する「愛着」や「誇り」を持ち、笑顔で幸せを実感して生活できる、持続可能な地域社会の構築
この目標は、中山間地域の市民が住み慣れた地域に対する深い愛着や強い誇りを持ちつつ、将来にわたって幸福感や、満足感を持って生活(ウェルビーイング※1)を続けられることを重視したものです。
また、地域の市民が年齢や性別等にかかわらず、主体的に地域の課題解決や発展のための取り組みに参加するとともに、SDGs※2やカーボンニュートラル※3の視点も取り入れ、次世代にも持続可能な形で豊かな暮らしを引き継ぐことを念頭に置いています。
2 みんなが「中山間地域は魅力的・大切な地域(浜松の宝)である。」と思える地域の共創
中山間地域には澄んだ空気や豊かな自然に加え、地域に根差した伝統芸能や文化など多くの魅力があふれています。これらは都市部の人々に癒しや新たな発見の場を提供するだけでなく、水源涵養や二酸化炭素の吸収といった多面的かつ公益的な役割も担っています。
この目標は、市民はもちろん、市外在住者や関係人口※4、交流人口、各種団体、企業などを含めた「みんな」が中山間地域の魅力と役割を認識し、共感できる地域を共に創っていくことを目指すものです。
用語解説
※1 ウェルビーイング(Well-Being):身体的・精神的・社会的に良好な状態。
※2 SDGs:Sustainable Development Goalsの略であり、持続可能な開発目標のこと。「誰一人取り残さない」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標。
※3 カーボンニュートラル:二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」と植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、実質的な排出量をゼロにすること。
※4 関係人口:P31【コラム4】<関係人口としての中山間地域への関わり方>で解説。
基本理念と2つの目標のもとに、「まち」、「ひと」、「しごと」をキーワードとした3つの重点方針を掲げ、さらに19の主要施策を体系づけました。
2つの目標を達成するため、ウェルビーイングの視点も考慮して目標値を設定しました。
総合指標 |
目標値 2028(令和10)年度 |
現状 2023(令和5)年度 |
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中山間地域にお住まいの方を対象にしたアンケート |
||
暮らしている地域に対する「愛着」や「誇り」を持っている人の割合 |
80%以上 |
77.8% |
今後も現在の場所に住み続けたいと思う人の割合 | 60%以上 | 57.5% |
都市部にお住まいの方を対象にしたアンケート |
||
中山間地域は市民にとって魅力的・大切な地域(浜松の宝)だと思う人の割合 |
60%以上 |
52.0% |
2025(令和7)年度から2029(令和11)年度まで(5年間)
※第2次中山間地域振興計画の計画期間は10年ですが、市民ニーズの多様化や社会・経済状況など、中山間地域を取り巻く環境の変化に加え、人口動態の変化の度合いが大きいことから、地域の実情をより計画に反映させるため、新たな計画の期間は5年間とします。
天竜区の全域、浜名区引佐町の北部(旧鎮玉村、旧伊平村)
※過疎地域自立促進特別措置法(平成12年法律第15号)(旧過疎法)で指定され、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和3年法律第19号)により経過措置を受けている春野・佐久間・水窪・龍山の旧4町村を含む天竜区全域と、山村振興法(昭和40年法律第64号)の指定を受ける浜名区引佐町の北部(旧鎮玉村及び旧伊平村)を対象地域としました。
ただし、対象地域に隣接し、中山間地域と同様の環境に置かれている地域もあることから、政策によっては弾力的に運用することを検討するとともに、地域住民が将来の地域ビジョンを考える中で中山間地域の指定が必要であるとの結論に至り、地域から申し出があった場合には当該地域の編入を検討することとします。
本計画の2つの目標の実現に向け、市内外の個人や各種団体、企業、行政など「みんな」が一丸となって、それぞれの果たすべき役割や課題を理解し協力し合い、地域振興や課題解決に取り組んでいくことが重要です。
2024(令和6)年度に市では、中山間地域振興に関する事業の実効性を高め、柔軟かつ機動的に対応していくため、市長を本部長とした部長級の職員で組織する「中山間地域振興推進本部」と、課長級職員による「中山間地域振興ワーキンググループ」を設置しました。これによって、部局の枠組みを超えた連携の強化や情報の共有化を図るなど、全庁を挙げて中山間地域振興施策を推進する体制が整いました。あわせて、中山間地域が有する様々な課題への対応策や、地域振興に資する施策について専門的な見地から助言等をいただくため、中山間地域振興アドバイザーを設置しました。
また、本計画を進めるに当たっては、効果が見込まれる新規事業の検討に加え、施策事業の見直しや取り組みの検証など「中山間地域振興推進本部」で進捗を管理していきます。