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更新日:2025年12月1日

令和6年度浜松医療センターの事後評価結果

令和6年度における浜松医療センターの指定管理者及び経営強化プランの事後評価については、評価委員会における審査結果を踏まえ、次のとおり公表します。

1.公の施設の名称

浜松医療センター

2.指定の期間

令和3年4月1日~令和8年3月31日

3.指定管理者

名称:公益財団法人浜松市医療公社
所在:浜松市中央区富塚町328番地

4.事後評価委員会の概要

(1)評価委員会の構成

  • 委員長:浅野道雄(あさのクリニック:院長)
  • 委員:後藤励(慶應義塾大学大学院:教授)
  • 委員:坂田妃佐恵(坂田妃佐恵公認会計士事務所:公認会計士・税理士)
  • 委員:鈴木敦之(遠州鉄道株式会社:取締役常勤監査等委員)
  • 委員:半場浩恭(浜松磐田信用金庫:専務理事)

(2)審査日時

  • 令和7年7月24日(木曜日)午前10時00分~正午

(3)評価点

  • 87.6点/100点

5.評価の内容

評価項目

配点

評価点数

1.当該病院の果たすべき役割と機能

40

39.2

2.経営の視点

30

24.0

3.患者、地域住民への普及啓発

10

8.0

4.前年度指摘項目への対応

20

16.4

合計

100

87.6

6.当該病院の果たすべき役割と機能に対する意見・要望

  • 救急搬送受入件数の増加、手術件数の増加、湖西市との連携による分娩件数の増加など、市民の医療ニーズに応える努力をしていることが数字に表れている。医療従事者の確保、体制の整備などにより、新病棟を最大限有効に活用し、更に市民のニーズに応えられるよう、一層の努力が求められる。
  • 効率的に診療報酬を得るために体制を整備し、維持するために努力していることがうかがえる。
  • 国の保険診療のルールのもとで、新病棟の資源を最大限有効に活用し、急性期医療及び救急や周産期などの不採算医療の提供を充実させており、地域の基幹病院としての機能が十分発揮されている点は評価できる。特に、出生数が減少する中で分娩数が増加していることは、助産師の派遣など院外での活動も含めサービス向上が徹底されている。
  • 今後は、2025年4月に設立された地域医療連携推進法人浜松アカデミック・メディカル・アライアンス(通称HAMA)によって浜松医科大学との連携が強化されることで、地域での基幹病院としての位置づけが強固になることが期待できる。
  • 公立病院という性格(救急搬送の受け入れ、地域医療との連携)と、高度かつ専門的な医療の提供(専門職の育成、将来的には新病棟建設費の回収)という二つの課題に対し、うまくバランスのとれた経営がされていると感じた。引き続き両立されることを期待する。
  • 新病棟への移転は、医療機関である以上失敗が出来ないプレッシャーもあり皆様大変なご苦労があったと思うが、無事故で終えられたことは素晴らしいことであったと思う。
  • 浜松医療センターが地域医療の確保のため、高度専門医療、救急医療、小児・周産期医療、災害時医療などにおいて地域の中心的な役割を果たしていること、浜松医科大学や湖西市との連携強化に取り組み、成果を挙げていることを確認した。とりわけ地域医療連携推進法人(HAMA)の今後の展開に期待する。
  • 基本理念である安全・安心な、地域に信頼される病院の実現のため、医療安全管理体制の確保と推進を目的とした委員会の定期開催や救急医療における医療安全の情報共有や症例の検証等を行う仕組みが整備・運用されており、医療の質の向上や部署間の連携強化に取り組んでいることを確認した。日々のたゆまぬ努力の積み重ねに敬意を表する。
  • 地域医療連携推進法人(HAMA)の設立は、今後の適切な地域医療提供に向けた先駆的な取組として高く評価をするとともに大いに期待したい。
  • 救急搬送件数、手術件数、紹介率等、主要な指標数値において、計画値を概ねクリアするなど役割・機能の発揮を果たされているものと評価する。

7.経営の視点に対する意見・要望

  • 「わかりやすい名称の新規外来」の発想はユニークであるが、その評価がまだ十分なされていない。市民や医療関係者にとってわかりやすく好評であるのか、その結果として外来患者数増加、収益増加につながっているのかを、今後評価する必要がある。
  • 看護師の離職防止のために、退職希望者について正職員から「特定業務職員(準職員)」への身分替えを行うなどの工夫をしており、努力していることがわかる。他の医療機関においても、職員の離職は大きな問題となっており、容易ではない課題ではあるが、病院の理念を共有し、職員のモチベーションを保つためのより一層の工夫が求められる。
  • 満足度調査の結果は満足のいくものではない。特に外来患者においては、施設設備に関しては59%から68%に大幅に向上している一方で、受付の対応、看護師等の対応、会計窓口の対応、待ち時間など他の項目は軒並み低下している。「設備は充実したが接遇が悪化している」ことを示すものであり、接遇向上への取り組みが求められる。職員教育だけでなく、モチベーションの維持、理念の共有、プライベートなどのゆとりの確保など多面的に取り組むことが求められる。
  • 公社会計と市会計の連結で考えるべきである。
  • 人件費等一般的な費用増加と、指定管理者負担金の増加にもかかわらず昨年度に比べて赤字幅が減少し、修正医療収支比率もベンチマークとなる病院に比べて高いことは評価できる。一般的な費用増加は続いており、令和7年度はさらに厳しいことが予想されるが、現状の取組を現場の負担が過剰にならない程度で続けていただきたい。
  • 患者満足度について、建物間の移動や築年数の違いによりアメニティの格差等の影響が出ているのは過渡期のためしかたがない点もあると考えられる。一方で、わかりやすい外来名称での新規外来の増設や予約システムの稼動、切実なニーズのある自由診療の導入など、患者の利便性を高める工夫を続けている点は評価できる。
  • 公社会計と市会計の連結で考えるべきとの意見があったが、そのとおりである。連結貸借対照表、連結損益計算書が提示されているものの、基本的な財務数値等は基本的には公社会計をベースにして議論されている。別法人のためそれぞれの財務諸表ではあるが、財務数値についての議論は原則連結で議論することが望ましい。例えば指定管理者負担金(家賃相当分)に関する資料があるが、このように実質的に内部で回っているものではなく、病院会計に対する一般会計からの繰入金がどのような推移となっているか、これを減らしていくためにはどうしたらよいか、といった議論のほうが必要と考える。
  • 新病棟開院により入院・外来患者ともに大幅に増加するなか、急性期充実体制加算要件上位基準(加算1)の取得や浜松医療センターの強みを生かした医療の効率化・高度化を進め診療単価アップを図り、医業収入増加を実現できている。急性期病院の医業利益率がマイナスに転じている厳しい経営環境においても、堅実な経営がなされていることを確認した。
  • 令和6年度より適用された医師の時間外労働規制において、出勤・退勤の記録はもちろんのこと、自己研鑽の時間と執務の時間の切り分けを行うなど、労務管理が適切に行われていることを確認した。引続きタスクシフトの推進、ICTの活用などにより長時間労働が是正されるよう取組みの推進をお願いしたい。
  • 診療報酬単価の制約がある中、多様な新規外来科目増設や、オンライン予約申込システム導入など、経営努力を講じて収支改善を図ろうとする姿勢は評価したい。
  • 収益目的の事業ではないことは理解するが、経常収支比率が実績5ヵ年計画値ともに100%を下回っている状況については、より一段の損益状況改善に向けた意識を病院全体として共有し、1ポイントでも改善が図られるような行動を期待したい。

8.来年度の病院運営事業に対する意見・要望

  • 昨今、患者数・病床利用率・手術件数などで勢いのある浜松医科大学と地域医療連携推進法人(HAMA)により連携することで、経営効率の向上が期待される。浜松医科大学だけでなく浜松医療センターにもしっかりメリットが生まれるように、独自の経営方針を堅持して、発展していくことが期待される。
  • 浜松市の人口の増加が望めない状況下で、患者を増やし収益を上げるということは、浜松市内に複数ある急性期病院との間で、患者の取り合いに勝つことに他ならない。患者・開業医に選択してもらうために、他病院の良いところは模倣し発展させ、更に独自の強みを作り出す貪欲さが必要である。
  • 医師には、「国内短期留学」制度などによる人材育成体制により、個人のモチベーションの維持と病院のレベルアップを兼ねることが必須であると思われ、そのための体制整備が求められる。
  • 働き方改革の本格実施等に伴い、管理者の負担が増している。管理者の負担を軽減することややりがいを高める方策についての検討について可能な範囲で行っていただきたい。
  • 今後、若年者の急性期疾患は漸減し、高齢者の急性期疾患が増えていく。全国的には85歳以上の高齢者の救急搬送が増えている。医療センターでの高齢者救急の現状についても可能な範囲で分析を行い、高齢者に多い疾患も断らず、面倒見も良い(慢性期・在宅・介護連携の強化)病院であり続けるようにしていただきたい。
  • 令和6年度に関しては、診療報酬改定(0.88%)をはるかに上回る人件費・物価高騰があった影響で、医業収益率が悪化しているとのこと。原則、提供サービスの単価が所与の条件である中で、この状況をどのように改善していくのか、引き続き注視が必要と考える。
  • オンライン予約システムの導入やメディグルの発行など新しい試みにチャレンジする一方、接遇ラウンド実施による職員の接遇意識向上に真摯に取組むことで、患者満足度を高い水準で維持していることを確認した。マイナス要因分析も必要だが、それ以上にスタッフの労に対し賛辞を送り続けることをお願いしたい。また、患者や家族の不安や不満から医療現場ならではのカスタマーハラスメントが発生するケースもあると想像する。適切な対策を講じ、医療従事者が安心して働ける環境の整備に注力していただきたい。
  • 新病棟開設後、入院患者、外来患者の満足度調査において、職員対応や受付対応のポイントが低下している点が懸念される。これらは患者側の要求のハードルが高まっていることの表れという側面もあるかもしれないが、職員の言葉遣いや思いやりといった点に起因することも考えられるため、今一度、患者に対する接遇応対についてレベル向上を図る取組を期待したい。
  • 業務の合理化、効率化に向けたDXへのアプローチも、ぜひ検討していただきたい。

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浜松市役所健康福祉部病院管理課

〒432-8580 浜松市中央区富塚町328 浜松医療センター

電話番号:053-451-2772

ファクス番号:053-451-2773

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