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更新日:2023年3月24日

文化財情報vol.4

はままつの文化財

浜松市文化財情報

Vol.04 平成20年8月15日

上新屋遺跡、発掘中!

発掘調査は大詰めです

発掘調査を開始したことは第2号でお知らせしましたが、早いもので2か月半が経過し、調査は終盤を迎えています。
調査は、幅6m、東西に長さ60mという細長い調査区を南北に2か所設定し、面積にして約700平方メートルを実施しました。

発掘作業のようす

鍛冶職人が住んでいた・・・!?

北側調査区では、東側を中心に平安時代(11世紀頃)の水田に伴う用水路や地境を示す溝が何本も確認されました。
一方、南側調査区では、中央部分で現代から奈良時代(8世紀)にまでさかのぼる川の跡が見つかり、それと平行して水田に伴うあぜや用水路が確認されました。
調査区全域にわたって土器片(主に7・8世紀の須恵器や12・3世紀の山茶碗等)が出土し、土器(須恵器の坏身、坏蓋、甕、長頸壷等)が集中して出土した遺構も見つかりましたが、住居跡と考えられる柱穴などの遺構は確認できず、両調査区とも集落域ではないようです。
しかし、鎌倉時代(13世紀)以降と思われる複数のふいごの羽口や多くの鉄滓(鉄のかす)が出土していることから、周辺には、鍛冶の仕事をする人が住んでいたのではないかと推測されます。

集中して出土した土器

出土したふいごの羽口

 

その他に、あぜの脇からは完全な形の灰釉陶器(10世紀)や、珍しい遺物として白磁の碗(12世紀)の一部などが出土しました。
現在、遺跡の最下層面を調査しており、8月中には計画通り調査を終了する見込みです。

完全な形の灰釉陶器(10世紀)

出土した土師器の碗や壷

未発掘の古墳の調査&体験イベントを開催します

稲荷山古墳・山の神古墳の確認調査

8月19日(火曜日)~29日(金曜日)の予定で、浜北区内野台の河岸段丘上に所在する稲荷山古墳(円墳・直径約30m)と山の神古墳(円墳・直径約16m)の確認調査を行います。
いずれも未発掘の古墳であるため、今回の調査でその一部が明らかになると思われます。
調査では、墳丘の裾にトレンチ(確認用の溝)を数本掘削して、墳丘の形や大きさを確認します。
遺物が出土すれば、古墳の造られた時期も知ることができます。
8月31日(日曜日)には、調査成果を皆さんにお知らせする現地説明会を、10時と13時から開催する予定です。
また、調査期間中の火~金曜日(9時半~16時)は、見学自由ですので、ぜひお越しください。

稲荷山古墳

発掘・歴史体験教室

調査期間中に、稲荷山古墳での発掘体験や、勾玉づくり、火おこし体験などを開催します(要申込)。

  • 日時:8月23日(土曜日)/(1)9時30分~12時・(2)13時30分~16時
  • 集合:バスで現地で向かいます
    集合場所⇒なゆた・浜北正面ロータリー
    集合時間⇒(1)9時・(2)13時
  • 対象:小学3年生~成人(小学生は保護者同伴)
  • 定員:各40人(申し込み先着順)
  • 費用:無料
  • 申込み・お問い合わせ
    電話(586-6201)または直接、浜北区区振興課(なゆた・浜北3階)へ。
    定員になり次第締め切ります(8月1日から受付中)。

文化財関係イベント

8月23日(土曜日) <募集開始8月1日(金曜日)~>

稲荷山古墳ほか浜北区内野台周辺の古墳

発掘・歴史体験教室

1.午前9時30分~ 2.午後1時30分~ 浜北区内野台

※要申込み。詳細は、本紙上記事を参照。広報7月20日号にも掲載(天竜区版・西区版を除く)

8月30日(土曜日) ※申し込み受付は終了しました

浜松市指定天然記念物「浜松海岸のアカウミガメ及びその産卵地」

親と子のウミガメ教室<放流会>

午後4時~ 浜松海岸中田島入口

文化財日記抄

7月には、こんな調査活動などを行いました。

◆遺跡現地発掘調査:

梶子遺跡(7~11月)
上新屋遺跡(6月~8月)

◆その他の調査活動等

1日

中区住吉

住吉古墳群の立会い調査

2日

中区元城町

浜松市指定史跡「浜松城跡」の立会い調査

3日

北区引佐町

浜松市指定名勝「実相寺庭園」現状確認調査

7日

東区市野町

田見合遺跡の試掘調査

8日

東区上新屋町

上新屋遺跡の立会い調査

12日

東区市野町

田見合遺跡の試掘調査

17日

東区市野町

田見合遺跡の試掘調査

22~24日

中区南伊場町

梶子遺跡の立会い調査

30日

天竜区春野町

浜松市指定天然記念物「秋葉神社の社叢」の測量調査

7月30日に行った「秋葉神社社叢」の測量調査

「社叢(しゃそう)」とは、いわゆる「鎮守の森」のことです。現況を把握するため、目通り3m以上のスギについて、位置・幹の太さの測量を行いました。

さまざまな刊行物を販売しています

生涯学習課文化財担当(市役所本館3階)で販売しています!

刊行物のお知らせでもご案内しています)

上列左から「伊場遺跡 補遺編」「同 総括編」「文化財分布図」
下列左から「浜松市の石造文化財」「浜松の古墳めぐり」「北遠の城」

伊場遺跡 総括編

(3,000円)
伊場遺跡群出土の古代の木簡・墨書土器を集大成。

伊場遺跡 補遺編

(1,600円)
発掘調査で発見された遺構と大溝内に形成された貝塚の自然科学的分析を中心に掲載。

ガイドブック「北遠の城」

(300円)
北遠地域の20の山城をはじめ、お城の歩き方、豆知識、楽しみ方などを写真入りで詳しく紹介。

浜松の古墳めぐり

(300円)
浜松市内の見学できる古墳が掲載されたガイドブック。

文化財分布図

(1,500円)
市内全域の埋蔵文化財・指定文化財を3枚の地図に記載。

浜松市の石造文化財

(1,200円)
旧浜松市内にある道標、石仏、歌碑など、郷土の歴史や文化を伝える石造物を紹介。

<編集後記>

連日暑い日が続きます。じりじりと照りつける日差しの中、発掘調査に関わる人たちはどんな「暑さ対策」をしているのでしょうか?
「半袖ではなく長袖」「麦茶をこまめに飲む」「保冷剤をタオルでくるんで首に巻く」「スイカで糖分補給(現場では必須です)」…。
北京オリンピックだけでなく、暑さに負けずに頑張る発掘作業員にも応援をお願いします!

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お問い合わせ

浜松市役所市民部文化財課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2466

ファクス番号:053-457-2563

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