緊急情報
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更新日:2024年1月1日
文化財をめぐる近年の社会情勢の急激な変化に対応するため、平成31年(2019年)4月に文化財保護法が改正施行され、文化財の保存活用について総合的かつ実行性のある計画作成が求められるようになりました。本計画は、この法改正を受け、本市における文化財の特徴をまとめるとともに、文化財の保存と活用の方針を定め、今後10年間で実施する具体的な取組・事業を示すものです。本計画に基づき歴史・文化・自然を活かしたまちづくりを進めることで、浜松市総合計画・基本構想「浜松市未来ビジョン」に掲げる都市の将来像「市民協働で築く『未来へかがやく創造都市・浜松』」の実現に資することを目的としています。
「浜松市文化財保存活用地域計画」が、静岡県内認定第1号として文化庁から認定を受けました。令和3年7月16日(金曜日)の文化審議会文化財分科会に諮問され、同日に答申・認定されました。
作成した計画の概要を紹介します。
<浜松市文化財保存活用地域計画(概要版)>
1-2P(PDF:3,798KB)/3-4P(PDF:5,332KB)
※計画書の詳細を知りたい場合は下部のPDF版(令和3年7月17日以降公開)をご覧ください。
浜松市は、面積約1,558㎢、東西約52km、南北約73kmの広大な市域を擁し、約80万人が暮らしています。赤石山脈、天竜川、浜名湖、遠州灘で囲まれた本市は、市北部には険しい山々、市南部にはなだらかな台地と沖積平野や入り組んだ湖岸をもつ湖や河川が広がり、国土を縮図したような変化に富んだ地形を有しています。また本市は、日本列島のほぼ中央、首都圏と関西圏との中間地にあり、この地理的要因が歴史文化の形成に大きく影響を与えてきました。
平成17年(2005年)の12市町村の合併により、本市の指定文化財の件数は全国でも有数となりました。合併後においても、指定文化財の数は増加を続け、国登録文化財についても、天竜浜名湖鉄道に関する鉄道施設や方広寺の建造物など、群としての登録が相次いでいます。また、本市では平成28年度(2016年度)から、市独自に認定文化財制度を導入し、地域団体等からの推薦によって、地域に根差した文化財を抽出しています。認定文化財制度は、未指定の文化財を把握することにもつながっており、令和3年(2021年)4月現在、455件を文化財認定しています。これらの制度に基づき、本市における文化財は、国や県及び市の指定文化財、国の登録文化財、市認定文化財といった項目に分かれ、その総数は900件を超えるまでになっています。
本市の地域は、地質や文化圏、自然環境といった地域特性と、交通や気風といった諸特性を背景に、天竜川平野と三方原台地の地域、浜名湖の周辺地域、山間地域の大きく3つに区分され、それぞれの地域で特徴的な歴史文化が育まれてきました。これらの諸特性から注目すべき文化財の特徴を取り上げて12の項目に整理し、本市の歴史文化の特徴としてまとめています。
現在の文化財を取り巻く状況から、本市の保存活用に関する課題を9項目に整理し、これらの課題に対する4つの方針を掲げます。また、各方針の関連強化を見据え、地域の文化財保存活用事業の自立、文化財の継承、地域コミュニティの維持・活性化を促します。
本市の文化財の保存活用に関する現状と課題及び方針を踏まえ、今後進める業務内容を「取組」、個別の業務を推進するための具体的な措置を「事業」とし、課題の項目ごとに対応した取組と事業を行います。事業には恒常的なものと、計画期間中に重点的に行うものを設定しています。
計画期間内において文化財の保存活用事業を総合的かつ重点的に推進するため、本市における歴史文化の特徴を踏まえ、関連文化財群と文化財保存活用区域を設定します。
国や県、市の指定文化財(特に、史跡や無形民俗文化財)が豊富にみられることに加え、その分布が市内広域に及ぶことを要件として、古墳(指定史跡22件)、祭礼・芸能(指定無形民俗文化財11件)、城跡(指定史跡16件)、秋葉信仰(関連する指定文化財15件)に注目し、関連文化財群として一体的な保存活用に取り組む事業を行います。
国指定の重要文化財建造物もしくは国指定史跡がある地域に注目し、A.浜松中心区域(中央区)、B.表浜名湖区域(中央区)、C.奥浜名湖区域(浜名区)、D.天竜二俣区域(天竜区)の4か所を文化財保存活用区域として設定し、重点的な保存活用事業を行います。
計画の内容を広く知っていただくため、紹介動画を作成しました。
「広報はままつ 2021年8月号」や「浜松市文化財保存活用地域計画(概要版)」と併せて視聴するとより理解が深まります。
※以下のリンクからPDFデータを見ることができます。
(特集「「歴史」「文化」「自然」を活い かしたまちづくりに向けて 浜松市文化財保存活用地域計画」(PDF:6,695KB))
(概要版_1-2P(PDF:3,798KB)/3-4P(PDF:5,332KB))
※下の画像をクリックすると動画の再生が始まります。
浜松市文化財保存活用地域計画の認定を記念したシンポジウム「文化財の保存と活用がつむぐ歴史都市・浜松の未来」当日の模様を配信しています。
※基調講演の資料を掲載しました。(令和3年9月27日追加)
※新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長期間となったため、シンポジウムは無観客で開催しました。
<YouTube配信> 視聴無料
<配信日時>
令和3年9月23日(木・祝)午後1時~(シンポジウム開始20分前の予告動画も配信されています)
・下の画像をクリックすると配信先のサイト(YouTube)に繋がります。
<基調講演資料>
基調講演で使用した資料のデータです。シンポジウムの配信と合わせてご覧ください。
<シンポジウムチラシ>
・シンポジウム「文化財の保存と活用がつむぐ歴史都市・浜松の未来」チラシ(PDF:1,993KB)
日時:令和3年9月23日(木・祝)午後1時から
会場:浜松市地域情報センター 1階ホール(中央区中央一丁目12-7)
インターネット(YouTube)によるライブ配信を行います(事前申込不要)
※新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の期間延長が決定したため、シンポジウムは無観客での開催となりました。
13時00分_開会挨拶
13時10分_基調講演「文化財の保存・活用で都市再生」~人口減少に対応したイタリアの事例に学ぶ歴史都市・浜松の未来~
<講師:京都府立大学教授 宗田好史氏(浜松市出身)>
14時25分_対談「浜松市における文化財の魅力」~地域計画をどう活かすか~
<対談者:浜松・浜名湖ツーリズムビューロー理事 前田忍氏×浜松市広聴広報課長 水谷供子>
※コーディネーター:浜松ケーブルテレビ 岡本麻里
15時05分_パネルディスカッション「浜松市の歴史・文化・自然を彩る文化財の現在と未来」
<パネリスト:京都府立大学教授 宗田好史氏、静岡大学教授 笹原恵氏、京都大学教授 山村亜希氏 ほか>
16時50分_終了
シンポジウム「文化財の保存と活用がつむぐ歴史都市・浜松の未来」スピンオフ企画 ~ シンポジウム終了後の登壇者インタビュー~をYouTubeに掲載しました。
この動画は令和3年9月23日に開催したシンポジウムの終了後、ご登壇いただいた4名の方にご協力いただき撮影したインタビューをまとめたものです。
シンポジウムでは話しきれなかった、浜松市の地域性や歴史文化、文化財の魅力などについて、それぞれの視点でお話しいただきました。
・下の画像をクリックすると配信先のサイト(YouTube)に繋がります。
< インタビューにご協力いただいた方々(収録順)>
京都府立大学 宗田 好史 教授
京都大学 山村亜希教授
静岡大学 笹原恵 教授
浜松・浜名湖ツーリズムビューロー 前田 忍 理事