更新日：2023年4月13日

浜松市の財務諸表1

浜松市の財務諸表

現在、地方公共団体の会計は、現金収支に着目した「現金主義・単式簿記」が採用されている。この制度は、現金の動きがわかりやすい反面、資産や負債などのストック情報や行政サービスを提供するために発生したコスト情報が不足している。これに対応するため、近年「発生主義・複式簿記」による企業会計的手法を導入する動きが広がっており、本市においても浜松市公会計改革アクションプランに基づき、企業会計的手法の本格的な導入に向け作業を進めているところである。
本章では、企業会計方式により作成したバランスシートや行政コスト計算書を活用した浜松市の決算の分析を行う。

1 連結財務諸表

浜松市における連結財務諸表は、平成18年度においてはバランスシートのみの公表であったが、平成19年度については、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書も含めた財務4表について作成した。
なお、連結の対象範囲は、「新地方公会計制度実務研究会報告書（平成19年10月公表）」に基づく“総務省方式改訂モデル”により、普通会計、公営企業会計に全ての特別会計や市が一定割合以上の出資している外郭団体等を含めた方式で作成している。

浜松市における会計区分と連結対象団体

1) 普通会計

普通会計とは、地方公共団体ごとに異なっている一般会計など各会計の範囲について財政比較などをするために統一的に用いられる会計区分である。

2) 公営企業会計

公営企業とは、組織、財務、職員の身分等について特例を定めている地方公営企業法を適用、もしくは一部適用する地方公共団体が営む企業で、一般行政部門から独立した組織により経営されている。公営企業は独立採算性をとることとされており、当該事業の経営に伴う収入をもって事業を行っている。

3) 特別会計等

特別会計等とは、公営企業会計と同様、特定の収入をもって事業を行う会計で、上記の普通会計及び公営企業会計に属さない会計である。公営企業とは異なり、一般行政部門のなかで特別会計を設けるなどして運営されている。

4) 一部事務組合・広域連合

一部事務組合とは、複数の普通地方公共団体が、行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組織である。浜松市の場合、養護老人ホームや知的障害者施設の管理運営、競艇事業などを周辺市町と共同で行っている。また、後期高齢者医療については、広域連合を設置し、共同で事業を実施している。
なお、連結バランスシートでは、各組合に対する負担割合で按分し、金額を計上している。

5) 外郭団体

連結バランスシートの対象とした団体は、市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資しており、市議会への報告がなされている10法人のほか、市が資本金等の4分の1以上を出資しており、役員の派遣、財政支援等の実態から、市が当該法人の業務運営に実質的主導的な立場を確保していると認められる6法人の計16法人。

浜松市の会計区分　連結バランスシートの会計区分

 

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