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更新日:2022年3月9日

1基本的な事項(1)

(1) 北遠地域(春野地域、佐久間地域、水窪地域、龍山地域)の概況

ア 自然的、歴史的、社会的、経済的諸条件の概況

自然的条件の概況

 北遠地域(春野地域〈旧春野町〉、佐久間地域〈旧佐久間町〉、水窪地域〈旧水窪町〉、龍山地域〈旧龍山村〉をいう。以下同じ)は、市の北部に位置し、その中央部を天竜川が縦断し、大千瀬川、水窪川、気田川等多くの支流を集めて南下している。大部分が南アルプス赤石山系に属し、豊富な森林資源に恵まれた急峻で起伏に富んだ山間地である。面積は762.21平方キロメートル(平成25年度時点)であり、市域の約50%を占めている。うち、森林の面積は713.58平方キロメートルで、地域の93.6%となっている。景観の優れた渓谷等を擁する天竜川流域の一部地域が天竜奥三河国定公園に指定されており、水窪地域と川根本町、春野地域と川根本町の境は奥大井県立自然公園をはじめ京丸・岩岳山自然環境保全地域や気田川自然環境保全地域に指定されている。
 年平均気温は15℃前後であるが、山間地特有の地形により寒暖の差は大きく、典型的な内陸性の気候であり、佐久間地域では40℃を超す気温を記録するなど夏季にはしばしば高温となる。一方で水窪地域は豪雪地帯となっており、県下でも積雪の多い地域となっている。北遠地域の年間降水量は、2,000mm~3,000mm程度と多雨地帯に属する。

歴史的条件の概況

 北遠地域は、江戸時代の初めには徳川幕府直轄領となり、明治4年の廃藩置県により浜松県に属し、その後、府県合併により静岡県に編入された。
 春野町は、昭和31年に犬居町と熊切村が合併し、次いで、昭和32年気多村との合併により誕生した。佐久間町は、浦川村、佐久間村、山香村、奥山村の4村がその前身である。明治36年に、奥山村の一部が城西村として分離独立した。昭和11年には浦川村が町制を施行し、昭和31年には、浦川町、佐久間村、山香村、城西村の1町3村が合併し、新たに佐久間町が誕生した。水窪町は、明治22年に奥領家村、地頭方村、山住村、相月村が合併し奥山村となった。その後、相月村などの一部が分離して、大正14年の町制施行により水窪町となった。龍山村は、明治22年の町村制施行により誕生した龍川村(旧天竜市内)と山香村(旧佐久間町内)を母体として龍川村のうち大嶺地区、戸倉地区と山香村のうち瀬尻地区、下平山地区の4地区が合併し、明治34年に誕生した。
 北遠地域4町村は以上の変遷を経たのち、平成17年に浜松市に編入され、現浜松市となるととともに、各町村単位に地域自治区が置かれた。平成19年には政令指定都市に移行したことから区制が敷かれ、浜松市天竜区の一部となっている。

社会的条件の概況

 北遠地域(佐久間地域、水窪地域)には、公共交通としてJR飯田線があり、通学や医療施設への通院など地域の足として利用されている。また、幹線道路としては、国道152号、473号、362号が供用されており、地域と市街地を結ぶと同時に地域間の連絡道路となっている。しかし、これらの道路は、幅員が狭いうえに急カーブの箇所が残っており、地域から市街地までの所要時間は、1時間30分から2時間である。また、大雨等による災害の影響を受けることもある。

経済的条件の概況

 北遠地域の主要産業は、林業、農業である。林業は、天竜美林として古くから発展してきたが、国産材の需要が低下し、価格の低迷が続いており、林業従事者の減少、高齢化により厳しい状況にある。農業は、地形的な制約から小規模経営が多く、兼業農家が大半となっている。農業の中心はお茶で、良質なお茶が生産されている。しかし、価格の低迷や農業従事者の減少、高齢化により厳しい状況にある。
 商業では、地元資本の個人経営が多く、人口減少に加え地元購買力の低下により後継者が育ちにくい状況にある。工業では、かつて誘致した企業を中心として地元雇用を支えてきているが、経営合理化のもと撤退する企業もあり、今後の拡大は厳しい。観光業では、誘客の可能性のある地域資源はあるものの、現時点では、団体観光客を呼び込むまでには至らず、旅館、飲食業などもおしなべて低調である。

イ 過疎の状況

人口減少の概況

 北遠地域では、昭和35年以降、人口が減り続けており、平成27年の国勢調査では、春野地域4,529人、佐久間地域3,805人、水窪地域2,164人、龍山地域639人である。昭和35年から平成27年までの人口の減少率を見ると、春野地域は68.4%、佐久間地域は79.8%、水窪地域は77.4%、龍山地域89.2%といずれも60%を超えており、特に龍山地域では、この間、人口が約9分の1に減少している。
 また、高齢化率(総人口に占める65歳以上の人口の率)の状況を見ると、平成27年の国勢調査では、春野地域48.3%、佐久間地域55.0%、水窪地域56.1%、龍山地域56.5%である。(浜松市全体では26.1%)。同様に少子化(14歳以下人口比率)の状況を見ると、春野地域6.5%、佐久間地域4.7%、水窪地域5.0%、龍山地域3.3%である。(浜松市全体では13.6%)。

集落・世帯の概況

 本市の集落・世帯調査によると、令和3年4月1日現在で、北遠地域には144の集落があり、集落の平均世帯数は32.2戸である。高齢化率が50%を超えている集落は127あり、うち58の集落では高齢化率が70%を超えている。また、北遠地域では、高齢者のみの世帯が56.0%となっており、同様に高齢者の一人暮らし世帯率も31.8%と市全体の14.9%を大きく上回っている。

ウ 社会的、経済的発展の方向と概要

 北遠地域の経済発展のためには、農林業を振興していくことが必要である。そのために、基盤整備を進めるとともに、農林産物の品質の向上を図り、ブランド化を一層進めていく。
 商工業、観光業の振興については、光ファイバ網や三遠南信自動車道の整備が更に進むことで、新たな産業活動が起こることが期待される。また、第一次産業と第二次・第三次産業の連携、いわゆる農林業の6次産業化を進めることも重要である。
 北遠地域では、社会基盤の整備を進め都市部との格差を是正するとともに、生活を維持・確保する対策が今後も不可欠である。と同時に、北遠地域が有する特徴ある自然、風土、産品等を生かし、都市部とは異なる自立的な発展・活性化を図ることも必要である。

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