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更新日:2017年6月14日
今から100年以上前の明治33年、服部倉治郎は、浜名湖がうなぎ養殖に最適な場所であると判断して、中央区舞阪町に約8町歩の養鰻池を作り、浜名湖で15センチほどに成長したクロコと呼ばれるうなぎを捕ってきて育てるという、当時としては画期的な方法でうなぎの養殖を始めました。
服部倉治郎が始めた浜名湖のうなぎ養殖を進化させた人物が村松啓次郎です。村松啓次郎は、クロコウナギ(※)から育ててきた養殖方法では生産量に限界があるとして、シロコウナギ(※)から育てる方法を昭和46年に確立しました。この養殖方法により、生産量を大幅に増やすことができるようになりました。そして、この養殖方法は全国各地に広がりました。
※クロコウナギ・・・体長15cmぐらいに成長したウナギ
※シロコウナギ・・・卵からかえって間もない色が白いウナギ
浜名湖(浜松)周辺でうなぎ養殖が発展したのには、以下の4つの要因があげられます。
そして、浜松が東海道の中間点という物流にとって好立地であったことから浜名湖うなぎは各地へ運ばれていくようになり、全国的に有名な産地となりました。
浜名湖養魚漁業協同組合(静岡県浜松市中央区馬郡町2465)では、消費者の方に安心してうなぎを召し上がっていただくために、消費者がインターネットを通じて飼育履歴を確認できるトレーサビリティを2003年から実施し、全組合員共通書式の「養鰻日誌」を記帳しています。また、うなぎの蒲焼の包装についているロット番号を組合のホームページに入力することで、そのうなぎが誰にどのように育てられ、加工製造されたか調べることができます。
【生産者】シラスウナギ(鰻の稚魚)から成鰻(出荷できるまでに大きくなった大人の鰻)まで、大切に育て記録をつけています。
【検査】水産用医薬品の残留検査を行います。検査に合格した鰻だけが出荷されます。不合格の鰻は出荷されません。
【加工】高度衛生管理に対応した浜名湖養魚漁協の加工場で、白焼・蒲焼などにさらにおいしく加工されます。
【消費者へ】加工品にはトレーサビリティが確立されており、漁協のHPよりロット番号にて生産履歴を追うことができます。
関連リンク
うなぎにはビタミンB1やビタミンA1が多く含まれており、食欲を増進させ夏バテを解消させる効果や視力を増進させる効果があります。ビタミンB1はうなぎの可食部100g当たり0.75mg含まれていて、いくつかの食べ物でその含有量を比較すると、鰻丼が1位、2位がカツ丼、3位が天丼、そして4位がステーキとなります。ビタミンA1は100g当たり4,700IU(IU:国際単位)も含まれていて、その量は卵の10倍、チーズの5倍です。特に肉や肝臓に多くのビタミンAが含まれていて、うなぎのきも(肝臓)約10g、蒲焼き約40gで成人1日のビタミンA所要量を満たすことができます。
その他にもビタミンEやDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(ヘコサペンタエン酸)なども含まれており、若返り、成人病予防、脳細胞活性化などの効果も期待できます。
“うなぎのかば焼き”には、うなぎを背開きにし、それを2つに切って白焼きにした後、蒸してから再びタレをつけながら焼き上げる、淡白で柔らかな味わいの「関東風」と、うなぎを腹開きにし、直火で白焼きにしたものを蒸さずにタレを付けて一気に焼き上げる、パリッと香ばしい「関西風」の2つの焼き方があります。
東京と大阪の中心に位置する浜松市は、「関東風」、「関西風」両方のうなぎの蒲焼きを食べることができます。
浜松商工会議所「浜松うなぎ大好き宣言プロジェクト実行委員会」が発行した「2010年版うなぎ本(非売品)」によると、掲載されているうなぎ専門店118店のうち、「関東風」が90店、「関西風」が26店、両方が2店というデータがあります。
※浜名湖養魚漁業協同組合では、「関西風」の商品は取り扱っておりません。
全国約600件の応募の中から環境省が認定した「かおり風景100選」に、“浜松のうなぎ”が選ばれています。浜松市内に80軒近くあるうなぎ料理専門店からは、蒲焼きの食欲をそそる何ともいえない香ばしい香りが漂ってきます。
(環境省「かおり風景100選」HP:http://www.env.go.jp/air/kaori/index.htm(別ウィンドウが開きます)
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