更新日：2023年4月7日

第4章 都市の基本理念

前章までの「社会経済環境の変化」や「浜松市の特性」を踏まえ、本市のあり方を示す都市の基本理念を定めます。

1　民主主義に基づく自治の実践

地方自治の主権者は、私たち市民です。
私たち市民は、社会的な道徳心と規範の上に立ち、市民総意による自主自立のまちづくりに向け、自らの役割と責任を自覚するとともに、協働し、参画し、行動し、民主主義に基づく自治を実践します。
私たち市民の思いと行動で、市政が動いていることを実感できる自治の仕組みは、民主主義の基本として、最も尊重されるものであるからです。

2　社会関係資本を基盤とした市民協働によるまちづくり

市民と市民、市民と地域は、互いの信頼関係や地域に対する誇りと愛着で結び付いています。信頼で結ばれる人間関係の積み重ねや助け合いの仕組みは、社会関係資本（＝ソーシャル・キャピタル）と呼ばれ、私たち市民の暮らしや都市の活力を支える重要な基盤です。
様々な地域における多岐にわたる課題を解決し、豊かな地域社会を形成するためには、社会関係資本を基盤とした市民協働の取り組みが必要です。
私たち市民は、地域づくりに自ら行動する思いと意欲を大切にし、市民や市民活動団体、事業者、行政の絆を強固にし、市民協働の意識を相互に高めます。そして、様々な主体の柔軟な発想と多様な結び付きを強化し、市民協働によるまちづくりを推進します。

3　将来の飛躍に向けた「ひとつの浜松」の形成

本市は、自然環境や伝統文化など多様な特色を持った地域が集まって、一つの都市を構成しています。
本市の持続的な発展に向けては、こうした地域の多様な財産を最大限に活かすとともに、私たち市民が、地域の課題を自分のものとして受け止め、その力を結集して、参画し、助け合いながら取り組むことが必要です。
このため、私たち市民は、互いの交流の中で多様な地域を身近に感じ、地域固有の特色を相互に理解し合い、共生・共助でつくる豊かな地域社会を目指し、将来の飛躍に向けたまちづくりの土台となるひとつの浜松を形成します。

4　都市の発展と環境の保全が両立する接続可能なまちづくり

私たち市民の暮らしは、豊かな自然の恵みと活発な経済活動・市民活動を基礎に成り立っています。
これらを未来へと確実に引き継ぐためには、循環型社会や低炭素社会への移行、自然環境と共生した秩序ある開発など、環境に配慮した取り組みが求められます。また、地域の経済活動や文化活動が活性化するとともに、人に優しいユニバーサル社会の形成、都市部と中山間地域の交流促進、さらには、多文化共生や国内外の都市間交流の推進を通じた平和の維持など、私たち市民が安心して生活を送ることができる快適なまちづくりが必要です。
将来にわたって、私たち市民の暮らしや活力ある産業と豊かな自然環境が調和する都市を目指して、都市の発展と環境の保全が両立する持続可能なまちづくりを進めます。

5　新たな価値や人材を生み出す創造都市の確立

本市の持続的な発展に向けては、私たち市民が地域に誇りと愛着を持ち、知恵を出し合い、交流し、新たな価値を創造していくことが必要です。
本市はこれまで、先人たちが培ってきた「やらまいか精神」のもと、世界に貢献する産業や文化を生み出してきました。
こうした豊かな発想や自由な創造活動をはぐくむ風土を未来に引き継ぐとともに、県境を越えた周辺地域を含め、産業や文化をはじめ教育、福祉、環境、都市基盤などの様々な分野が有機的に連携し、柔軟な発想と多様な結びつきの中で、新たな価値や人材を生み出す創造都市を確立します。

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