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更新日:2023年4月3日
はままつの文化財
No.7 平成21年12月16日
東原遺跡の発掘現場のようすをお知らせします。
印刷して読みたい場合は、PDFファイルをご利用ください。
7月30日から5か月間の予定で『東原遺跡34次』の発掘調査を実施してきましたが、12月9日をもって無事調査を終了することができました。
今回の調査では、踏切北側のA調査区で、弥生時代後期(約1800年前)の竪穴住居跡18棟と弥生土器(主に壺・甕・高坏)を中心とする遺物が出土し、A調査区全体が集落の中に位置することが分かりました。
また、踏切南側のB調査区では、踏切から60mほどの間に竪穴住居跡を5棟確認しましたが、それより南側では弥生時代の遺跡はほとんど確認されず、集落の南端にあたるのではないかと推測されます。
B調査区の南側部分からは、主に江戸時代以降と思われる区画溝が見つかっただけで、出土した遺物もかわらけやすり鉢、食器、ガラス小瓶等、現代で使っている物と変わらないような物がほとんどでした。
最終C調査区においては、側道工事の際に1m以上も土が入れ替えられており、江戸時代以降の溝の一部を確認したにとどまりました。
後半の調査はやや期待はずれではあったものの、東原遺跡では珍しい周壁溝をともなった立派な竪穴住居跡が見つかったり、弥生時代の集落域を確定していく貴重なデータを得られたりするなど、大きな成果を収めることができました。
A区:踏切北側
B区:踏切南側
C区:側道部分
9月19日に行いました現地説明会には156人もの多くの方々に参加をしていただいたのをはじめとして、平常作業日にも地域の方や遺跡に興味をおもちの方にお訪ねいただき、発掘の様子や出土遺物を熱心にご覧いただきました。
また、中瀬小学校の4、6年生の児童のみなさんが社会科や総合的な学習の時間で見学に来たり、曳馬中や気賀高、浜名高の生徒さんが職場体験や史学部の活動で訪れたりしていただきました。
実際に発掘をした生徒さんたちは、土器片が見つかるたびに驚きの声を上げ、児童・生徒さんたちのために生きた教材として活用していただけたことを大変うれしく思いました。
現地説明会のようす
さらに、静岡第一テレビ「静岡まるごとワイド」の遠州鉄道沿線紹介にも採り上げられました。
11月1日に遺跡の様子が放映され、調査員もテレビデビューしてしまいました。
ご覧いただいた方がいらっしゃればうれしいです。
調査区域はすでに踏切北側のA区では、遠州鉄道高架化に伴う埋め立て工事が始まり、踏切南側のB区も仮設道路によって半分ほどが埋まっている状況です。
今後工事の進展と共に遺跡は消滅してしまいますが、1800年前の弥生時代の集落が存在したという事実と竪穴住居跡を中心とした遺跡の様子は、皆さんの心の中に生き続けていくと思います。
私たちは、本調査の成果を調査事務所に持ち帰り、土器の接合・復元を始めとする整理作業や報告書の作成に取りかかると共に、次の発掘現場での調査活動に取り組んでいきます。
今回の調査を通じて、近隣にお住まいの皆様には、仮設道路への切り替えや騒音、ほこりなど、いろいろとご迷惑をお掛けしたことと思いますが、大変好意的に私どもの調査活動を見守っていただき、本当にありがとうございました。
改めてお礼申し上げます。
なお、現地調査事務所は、12月17日をもって閉鎖いたしました。
調査終了!
編集発行
浜松市埋蔵文化財調査事務所 TEL:485-3465
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