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更新日:2024年7月16日

校長会議講話(令和6年7月8日)

1.はじめに

みなさん、こんにちは。
1学期も残り2週間ほどという時期になりました。
夏休みを前に、学校も慌ただしいことと思います。
また、先週、「熱中症警戒アラート」が出されるなど、子どもたちの体調の面でも配慮をしていかなければなりません。
さらに、報道等でもご承知の通り、高知市において、水泳の授業で、児童が死亡するという事故が起こりました。私たちも、自分事として捉え、水泳の授業での安全体制について今一度、確認をお願いします。判断が難しい場面もあるかと思いますが、決して無理をしないよう、お願いいたします。
さて、先日7月1日は、市制記念日でした。1911年、明治44年に誕生した浜松市も今年113年目を迎えます。
市は、本市が誇る市民や地域の多様性を活力の源泉とし、元気な浜松の実現を目指しております。この活力の源泉である多様性は、教育界にとってもたいへん大事なキーワードです。多様性を確保するためにも、包摂性が求められます。言い換えると、さまざまな考えや利害を調整することが難しくなることが予想されます。そこに、教育の力が必要とされるところです。社会を支えていく次世代の人材を育てることが我々の役割であるのですから、そのことをしっかりと意識してまいりたいと考えています。
さて、主に、中学校が関係することですが、来年4月に大阪・夢洲(ゆめしま)で、大阪・関西万博が開催されます。修学旅行の時期とも重なりますので、旅行の計画に入れている学校もあると思います。開催が間に合うかという問題や事故の件も含め、学校は事前情報を入手し、安全の確認はもちろん、保護者に対しても正確な情報を伝えて不安を払しょくするなど、対策をお願いします。また、校長としての判断や決断も求められます。準備を怠らないようお願いします。
本題に入る前にもう一点お話しします。
みなさんご承知と思いますが、6月27日に教育委員の異動に関する通知が発出されました。浜松市教育委員会の安田教育委員が6月末をもって2期8年の任期を終えられ、退任されました。安田委員は浜松市の教育が少しでも前進していくようにと、時には厳しい意見を述べられたり、また、時には先生方のことを心から心配されたりと、それこそ熱い情熱をもってお勤めになられました。本当に、お世話になりました。
後任には、下鶴志美(しもづるゆきみ)委員が着任されました。ご存じの通り、教育界の大先輩です。鋭い感覚をお持ちの方ですから、これから浜松の教育に対して、様々なお考えや温かい思いをいただけることと思います。
それでは、本日は、いただいたお時間の中で、皆さんにお願いも含めて、お話させていただきます。

2.いじめ重大事態の調査報告を受けて

新聞等の報道でご存じの方も多いと思いますが、6月の上旬に「いじめ重大事態の」調査報告書が公表されました。
内容の詳細については報告書をご覧いただきたいと思いますが、再発防止策として、何を行っていくかについてお話しします。
実際には、現在、指導課の指導主事が各校を訪問し、その内容について確認や指導をしています。

まず、学校の取組として、校内研修の充実を図ります。
教職員のいじめ問題に対応する資質向上のため、「学校いじめ防止基本方針」に基づいた、いじめへの理解及び未然防止、早期発見、措置等に関する研修を今後も実施していきます。
次に、いじめの防止等のための対策が、適切に行われるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、心理・福祉等に関する専門的知識を有する者を加えた事例検討等を、計画的に行います。
続いて、実効性のある校内いじめ対策委員会の実施として、いじめ問題に対処するための中核的組織が、実効性ある活動ができるよう、校長のリーダーシップの下、いじめの未然防止、早期発見、措置等に対して、学校全体で、組織的に取り組みます。
さらに、SCやSSW、学校の求めに応じ派遣される者(生徒指導アドバイザー、スクールサポーター等の警察関係者)を必要に応じて、校内いじめ対策委員会に参画させ、機動的に運用していきます。
なお、教職員が、校内いじめ対策委員会での情報を共有しやすいよう、関係のある教職員だけに限定するのではなく、学級担任を含め、可能な限り、多くの教職員が参加できる体制を構築し、風通しのよい学校風土の醸成に日頃より取り組むようにします。
今回は、主に学校で取り組んでいく内容についてお話ししましたが、このように我々は、自分たちの責任として何をすべきかを問われます。
どう責任を取るか、から、自分たちの責任として何をするのか、ということです。
自分が勤めている学校でなかったとしても、当事者意識をもち、対応していただきたいと思います。

3.令和5年度教職員の体罰、不適切な言動及びセクシャル・ハラスメントに関する調査結果について

次に、体罰・不適切な言動、セクシュアル・ハラスメントに関する調査結果について触れます。
令和5年度の調査結果に関する記事が、去る6月29日に、新聞に掲載されました。概略を話しますと、体罰は、前年度から13件の減の45件。不適切な言動は、前年度から39件増の87件。今回新たに、不適切な言動から切り離したセクシュアル・ハラスメントは、前年度から4件増の8件。という結果になりました。
これらの数には、懲戒処分となった案件も含まれています。校長先生方には、この発生状況に対して、ぜひ、危機感を抱いていただきたいと思います。
しかしながら、これだけの件数にもかかわらず、年度をまたいで、未だ解決に至っていない案件はなく、各学校において、早期発見と適切な早期対応がなされていることを聞いております。今後とも、よろしくお願いします。
ただ、今回の調査結果で気になるのは、複数年に渡って同じ教員の報告があったり、同じ年度内に、複数の事案にかかわっている教員が見られたりしている、ということです。中には、管理職や教育委員会の指導を受けている人もいます。私たちは、子供たち一人一人が抱える個別の困難や課題に向き合いながら、その子供の可能性を最大限伸ばしていく教育を目指しています。今一度、教員としてのあり方について、自校の教職員への指導助言をお願いします。

4.第4次浜松市教育総合計画におけるデータの利活用について

次に、「データの利活用について」です。
GIGAスクール通信52号で紹介があったように、GIGAスクール構想は「ファーストGIGA」から「セカンドGIGA」へと進んでおり、環境整備の段階から、ICTを活用した学びに目が向けられています。
浜松市では、北浜小学校と北浜中学校が、リーディングDXスクールとして指定を受け、実践を進めています。
53号や54号では、それぞれの実践の様子が伝えられていました。第4次浜松市教育総合計画の教育施策の推進において、教育データの利活用は重要な視点の一つです。そこで、このデータの利活用について、つくば市立みどりの学園義務教育学校の中村めぐみ氏が、教育雑誌で語っていたお話を紹介します。
中村氏は、データ利活用の視点は、3つあるとして、
1.自己を知る
2.他者を支援する
3.マネジメントに生かす
を挙げています。
これらを、具体的に学校現場での利活用に置き換えると、次のようになります。
1.自己を知るは、子どもたちが、キャリアアップや自己実現を図っていくために、データを役立てること。
2.他者を支援するとは、先生や保護者が、子どもたちをよりよく支援したり、適切な対応をしたりすること。
3.マネジメントに生かすは、学校運営にあたる校長や管理職がデータを使うケースです、としています。
言うまでもなく、データの活用自体を目的とするのではなく、教育の質を高めるために、データを活用することが必要です。
今後ますます、この分野は発展していくことでしょう。子供の学習や教師の指導等の改善につなげるなど、期待をしています。

5.授業づくり研修と教育課程編成について

(1)授業づくり研修の実施について
教育センターにおいては、今年度から、「子供の学力向上」と「教職員の資質向上」を一体的に推進する取組を始めています。
その一つとして、初任者研修などの経験研修において、参加者が教科ごとのグループに分かれ、各教科担当指導主事と対面による授業づくり研修を実施しています。
これにより、国の最新情報や専門性の高い指導法を学ぶことができたり、美術科や技術・家庭科の教員のように、校内に複数配置されていない教員が、同世代の仲間と共に、学び合うことができたりして、組織改編の効果が表れています。
今後も、このような組織の機能を生かし、個別最適な学びと協働的な学びの充実を通じた「主体的・対話的で深い学び」の実現を図っていきます。

(2)教育課程編成(週時程の創意工夫)について
学校教育は、今、大きな転換期を迎えています。このような時世にあって、私たちは、これまでの「学校の当たり前」を見直すことも必要になっています。
例えば、授業時数のことです。週当たりの授業時数を「週29時間」とすると、一週間のうち、1日だけ5時間授業で、残り4日は6時間授業となります。
しかし、それを「週27時間」として5時間授業の日を週3日、設定することができるとすると、学校運営上、様々なメリットが期待できます。すでに、本年度、16校が工夫をして、週の授業時数を減らしています。
1つの学校での工夫には限りがありますので、もし、課題がありましたら、教育センターへご連絡ください。
なお、今は、2027年度からの次期の学習指導要領の改訂において、学習指導の内容と、標準授業時数が削減され、週の授業時数が削減できるよう、多方面にわたって、共通理解を図っているところです。
まだまだ、ハードルは高いですが。
教育課程は、学校の実情に合わせて工夫して編成していくものであるということです。すべては子供たちの笑顔、そして未来のために、創意工夫を生かした取組を進めてください。

6.結び

ここまで、多くのお願いをしましたが、よろしくお願いします。
このあと、教職員課から、管理職登用にかかわる説明があります。本年度も、多くの管理職が交代をすることとなります。そこで、これからの浜松の教育を担う管理職には、引き続き、浜松市校長育成指標に示されている4つの力を身につける必要があります。これからも、校長先生方には、人材育成についてご指導をお願いします。
子どもたちにとって、また、先生方にとっても、よい夏休みを迎えていただくことをお願いして、本日の話を終わります。

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