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更新日:2025年4月16日

校長会議講話(令和7年4月9日)

1.はじめに

 令和7年度の浜松の教育は、児童生徒数58000人強、教職員数約4000人でスタートしました。桜がまだ残る中行われた入学式、始業式では、

各学校で希望にあふれたこどもたちの笑顔が見られたことと思います。

 皆さんは新年度のスタートに当たり、校長として教育に対する思いや考えをお話しされたことと思います。その初心の熱い思いを忘れず、

皆さんが目指す学校経営に邁進してください。

2.教育長を拝命して

 私は教育長任命にあたっての所信表明の中で「学校はこどもたちのためにあります。そして、そこに働く教職員一人一人がそれぞれの強みを

生かして働きがいを感じる職場づくりを推進することは、必ずこどもたちの成長につながると信じています。こどもたちにとって、教職員にと

って、価値ある学校の創造に尽力してまいります。」と述べました。

 「真の教育はこどもと接するところにのみ存在する」これは私が特に管理職になってから強く意識していたことです。

 市として目指す方向性を示しつつ、こどもたちの幸せを願って奮闘する教職員、校長先生方、学校のために教育委員会として何をなすべきな

のかを想像し、熟考して、やるべきことを一つ一つ積み重ねていきます。

3.第4次浜松市教育総合計画について

 第4次浜松市教育総合計画がスタートしました。

 基本理念は「描く夢や未来の実現」。こどもやこどもを支えるすべての人々が、それぞれの「夢や未来」を描き、その実現に向けて自ら行動し

ていくことで、それぞれのウェルビーイングを向上させていきたい、という願いを込めています。

 基本理念のもと、コンセプトとして「主体性」「多様性・包摂性」「信頼・協働」の3つを設定しました。自身の強みや傾向を知り生かすこと

により、解決すべき課題に粘り強く取り組むこと、共に生きていく人たちを仲間として互いに尊重し合うこと、人や組織に信頼を置き協働して

課題や変化を乗り越えていくことが大切であるという考え方を表してします。

 目指すこどもの姿は「自分らしさを大切にするこども」「他者と協働し、主体的に行動できるこども」「自己調整しながら、粘り強く取り組む

こども」です。

 こどもを支える教職員の目指す姿は「こどもの自分らしさを受け止める教職員」「愛情と情熱、規範意識を持ち続ける教職員」「専門性と指導

力を磨き続ける教職員」です。

 これらを実現するために3つの方針、5つの政策に基づき、25の施策、60の取組があります。さらにその取組ごとに具体的に実施していくこと

を5年間の工程表に落とし込み、確実に実施していきます。

4.創造的・自立的な組織づくりによる「働きがい改革」

 今、学校には、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実し、「主体的・対話的で深い学び」を実現することが求められています。そのた

めに、教師にはこれまで以上に創造的なアプローチが求められます。

 教職員一人一人が創造性を発揮し自立して生き生きと仕事をする組織であってほしい、という願いを、働き方改革と絡めてお話しします。

 これを進めていくために、学校や教員が担う業務を明確化し、多様な専門性をもつ人々が協働できる、チーム学校への変革が進みつつありますが、

その中で少し危惧していることがあります。

 それは、効率を重視した組織は一人一人の仕事の内容が限定されてしまうため、発想が形式化されやすく、大胆なアイディアや改善策が出に

くいと言われるからです。

 ではどうすれば、効率化を目指した組織の中でも創造性を発揮し自立的に仕事をすることができるのか、考え方の視点を増やすきっかけにな

ればと思い、一冊の本を紹介します。三宅香帆氏の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という本です。

 本書では、効率よく仕事をするために必要な情報のことを「ノイズの除去された知識」とし、それに対して読書は、社会や人間の感情につい

て知らなかったことを知る、自分ではコントロールできない世界を知るという「人生のノイズそのもの」である、としています。豊かな思考や

創造性を育むためには、ノイズである「自分から遠く離れた文脈」に触れること、自分が予期していなかった知識や感情に触れることが大切で

あるとしています。本を読むことに限らず、一見すると自分には関係がないと思うようなこととの偶然の出会いが、創造性への入り口になると

いうことを意識するとよさそうです。

 もう一点、本書では、「半身(はんみ)で働く社会」への転換を、新しい視点として提案しています。現代社会は、個人が「全身全霊で働き

たくなってしまう」ように仕向けられているというのです。私たちは無意識のうちに競争社会、いわゆる他者の評価を意識しすぎる社会に生き

ているといえます。こういう社会で生きていることを自覚し、働き方に対する認識を変えていくこともポイントになりそうです。

 学校においては、みんなが半身で働くことは難しいでしょうが、教職員一人一人が学校教育目標の達成に向けて、創造性を発揮し、こどもた

ちのために自分は何をしたいのかを考え自立的に行動できる組織を作ることは可能だと考えます。そういう組織であれば「働きがい」を感じや

すくなるのではないか、とも思います。それは、外部からやらされる働き方改革ではなく、また、他者の評価を気にする働き方でもないからで

す。

5.終わりに

 最後に、物事がうまくいくかどうか心配な時、私がよく思い出す言葉を紹介します。それは「楽観は意志」という恩師がくれた言葉です。

 アランの幸福論の中の言葉だそうです。困難に遭遇するとまず最悪を想定します。そうすると悲観的な気分にもなりますが、その時に思い出

すのが「楽観は意志」。困難も意志の力で楽観的にとらえ、前向きに対処していけるよう努めていきたいと思います。

 みなさん、浜松のこどもたちのために一緒に力を尽くしましょう。

 

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