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更新日:2025年11月19日

第2章改定の背景

1.社会的な動向

(1)少子化・高齢化・人口減少

少子化・高齢化・人口減少の進展は、労働力不足や地域社会の活力低下、コミュニティの維持が困難になる地域の増加につながります。生涯学習の推進は、スキルアップによる労働力不足への対応とともに、高齢者の社会参加を促進し、世代間交流による地域コミュニティの維持・活性につながることから、その重要性が高まっています。

年齢区分人口の推移

平成2年度と令和5年度を比較すると、14歳以下は19.0%から12.2%に減少し、65歳以上は12.2%から28.6%に増加しています。(浜松市統計表数値から)

(2)ウェルビーイングの向上に向けた意識の向上

ウェルビーイングへの関心の高まりから、心身の健康を考慮した学習環境づくり、趣味や自己実現のための学びが重要視され、精神的充足感や自己成長を求める学習活動が注目されています。また、ストレス軽減やメンタルヘルス向上のニーズも高まっており、心身の健康や幸福感を高める学習プログラムの需要が増加しています。

(3)人と人とのつながりの希薄化

都市化の進展や核家族化、単身世帯の増加などにより、社会的なつながりが減少し、人間関係の希薄化が進行しています。このことは、孤独や孤立の増加や治安の悪化、地域の防災力や支援力の低下につながるため、地域コミュニティの活性化など、地域全体でつながりを再構築する必要性が高まっています。

(4)地域と学校との連携の推進

平成29年3月の社会教育法の改正により、地域の住民や団体が学校と連携・協働して、地域全体で子どもたちの学びや成長を支援し、「学校を核とした地域づくり」を目指す地域学校協働活動が市町村教育委員会の事務として位置づけられました。これにより、各自治体では、コミュニティ・スクール[1]との一体的な推進など、地域と学校とのさらなる協働が求められています。

(5)人生100年時代の新たな学びの必要性

人生100年時代の到来により、シニア層の社会参加や健康維持のための学習の必要性が高まっています。また、長期的なキャリア形成や自己実現に向けては、リカレント教育[2]などの継続的な学びが不可欠となっており、生涯にわたる学習習慣の形成が重要になっています。

(6)共生社会の構築の重要性の高まり

浜松市の外国人市民は増加傾向にあり、多文化共生の取り組みは欠かすことができません。また、現代社会は価値観の多様化が進むとともに、障害の有無や生活環境の違いなど、多様な背景を持つ人々が共に暮らしていることから、互いを尊重し、それぞれの能力を発揮して社会に参加できる共生社会の構築が重要になっています。

(7)持続可能な社会に向けた取り組み(SDGs[3]

SDGsの達成に向けて、環境問題や社会課題への理解を深め、地域社会での実践的な取り組みを促進することが求められています。これにより、SDGs達成に貢献するための学習ニーズが増加し、主体的な行動変容を促す学習が重視されています。また、地域社会におけるSDGs達成に向けた学習の推進も求められています。

(8)デジタル技術の進展

デジタル技術の進展により生涯学習の機会が大きく拡大し、オンライン学習やAIを活用した個別最適化学習など、時間や場所にとらわれない多様な学習方法が実現しています。一方で、情報活用能力の格差が学習機会の格差につながる可能性があり、全世代で情報活用能力の向上に対応した学習プログラムの必要性が高まっています。

[1]コミュニティ・スクール:学校・家庭・地域が力を合わせて学校運営に取り組む仕組みである学校運営協議会を設置した学校を指す。浜松市では、全ての市立小中高等学校に設置済。学校運営協議会では、学校運営の基本方針の承認や学校運営への意見の提出など、学校運営の支援に関する協議が行われる。

[2]リカレント教育:社会人になってからも必要に応じて再び教育を受け、学び直すこと。

[3]SDGs:誰一人取り残さないことを目指し、持続可能な世界を実現するために2030年までに達成すべき17の開発目標。

2.市民アンケート調査からの現状と課題

浜松市では、市民の皆さんの生涯学習活動に対する考え方や活動状況を把握するため、市内在住の18歳以上の市民の方2,000人を対象にアンケート調査を実施しました。(回収率:30.3%)アンケート調査から見える現状と課題は以下のとおりです。

(1)学習活動への参加について

生涯学習活動を行っている人は半数強(52.4%)で、学習や活動を行うきっかけは「自ら興味を持ったから」が65%を占めています。しかし、「時間的余裕のなさ」や「きっかけがつかめないこと」などが支障となっており、仕事や子育て、介護などのため学習に取り組めないとの意見も多く寄せられています。

(2)情報提供について

生涯学習に関する情報は、インターネットと公的施設のチラシが主な入手先となっています。70代以上は広報はままつやチラシなどの紙媒体、若い世代はSNSの利用が顕著で、情報取得方法に世代差があります。また、もっと宣伝・発信してほしいとの意見が多く寄せられ、積極的な情報発信が強く求められています。

生涯学習に関する情報をどこで得ていますか

(3)学習内容について

学習内容では、自身や家族の「健康」への関心が非常に高く、「心身の健康の維持向上」に対する意識が高くなっています。また、今後学んでみたい分野としては「音楽、美術、文化など趣味や教養に関すること」「健康や医療、介護に関すること」「運動やスポーツ、レクリエーションに関すること」が上位を占めていますが、「インターネットやスマートフォンなど情報社会への対応に関すること」のニーズも高く、幅広い年代で情報格差の解消への関心が見られます。そして、社会課題では「年金や老後の健康」「自分や家族の健康」「防災対策」が全世代的に認識されています。

(4)学びやすさについて

学びやすい場所は「協働センターやふれあいセンターなど公的な機関での講座や教室」が最多で、特に60代以上の女性に支持されている一方、50代以下は「オンラインの講座や教室」も多くなっています。また、学びにくさの要因として、身近に場所がないことや移動の困難さが挙げられており、アクセスの向上や託児付き教室、単発のワークショップなどの取り組みを望む意見が寄せられるなど、参加のハードルを下げる工夫が求められています。

どのような場所や形態が生涯学習を行いやすいですか

(5)活動を通して得たものと生かし方について

生涯学習活動を通して得られたものとして「新たな知識や技術の学び」「心身の健康状態の維持向上」「友人や仲間(人間関係の広がり)」が上位を占め、それらが「健康の維持・増進」「日々の生活の様々な場面」「自己の充足感や意識の向上」に生かされています。一方で、「地域とのつながり」への貢献は低い傾向があり、今後は様々な事業を通して学習自体を深めるとともに、地域や人とのつながりの拡大など、地域交流への発展が期待されます。

生涯学習を通じて得たものはどのようなものですか

浜松市生涯学習に関する意識活動実態調査報告書(PDF:3,920KB)(令和6年7月実施)

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お問い合わせ

浜松市役所市民部創造都市・文化振興課 生涯学習担当

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2413

ファクス番号:050-3730-2887

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