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更新日:2022年10月3日
家畜やヒトの腸内にも存在している大腸菌のうち、ヒトに下痢などの消化器症状や合併症を起こすものは「病原大腸菌」と呼ばれています。さらにその病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすものがあります。これが「腸管出血性大腸菌」と呼ばれています。
腸管出血性大腸菌は、菌の成分によりさらにいくつかに分類されていますが、その代表的なものが腸管出血性大腸菌「O157」「O26」「O111」などです。
腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜やヒトのふん便中に時々見つかります。家畜では症状を出さないことが多いので、家畜が菌を持っているかどうか見た目で判別することはできません。
3~5日(1週間以上のこともあります。)
全く症状がないものから、軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々です。しかし、多くの場合(感染の機会のあった者の約半数)は、おおよそ3~5日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。さらに激しい腹痛を伴い「血便」となることがありますが、これが出血性大腸炎です。発熱はあっても、多くは一過性です。
これらの症状のある人の6~7%の人が、下痢などの初発症状の数日から2週間以内(多くは5~7日後)に溶血性尿毒症症侯群(HUS)や脳症などの重症合併症を発症するといわれています。HUSを発症した患者の致死率は1~5%とされています。
激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。
腸管出血性大腸菌の感染は、飲食物を介した経口感染であり、菌に汚染された飲食物を摂取することや、患者のふん便に含まれる大腸菌が直接・間接的に口から入ることによって感染します。
腸管出血性大腸菌は様々な食品や食材から見つかっていますので、食品の洗浄や加熱など衛生的な取扱いが特に大切です。腸管出血性大腸菌はサルモネラ属菌など他の食中毒菌と同様、加熱(75℃で1分以上)や消毒薬により死滅します。したがって、通常の食中毒対策を確実に実施することで十分に予防可能です。
また、動物と接触することにより感染した事例も報告されていることから、動物を触った後には手洗いを徹底し、必要に応じて手指を消毒しましょう。
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