緊急情報
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更新日:2024年9月5日
前回(第10回)の本選で演奏する優勝者のジャン・チャクムルさん
市内商業施設でのシティコンサート
ホストファミリー宅での交流
浜コンは浜松市制80周年を記念して1991(平成3)年にスタートし、以後3年に1度開催しています。世界を目指す若手ピアニストが第1次予選から本選まで、およそ3週間にわたり優勝を目指して競い合います。
今年は47カ国1地域から過去最多となる638人の応募があり、予備審査を通過した25カ国1地域の94人が11月9日(土曜日)から始まる第1次予選に臨みます。
回を重ねるごとに認知度も高まっており、コンクールを通じて若手ピアニストの育成や国際交流がさらに進んでいます。
2021(令和3)年に開催予定だった第11回は、新型コロナウイルスの影響で中止となったため、今回は6年ぶりの開催となります。
今月の特集では、過去に浜コンに出場したピアニストや、ホストファミリー経験者、裏方として浜コンを運営する事務局、浜コンを楽しみにしているファンから見た浜コンの特徴や魅力に迫るとともに、「楽しみ方」を紹介します。
「コンクール」と聞くとハードルが高いと思うあなたも、浜コンを身近に感じ、3年に一度のこの機会を楽しんでみませんか。
第7・8回浜コンに出場した、浜松市出身の犬飼(いぬがい)新之介さん(ドイツ在住)に浜コンについて聞きました。
浜コンは海外でも有名なのでしょうか
海外のピアニストにも浜コンは高水準で大きなコンクールとして知られています。
ドイツの大学で学び始めたとき、ドイツの音楽仲間に自分の出身地が浜松だと伝えただけで「大きなコンクールのある所だよね」と言われて驚きました。現在一線で活躍しているピアニストの中には浜コンで優秀な成績を収めた人がたくさんいるので、それも当然のことかもしれません。
ピアニスト目線で浜コンの特徴や楽しみ方を教えてください
第1次予選の演奏時間が短いのが特徴だと思います。他の国際コンクールでは1時間近いプログラムを演奏する場合もありますが、浜コンの第1次予選の演奏時間は20分程度です。ピアニストはさまざまな時代の作品をどんな順番で、どこに重点をおいて選曲するかを考える必要があります。
お客さんの立場からすると、短い時間で多くの演奏を聴き比べることができるので、ピアニストごとの「色」を感じやすいと思います。出場者の情報をホームページやプログラムなどで予習しておき、演奏する曲のどこに重点を置いているのかに注目してみるのもおすすめです。
浜松の皆さんへメッセージをお願いします
コンクールという審査の場での演奏は、結果がついて回ることもあり、練習や演奏会とは違う緊張感があります。緊張しているピアニストにとって、声援や拍手が力になるのでぜひ会場に足を運んでいただきたいです。海外のコンクールの場合、出身国のピアニストが出場するだけで会場の熱気が高まることがあります。浜松市民として、浜コンを盛り上げたいという気持ちになってもらえたらうれしいです。
©️Achim Reissner
4歳よりヤマハ音楽教室に入室、6歳からピアノを始める。浜松国際ピアノアカデミー受講。桐朋学園大学首席で卒業、御前演奏を行う。桐朋学園大学研究科を修了後渡独。フランクフルト音楽舞台芸術大学でCatherine Vickers氏に師事、ドイツ演奏家国家資格取得コースを修了。東京音楽コンクール第1位、ハエン賞国際ピアノコンクール第2位およびスペイン音楽賞、ベートーヴェン国際コンクール第3位および聴衆賞など受賞。フランクフルトの大学で後進の指導にあたったほか、マスタークラスなどでの指導にも携わる。ボン・ベートーヴェン音楽祭、International Music Weeks Salzburg などの音楽祭に招聘(しょうへい)。Genuin classics(ドイツ)よりCDをリリース。即興演奏を取り入れたリサイタルを行うなど新しいコンサートスタイルを展開している。
2009(平成21)年開催の第7回から浜コンを鑑賞しており、ピアニストとしても活動している袴田麻純(はかまたますみ)さんに、ファン目線での浜コンの楽しみ方を聞きました。「ピアノに詳しくなくて、演奏をどうやって楽しんでいいのかわからない・・・」という人はぜひ参考にしてみてください。
浜コン出場者は、すぐにでも世界で活躍できるようなレベルの高いピアニストばかりです。第1次予選中に「この人、好きかも!」と思う人を見つけ、勝ち進めるように応援してみるのもおすすめです。
ピアノの音は鍵盤への体や腕の重さのかけ方、鍵盤を押すタッチの深さ、3つのペダルの細かな踏み分けなどで変わります。さまざまな音色とともに、指や足を巧みに操る技にも注目してみてください。
出場者が演奏に真剣に向き合う姿を見るだけで心を打たれます。あまり知らないスポーツのテレビ中継で、頑張る選手の姿に感動することと似ている気がします。ピアノやコンクールのことをあまり知らない人も、出場者を応援する気持ちで鑑賞してみてください。
【場所】アクトシティ浜松
本選・表彰式・入賞者披露演奏会は大ホール、それ以外は中ホール
https://www.hipic.jp/schedule/(別ウィンドウが開きます)
第10回優勝者ジャン・チャクムルさんと同第2位牛田智大さんによるピアノコンチェルト。指揮は高関健さん、協演は富士山静岡交響楽団。
練習曲1曲以上を含む自由な選択により20分以内で演奏。
課題曲2曲以上と、第12回浜コンのために作曲された猿谷紀郎さん(作曲家)の新譜課題曲を40分以内で演奏。
課題曲であるモーツァルトのピアノ四重奏曲を弦楽器奏者と共演。
加えて自由選択によるソロリサイタルを行う。演奏時間は70分以内。
ピアノ協奏曲1曲を選択し、東京交響楽団と協演。指揮は高関健さん。
リラックスしたムードの中、ファイナリスト6人が演奏を披露。
市民と出場者の交流や、身近な場所でプロのピアニストによる演奏を聞く機会があることも浜コンの魅力です
※写真は前回大会のものです
配信視聴は浜コン公式YouTubeチャンネルから。過去大会の映像も見ることができます。
https://www.youtube.com/@HIPICofficial(別ウィンドウが開きます)
場所 | 日付 | 時間(各30分) |
---|---|---|
遠鉄百貨店イ・コ・イスクエア新館3階 | 11月17日(日曜日) | 14時〜15時30分〜 |
イオンモール浜松市野シンフォニーコート | 11月22日(金曜日) | 17時〜18時30分〜 |
オークラアクトシティホテル浜松 ロビー | 11月25日(月曜日) | 17時〜 |
子供がピアノを習いはじめたころ、浜コンに出場するようなピアニストが家に来てくれたらきっといい経験になると思い、第9回・第10回の浜コンでホストファミリーになりました。受け入れたピアニストの多くは日本語が通じませんでしたが、一緒にピアノを弾くことですぐに打ち解けることが出来ました。
子供がピアニストの国の言葉のあいさつを覚え、夜にはおやすみのあいさつとハグを交わしたのを覚えています。
ピアニストも私たちとの交流を楽しみにしていたようで、たこ焼きパーティーをしたり、茶道や琴を体験したりと楽しい時間を過ごしました。
前回はホームステイの期間に未就学児向けのホームコンサートを開催し、我が家のリビングに子供の友達が50人ほどきてくれました。
今でもホームステイに来たピアニストとはSNSで連絡を取り合っています。家族でギターやピアノ、フルートを弾いている動画を送ったら「また一緒に演奏したいね」と返事がきました。
言葉や文化の壁を不安に思う人がいるかもしれませんが、音楽の力があれば簡単に打ち解けられると思っています。興味がある人はぜひホストファミリーに応募してみてください。
左から杉保麻友さん、知隼(ちはや)さん、紅名(くれな)さん
ホームコンサート
https://www.hipic.jp/citizen-participation/homeconcert/(別ウィンドウが開きます)
ホストファミリー
https://www.hipic.jp/citizen-participation/hostfamily/(別ウィンドウが開きます)
※予選通過がかなわなかった出場者が招き入れの対象です
事務局(文化振興財団職員)の大石聡子(さとこ)さんに市民の皆さんに伝えたいことを聞きました。
コロナ禍を経て6年ぶりの開催ということで大変多くのピアニストから出場の応募がありました。
コロナ禍において、演奏機会を奪われるなど厳しい時期を過ごしたに違いないピアニストたちの音楽に対する情熱や鍛錬(たんれん)のたまものは、予備審査から尋常でないほど感じられました。そんなハイレベルな予備審査から選ばれた94人のピアニストが、世界中から浜松に集まりますので、ぜひ多くの皆さまに熱演を見て聞いてほしいと思います。
優勝者には、特典として優勝者ツアーが組まれ、来年以降、日本各地でコンサートを行います。日程は未定ですが、浜松での凱旋(がいせん)公演も計画していますので、浜松から世界へ羽ばたくピアニストを応援していただけたらうれしいです。
大石聡子さん
市内で開催される音楽イベントは、浜松市文化振興財団公式ホームページで確認できます。
浜松市文化振興財団公式HP
https://www.hcf.or.jp/(別ウィンドウが開きます)
この特集に関するお問い合わせは、、創造都市・文化振興課(【電話】053-457-2301)へお寄せください。
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