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更新日:2026年2月25日
基本法では、国の国土強靱化基本計画の案の作成にあたり、国土強靱化の推進を図る上で必要な事項を明らかにするため、脆弱性評価を行うことが規定されており、その実施に必要な「事前に備えるべき目標」と「リスクシナリオ(起きてはならない最悪の事態)」が設定されている。
本市でも、4つの基本目標を達成するため、「事前に備えるべき目標」とその妨げとなるものとして「リスクシナリオ(起きてはならない最悪の事態)」を設定し、リスクシナリオごとに本市の防災・減災、その他迅速な復旧・復興等に資する施策を整理して、リスクを避けるための施策の有無や偏り、その進捗状況等を評価することによって課題を洗い出す。
本市の地域特性上、最も甚大な被害を及ぼすと想定される「南海トラフ巨大地震」における地震・津波を中心に、台風・豪雨等による風水害、土砂災害等を含めた大規模自然災害を対象とする。

静岡県第4次地震被害想定 震度分布図・液状化可能性分布図(レベル2陸側ケース)

静岡県第4次地震被害想定 全壊・焼失棟数分布図(レベル2陸側ケース、冬・夕方)

静岡県第4次地震被害想定 津波浸水域図(レベル2重ね合わせ図)防潮堤整備前
下図は、防潮堤整備事業における整備効果である。防潮堤はすでに完成しているが、馬込川河口部への水門整備は2027(令和9)年度に完成予定であり、下図は水門整備まで完了した際のものである。
本事業による減災効果としては、宅地の浸水面積の約8割の低減、建物の倒壊・流出の危険性が高いと考えられる浸水深2m以上の宅地の98%低減などがある。

出典:静岡県提供資料(この津波浸水想定図は、静岡県で独自に計算したものである)
防潮堤整備による減災効果
改訂前の計画では、国及び県で設定されたリスクシナリオを基本としつつ、本市の役割を踏まえ、9つの「事前に備えるべき目標」と41の「リスクシナリオ」を設定した。
その後、国の国土強靱化基本計画では、以下の観点により、リスクシナリオの再整理が行われている。
この結果、「事前に備えるべき目標」は6に、「リスクシナリオ」は35に、それぞれ見直された。
本市では、国の再整理後のリスクシナリオを基本としつつ、対象とする災害、本市の地域特性や基礎自治体としての役割を踏まえ、6つの「事前に備えるべき目標」と29の「リスクシナリオ」を以下のとおり設定した。
※改訂前の計画におけるリスクシナリオとの対照表及び国の国土強靱化基本計画<2023(令和5)年7月変更版>におけるリスクシナリオ一覧表は、巻末に参考として示す。
| 事前に備えるべき目標 | 起きてはならない最悪の事態 | |
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1 あらゆる自然災害に対し、直接死を最大限防ぐ |
1-1 |
大規模地震に伴う、住宅・建物・不特定多数が集まる施設等の複合的・大規模倒壊による多数の死傷者の発生 |
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1-2 |
地震に伴う密集市街地等の大規模火災の発生による多数の死傷者の発生 |
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1-3 |
広域にわたる大規模津波による多数の死傷者の発生 |
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1-4 |
突発的又は広域的な洪水・高潮に伴う長期的な市街地等の浸水による多数の死傷者の発生(ため池の損壊によるものや、防災インフラの損壊・機能不全等による洪水・高潮等に対する脆弱な防災能力の長期化に伴うものを含む) |
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1-5 |
大規模な土砂災害(深層崩壊、土砂・洪水氾濫、天然ダムの決壊など)等による多数の死傷者の発生 |
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2 救助・救急、医療活動が迅速に行われるとともに、被災者等の健康・避難生活環境を確実に確保することにより、災害関連死を最大限防ぐ |
2-1 |
自衛隊、警察、消防、海保等の被災等による救助・救急活動等の不足 |
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2-2 |
医療施設及び関係者の不足・被災、支援ルートの途絶、エネルギー供給の途絶による医療機能の麻痺 |
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2-3 |
劣悪な避難生活環境、福祉サービスの不足、不十分な健康管理がもたらす、多数の被災者の健康・心理状態の悪化や、地震と風水害等の複合災害による災害関連死の発生 |
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2-4 |
被災地での食料・飲料水・電力・燃料等、生命に関わる物資・エネルギー供給の停止 |
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2-5 |
想定を超える大量の帰宅困難者の発生による混乱 |
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2-6 |
多数かつ長期にわたる孤立地域等の同時発生 |
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2-7 |
大規模な自然災害と感染症との同時発生 |
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3 必要不可欠な行政機能を確保する |
3-1 |
市の職員・施設等の被災による機能の低下 |
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4 経済活動を機能不全に陥らせない |
4-1 |
サプライチェーンの寸断・一極集中等による企業の生産力・経営執行力低下による経済活動の停滞 |
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4-2 |
高圧ガス施設等の重要な産業施設の火災、爆発に伴う有害物質等の拡散・流出 |
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4-3 |
食料等の安定供給の停滞に伴う、市民生活・社会経済活動への影響 |
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4-4 |
異常渇水等による用水供給途絶に伴う、生産活動への影響 |
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4-5 |
農地・森林や生態系等の被害に伴う市域の荒廃・多面的機能の低下 |
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4-6 |
広域の地盤沈下等による広域・長期にわたる浸水被害及び液状化の発生に伴う市民生活への影響 |
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5 情報通信サービス、電力等ライフライン、燃料供給関連施設、交通ネットワーク等の被害を最小限にとどめるとともに、早期に復旧させる |
5-1 |
通信インフラの障害等により、テレビ・ラジオ・インターネット・SNS など、災害時に活用する情報サービスが機能停止し、情報の収集・伝達ができないことや、災害に対する意識の低さ等により避難行動や救助・支援が遅れる事態 |
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5-2 |
電力供給ネットワーク(発変電所、送配電設備)や都市ガス供給・石油・LPガス等の燃料供給施設等の長期間にわたる機能の停止 |
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5-3 |
上下水道施設の長期間にわたる機能停止 |
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5-4 |
緊急輸送路等の幹線道路や鉄道が分断するなど、基幹的交通ネットワークの機能停止による物流・人流への影響や救急・救命活動、支援活動への支障が生じる事態 |
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6 社会・経済が迅速かつ従前より強靱な姿で復興できる条件を整備する |
6-1 |
自然災害後の地域のより良い復興に向けた事前復興ビジョンや地域合意の欠如等により、復興が遅れ地域が衰退したり、ものづくりのまち浜松らしさが失われ、地域活力が低下したりする事態 |
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6-2 |
災害対応・復旧復興を支える人材等(専門家、コーディネーター、ボランティア、NPO、企業、労働者、地域に精通した技術者等)の不足等により復興できなくなる事態 |
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6-3 |
大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞により復興が遅れる事態 |
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6-4 |
事業用地の確保、仮設住宅・仮店舗・仮事業所等の整備が進まず復興が遅れる事態 |
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6-5 |
貴重な文化財や環境的資産の喪失、地域コミュニティの崩壊等による有形・無形の文化の衰退・損失 |
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6-6 |
風評被害や生産力の回復遅れ、大量の失業・倒産等による市民の経済等への影響 |
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前述の「事前に備えるべき目標」や「リスクシナリオ」に対して、現在、本市が実施している施策が、どの程度まで達成しているかを評価した。本市の施策としては、「地震・津波対策アクションプログラム2023」、「津波防災地域づくり推進計画」、そのほか「浜松市のみちづくり計画(道路整備プログラム)」や「浜松市総合雨水対策計画2024」等、各個別計画等で推進している施策がある。
脆弱性評価結果は、リスクシナリオごとに「【別紙】脆弱性評価結果」としてまとめた。
また、リスクシナリオ全体を通しての脆弱性評価結果のポイントは次のとおりであり、強靱化を図る上では、このポイントを念頭において、総合的かつ計画的に取り組む必要がある。
巨大災害リスクの切迫や気候危機の深刻化等、地域の持続性を脅かす危機に備え、住民の生命と財産を守るため、自然災害からの逃げ遅れゼロと災害関連死ゼロを目指し、防災インフラの整備・管理を戦略的に推進する必要がある。
本市では、県と連携した防潮堤整備、馬込川河口部の水門整備のほか、10年に1回程度降る雨に対する安全性を確保するための河川整備や、「浜松版グリーンレジリエンス」の推進、公共施設の耐震化、避難所となる公共建築物のインフラ整備などに取り組んでいる。また、災害関連死を防ぐため、避難所の環境整備も継続して進めている。
社会経済構造の変化に対応し、自然災害発生時においても、交通・通信・エネルギー等の機能が一体的に安定して発揮できるよう、相互関連性も踏まえつつ、ライフライン全体の強靱化を図る必要がある。
本市では、緊急輸送道路の整備や、緊急輸送路の道路斜面における対策などを進めている。また、市民、事業者向けの自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池など、創エネ・蓄エネ設備の導入支援を通じて、再生可能エネルギーの地産地消を進める必要がある。
デジタルが持つ力を最大限活用し、地域が直面する災害への対応力を強化する必要がある。
市総合防災情報システムの強化による情報の収集・伝達体制の向上が必要となっている。
地域が直面する災害リスクに対応するため、国や県との適正な連携関係を強化するとともに、民の力を最大限発揮し、官民の多様な主体の連携・協働による取組を推進する必要がある。
本市でも、中小企業等による事業継続計画(BCP)の策定が促進されるよう支援を行っている。
国土強靱化にかかる施策は庁内の複数の部局にわたるとともに、市だけではなく、国、県、関係団体、民間事業者、市民等、多岐にわたる。部局の横断的な取組を推進するとともに、民間事業者、市民等も含めたそれぞれの実施主体が、自らの果たすべき役割に応じた取組を、相互に連携を図りながら行っていく必要がある。
地域の力を結集し、あらゆる人々が安心して暮らし続けることのできる地域づくりを推進し、地域における防災力の一層の強化を図る必要がある。
本市では、地域や職場の防災リーダーとなり得る人材を養成する静岡県ふじのくに防災士の制度をはじめとした、人材の育成・活用にかかる取り組みを継続している。
そのほか、男女共同参画の視点からの防災対策の推進や要配慮者への支援、NPOやボランティアとの連携などを通して、あらゆる人々が主体的に参画できる地域コミュニティを形成していく必要がある。また、災害時に民間団体のコーディネート等を行う災害中間支援組織の体制構築を完了させる必要がある。
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