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更新日:2026年2月25日
2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、個々の災害の都度、長時間をかけて復旧・復興を図る「事後対策」の繰り返しを避け、従来の狭い意味での「防災」の範囲を超えて、まちづくりの政策・産業政策を含めた総合的な対応が求められている。
千年の時をも見据えた、次世代を担う若者たちが将来に明るい希望を持てる国土を創造するため、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法(平成25年法律第95号)(以下「基本法」という。)」が2013(平成25)年12月に公布・施行された。
国土強靱化が目指すものは、想定外とも言える大規模自然災害等に対して、とにかく人命を守り、また経済社会への被害が致命的なものにならず迅速に回復する、「強さとしなやかさ(強靱さ)」を備えた国土、経済社会システムを構築することである。
国は、基本法第10条第1項の規定に基づき、国土強靱化の基本方針や国が本来果たすべき役割を踏まえ、国土強靱化に関する施策の推進に関する「国土強靱化基本計画」を2014(平成26)年6月に策定し、2018(平成30)年12月と2023(令和5)年7月に同計画を変更した。この基本計画は、国の他の計画等の指針となる、国土強靱化に関するアンブレラ計画であり、各府省庁は国土強靱化に必要な取組を地方公共団体や民間と連携して、総合的・横断的に推進することとしている。
静岡県は、「“ふじのくに”のフロンティアを拓く取組」や「地震・津波対策アクションプログラム2013」等の国土強靱化に先駆けた県の取組を改めて評価した上で、基本法第13条第1項の規定に基づき、静岡県の国土強靱化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、「美しく、強く、しなやかな“ふじのくに”づくり計画(静岡県国土強靱化地域計画)」を2015(平成27)年4月に策定し、2020(令和2)年3月に改定した。
市総合計画が目指す本市の将来像を踏まえ、国土強靱化の観点から、大規模自然災害が発生しても致命的な被害を負わない「強さ」と、速やかに回復する「しなやかさ」を併せ持つ「強靱な浜松」のまちをつくるための施策を、総合的・計画的に推進する指針として「浜松市国土強靱化地域計画」を策定するものである。
本計画は、基本法第13条の規定に基づく国土強靱化地域計画として、本市における国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画として定めるものであり、災害対策基本法に基づき本市で想定される災害種別ごとに、応急対策、災害復旧等、災害に係る事務・業務について総合的に定めた浜松市地域防災計画等を踏まえ、災害リスクを特定・評価し、それに対応する施策を位置付けて推進する。
本計画は、本市の最上位計画である浜松市総合計画との整合・調和を図り、かつ、各個別計画とも連携した計画とする。

本市では、国土強靱化の趣旨を踏まえ、大規模自然災害に係る復旧・復興段階をも事前に見据え、防災・減災と地域成長を両立させた未来かがやく地域づくりを進めるとともに、自然環境・歴史・文化・経済等の地域特性に配慮しながら、安全で快適な生活環境の確保を図ることにより、「未来へかがやく 強くてしなやかなまち はままつ」を目指す。
本市の国土強靱化を推進するにあたり、国の国土強靱化基本計画及び静岡県国土強靱化地域計画に掲げられた基本目標を踏まえ、次の4つを基本目標とする。
本市では、1976(昭和51)年の東海地震説の発表以来、地震対策を推進してきたが、東日本大震災における甚大な津波被害、2013(平成25)年6月に発表された静岡県第4次地震被害想定の発表を受け、津波対策も喫緊の重要課題となった。
そのような中、「浜松市地震・津波対策アクションプログラム2013」や全国で2番目に「浜松市津波防災地域づくり推進計画」を策定し、防災先進都市としてハード対策とソフト対策を組み合わせた防災・減災効果を高める取組を積極的に進めている。さらに、「浜松市のみちづくり計画」や「浜松市総合雨水対策計画」、「浜松市上下水道基本計画」など、個別計画においても、防災対策を推進している。
また、民間企業や地域コミュニティ等との協働により「浜松版グリーンレジリエンス」を推進し、防災・減災のみならず、地方創生の実現に向けた取組を図っている。
東日本大震災における甚大な津波被害を機に、静岡県は、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震・津波を含め、今後の地震・津波対策の基礎資料とする静岡県第4次地震被害想定(第一次報告)を2013(平成25)年6月に、同(第二次報告)を11月に策定するとともに、これまでの津波対策の総点検を実施し、2013(平成25)年11月に当面実施すべき対策として「静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013」を策定した。
本市では、「静岡県第4次地震被害想定」、「静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013」に基づき「浜松市地震・津波対策アクションプログラム2013」を策定し、津波避難ビルの指定や津波避難マウンド、津波避難タワーなどの整備を進めるとともに、浜松市沿岸域防潮堤の整備を県と連携して推進した結果、推計された犠牲者約16,000人に対して9割以上の減少を達成した。
策定から10年が経過したことから、2024(令和6)年3月に後継となる「浜松市地震・津波対策アクションプログラム2023」を策定し、犠牲者の更なる減少を図るための対策に加え、被災後の市民生活の健全化にも重点を置き、ハード・ソフト両面から防災・減災対策を推進している。
2011(平成23)年に東日本大震災が発生し、巨大津波による被害の甚大さを目の当たりにして、長い沿岸部を有する本市では、地震だけでなく、津波災害にも強いまちづくりを早急に推し進めることの重要性を再認識した。
東日本大震災の未曾有の災害を教訓として、国が2011(平成23)年12月に制定した「津波防災地域づくりに関する法律」に基づき、本市では、将来予想される最大規模の地震に対して、津波から市民の生命、身体、財産及び産業基盤を守り、安心して暮らすことのできる魅力あるまちづくりを、市民の自助、地域の共助、そして公助の連携による、オール浜松体制で推進するため、2014(平成26)年4月に「浜松市津波防災地域づくり推進計画」を策定した。
「浜松市のみちづくり計画」は、2017(平成29)年度から2026(令和8)年度の10年間を計画期間とした第2期計画に基づき、高規格道路の整備促進や自転車通行空間の整備、交通安全対策、橋梁の耐震化や道路斜面対策、橋梁などの道路施設の維持管理を着実に実施してきた。
近年、自然災害が激甚化・頻発化し、本市においても土砂災害や路肩崩壊が多発していることに加え、令和6年能登半島地震において発生した斜面崩壊等による道路被害は、本市の中山間地域においても同様の被害が懸念されている。また、南海トラフ巨大地震の発生も予測されていることから、災害に強い道路ネットワーク機能の強化が急務となった。さらに、橋梁など膨大な道路施設については、道路施設の長寿命化やコスト縮減に向けて、損傷が軽微なうちに修繕する予防保全型への本格転換が必要である。
このような環境の変化へ柔軟に対応するとともに、「浜松市総合計画」との整合を図るため、2025(令和7)年度から2034(令和16)年度を計画期間とした第3期計画となる「浜松市のみちづくり計画」を策定した。
本市では、浸水被害から市民の生命・財産を守るため、河川や下水道の整備のほか、校庭や公園などへの貯留施設や水田の保全、湛水の防除など、各管理者が個々に対策を実施してきた。しかし、これらの雨水排水施設の整備には時間を要し、相次ぐ大型台風の襲来や集中豪雨の増加、宅地化の進行に伴う地盤の保水能力の低下などで、依然として市内各地で浸水被害が発生している。「これまでに経験したことのない集中豪雨は発生する」との認識の下、河川対策だけでなく、浸水被害の実態や原因、対策の目標について認識を共有しながら、流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う持続可能な「流域治水」へ転換する必要がある。本市では、整備の優先度が高いエリアを選択し、県及び市の関係部局が連携して事業を集中することで、効果的かつ戦略的な雨水対策を進めていくこととした。
このような本市を取り巻く課題や全国的な治水行政の動向も踏まえ、2020(令和2)年2月に策定した「浜松市総合雨水対策計画」を2024(令和6)年3月に改訂し、短期的な視点だけでなく将来を見据えた雨水対策の対策方針をまとめた。
今後10年間(2025~2034年度)で本市の上下水道事業が目指す方向や今後の取組などを示す上下水道一体の「浜松市上下水道基本計画」を2025(令和7)年3月に策定した。当該計画では、10年後の理想の姿を「安全・安心な上下水道が地域社会の中で健全な水循環に貢献している。」と設定し、実現に向けて「施設強靱化等による防災・減災の推進」など5つの基本方針を定めている。自然災害の頻発化と激甚化が進み、特に令和6年能登半島地震では上下水道施設に甚大な被害が生じたことなどを背景に、2025(令和7)年1月に策定した「浜松市上下水道耐震化計画」に基づき、浄水場、浄化センター等の上下水道システムの急所施設や避難所等の重要施設に接続する上下水道管路等の耐震化を推進している。
また、2025(令和7)年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道等に起因する道路陥没事故を踏まえた国の要請に基づき、設置から30年以上経過した口径2m以上の下水道管路にかかる全国特別重点調査の実施や、2025(令和7)年4月に京都市下京区で発生した水道管漏水事故を踏まえた国の要請に基づき、緊急輸送道路に埋設されている同様の水道管の緊急点検を実施するなど事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路等の迅速な確認を行うとともに、老朽化した上下水道施設の改修又は更新を行っている。
今後発生が予想される南海トラフ巨大地震や地球温暖化等により激甚化する豪雨への対策など、様々な自然災害に対応するための都市づくりが必要となっていることから、災害に強い都市の実現を目指すため、本市では、防災・減災対策と復興事前準備の双方を兼ね備えた「浜松市防災都市づくり計画」の策定に向け検討を重ねてきた。当計画は2026(令和8)年3月に策定予定である。
天竜美林が持つ水資源の確保、山地災害防止、生態系保存、二酸化炭素の吸収等の多面的機能の維持・強化と地元木材の新事業創出・木材利用拡大を通じた産業振興を同時に進め、地方創生の実現を図ることを目的に、FSC森林認証制度に基づく持続可能かつ適切な森林管理や地元木材(FSC認証材)を活用した新事業創出・木材利用の拡大、市民の森林に対する理解増進、緑の防潮堤等の市民協働によるインフラ整備に取り組んでいる。
本市では、2019(平成31)年3月に「浜松市国土強靱化地域計画」(初版)を策定し、その後、7回の一部改訂を重ねてきた。本計画では「浜松市地震・津波対策アクションプログラム」や「浜松市津波防災地域づくり推進計画」、「浜松市総合雨水対策計画」など各個別計画に基づくものや、個別計画以外で新たに推進する施策など計142の重点化施策を設定し、施策を推進している。
前述のとおり、本計画や浜松市地震・津波対策アクションプログラムなど個別計画に基づき、津波避難施設の整備や、浜松市沿岸域防潮堤の整備を県と連携して推進した結果、推計された犠牲者約16,000人に対して9割以上の減少を達成するなど成果を上げている。
本計画における142の重点化施策については、下表のとおり2024(令和6)年度末までに111の施策が目標値に達し、達成率は78.2%であった。
改訂前の「浜松市国土強靱化地域計画」における施策の達成状況
|
評価 |
A:100%(達成) |
B:60%以上100%未満 |
C:60%未満 |
計 |
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施策数 |
111 |
23 |
8 |
142 |
|
割合 |
78.2% |
16.2% |
5.6% |
100% |
達成には至らなかった施策についても着実に進行しており、A評価(100%)とB評価(60%以上100%未満)を合わせると90%を超えている。

各施策分野の重点化施策数と達成状況は次のとおりである。

※施策分野名は浜松市総合計画第1次推進プラン(基本計画)に基づく
ほとんどの分野で目標をおおむね達成できている。C評価(60%未満)となった目標の達成が遅れている施策の中には、「(2) 子育て・教育」の分野では、中・高校生の地域防災訓練への参加、「(3) 安全・安心・快適」の分野では、市民の物資備蓄(7日以上の食料及び飲料水)の促進、「(7) 地方自治・都市経営」の分野では、女性の自主防災組織役員への参画など、各分野において、市民が実施主体となって取り組むものが多くみられた。市としては、引き続き、これらの目標達成に向け、啓発活動に取り組む必要がある。
2023(令和5)年7月には、国の国土強靱化基本計画が変更され、地域における防災力の一層の強化などが基本的な方針に位置付けられ、リスクシナリオも大きく組み替えられた。
本市においては、浜松市総合計画(基本計画)の10年間の計画期間が2025(令和7)年度から始まったため、国土強靱化に係る市の計画等の指針となり、浜松市総合計画との整合・調和を図ることとしている本計画は、内容の見直しを行う必要がある。
また、2022(令和4)年度の浜松市包括外部監査では、「防災及び危機管理に係る事務の執行について」として、本計画をはじめとする危機管理事務に関して監査を受けた。この際、本計画における142の重点化施策のうち、本計画の趣旨に照らして、評価方法や、目標指標の的確性など、指摘・意見をいただいたところである。
主な意見としては、優先順位の高いリスクシナリオを選定する際に使用した指標の一つである「影響の大きさ」に関するものがある。「影響の大きさ」は、そのリスクシナリオに係る災害が発生した際の、市全体への影響度合いとしているが、津波(沿岸部でリスク大)や孤立集落発生(中山間地域でリスク大)など、一部の地域でのみリスクが高い災害については、過小評価されてしまうおそれがあるというものだった。地域によってリスクが異なるものについては、地域性を考慮して優先順位付けする必要がある。
改訂時期については、2025(令和7)年度の第2期基本計画開始時は、基本計画と強靱化計画のスタートライン、目線を合わせる絶好の機会であり、強靱化計画の見直しを行う好機であるとの意見もあった。
これらを受け、この度、改訂に至ったものである。
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