更新日：2023年4月7日

1ダースの未来（理想の姿）たかめる【高める】

自然の恵み×浜松スパイス＝付加価値∞。

[大地の恵み]×[ものづくり産業]×[ICT（情報通信技術）]

浜松の農林水産業は、三方原を中心に広がる農地、浜名湖や遠州灘の水産資源、北遠地域に広がる森林など、多様な自然環境を最大限に活用し、安全で特色ある産品が豊富に存在し、全国的にも高い産出額を誇っています。また、経営感覚を身につけた事業者が、製造業や観光、医療、福祉などとの連携により、植物工場の設置や新しいサービスへの転換、光技術などの応用を進めています。
農業分野では、大規模農家から小規模農家まで、バランス良く発展しています。効率性を重視した生産工程で安価な外国産品と対等に勝負することもあれば、手間を惜しまず、世界中の高級レストランから注文が入る高品質な農産物を生産することもあります。成功の背景には、まちなかに住む人でも、サラリーマンであっても、農業を学ぶ環境が整えられたことが挙げられます。これまでの「食べる＝消費する」だけの立場から、多くの市民が「つくる＝生産する」の視点を有することに加え、ICT分野の技術士やマーケティングを行うデータサイエンティストなどの専門家が農業に関心を持ち、経営に関わったり、実際に畑を耕したりすることで、健康や福祉などの分野へと結びつけています。

[森の恵み]×[デザイン]×[循環]

林業分野では、植林、伐採の計画的なサイクルのもと、効率よく材木を出荷する体制が整い、「Tenryu-zai」は世界に通用するブランドとなっています。地元のクリエイターとの結びつきから、デザイン性の高い家具や玩具などに加工され、全国に広く流通することで6次産業化も進んでいます。未利用間伐材もバイオマスの定着により、燃料として余すところなく利用されており、環境保全を兼ねながら収益をあげるサイクルは、全国のモデルとなっています。また、多くの建物には「Tenryu-zai」が使われています。
子どものころから森林へ足を運ぶことによって、山を身近に感じ、「命の源である水・水の源である山」としての価値に多くの人が気付きました。この結果、生活を守る林業を誇りある職業と感じる人が増え、中山間地域に移住する人も増加しています。

[海や川の恵み]×[ブランド]×[商い]

水産業分野では、海や川、湖での資源を守り育てる漁業が安定的な産業として定着し、船具の改良や水産加工業、流通業の発展とともに、私たちの食卓に安価でおいしい食材を提供しています。また、漁獲の安定により、ウナギやトラフグ、クルマエビ、ノコギリガザミといった特色ある水産資源は、地元の料理店では産地ならではの看板メニューとして人気を呼び、浜松ブランドは高級料理店からも注文が絶えない食材になっています。
さらに、魚介の孵化や育成技術の向上は、商業的な栽培漁業や養殖業を活性化しているほか、市民が参加する放流活動など水辺の環境を自ら保全する取り組みを充実させています。資源豊かな川辺でアユ釣りなどのレジャーを楽しむ人や、浜名湖でアサリやハマグリの潮干狩りなどのレジャーに訪れる観光客の増加が地域の賑わいを創出しています。