更新日:2022年5月26日
定期監査(財務監査)・行政監査結果に関する報告(令和4年5月26日)
第1 監査の基準
この監査は、浜松市監査基準(令和2年浜松市監査委員告示第2号)に準拠して実施した。
第2 監査の対象
次のとおりである。
対象とする部等 |
対象とする課等 |
1 健康福祉部 |
福祉総務課 |
障害保健福祉課 |
障害者更生相談所 |
高齢者福祉課 |
介護保険課 |
国保年金課 |
健康医療課 |
精神保健福祉センター |
看護専門学校 |
保健環境研究所 |
病院管理課 |
佐久間病院 |
健康増進課 |
保健総務課 |
生活衛生課 |
保健所浜北支所 |
2 こども家庭部 |
次世代育成課 |
子育て支援課 |
児童相談所 |
幼児教育・保育課 |
3 中区役所 |
区振興課 |
社会福祉課 |
生活福祉課 |
長寿保険課 |
4 東区役所 |
区振興課 |
社会福祉課 |
長寿保険課 |
- |
5 西区役所 |
区振興課 |
社会福祉課 |
長寿保険課 |
舞阪協働センター |
6 南区役所 |
区振興課 |
社会福祉課 |
長寿保険課 |
- |
7 北区役所 |
区振興課 |
社会福祉課 |
長寿保険課 |
引佐協働センター |
三ヶ日協働センター |
- |
8 浜北区役所 |
区振興課 |
社会福祉課 |
長寿保険課 |
- |
9 天竜区役所 |
区振興課 |
社会福祉課 |
長寿保険課 |
春野協働センター |
佐久間協働センター |
水窪協働センター |
龍山協働センター |
- |
10 区選挙管理委員会事務局 |
中区選挙管理委員会事務局 |
東区選挙管理委員会事務局 |
西区選挙管理委員会事務局 |
南区選挙管理委員会事務局 |
北区選挙管理委員会事務局 |
浜北区選挙管理委員会事務局 |
天竜区選挙管理委員会事務局 |
- |
第3 監査の期間
令和3年11月1日から令和4年2月24日まで
第4 監査の着眼点及び実施内容
事務の執行及び経営に係る事業の管理について、合規性、正確性、経済性、効率性及び有効性の観点から適正に行われているかを着眼点とし、検証した。
監査手続については、監査対象部局から提出された資料及び諸帳簿等関係書類を抽出調査するとともに、関係職員から説明を聴取し、関係法令等に基づき適正に執行されているかについて監査を行った。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、区役所及び区選挙管理委員会事務局に係る現地調査は実施しなかった。
第5 監査の結果等
1 監査の結果
事務の執行及び経営に係る事業の管理について、令和2年度及び令和3年度に関する収入事務、補助金等交付事務、業務委託契約事務、負担金等事務、小額工事(1者特命)事務及び物品管理事務を主眼に合規性、正確性、経済性、効率性及び有効性の観点から調査した結果、これらの事務及び事業はおおむね適正に処理されていると認められた。
2 監査の結果に基づく意見
地方自治法第199条第10項の規定に基づき、監査の結果に関する報告に添えて、意見を次のとおり提出する。
(1) 健康福祉部
- ア 健康福祉部
内部統制における制度所管課として健康福祉部の各課に関連する事務であって区役所が取り扱うものについては、個人情報の漏えいや保険料の誤徴収など、直接市民等に対して影響を及ぼす事務執行上のミス等・事件事故(以下「事務ミス等」という。)が多く発生している。業務が多岐にわたり、制度の新設や改正が度々行われることが事務ミス等の要因と考えられることから、引き続き各区担当課への情報提供や助言を行うとともに、事務ミス等が発生した際には、関係部区局全体で速やかな情報共有を図ることなどにより事務ミス等の予防及び再発防止に努められたい。
また、一部の事務について区によって処理方法が異なるケースが見受けられたことから、各区への情報提供や助言の方法が適切であったかを検証し、必要な見直しを行うとともに、引き続き適時・適正な情報の提供やマニュアル等の整備、研修会の開催などを通じて内部統制機能の更なる充実に取り組まれたい。
- イ 福祉総務課
浜松市春野福祉センターは、市民の福祉の向上と健康増進を図ることを目的に平成11年に設置された。当該施設は地下に浴室を併設し、管理運営は指定管理者が行っている。
当該施設の利用実態について、浜松市春野福祉センター条例では開館時間は午前9時から午後9時までと規定されているが、現在は、夜間の利用申込みがない場合は、指定管理者が市長の承認を得て、開館時間を午後5時30分までに短縮しており、これが常態化している。また、利用者の年齢・居住地などの属性等について調査はしていないものの、指定管理者は浴室利用者の9割以上が地域外からの行楽客と見ており、施設の設置目的とのかい離が推察される。
条例を所管する福祉総務課は、施設所管課である天竜区役所社会福祉課と連携し、施設の利用実態やニーズ等を把握・分析し、施設のあり方や設置目的について幅広く検討されたい。その上で開館時間や浴室の利用料金等について、条例改正を含めた検討を図られたい。また、当該施設は、気田川沿いに位置し、想定最大規模で7メートル以上の浸水が想定され、土砂災害警戒区域にも近接した立地となっていることから、検討に当たっては、利用者の実態を踏まえた中で施設の立地に伴うリスクも十分に考慮されたい。
- ウ 高齢者福祉課
高齢者の心身の健康保持と福祉の増進の場であった老人福祉センターは、令和2年4月1日施行の浜松市ふれあい交流センター条例により、地域の子育てを支援し、高齢者と子どもとの世代を超えた交流の場もあわせて提供するふれあい交流センターへと再編した。高齢者福祉課は、こども家庭部と連携して出張型の子育て支援ひろばの実施を調整するなど、利用促進に努めているが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、中学校の生徒以下の子どもとその保護者の利用は全体の利用者のうち2%以下に留まっており、所期の目的である世代間交流は進んでいない。
高齢者福祉課は、利用者及び利用対象となる子どもや保護者にアンケートを実施するなどニーズを的確に把握、分析するとともに、部内はもとより子どもや子育ての関係部局と更なる連携を深めながら、ふれあい交流センターの利用拡大と世代間交流の促進に向けて引き続き取り組まれたい。
- エ 看護専門学校
看護専門学校は、市内の医療機関に向け、看護師の安定した供給に貢献していることは評価できる。しかしながら、入学試験の出願者数及び受験者数は年々減少しており、今後においても、大学進学志望者の増加や少子化の影響を背景に、この傾向が続くと見込まれる。
学生の募集に関しては、県内の公立看護専門学校9校の中で、本市の看護専門学校の授業料が最も高いものとなっている。今後は、競合する他校の授業料の水準を注視するとともに、新校舎が完成した本校の魅力をアピールし、更には、修学資金貸与等の制度などのインセンティブや他校の実例についても研究することを通じて、出願者数及び受験者数の確保に努められたい。
また、看護師国家試験に関しては、その合格率は全国平均を約10ポイント上回る100%を続けている。一方、退学や留年により、入学者数に対する、修学年限3年での卒業者数及び合格者数の減少幅が、比較可能な県内の公立他校より大きくなっている。これにより、看護師の供給への影響が懸念されることから、一人でも多くの看護師を供給できるよう、合格者数にも着目し、学生への支援や指導方法について更に検討し、地域医療に貢献できる人材の育成に、引き続き取り組まれたい。
(2) こども家庭部、天竜区役所
幼児教育・保育課、天竜区役所社会福祉課
- ア 保育ママ事業は、浜松市天竜区保育ママ事業実施要綱に基づく、地域限定の市独自の子育て支援事業である。
本事業は、ファミリー・サポート・センター事業、一時預かり事業等の法令に基づき全市で実施する事業を補完するもので、天竜区の保育所等がない地域において、市が保育ママとして認定した保育士等が自宅等において児童を保育するものである。保育所等の施設整備に代え、個人宅等を利用し、就学前児童又は小学校児童を対象とした効率的かつ柔軟な制度である一方、保育の内容と質の把握が困難という課題がある。
幼児教育・保育課は、幼児教育及び保育に係る施策の総括課として、本事業に関し、区との役割分担や、責任の所在を明確化するとともに、法令に基づく類似事業との制度的な整合を図るなど、その必要性等について市民への説明責任が果たされるよう努められたい。
また、天竜区内の他の地域における当該事業の周知や潜在的なニーズの把握に努めるとともに、保育ママの募集、研修など適切に事業を実施するための体制を整えられたい。
- イ 保育ママ事業は、事業所管課である天竜区役所社会福祉課が委託事業により実施しているが、法人が保育ママとして認定を受ける場合の手続、委託料の計算方法等に関し、制度の趣旨にそぐわない運用が一部に見受けられた。
制度を所管する幼児教育・保育課は、事業の運用状況の把握に努めるとともに、課題がある場合には制度改正の提案や指示等、事業所管課に対する指導力を発揮されたい。
また、天竜区役所社会福祉課は、立入調査や定期的な現地確認の実施等により、児童福祉法等に基づく家庭的保育事業等の法定事業と同水準の児童の安全確保に努められたい。
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