緊急情報
ここから本文です。
更新日:2022年8月9日
昔から進取の気性として浜松市に根付く“やらまいか精神”。数多くのものづくり企業や稀代の起業家を輩出してきました。
現在でも産業振興やスタートアップ支援に市を挙げて取り組んでおり、2016年には「浜松バレー構想」を市長が提唱し、2020年には浜松及び愛知・名古屋地域が「スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市」として内閣府から認定を受けました。
浜松市では具体的にどのようなスタートアップ支援を行っているのか、産業部スタートアップ推進課で活躍する加藤歩美さんを取材しました。
スタートアップとは…新しいビジネスモデルを考えて、新たな市場を開拓し、社会に新しい価値を提供したり、社会に貢献することによって事業の価値を短期間で飛躍的に高め、株式上場や事業売却を目指す企業や組織などを指します。
浜松市は世界屈指のものづくり企業の集積地として有名ですが、近年IT企業の台頭、少子高齢化の進展による人口構造の変容、新型コロナウイルス感染症の流行による生活様式の転換など、ものづくり産業に及ぼす影響が拡大しています。そのような変化に対応していくため、新たな価値創造によるイノベーションが求められています。
浜松市では「外部のスタートアップ誘致や地域内スタートアップの創出によりスタートアップを集積させ、ものづくり産業とのオープンイノベーションを推進、新たな製品・技術・産業を創出し、さらに基幹産業となるような産業を生み出すこと(浜松バレー構想)」を目指しています。
浜松市のスタートアップ支援事業は「ヒト・技術」、「モノ」、「カネ」、「情報」、「総合」という5つの分野で構成されています。各分野に様々な取組があるのですが、その中でも私が担当している事業について紹介します。
まず「モノ」の観点から、市内3ヶ所でサテライトオフィスを運営しています。浜松市は首都圏や関西圏からアクセスしやすく非常に恵まれた立地ですが、いきなり「浜松に来て起業しませんか?」と提案しても、ハードルが高いのが現状です。そのため、まずはお試しで仕事をしていただくことを目的に、中央区(ザザシティ浜松内)、中央区(舞阪支所内)、天竜区二俣町に、気軽に立ち寄ることができるオフィスを整備しました。また中央区のサテライトオフィスには入居いただくこともできます。利用会員数は増加し続けており、企業同士の交流の場としても活用されています。
次に、浜松の企業の強みでもある「ものづくり」と「スタートアップ」を繋ぐ架け橋として「浜松アクセラレーター2021」を実施しています。この事業では市内のものづくり企業が持つ高い技術力と、全国のスタートアップ企業のアイデアとを掛け合わせることで、イノベーションを起こす効果を期待しています。他の自治体でも 似たような取組はありますが、ものづくりにフォーカスして実施している自治体は、浜松市だけなんです。
さらに今年度新しくインキュベーションプログラム「Hamamatsu Incubator 2021」がスタートしました。この事業では今後グローバルに活躍する事業家の育成を目的とし、創業、起業を志している人や、ビジネスの成⾧を目指すスタートアップの経営者、企業内で新事業展開を目指す人を対象に、日本を代表するメンター陣を集め、ビジネスプランのブラッシュアップを図ります。
ここで挙げている取組はほんの一例ですが、浜松市では全国に先駆けて様々な施策を実施しています。
市のスタートアップ支援に興味のある方は、ぜひ専用サイト(浜松市ベンチャー企業進出・成長応援サイト「HAMACT!!」(別ウィンドウが開きます))もチェックしてみてください。
「不理想家族」というタイトルのショートムービーで、自治体が制作しているにも関わらず制作した自治体の映像が一切出てこない、行政らしからぬ内容となっています。
スタートアップ推進課では、各自治体ですでに取り組んでいる内容でも、新たな切り口やアプローチができないか常に意識して業務にあたっていて、この動画は、まさにその考え方を体現するような内容に仕上がったと感じています。
タイトルや訴求方法が非常に印象に残ると話題になり、5月24日公開後すでに66万回以上再生されています。
私は湖西市出身なのですが、政令指定都市でスケールの大きな仕事に携わることができればと思い、浜松市を受験しました。
新規採用職員として配属されてから現在まで、大規模な事業に従 事させていただく機会に恵まれ、4年目には民間企業((株)ビズリーチ)への出向を経験するなど、常に刺激を受けながら仕事をしています。特にビズリーチ、スタートアップ推進課での仕事内容は前例のないことばかりで、思い描いていた役所の業務とは異なる仕事が多く、自分のアイデアが具現化したときには成⾧を実感するとともに、やりがいを感じることができます。また年齢や経験年数に関係なく、メンバーの意見に耳を傾けてくれ、ボトムアップで仕事ができる環境も非常に魅力を感じています。
スタートアップ推進課では、0(ゼロ)を1(イチ)にしていく内容の仕事が多いので、前例がない分リスク対応を手探りで進めていくことに苦労しています。壁にぶつかって初めて問題に気づかされることも少なくなく、その都度、いかに早く対処して再び走りだせるか、求められる意思決定の早さは、ビズリーチで経験したものと変わらないように感じています。
また仕事相手がスタートアップであることが多いことから、同じスピード感を持ちながら、彼らの熱量に臆せず果敢に発言していく姿勢も必要です。 ぶつかる壁も多いですが、一方で時間が経つのがあっという間に感じるほど、夢中になれる仕事です。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、就職活動に苦労されていることと思いますが、浜松市役所もこのような状況下で、まさに転換期の最中にあると感じています。
例えば、ネットワーク環境が整備されたことで、外部との会議はZoom等のオンラインが主になっていますし、フリーアドレスといって、決められた席ではなく、好きなスペースで 仕事や打合せをすることも可能になりました。ビズリーチに出向していた時の職場環境に近い環境で仕事ができていると感じています。
このように、目まぐるしく環境が変化する中、今のタイミングで浜松市役所に就職が決まれば、幅広い経験が積めるチャンスとなります。転職せずとも様々な環境で、幅広い仕事ができるのは、数ある自治体の中でも浜松市役所の特徴的な部分だと思います。
またスタートアップを含む民間企業や省庁への出向など、庁外の研修制度も充実しています。
「やらまいか精神」のもと、挑戦したい気持ちがあれば背中を押してくれる組織なので、安定性だけではなく、“様々な環境で自分の可能性を試してみたい”と考えている方にこそ、就職先として検討いただけたらと思います。 ぜひ一緒に浜松市を盛り上げましょう!
【加藤 歩美(Kato Ayumi)】
大学卒業後、平成28年度入庁。福祉総務課、(株)ビズリーチ出向を経て令和3年度からスタートアップ推進課。
※掲載している情報は、令和3年7月当時のものとなります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください