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更新日:2025年1月6日
平成27年8月
浜松市行政経営計画(平成22年度~26年度)については、平成26年度末をもって、5か年の計画期間が終了したことから、この間の進捗状況、成果等の実績について報告します。
(1) 沿革
持続可能な都市経営を実現するためには、限られた経営資源を有効に活用し、事業の選択と集中を図ることで、効率的・効果的な行財政運営を進めるとともに、積極的な民間活力の導入を視野に入れ、行政の役割を見直すなかで、最適な組織体制を構築する必要があります。このため、浜松市では、平成8年より「浜松市行政改革大綱」を策定し、継続的に行財政改革の取り組みを進めてまいりました。
本計画は、前浜松市行政経営計画(平成18年度~21年度)から継続して実施すべき取り組みとともに、外部有識者をメンバーとする市長の諮問機関(執行機関の附属機関)からの答申も踏まえ策定しました。主な取り組みとしては、総人件費の削減、総市債残高の削減、公有財産の最適化、外郭団体の経営健全化等があり、計画の基本理念「行政サービスの質の向上と持続可能な都市経営の実現」を目指し、計画の進捗管理を行ってきました。
(2) 推進体制
本計画を着実に推進するための庁内組織として、市長を本部長とする「行財政改革推進本部」を設置し、取り組みの進捗状況の確認を行うとともに、社会環境の変化に応じて、随時、計画の見直しを行ってきました。
また、市長の諮問機関(執行機関の附属機関)から、市民目線や経営の視点による意見や助言等をいただくとともに、答申については、内容を精査した上で、毎年度の実施計画の見直しに反映してきました。
(3) 進行管理
本計画実施計画については、取り組みの重要度に応じて3段階のレベル(※P3参照)に区分し、年度目標や取組事項を定め、6か月ごとに進捗状況や取組内容を評価してきました。また、前年度実施結果に基づき、次年度以降の計画内容を見直してまいりました。
(4) 進捗状況の報告
行政経営計画の進捗状況は、議会や市のホームページ等にて、定期的に報告・公表してきました。
本計画の取組事項160件のうち、平成26年度末をもって、83件(51.9%)が最終目標を達成し終了となりました。
また、達成した83件以外の今後も継続する取り組み(最終目標の達成年度を平成27年度以降に設定している取り組み等)の進捗状況については、平成26年度目標に対し、計画通り実施しているものが70件(43.8%)となっています。しかし、7件(4.3%)の取組事項が遅れており、今後も最終目標の達成に向け、着実な取り組みに努めます。
継続する取り組みについては、取組内容の精査を行った上で、新たな行政経営計画(平成27年度~30年度)や政策・事業シート等により進行管理を行い、引き続き円滑な実施に向けて取り組んでまいります。
表1 取り組みの進捗状況
取組事項 | 重要度別内訳 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
件数 | 割合 | G1 | G2 | G3 | |||
最終目標を達成した取り組み | 83件 | 51.9% | 19件 | 43件 | 21件 | ||
今後も継続する取り組み(※) | 77件 | 48.1% | 30件 | 45件 | 2件 | ||
計画通り | 70件 | 43.8% | 27件 | 42件 | 1件 | ||
遅れている | 7件 | 4.3% | 3件 | 3件 | 1件 | ||
計 | 160件 | 100.0% | 49件 | 88件 | 23件 |
最終目標の達成年度を平成27年度以降に設定している取り組みや終期を設定せず不断の行財政改革の取り組みとして今後も継続する取り組み。進捗の評価「計画通り」、「遅れている」は、平成26年度目標に対する評価。
【重要度】 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
G1 | 重点政策に関するものや今後の方向性を決定する取り組み。また、解決すべき課題が多く進捗状況の把握を必要とする取り組み。 所管部・局・区長が実行責任者となり、市長に対して進捗状況を確認します。 |
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G2 | 部(区・局)の重点事業に関するものや、複数の所管を横断する取り組み。また、方向性が決定していて全庁的に取り組むもの。 所管課長が実行責任者となり、所管部・局・区長に対して進捗状況を確認します。 |
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G3 | 各課で進行管理ができる取り組み。 グループ長などが実行責任者となり、課内で進捗状況を確認します。 |
取り組みによる財政的効果は、5年間で386.7億円(削減額275.0億円、増収額が111.7億円)、人的効果は5年間で404人の削減となり、どちらも計画値を上回る結果となりました。
表2 財政的効果
平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 累計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
計画 | 14.9億円 | 38.4億円 | 57.1億円 | 88.8億円 | 104.1億円 | 303.3億円 | ||
実績 | 総額 | 26.9億円 | 64.6億円 | 76.8億円 | 102.1億円 | 116.3億円 | 386.7億円 | |
削減額 | 18.8億円 | 35.6億円 | 55.7億円 | 73.2億円 | 91.7億円 | 275.0億円 | ||
増収額 | 8.1億円 | 29.0億円 | 21.1億円 | 28.9億円 | 24.6億円 | 111.7億円 |
表3 人的効果
平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
計画 | 定数 | 5,749人 | 5,651人 | 5,561人 | 5,494人 | 5,423人 | |
増減 | 76人 | 98人 | 90人 | 67人 | 71人 | 402人 | |
実績 | 定数 | 5,749人 | 5,634人 | 5,539人 | 5,471人 | 5,421人 | |
増減 | 76人 | 115人 | 95人 | 68人 | 50人 | 404人 |
各年度の数値は、翌年度4月1日時点
財政的効果、人的効果の高い取組事項は、以下のとおりです。
表4 財政的効果の高い取組事項
取組事項名 【所管課】 |
平成22~26年度 | 財政的効果の根拠 | 取組 番号 |
---|---|---|---|
財政的効果(累計) | |||
中期財政計画に基づく財政運営 【財政課】 |
98.9億円 | 総市債残高の削減に伴う利子の減 | 6001 |
補助金の見直し 【財政課】 |
55.2億円 | 補助金の見直しに伴うソフト事業に係る補助金の減 | 6002 |
市税現年分収納率の向上 【税務総務課】 |
48.2億円 | 市税現年分収納率の向上に伴う収入の増 | 6003 |
表5 人的効果の高い取組事項
取組事項名 【所管課】 |
平成22~26年度 | 人的効果の根拠 | 取組 番号 |
---|---|---|---|
人的効果 | |||
学校給食調理業務の民間委託 【保健給食課】 |
107人 | 学校給食調理業務の民間委託に伴う職員の減 | 8025 |
学校用務員業務の委託化(小中学校) 【教職員課】 |
45人 | 学校用務員業務の民間委託に伴う職員の減 | 8024 |
地区図書館のアウトソーシングの推進 【中央図書館】 |
36人 | 図書館への指定管理者制度導入に伴う職員の減 | 8009 |
主な取り組みの成果は、次のとおりです。
表6 主な取り組みの成果
取組事項名【担当課】 | 取組・目標 | 取組番号 |
---|---|---|
達成状況・成果、今後の対応 | ||
総人件費の削減(定員適正化) 【人事課】 |
•定員適正化計画(平成23年度~平成27年度)に基づき、平成27年4月1日までに、402人の削減を図る。 | 5009 |
•行政サービス水準の維持向上に配慮する中で、組織の見直し、事務事業の合理化、アウトソーシングの推進、再任用・非常勤職員化などの取り組みを推進した。 •その結果、目標値を上回る404人の職員を削減した。 •今後は次期の定員適正化計画を策定し、着実に実施することで、平成32年4月1日までに、5,000人体制を目指す。 |
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中期財政計画に基づく財政運営 【財政課】 |
•中期財政計画(平成19年度~平成26年度)に基づき、平成26年度末までに、総市債残高を5,000億円未満とする。 | 6001 |
•平成26年度末の総市債残高は、4,904億円となり、目標値を上回った。 •平成27年度以降も新たな中期財政計画の下、中長期的な視点から規律ある財政運営を行い、不測の事態が生じても住民サービスを安定的かつ継続的に提供できる強固な財政基盤を構築する。 |
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補助金の見直し 【財政課】 |
•ソフト事業に対する補助金について、各年度前年比3%削減し、平成26年度決算で70億円未満を達成する。 | 6002 |
•「補助金見直しのガイドライン」を継続的に改定するとともに、補助金の事後評価を実施した。 •ソフト事業に対する補助金について、社会情勢の変化や市民ニーズから新設、増額したものを除き、各年度前年比3%を削減し、平成26年度決算で約62億円となり、目標値を上回った。 •今後も予算編成の中で全ての補助金の見直しを実施する。 |
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市税現年分収納率の向上 【税務総務課】 |
•平成26年度決算で市税現年分収納率99.00%を目指す。 | 6003 |
•第3次市税滞納削減アクションプラン(平成25年度~平成27年度)の下、現年分滞納整理の早期着手、外国人の収納率向上、特別徴収事業所の指定の徹底と適正な管理などに取り組んだ。 •平成26年度決算では、市税現年分収納率は99.13%となり、目標値を上回った。 •今後も引き続き、市税を公平公正に確保し、市税収入増を図ることで、市の財源確保のため、市税現年分収納率を向上させる各種取り組みを継続していく。 |
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公有財産の最適化 【資産経営課(現アセットマネジメント推進課)】 |
•公有財産の最適化を目指し、公共施設の廃止計画の下、平成26年度までに383施設を削減する。 | 7001 |
•持続可能な行財政運営を実現するため、統廃合など総量削減を進め、保有財産の縮減につなげた。 •平成26年度までに目標値を上回る431施設の廃止を実施した。 •今後は、公共施設等総合管理計画を策定し、公有財産の最適化を図る。 |
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借地の解消 【資産経営課(現アセットマネジメント推進課)】 |
•重点施設(36施設)を軸に借地適正化を図り、平成26年度末までに、借地料1.5億円を削減する。 | 7004 |
•重点施設(36施設)を軸に、地権者との個別交渉を進め、計画的な借地の購入、借地の返還、借地料の見直しを図った結果、目標値を上回る約1.9億円を削減した。 •今後も引き続き、市の保有すべき借地を整理するとともに、計画的な解消に取り組む。 |
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外郭団体コミットメントの進行管理 【行政経営課(現政策法務課経営推進担当)】 |
•外郭団体の経営健全化を支援するため、外郭団体コミットメント(平成26年度~平成28年度)により、毎年度の進捗確認、ローリング(見直し)を実施する。 | 11001 |
•外郭団体コミットメントを通じて、外郭団体の設立目的や採算性の検証を行うとともに、市が外郭団体に求める事業等の目標に対して、外郭団体が実施する具体的内容を示すことで、外郭団体の役割を明確化することができた。 •経営改革に必要性が生じている団体には、外郭団体コミットメントに加え、経営改革アクションプランを作成することで、経営健全化を着実に進めている。 |
計画最終年度(平成26年度)において、遅れていると評価した取組事項は、次のとおりです。
表7 遅れている取組事項
取組事項名【担当課】 | 平成26年度取組・目標 | 取組番号 |
---|---|---|
達成状況・成果、今後の対応等 | ||
松菱跡地再生 【産業振興課】 |
•事業施行者に再生計画(事業提案)の提出を促し、早期に松菱跡地の再生を図る。 | 2002 |
•事業施行者には、年度末までの再生計画(事業提案)提出を継続的に促してきたが、新たな提案の提出には至っていない。 •平成27年度以降も、施行事業者に対する「勧告」の実施を視野に入れながら、事業実現に向けて、指導・助言を行っていく。 |
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証明書自動交付機の利用件数の拡大と新たなサービスの検討 【市民生活課】 |
•平成26年度の証明書自動交付機利用件数を235,000件とする。 | 4010 |
•証明書交付窓口及び届出受付窓口で証明書自動交付機のチラシ配布を行い、便利で交付手数料が安い証明書自動交付機の利用について、積極的なPRを実施したが、219,284件(対前年度比96.6%)となった。 •平成26年度は、証明書自動交付機新規利用登録者数が減少するなど、利用者が伸び悩み、窓口交付も含め、証明書交付枚数全体が減少となった。 •今後は、証明書自動交付機の設置の拡大や利用時間の拡大が難しいことから、新たな市民サービスとして、国が推し進めている番号制度の個人番号カードを利用したコンビニ交付の導入について検討を行っていく。 |
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区制度の検討 【企画課】 |
•議会の了解の下、区制度の現状、区再編のメリット・デメリットなど、市民が区再編の必要性等を判断するための分かりやすい資料を、区政だよりや市HPを通じて提供していく。 | 4014 |
•市議会行財政改革特別委員会(委員会3回、協議会1回)において協議を進めるとともに、行政経営諮問会議においても審議した。 •市議会においてすべて継続協議となったため、区政だよりとして市民に公表できるものがなかった。 •平成27年度以降も、議会での議論を踏まえ、区制度の現状、区再編のメリット・デメリットなど、市民が区再編の必要性等を判断するための分かりやすい資料を、区政だよりや市HPを通じて提供していく。 |
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時間外勤務の縮減 【人事課】 |
•平成32年度において平成25年度計画値対比10%以上の縮減目標を達成するため、平成25年度計画値対比で1.5%の縮減を目指す。 | 5003 |
•平成25年度対比で0.3%の縮減に留まっている。(ただし、特殊要因を除く毎年度時間外勤務時間数は、前年度対比で縮減しており、平成22年度対比では11.5%の縮減となっている。) •県費負担教職員移管準備業務、番号制度準備業務、国の経済対策など、様々な臨時的業務が要因として考えられるが、今後も事務事業の見直しやグループ間の応援体制強化等により、目標達成に向けて、時間外勤務縮減を推進していく。 |
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特殊勤務手当の見直し 【人事課、上下水道総務課】 |
•廃止、額の引き下げ、支給要件の適正化に向けて関係団体と協議を行い、条例改正する。 | 5004 5006 |
•平成26年度の全体の支給額は188,071千円で、平成22年度より6,012千円の経費を削減することができた。しかしながら、見直しに向けた職員団体及び職員労働組合と協議の結果、現時点では完了に至っていない。 •平成27年度も、勤務の特殊性についての精査や、制度の趣旨や支給の妥当性を検証し、手当の趣旨に合致しないものは見直すとともに、新たに特殊性が認められるものについては、支給の対象とすることも併せて検討する。 •引き続き関係団体と協議し、条例改正等を行うなど、適正化に向け取り組む。 |
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観光コンベンションビューロー組織体制の充実 【観光交流課(現観光・シティプロモーション課)】 |
•地域の民間事業者との協働推進、プロパー職員の資質の向上に努め、観光・コンベンションの推進体制の充実を図るとともに、地域事業者との連携により、賛助会員の増強(目標266団体)を図る。 | 11020 |
•賛助会員のメリットなどを充分に伝えきれなかったこと、企業マインドの冷え込み等から、賛助会員は247団体に留まり思うような結果が得られなかった。 •平成27年度は会員制度の見直しを図り、専務理事によるトップセールスを実施することで賛助会員の増加を目指す。 |
浜松市行政経営計画(平成22年度~26年度)では、都市の将来像である「市民協働で築く『未来へかがやく創造都市・浜松』」の実現に向け、徹底した資源(ヒト、モノ、カネ)配分や事業の見直しに向けた具体的な取組事項を掲げ、着実な進行管理を行うことで、不断の行財政改革に取り組んできました。
この結果、計画期間内に掲げた160件の取り組みは、半数が最終目標を達成し、今後継続する取り組みにおいても、「計画通り」が約9割を占めるなど、計画を概ね順調に進めることができました。また、取り組みによる効果を示す財政的効果は387億円、人的効果である正規職員の削減数は404人となるなど、ともに目標を上回る、着実な成果をあげることができました。
これは、社会環境の変化に対応するため、常に計画の見直しを行ってきたこと、議会や外部有識者をメンバーとする市長の諮問機関(執行機関の附属機関)による意見や助言等に基づき、必要に応じ計画に反映してきたこと、内部マネジメントにおいても、庁内組織の最高機関である市長を本部長した「行財政改革推進本部」において、各取り組みの進捗状況を半期ごとに確認してきたことなど、効果的なPDCAサイクルを回すことで、取り組みを強力に推進することができた結果であると考えています。
しかし、行財政改革は不断の取り組みであり、本市として、今後も引き続き、「選択と集中」による経営資源の有効活用や市民協働の推進、行政の役割の最適化、スピード感のある市民サービスの提供などの観点から、効率的な行財政運営を推進するため、更なる取り組みを進めていく必要があります。また、今後は、行政だけでなく、市民や市民活動団体、企業などが積極的に市政に参画いただき、これら地域を支える主要な構成員が、その力をより一層発揮できる環境づくりを進めていく必要があります。
このため、本計画で積み残した課題や、今後新たに発生する行政需要に対応した取り組みについては、新たに策定した行政経営計画(平成27年度~30年度)や行財政改革の取組項目を新設した政策・事業シートで、進行管理を行ってまいります。
新たな行政経営計画においても、限られた経営資源を有効に活用し既存の事業を見直し中で、市民の利便性に留意し、多様なニーズに迅速に対応してまいります。また、特に重要な行政経営上の取り組みに絞り込み、これまで以上に重点的な進行管理を行うことで、更なる行政サービスの質の向上を図り、将来にわたり持続可能な都市経営の実現を目指してまいります。
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