緊急情報
ここから本文です。
更新日:2023年1月25日
11月6日(日曜日)に開催された「ご近所あそびコーディネーター養成講座」をレポートします。この講座は全5回で、今回は第3回になります。
第3回は、第4回で実施する「1日限りのプレーパーク」をグループワークで企画しました。
コーディネーターを務めるのは、名古屋市緑児童館の館長で、にいのみ池プレーパークでプレーリーダーも務める塚本岳さん。
参加者によるグループワークに先立ち、講義をしていただきました。
「子どもは遊びを通じて自ら育つ力を持っている。それを信じて遊び場をつくればいいですよ。」から始まり、次のようなお話をいただきました。
児童の権利に関する条約にある「育つ権利」は、子どもが自由に休んだり遊んだり、あるいは学んだりする権利。子どもにとっての遊びは単なる余暇ではなく、食事や睡眠と同レベルで大事なこと。
遊びは、内側から溢れ出るエネルギー、目的そのものであって、何かのための手段(情操教育のための手段や、思いやりのある子に育てるための手段など)ではない。
ただ、遊ぶことでもたらされて欲しいことはある。
自分で考える力(遊びは、遊びながらルールを考えたり改良して作るもの。遊び相手との合意形成もする。)
自己肯定感(スポーツやテストのように勝敗や数値で他人と比較し生まれる自信、優越感、劣等感ではなく、遊び込むことで自分への自信を持ってほしい。)
おたがいさまという感覚
遊びは子どもにとって生きることそのもの。自然の中で遊び、たっぷりと五感を使って様々なことに興味を持ち、いろいろな人と関わりをつくり、自分のやり方や自分のペースで、創意工夫し、挑戦し、失敗し、それを乗り越えて成長していく。遊びはそのすべてを子どもに届けることができる。
子どもたちが生み出した遊びや企画した遊びのエピソードをお話いただきました。
部屋に転がっていたアフロヘアーの人形からアフロ教をつくり、信者を増やす遊び
手書きでQRコードをつくる遊び(数日かけて完成。実際に使えた。)
水鉄砲でバケツを満タンにする遊び(2時間かけて完成)
フェス(弾き語り、漫才、手品、ドリンク販売、カードゲーム大会)
映画大会
赤ちゃん預かります
花札こいこい大会
塚本夫妻の結婚式 など
どのエピソードも楽しそうに話す講師の姿が印象的でした。
子どもが自由に遊ぶためには、「時間」「空間」「仲間」の“三間”が必要であるが、昔と比べて減少しているため、「自由な遊び環境」を提供したい。
本当はプレーパークも冒険遊び場も児童館もなくても、そこらへんで遊んでいるのが理想的だけど、疑似的にでも作らざるを得ない状況。
プレーパークは、全国に400~500あると言われているが、運営も内容もいろいろ。多くのプレーパークで共通しているのは次の考え方。
誰でも参加できる
無料
いつ来てもいつ帰っても良い
禁止事項をなくす
作り替えのできる自然環境が豊富
ふらっと行ける場所
地域が「子どもは危ない、汚い、うるさいものだ」と許容してくれると、子どもは過ごしやすい。
「危ない」については、「リスクとハザード」という観点で考えている。
プレーパークにおける「リスク」とは、予測判断のできる危険。「ハザード」とは、子どもには予測できない、見えない危険のこと。「リスク」は、子どもの成長にとって有効であり、挑戦してみたいという気持ちを育むもの。「ハザード」は、どうにかして排除、もしくは改良してリスクに変える必要がある。例えば木登り一つをとってみても、絶対に怪我をさせないためには禁止させたいけど、木登り自体はリスクなので、挑戦させてあげたい。でも、帽子のヒモが木にひっかかっておこる大きな事故は「ハザード」なので、帽子を取るように大人が声がけしてあげる。そうやって「ハザード」を「リスク」にしてあげるのが大人の役割だと思う。と、お話していただきました。
子どもに干渉しすぎてハザードだけでなくリスクまでも取り除いてしまうことは、子どもが自分で考える力を阻害する要因になるというお話は、大いに考えさせられました。
大人の役割は、子どもが遊べる環境を整えてあげること。
やりたいこと(やりたくないこと)はそれぞれだから、場所や時間をずらしたり、納得したり、決めつけないで整理していく。
また、異年齢で利害関係のない人同士(「ナナメの関係」)で遊んでいると、友達や家族とは話し難い内容が会話に出てくる。ちょっと誰かに聞いてもらいたい話がこぼせる場にもなる。
「教育」と「遊育」は対。教えて育てることも大事だが、子どもが遊んで育つのも大事。
遊育は遊ばせてあげるのではなく、やってみたいことをすること。ばかばかしい遊びだなと思っても、それを許容してあげる。
大人は、「成功体験させてあげたい」、「せっかくだから」、「こうしたらもっと盛り上がる」とか考えてしまうが、大抵は邪魔だったりする。
子どもが自由に遊ぶことにより「学び」「気付き」「伸びていく」のを見守ることが、大人のすべきこと。
と、お話しいただきました。
プレーパークは、子どもの権利である遊ぶこと、休むことの体現の場。そんなプレーパークをお試しで実践する準備のため、グループワークを実施しました。グループワークでは、子どもが自由に遊ぶためのしかけやリスクとハザードについて、積極的な意見交換が行われました。
おためしプレーワークは、12月4日(日曜日)に、万斛庄屋公園にて開催されます。どなたでもお越しいただけますので、ぜひご参加ください。
イベント名 | ご近所あそびコーディネーター養成講座 |
---|---|
日時 |
令和4年11月6日(日曜日) |
場所 |
ふれあい交流センター竜西 |
主催 後援 |
認定NPO法人 浜松NPOネットワークセンター/主催 浜松市教育委員会/後援 静岡新聞社・静岡放送/後援 中日新聞社東海本社/後援 |
イベント 参加者数 |
約25名 |
目的 | 子どもの遊びの大切さや、遊びにかかわる大人の役割について学ぶ |
対象 | 一般 |
内容 | 講演・グループワーク |
問合せ先 | 認定NPO法人 浜松NPOネットワークセンター 電話:053-445-3717 メール:info@n-pocket.jp |
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください