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更新日:2022年5月5日
「紅葉」 木版画 作家蔵
2018年 遠藤美香 作
~浜松市美術館 「遠藤美香展」より~
遠藤作品の魅力は、182×91cmのベニヤ板を数枚組み合わせた巨大な画面に、とても繊細な彫りを全面に施していく点にある。見る者を圧倒する巨大な画面にびっしりと描きこまれた作品が多い中、「紅葉」は一味違う。技法はそのままに余白を残すことで、広い空間を感じさせている。奥行きのある表現は中央の紅葉の樹を強調させ、細かな彫りは葉の美しい造形を残しつつ存在感のある密度で紅葉の量感を表現している。樹に腰かけるように座る女性は、遠藤自身である。遠藤は構想を練る過程で、自宅に実在する紅葉の樹の上でポーズした自分の写真を撮る。その中から全体のバランスと、身に着けている衣服の模様やポーズが美しく表現できた写真を下絵に使う。自然物の有機的な線や模様と、人工物の無機質で整えられた線と模様が調和し、画面全体の造形的な美しさと構成美を生み出している。
浜松市美術館
「遠藤美香展ーここに根を張れー」6月19日(日曜日)まで開催
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