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更新日:2026年6月25日

令和8年5月定例会で可決した意見書

公益に関する重要な事項について、議会としての意思を意見としてまとめ、国などの関係行政庁に対して提出するのが意見書です。

本市の場合、市民や各会派等から提出された意見書案を協議し、全議員の賛成が得られるよう、議会運営委員会において調整し、賛同が得られた場合は議会運営委員会委員の発議で提案します。ただし、出席委員の4分3以上の賛成が得られたものについては、賛成委員の発議で提案できるものとしています。その後、本会議において採決します。

令和7年5月定例会では、以下の5件の意見書を可決しました。

消防団の持続可能な運営と地域防災力の強化に関する意見書

近年、風水害や地震等の災害が多発・激甚化する中、消防団は地域に根差し、災害時に即応する消防機関として地域防災力の中核を担っている。
一方、令和7年4月時点の団員数は73.2万人で、過去10年間に12.8万人減少し、被用者比率の上昇もあって、従来どおりの運営・活動を前提とした体制の維持は難しくなっている。
さらに、団員処遇の改善、資機材や拠点施設の整備・更新、連絡体制の高度化に伴い、経費負担も増大している。加えて、運営費を住民等からの協力金(寄附金等)に依存する運用は、横浜地方裁判所平成22年3月24日判決等を踏まえ、全国的に見直しが進められている。
よって、国においては、地方公共団体が必要な消防団体制を持続的に確保できるよう、普通交付税・特別交付税等による地方財政措置の充実と算定の精緻化について、下記の事項の実現を強く要望する。

  1. 消防団員報酬等に係る普通交付税措置は、人口基準による算定と実態に乖離があるため、中山間地域や広域合併自治体等の実情(分団数、地勢、災害リスク等)を反映した算定に見直し、算入不足が生じる場合は特別交付税等で補完すること。
  2. 資機材・車両や拠点施設(詰所・車庫等)の整備更新・耐震化について、更新時期の集中や地域差で体制維持に支障が生じないよう、普通交付税、特別交付税、補助制度、地方債等による財政措置を拡充し、計画的更新に向けた制度運用を改善すること。
  3. 消防団運営に伴う金銭の取扱いは、報酬等(個人支給)と団運営経費(公務上の必要経費)を明確に区分し、徹底すること。あわせて、地方財政法第4条の5の趣旨と判例等を踏まえたガイドラインを明確化し、自治体への助言・点検を強化し、地方財政措置を充実すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年6月24日

提出先
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・内閣官房長官・総務大臣・財務大臣
内閣府特命担当大臣(防災)

ドナーミルクの利用拡大を求める意見書

我が国では、出生時の体重が2500グラム未満の低出生体重児が、約10人に1人の割合で生まれている。特に、医療的なケアや継続的な支援が必要とされる1500グラム未満の極低出生体重児にとっては、感染症や合併症等のリスクを減らすため、出産後すぐに母乳を与えることが有効とされている。
しかし、早産や帝王切開など母体の健康状態等により、母親から十分な母乳が得られない場合があり、寄附された母乳である「ドナーミルク」を提供する「母乳バンク」の取組は極めて重要である。また、年間約5000人の極低出生体重児がドナーミルクを必要としているが、実利用者は約1400人であり、3割程度しかカバーできていない現状がある。
現在我が国では、一般社団法人日本母乳バンク協会と一般財団法人日本財団母乳バンクの2法人が、国内3か所の母乳バンク拠点の運営を担い、ドナーミルクを全国約130の医療機関に提供しているが、法的な仕組みとしては位置づけられていない。また、ドナーミルクの使用に伴う費用等が実質的に医療機関の負担となっていることに加え、ドナー登録における事務処理等が登録施設の拡充を阻んでいると考えられる。
よって、国においては、低出生体重児等の命を守り、その健やかな成長を支える観点から、下記の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。

  1. 医療機関がドナーミルクを必要とする乳児に十分提供できるよう、一日も早く法的に位置づけすること。
  2. ドナーミルクの安全性を確保し安定的に供給するため、母乳バンクの運営、ドナーミルクの殺菌処理及びドナーの検査等に対する支援を行うこと。
  3. ドナー登録者数を増やすため、産婦健康診査時や産後ケア等での周知機会を拡充すること。
  4. ドナーミルクの重要性及び正しい知識について、医療現場及び国民に対し広く普及啓発を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年6月24日
提出先

衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・内閣官房長官・総務大臣・厚生労働大臣・内閣府特命担当大臣(こども政策少子化対策若者活躍男女共同参画)

物流対策強化・自動運転施策の推進を求める意見書

我が国の物流は、国民生活と経済活動を支える重要な社会基幹インフラであるが、人口減少に伴う担い手不足や「物流の2024年問題」への対応、さらには燃料価格の高騰や相次ぐ自然災害などにより、その持続可能性が大きく揺らいでいる。特に、物流業界が抱える「長時間労働・低賃金」という構造的課題は依然として解消されておらず、このままでは2030年に国内輸送力の34.1%が不足するという深刻な事態が予測されている。
また、依然として高水準にある宅配便の再配達は、ドライバーの労働負荷のみならず、年間約25.4万トンのCO₂排出をもたらすなど環境負荷の面でも看過できない課題である。一方で「置き配」の標準サービス化を進めているが、紛失・破損時の責任分界点が不明確なままでは現場の混乱を招きかねない。
こうした危機を乗り越えるためには、物流DXやレベル4自動運転トラック、配送ロボットの社会実装を加速させ、物流全体の高度化と省力化を強力に推進することが不可欠である。
よって、国においては、物流革新の「集中改革期間」における取組を強化し、持続可能な物流体制を確立するため、下記事項について早急に実施するよう強く要望する。

  1. 荷物受取環境の整備と責任分界点の明確化:標準宅配便運送約款における置き配時の紛失・破損等に関する責任分界点の明確化や混乱を防ぐ運用指針の策定を推進するとともに、宅配ボックス等の受取インフラ整備への財政支援拡充や啓発活動の強化を通じて、多様な受取方法の普及と再配達の削減を強力に図ること。
  2. 物流DXの推進と自動運転技術の社会実装支援:物流データ連携やパレット規格統一等の物流標準化を推進し、中小物流事業者のデジタル化・省力化投資を支援するとともに、レベル4自動運転トラックや配送ロボットの社会実装に向けた制度整備・インフラ整備及び高精度地図等のデジタル基盤構築を加速させること。
  3. 物流人材の確保とサプライチェーンの強靱化:適正運賃収受と価格転嫁を徹底するため、「物流Gメン」による監視・指導体制を強化して労働環境の改善と人材確保を図るとともに、災害時や有事に対応可能な物流ネットワークの強化及びモーダルシフト等による持続可能な物流体系への転換を推進すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年6月24日

提出先
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・内閣官房長官・経済産業大臣・国土交通大臣

自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書

近年、人口減少や少子高齢化の進展により、地域公共交通の担い手不足が深刻化している。特に中山間地域や公共交通空白地域では、住民の日常的な移動手段の確保が大きな課題となっており、高齢者の運転免許返納後の移動支援の必要性が一層高まっている。
また、高齢運転者による交通事故は依然として社会的課題であり、安全・安心な地域交通体系への転換が求められている。一方で、自動運転技術は急速に進展しており、国においてもレベル4自動運転の実装推進やデジタル田園都市国家構想の下、自動運転移動サービスの社会実装に向けた取組が進められている。
既に全国各地で自動運転バスやグリーンスローモビリティー等の実証実験が行われているが、導入・運営に係る財政負担、遠隔監視体制、道路インフラ整備、通信環境整備、人材確保等、多くの課題が残されている。
よって、国においては、持続可能な地域交通を確保し、自動運転移動サービス等の社会実装を着実に推進するため、下記の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 自動運転移動サービス等が実証実験段階にとどまらず、社会実装が進み、恒常的な事業へ移行できるよう制度・財政支援を強化すること。
  2. 自動運転車両の安全な運行に不可欠な遠隔監視体制の整備及び運用に対し、必要な制度の明確化及び技術支援を講ずること。
  3. 地方公共団体と交通事業者、自動運転関連事業者との連携による自動運転関連技術の研究開発及び人材育成を支援すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年6月24日

提出先

衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・内閣官房長官・経済産業大臣・国土交通大臣

全てのケアラーに対する包括的な支援と法的枠組みの整備を求める意見書

近年、家族等の介護や世話を無償で担う「ケアラー」の負担が深刻な社会問題となっている。ケアラーが抱える問題は、肉体的な疲弊にとどまらず、精神的な孤立、経済的な困窮、そして学びや就業の機会喪失など、人生のあらゆる局面に多大な影響を及ぼしている。とりわけヤングケアラーについては、2024年6月の法改正により、国や地方公共団体が支援に努める対象として明確に位置づけられたところである。
一方で、ケアラーは子供に限られるものではなく、働きながら家族を介護するワーキングケアラー、育児と介護を同時に担うダブルケアラー、高齢の配偶者を支える高齢ケアラーなど、その実態は多様化・複雑化しており、誰もが当事者となり得る状況にある。
国においても、「経済財政運営と改革の基本方針2025」において、年代や就労の有無を問わずケアラー支援の必要性が明記されたが、現在の取組は地方公共団体への支援にとどまり、ケアラー全体を対象とした包括的な法制度はいまだ整備されていない。
現在の支援は、介護、障害、子育てなどの制度の枠組みごとに分かれており、ケアラー本人への支援は十分とは言えず、地域や自治体によって支援内容にも差が生じている。
よって、国においては、全てのケアラーが個人の尊厳を保ち、社会から孤立することなく、安心して生活し、就労や学びなど社会参加を継続できるよう、下記の事項について速やかに取り組むよう強く要望する。

  1. 全てのケアラーを対象とした国及び地方公共団体の責務と役割を明らかにする法的枠組みを整備すること。
  2. ケアラーを支援するための実態把握、相談支援、情報提供、レスパイト確保等について、分野横断的に取り組む法的枠組みを整備すること。
  3. 地方公共団体が地域の実情に応じた支援を安定的に実施できるよう、必要な財源措置を講じること。
  4. ケアラー支援に関する国民の理解を深めるための普及啓発を推進すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和8年6月24日

提出先
衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・内閣官房長官・総務大臣・財務大臣・文部科学大臣・厚生労働大臣・内閣府特命担当大臣(こども政策少子化対策若者活躍男女共同参画)

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浜松市役所議会事務局調査法制課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2513

ファクス番号:050-3730-5218

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