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浜納豆タイトル
ヒミツ1
浜納豆(はまなっとう)って、どんな食べ物?
今回の指令は「浜納豆」。「なっとう」っていうとネバネバしたあの納豆が思いうかぶけど、そうじゃないんだって。そのヒミツを教えてもらいに、浜松で浜納豆を作っているヤマヤ醤油(しょうゆ)さんに来ました。
まず、見せてもらった浜納豆。茶色いツブツブで、食べると濃いお味噌(みそ)みたいな味がするよ。これが、浜納豆なんだね。
浜納豆の歴史は古くて、大昔の中国で作られていたものが、遣唐使で日本に伝わったのが始まりなんだって。それは1400年くらい前のこと。京都のお寺などで作られて、浜名湖畔のお寺でも作られるようになり、徳川家康の大好物だったそうです。
家康が「浜名の納豆はまだか?」と催促(さいそく)したことから、「はまなっとう」と呼ばれるようになったとか。歴代の江戸幕府の将軍にも献上される名産品になったということです。
ヤマヤ醤油さんは、江戸時代の終わりごろの1850年にできたんですって。今から170年くらいも前!浜納豆もヤマヤ醤油さんも、とても長い歴史があるんだね。
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ヒミツ2
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材料は大豆と塩と水だけ。全部手作りなんだって
さっそく作り方を見せてもらいました。作業場にはわたしの身長より大きいおかまがあって、ビックリ!ここに540キログラム(1トンの半分以上!)の大豆を入れて、数時間蒸す(むす)んだって。
大豆は北海道産の、大粒で最高級のものを使っているそうです。蒸しあがった大豆は、次は「むろ」という部屋に移動。平らな台の上に大豆を広げて、糀菌(こうじきん)という菌をていねいに手でまぶしてつけて、何日かおくと、大豆が白い綿みたいなものでおおわれたみたいになります。これを発酵(はっこう)というんだって。大豆が菌の力で変化して、もっとおいしくて栄養のあるものになっていくんだね。
そうしたら、3番目の部屋。ここで木のたるにつめて、塩水を入れて、重石(おもし)をのせたら、あとは1年以上、さわらないでそのままにしておきます。たるの中で大豆がゆっくりゆっくり発酵して、浜納豆になっていくんだって。この部屋はお味噌みたいな独特のにおいがしたよ。
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ヒミツ3
浜納豆づくりは、微生物のお手伝い!
そして、15ヶ月後。たるの中でできた浜納豆は、外に出してお日様の下で干します。太陽の光にあたると、たんぱく質がうまみに変化するんだって。たるの中で発酵しておいしくなった大豆が、もっとおいしくなるんだね。こうして、浜納豆が完成します。
浜納豆について教えてくれたヤマヤ醤油さんの羽田さんは、「浜納豆は糀菌という微生物が作ってくれているので、微生物のお手伝いをするという気持ちで作っているんだよ」と話してくれました。「むろ」の中にも木のたるにも、糀菌が住みついているんだって。だから、大掃除をした後は、浜納豆ができるのに少し時間がかかるそうです。
それに、もし納豆菌が部屋に入ると大豆がネバネバの納豆になってしまうから、注意が必要。夏は暑いけどエアコンはないので、作業は大変。そんな苦労をしながら、ヤマヤ醤油さんでは伝統ある浜納豆づくりを全部手作業で行っているのです。
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ヒミツ4
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おいしい食べ方いろいろ。給食にも使われているし、海外にも輸出されているよ
浜納豆は小中学校の給食にも出ているんですって。食べたことあったかなあ?カレーや麻婆豆腐に入れるそうだから、気がつかなかったのかも。カレーは2日目のカレーの味になるんだって。だから給食のカレー、おいしいんだね!
台湾にも輸出されていて、おかゆやサラダにトッピングしたり。ベジタリアンの人向けが多いそうです。そのほか、フランスでも広めたいという話があって、肉を漬けこんだり、ポップコーンに入れたりするとか。
イタリア料理にも合うので、ヤマヤ醤油さんでは浜納豆とエクストラバージンオリーブオイルを組み合わせた「発酵旨味(はっこううまみ)オイル」も開発して、好評です。そのほか、浜納豆を使ったいろいろなレシピを社長の奥様が考えて、ホームページなどで発信しています。
1400年も昔に生まれて、戦国時代には武士が保存食として食べていた浜納豆は、今も食べ方を進化させている真っ最中。変わらない作り方、変わらない味を守りながら、これからもどんなおいしい食べ方が生まれるのか、とっても楽しみだなあ!

(2024年2月取材)
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ヒミツ5
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今回の取材先:ヤマヤ醤油
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