更新日:2025年12月1日
令和6年度浜松市国民健康保険佐久間病院の事後評価結果
令和6年度における浜松市国民健康保険佐久間病院の経営強化プランの事後評価については、評価委員会における審査結果を踏まえ、次のとおり公表します。
1.公の施設の名称
浜松市国民健康保険佐久間病院
2.運営方法
市直営
3.事後評価委員会の概要
(1)評価委員会の構成
- 委員長:浅野道雄(あさのクリニック:院長)
- 委員:後藤励(慶應義塾大学大学院:教授)
- 委員:坂田妃佐恵(坂田妃佐恵公認会計士事務所:公認会計士・税理士)
- 委員:鈴木敦之(遠州鉄道株式会社:取締役常勤監査等委員)
- 委員:半場浩恭(浜松磐田信用金庫:専務理事)
(2)審査日時
- 令和7年8月28日(木曜日)午後2時00分~午後4時30分
(3)評価点
4.評価の内容
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評価項目
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配点
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評価点数
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1.当該病院の果たすべき役割と機能
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40
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36.0
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2.経営の視点
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30
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19.8
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3.患者、地域住民への普及啓発
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10
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7.6
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4.前年度指摘項目への対応
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20
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14.8
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合計
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100
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78.2
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6.当該病院の果たすべき役割と機能に対する意見・要望
- 中山間地において、地域完結型の医療を目指し維持するために、病院のみならず、地域の他の社会資源やNPO法人などと連携し、多面的な取り組みを行っている。公共性を重視した医療活動は重要な使命であり、住民の期待に応えるべく努力していることがうかがえ、評価できる。
- 医師獲得に関する多面的な取り組みを行い必要な医師を確保しており、長期的な観点から地域住民の医療を守るために努力している点は評価できる。
- ヘルスケアへのアクセスが少ない地域において、希少な病院として、介護福祉施設等との連携や、医学教育など様々な工夫を行っていることは高く評価されるべきである。
- 佐久間病院として現状与えられた役割を、持っているリソースの中で十分に発揮されている。一方で、浜松市の病院行政の考え方として、佐久間病院にどのような役割を持たせるのかを、持続可能な形で考えなければいけないタイミングになっていると考える。
- 人口減少に比例して病院利用者も減少していく北遠エリアにおいて、近隣の民間診療所が閉鎖する中、医療空白地帯を生んではならないとエリアをカバーして医療提供を行っていることを確認した。
- 北遠唯一の公立病院としての責任を果せていることや例年右肩下がりだった医療従事者が令和6年度は増加に転じるなど、医療体制の維持に真摯に努めていることに敬意を表する。
- 当該病院が置かれた環境において、地域医療の要として求められる機能、役割は十分に果たしていると考える。そのご苦労に敬意を表する。
7.経営の視点に対する意見・要望
- 人口が一定の比率で減少し続けている中山間地における唯一の病院であることから、外来・入院とも患者数の減少はやむを得ない。患者数の減少を最小限にとどめるために努力できることがあるとすれば、地域完結型の医療をめざし、住民の期待に応える医療を実践することで、わざわざ旧浜松市や旧浜北市などに行かなくても安心して任せられる医療を提供することである。その観点から最善を尽くしたかどうかが問われるが評価は容易ではない。また、最低限必須な努力として、算定できる診療報酬をもれなく効率的に算定することが求められるが一定の努力が評価できる。
- 市からの一般会計繰入金の多寡についての評価は本委員会の任務外と考えることから、収支に対する評価は困難である。
- 多額の一般会計繰入金がなければ病院経営は維持できず、本当に病院機能が必要なのかについて、他の会議体等で議論されていることなどについても開示されなければ、経営の視点での評価は困難である。その際、同様の山間地域での医療体制(病院を維持している例や有床診療所、無床診療所に転換した例)との比較も重要である。
- 佐久間病院の各種経営指標だけを見るよりも、他の同様の環境下にある病院の指標とも比較できると経営の視点の分析・判断がしやすいことから検討していただきたい。
- 初めて実施した職員満足度調査において、「適正な評価」の項目が一番低い評価結果となっている。公正な評価は、職員のモチベーション向上、信頼関係の構築、組織全体の成長に不可欠となることから、現状の制度が機能しているか、そもそも職員に周知され内容を正しく理解しているか等、確認されることを望む。
- 病院経営という視点でとらえた場合、財政面では市の一般会計繰入金収入が年間支出の50%を超えている現状や、人的資源の確保において非常に先行きが不安な状況が続いていることを踏まえると、経営基盤は脆弱であると言わざるを得ない。一般の民間病院とは尺度が異なることは十分理解するが、現状の病院経営が長期的に持続可能なのかとの疑問を抱く。
8.来年度の病院運営事業に対する意見・要望
- 人口が減少している地域において、職員の確保は容易ではないと考えるが、引き続き多面的な取り組みが望まれる。
- 地域包括ケアの観点から地域を守る様々な仕組みと連携し、その中心的な存在としてリーダーシップを発揮し、住民の健康を守る砦として魅力ある医療活動を継続していただきたい。
- ここ最近の酷暑や豪雨などの異常気象等により、施設設備への負荷も大きくなっており、築年数が経過した建物ほど予期せぬ故障や不具合が発生する可能性が高くなっている。佐久間病院では想定外の故障や不具合が発生していないか気になるところ。病院としての将来展望(長期ビジョン)が描きにくい状況につき、施設への投資・修繕等の実行判断が難しいと考えるが、病院運営に支障が出ることがないよう、計画の実行や見直しをお願いする。
- 人員確保、収支構造改善、老朽化設備インフラの保全といった課題には対症療法的な取り組みでは抜本的な解決にならないと考える。
- 当該病院の経営課題とは全く異なる次元だが、診療圏域の人口減少のペースが続けば20年後には対象人口がゼロになるという可能性もあり、それを踏まえた上での長期的な視点から当該病院のあり方を議論する必要があると考える。