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更新日:2024年12月4日
懐山のおくない ふところやまのおくない (浜松市天竜区懐山)
平成6年12月1日 国指定重要無形民俗文化財
懐山のおくないは、数百年前から懐山に伝わる修正会(中世に各地で隆盛した寺院の正月行事)の一種で、1月3日に村の泰蔵院(たいぞういん)で行われる民俗芸能で、その年の安全、五穀豊穣、子孫繁栄などを祈る20余の舞が上演されます。
「鬼の舞」、「獅子の舞」など隣接する浜松市浜名区引佐町の「川名のひよんどり」、「寺野のひよんどり」との共通点が多く、これらは一括して、『遠江のおくないひよんどり』として、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
2020年(令和2)から新型コロナウイルス感染症対策として休止し、4年ぶりに開催されました。
今回、新たな担い手として天竜区懐山出身の大石紘明さんが加わりました。
【阿弥陀様の祭り】
泰蔵院内の阿弥陀様にお参り。
【三三九度の盃】冷酒を3杯飲む。
【伽藍様の祭り】
コウシバの葉を1枚ちぎり、口にくわえて屋外の伽藍様(小さな祠)に移動する。
筵を敷いて太鼓を置き、1人が神歌を唱えながら舞う。
【ジンの舞】
鈴と扇を持って1人が舞う。五方に繰り返す。
【三ツ舞】
鈴と扇を持って3人が舞う。
【槍の舞】
槍を持って1人が舞う。地面を突く動きで五方、中空を突き五方、天空を突き五方に舞う。
衣裳に赤い襷が加わる。
【両剣の舞】
両手に刀を持って舞う。地面を突く動きで五方、中空を突き五方、天空を突き五方に舞う。
【片剣の舞】
刀を持って舞う。地面を突く動きで五方、中空を突き五方、天空を突き五方に舞う。
【仏の舞】
2人がそれぞれ額に仏の面をつける。肩を組んで、右・左・右に「イチ、ニ、サン」と肩をゆする。五方に繰り返す。
【宵の獅子】
1人が猿のお面を左耳の上に鉢巻でとめて、獅子を五方に舞わせる。
【鬼の舞】
赤鬼、青鬼、黒鬼が「ウォー、ウォー」と声を出して登場。赤鬼はまさかり、青鬼は槌、黒鬼は金棒を持つ。道具を頭上で振り、振り終わると道具を背中に回して縦に持ち、飛び上がって一回転する。これを五方に繰り返す。
最後に松明を持った者が出て、鬼が松明を追いかける。
【猿追い】
猿面を左耳の上に鉢巻でとめて、3人が舞う。「ホイ、ホイ、ホイ」と肘を打つ舞を五方に繰り返す。
【駒の舞】
伯楽が駒を褒め、馬主と問答する演目。問答の内容を扇に記してある。狂言の原点が残る。
「コロコロコロ」と馬に語りかけるが反応が無い。「オロオロオロ」と声をかけると反応がある。商談が成立すると伯楽は駒のたてがみを切る。
【綿買い】
懐山の養蚕を祈願した演目。太鼓の上に「懐山真綿」「一番蚕」と記された箱が置かれ、箱の中には綿が入っている。綿買いがやってきて、百貫の値をつけて購入する。
「塩買い」とともにこの地の産業を表す。
【稲むら】
太鼓の上に1人が杵を持って乗り、しゃがむ姿勢から立ち上がり、稲の生長を表現する。最後に杵を天井に打つ。
【夜明けの獅子】
宵の獅子が再登場し、五方に舞った後に伏し、口に剣を噛ませる。獅子に餅を与えて終了し、見物人に餅投げをする。
【悪魔払い】
太刀を持って舞う。地面を突く動きで五方、中空を突き五方、天空を突き五方に舞う。
【田遊び】
見物人も加わり、二手に分かれて場内を走ってお互いすれ違う。4~5回繰り返す。
【汁かけ飯】
ネンネー(赤ちゃん)を背負った1人が現れ、ネンネーに汁かけ飯を与える。
見物人も汁かけ飯をお相伴する。
動画(しずおか無形民俗文化財ナビ)(別ウィンドウが開きます)
浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会が作成し、懐山地区に配布した資料です。
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