更新日:2026年1月29日
懐山のおくない
懐山のおくない、ふところやまのおくない(浜松市天竜区懐山)
平成6年12月1日、国指定重要無形民俗文化財
懐山のおくないは、数百年前から懐山に伝わる修正会(中世に各地で隆盛した寺院の正月行事)の一種で、1月3日に村の泰蔵院(たいぞういん)で行われる民俗芸能で、その年の安全、五穀豊穣、子孫繁栄などを祈る20余の舞が上演されます。
「鬼の舞」、「獅子の舞」など隣接する浜松市浜名区引佐町の「川名のひよんどり」、「寺野のひよんどり」との共通点が多く、これらは一括して、『遠江のおくないひよんどり』として、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
清竜中において体験授業を実施しました
令和8年1月20日、清竜中1年生を対象とした体験授業を実施しました。
保存会からの挨拶のあと、生徒が両剣の舞、三ツ舞、笛の演奏などを体験しました。

生徒からの感想を紹介します。
- 午後の短い時間での体験で私が学んだことは、笛や舞のすばらしさについてです。私は、初めておくないを見たのでとても感動しました。笛の体験をしてみて、上手に音が出なかったりしたので、保存会の方がすごい思いました。
- 実際に道具を手に取ったりすることで、おくないの長い歴史や、伝統を守る皆さまの熱い思いを肌で感じることができました。
- 私は、両剣の舞は地面や空中にいる悪魔をはらうものだと知りました。
- 簡単な踊りに見えて、いざやってみるとリズムが難しかったです。
令和8年1月3日、開催されました
- 日程:令和8年1月3日土曜日、午後1時から
- 場所:泰蔵院(浜松市天竜区懐山)
抜粋して紹介します。
三三九度の盃
冷酒を3杯飲み、ご飯を一口食べます。

伽藍様の祭り
コウシバの葉を1枚ちぎり、口にくわえて屋外の伽藍様(小さな祠)に移動します。三三九度の盃。冷酒を3杯飲みご飯を一口食べます。筵を敷いて太鼓を置き、1人が神歌を唱えながら舞います。
ジンの舞
泰蔵院に戻り、鈴と扇を持って1人が舞います。五方に繰り返します。

三ツ舞
鈴と扇を持って3人が舞います。

両剣のもどき
「両剣の舞」のあとに、さび刀を持って舞います。地面を突く動きで五方、中空を突き五方、天空を突き五方に舞います。

綿買い
懐山の養蚕を祈願した演目です。太鼓の上に「懐山真綿」「一番蚕」と記された箱が置かれ、箱の中には綿が入っています。綿買いがやってきて、百貫の値をつけて購入します。「塩買い」とともにこの地の産業を表しています。

今回のお祭りは、2025年11月に静岡文化芸術大学が「懐山のおくない―舞が紡ぐ祈り―」を開催したつながりで、静岡文化芸術大学の学生が舞に参加しました。学生から努力したポイントや懐山のおくないの魅力を伺いました。
- 良い舞ができるよう、指導してくださる方々の所作を観察して自身の舞に生かせるようにしました。また、背筋をしっかりと伸ばし、指先まで意識するなど、丁寧な舞を心がけました。
民俗色豊かで特徴的な面が用いられていること、行われる演目からかつて懐山に住んでいた人々の生活や願いを見ることができることが魅力だと考えます。またシンプルな舞が多く、演目の中にはその場にいる人全員が参加できるようなものもあり、親しみやすいところが懐山のおくないの良いところだと思います。
舞に参加させていただいたり、面を見せていただいたり、とても貴重な経験ができてうれしかったです。また展示を企画する際、懐山おくない保存会・浜松市無形民俗保護団体連絡会の皆様に多くのご支援をいただきました。深く感謝いたします。
現在日本には継続が困難になっている民俗芸能が多くあり、懐山のおくないもそのうちの一つだと思います。懐山出身でない私たちにできることは限られています。今回のように舞に参加するなど少しでも関わることで、おくないを継続したり未来に遺す支えになればうれしいです。
- 努力したポイントは、舞について詳しく知りたいと思い、手の向きや足の動かし方などを細部まで保存会の方に聞いたことです。
懐山のおくないの魅力は、面など懐山にしかない特有性を持っている点です。室町時代から多少なりとも変わってはいると考えられますが、文化を紡いできているためにこの特有性は現存しているのだと思います。
私は今年の懐山のおくないに参加しました。展示会・講演会の時には運営主体側であり、忙しかったために感じづらかった人々の一体性や温かさ、また舞のより深い民俗性を感じることができました。これらをこれからも残していきたいため、とりあえず大学4年間参加してその間に他の人におくないについて伝えていきたいです。
静岡文化芸術大学主催「懐山のおくない―舞が紡ぐ祈り―」が開催されました
詳細チラシ(PDF:370KB)
日程:2025年11月14日金曜日~19日水曜日、午前10時40分~午後5時50分
場所:静岡文化芸術大学、ギャラリー
内容:懐山のおくないに用いられる面、刀剣、祭具などを展示・公開
主催:静岡文化芸術大学、地域連携センター
共催:浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会
事前予約不要、入場無料
【講演会、懐山おくないの実演】
日程:2025年11月15日土曜日、午後1時30分から
場所:静岡文化芸術大学、講堂
懐山のおくない、資料
動画(しずおか無形民俗文化財ナビ)(別ウィンドウが開きます)
令和7年1月開催、懐山おくないの様子
令和6年1月開催、懐山おくないの様子
浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会が作成し、懐山地区に配布した資料です。
第1号(PDF:1,558KB)
第2号(PDF:1,700KB)
第3号(PDF:1,694KB)
第4号(PDF:1,900KB)
第5号(PDF:1,738KB)
第6号(PDF:1,725KB)